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BtoB製造業におけるデジタルマーケティングの第一歩!施策・成功事例から組織づくりまで

記事公開日:2023/07/20
最終更新日:2023/10/26
BtoB製造業におけるデジタルマーケティングの第一歩!施策・成功事例から組織づくりまで

最終更新日:2023年5月11日

「いよいよ本格的に、デジタルマーケティングに注力したいと思っています。」
「営業活動のデジタル化を推進していきたいです。」

そんな、BtoB製造業の方からの『デジタルマーケティング』の相談が年々増えています。

また、数年前までは「Web制作」や「MAツール」といった個別の施策として考えられていたものが、デジタルマーケティングというより広いくくりで考えられることが多くなっています。ツールやプラットフォームも年々増えており、データの統合やマーケティング部門とセールスの連携など、新たな課題も現れているのが実情です。それだけ、BtoBの製造業でも従来のマーケティング手法から脱却する必要性が出てきているといえます。

そこで本記事では、弊社がこれまで多く支援をしてきたBtoBの製造業が、これからデジタルマーケティングを始める上で知っておきたい基礎知識や、おすすめの実行ステップについてお伝えいたします。

 

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デジタルマーケティングとは?

まず、改めてデジタルマーケティングの意味をおさらいします。

デジタルマーケティングとは、デジタル技術を活用したマーケティング活動全般のことを指します。Webマーケティングと比較されることが多く、その違いとしてはSMSやSNSなど、Webサイトの施策以外も含むところが挙げられます。


下記がデジタルマーケティングとWebマーケティングの領域の違いの図です。

デジタルマーケティングとWebマーケティングの領域図


「デジタルマーケティング」という言葉自体はかなり昔から存在していますが、日本のBtoB製造業がデジタルマーケティングに取り組み始めたのは比較的最近で、これからますます注目が集まっていく分野と言えます。従来よりもWebで検索して情報収拾する人が、BtoB製造業でも増えてきているため、これからの時代にマーケティング活動を行なっていく上でデジタルマーケティングは外せない施策となっていくでしょう


参考までに、下記はGoogleトレンドで見た「デジタルマーケティング」の検索回数の推移ですが、2015年ころから検索数も増えています。

デジタルマーケティングの検索トレンド
Googleトレンドよりキャプチャ


コロナの影響で、ますますデジタル化に注目が集まっている昨今、引き続き取り組む企業が増えていくと考えられます。

 

【関連記事】

>製造業のWebマーケティングを解説!具体的な施策と”製造業だからこそ”の重要性まで

なぜ製造業にデジタルマーケティングが必要なのか?

続いて、今なぜ製造業にデジタルマーケティングが必要なのかを改めて解説いたします。

”日本企業”と言えばものつくり、つまり製造業が真っ先に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。中小企業も含めると多くの企業が存在し、それぞれが高い技術を持っているのが日本の製造業の特徴です。

しかし、BtoB製造業の多くの企業において、マーケティング領域のデジタル化がまだまだ進んでいないのも大きな課題となっています。そのため、せっかく良いものを作っても適切な人に届けることができていない状況が発生しているのです。


素晴らしい技術を持つ企業も多く存在するがゆえに、しっかりとデジタルの活用ができればもっと成果を生み出せるはずですし、グローバルに戦っていくことも可能です。実際にWebを活用して、海外でも事業を広げていく企業をこれまで多く見てきました。

また、BtoB企業の営業活動を効率化させ生産性を向上させるために、デジタルマーケティングに取り組む企業も増えています。特に最近は、コロナで足を運んで提案をする機会も減っているため、効率的に見込みリストを見つけるためには、デジタルマーケティングの施策が不可欠となります。自社の顧客が今現在何に興味があるのかを把握してアプローチしたり、検討タイミングを逃さないためにも、Webサイトやマーケティングツールの活用は不可欠になっています。

例えば弊社のMAツールを導入し、社内の意識を変えられていった以下の企業様も、もともとは営業部門での情報蓄積から始め、デジタルマーケティングまで手を伸ばしています。営業がこれまで獲得した名刺なども活用し、最終的には社内の意識の改革までつながっております。

グラスファイバー事業では、2017年頃から本格的にマーケティングに力を入れるようになりました。その中で、まずは営業部門で情報を蓄積していこうということでSFAを導入しました。
ただ、SFAだけだと情報管理のみになってしまい、マーケティングまでカバーできないということで、より効率的にデジタルにマーケティングを行うために、MAを導入しようということになりました。

2018年に初めて展示会に出展し、たくさんの名刺を獲得しましたが、管理が追いつかなくなってしまいました。そのため、名刺管理の機能も求めていました。

引用:ニューノーマルなビジネス環境に追いつくための意識改革を実現|日東紡績株式会社様





ただ一方で、BtoBの製造業がデジタルマーケティングに取り組むには様々な壁もございます。そもそもWeb経由で情報収集する層が他業界と比較して少なかったり、社内の理解が得られなかったりと課題は山積みです。


例えば、問い合わせから受注までの期間が長い製造業は、費用対効果の計測も困難です。そのため、費用対効果が明確に提示できないことを理由に、デジタルマーケティングの施策が頓挫してしまうことも多々あるでしょう。

そういった事態を防ぐためには、まずは短期的に成果が出やすい施策に集中し、受注までのプロセスを追う仕組みから作っていきながら、長期的にも成果を計測していく基盤づくりも重要です。


ちなみにデジタルマーケティングを活用した施策は大手企業だけではなく、むしろ中小企業や地方の企業にこそチャンスがあります。接点がなかったり地理的な理由で普段はアプローチできないターゲットにも、自社の技術力やサービスの魅力を知ってもらうことができるからです。そのため、しっかりとデジタルマーケティングに取り組むステップを知り、着実に成果を生み出し続ける仕組みづくりが必要となります。


ましてやコロナ禍では、どの企業も従来のマーケティング手法を活用しづらくなり、あらたな施策を模索しています。製造業も回復傾向にはあるものの、緊急事態宣言当初は幅広い業種で需要が大きく落ち込みました。また同様の危機が訪れた時に備えて、デジタルを活用したマーケティング活動で案件を獲得する仕組みを作っておくと安心でしょう

参考:総務省「コロナ禍における企業活動の変化

これは、仮に自社の製品がニッチな製品だっとしても例外ではありません。ニッチな製品だからこそ、狙ったターゲットに確実に情報を届ける必要があります。

 

そこで次章では、BtoBマーケティングの特徴をおさらいしつつ、日本の製造業がデジタルマーケティングに注力するにあたって「まずはここから取り組むべき」というポイントをご紹介いたします。本来デジタルマーケティングの施策は企業によって異なるのですが、今回は「まずは小さな成果を生む」という観点で、比較的再現性の高いステップをご紹介しています。成果が出ないうちに「うちはデジタルには向いていない」と諦めてしまう会社を、これまでたくさんみてきたからです。

これからデジタルマーケティングを始めたい製造業の方は、ご紹介する内容だけでも試していただけると幸いです。


【関連記事】
製造業DXの重要性とは?メリットや取り組み事例をご紹介

製造業ブランディングの基本を解説!主なメリットから大まかなステップまで

BtoB製造業のマーケティングの特徴とは?

本記事のテーマは”BtoB”製造業のデジタルマーケティングについてです。そのためデジタルマーケティングはマーケティング活動の1つになるため、より広義のBtoBマーケティングの特徴についても解説いたします。すでに取り組んでいる方にとっては当たり前の内容に感じるかもしれませんが、少しお付き合いください。


BtoBマーケティングとは企業が企業に向けておこなう商品開発、商談、契約までを含めた一連のマーケティング活動を指す言葉です。
BtoBはBusiness to Businessの略称で、B2Bと表記されることもあります。

BtoBマーケティングでは、企業向けにサービスが選ばれるためのマーケティング戦略を行います。対個人とは異なり取引の規模が大きく、契約に至るまでの期間が長いことが特徴です。また、検討に関わるメンバーも多いため、それぞれのフェーズのそれぞれの役職の方が欲しがるであろう情報を届けたり、取得できるようにしておく仕組みなども必要です。一般消費者を対象としたBtoCと重なる部分もありますが、異なる部分も多くあるため、「BtoBマーケティング」と分けて語られています。


【BtoBマーケティング関連記事】

>BtoBマーケティングとは?BtoCとの違いや主な手法、全体プロセスなどをご紹介!


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また、製造業は扱う製品によって購買頻度が異なります。機械等の単価の高いものと、部品などの低単価のものまでひとくくりで考えられがちですが、検討のフローや重視されるポイントも様々です。ただ、その中でも共通しているところとしては、「必要になったタイミングでアプローチができる状態かどうか」が挙げられます。これは新規と既存顧客で分けて考える必要必要があります。

新規の顧客(口座)獲得をするのであれば、まず情報収集の段階で認知をしてもらう必要があります。そのために、課題認識の段階から接点を持てるように、コンテンツを配信したりイベントに出展したりする必要があります。また既存顧客に関しては、自社が顧客の解決手段を持っていることを認知してもらえるようにメルマガを配信したり、営業マン自身がしっかりとリレーションを築いておく必要があります。

 

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まず取り組むべき領域はWebマーケティングから

広義の意味でのBtoBマーケティングや製造業マーケティングのご紹介をしてきましたが、ここからは本題の「BtoB製造業のデジタルマーケティング」についての解説を進めてまいります。

 

デジタルマーケティング”と申し上げましたが、まず第一にやるべきことはWebマーケティングの領域だと考えています。理由はシンプルに、直接的な数字に繋げやすく伸びしろも大きいこと、そして、デジタルマーケティングの施策を実施するにしてもWebマーケティングの施策領域は必ず通るためです。


SNSやメールマーケティングを始めるにしても、リードやコンテンツがなければ始めることができません。逆にWebマーケティングの基盤をしっかりと構築しておけば、そのコンテンツをほかのデジタル施策に活用することも可能です。となると、まずは全体像の設計は行いつつも、まずはWebマーケティング領域の施策を進めていき、徐々にそれ以外のデジタル施策に広げていくのが得策と言えるでしょう。


また、デジタルマーケティングを実施していく中で避けて通れないのがデータの分析ですが、日本の業種ごとおよび大企業・中小企業のデータを扱う人材の分布は以下のようになっています。


業界ごとのデジタル人材に関するデータ

引用元:「デジタルデータの経済的価値の計測と活用の現状に関する調査研究」(総務省/2020年3月)


大企業と比較して、中小企業はデータ分析専門の人材が少なくなっており、わずか3割にも満たない数値です。逆にデータ分析が専門ではない人が5割を超えており、多くの企業が専門ではないがデータ分析を行わなければならない状況にあると言えます。

そうなると、あれこれ施策を広げて複雑なデータを読み解くのではなく、シンプルな施策を打ちながら見るべきデータも絞り、データに慣れした人間を増やしながら施策を広げていく方が、日本の企業の実情としては現実的ではないでしょうか。

そしてなにより、いきなり手広く手をつけると、成果が出る前に「やらない」という意思決定をされる可能性があります。短期的な成果という観点でも、データ人材の不足という観点でも、まず取り組むべきは案件につながりやすいWebマーケティング施策からだと考えています。※ただし、短期的な施策をやりながらも中長期の施策の種まきは必要なので、後述します。

BtoB企業がデジタルマーケティングで商談を作る流れ

具体的な施策の紹介に入る前に、大前提となるデジタルを活用したBtoB企業の商談づくりの流れについてお話しします。冒頭でもお話しした通り全体像の明確化は重要で、自社の課題がどこにあるのかを見極める必要があるため、一度整理してみてください。

図解すると、以下のような流れでデジタル上での接点から売上へとつながっていきます。

BtoBデジタルマーケティングの流れ


各ステップごとに解説します。

①顧客との接点を持つ「集客」

顧客との接点を持つためには、まず集客について考える必要があります。

例えばどれだけ素晴らしいWebサイトを作ったとしても、ターゲットに見てもらえなければ意味がありません。自社サイトにビジネス上のターゲットを集められるような具体的な施策が必要です。例えばSEO対策やSNS運用を自社でおこなったり、広告を出稿したりと、集客の手法も様々なので、適切な施策を選択し、集客を行っていきましょう。

②個人情報を取得してコミュニケーションをとる

ターゲットを集めた後は、次のアクションを起こしてもらえるような仕掛けが必要です。代表的なものだと「お問い合わせ」や「資料ダウンロード」などの導線を用意し、ユーザーが閲覧して終わりではなく、継続的な接点を持てるように個人情報を取得します。

③コンテンツを配信し顧客を育成する

個人情報が取得できたら、そこに対して営業がアプローチするのが一般的な流れですが、お問い合わせをしてきたユーザーが必ずしも、今すぐにサービスを必要としているとは限りません。そのため、闇雲に電話をかけたりするのではなく、長期的な視点で、メルマガやセミナーなどで有益な情報を提供し続け、必要になった時に再度アプローチするような仕組みや設計も必要です。

また、提案をして失注した場合も、将来の見込み顧客として有益な情報を提供し続けることで、再び案件化することがあります。中長期に渡って良質な情報を届けることで、関係性を繋ぎ止めておくことができます。逆に言えば、短期的な利益のために無理な営業をしたり、強引なアプローチをしても最終的な売上は下がってしまいます。マーケティングからセールスまで、短期施策と長期施策のバランスは考えるようにしましょう。


④商談を行う

ニーズが高まってきたらアポイントを取り商談を行います。問い合わせの直後から商談になる場合もあれば、しばらくはコンテンツを通してコミュニケーションをとり、見込み度が高まってからアポイントにつながるケースがあります。いずれにせよ、顧客の検討のタイミングに合わせた適切なアプローチが重要となります。

以上がWebマーケティングの基本的な流れです。お気づきかとは思いますが、BtoBの場合、オンラインの施策だけではなくセールスの領域まで考えて設計する必要があります。そうなると、Web担当者1人が考えれば十分、というものではありません。Web担当者(マーケター)だけではなく、営業やCS等も巻き込んで、全体の流れを円滑に進めていくための組織づくりをおこなっていきましょう。

こういった流れの中で、自社のボトルネックがどこにあるのかを見極める必要があります。そのうえで、本記事で紹介するおすすめステップをご一読いただき、具体的な改善アクションを取っていただきたいです。


第一歩としておすすめのステップ

それでは、ここからはWebマーケティングで短期的な成果を出すための基本的なステップをご紹介します。企業の状況によって打ち手はことなるものの、多くの場合に当てはまるながれかと思いますので、ぜひ参考にしてください。

0.マーケティングの全体像を描く

Webマーケティングに取り組むその前に、マーケティング活動の全体像をしっかり描くようにしましょう。デジタルマーケティングもWebマーケティングも、あくまで手段の1つになるため、視野が狭くならぬように可視化しておく必要があります。

具体的には、全体の中でのWebマーケティングの役割、セールスとの連携、具体的なKPI、それを実現するための予算とアクションなどを明文化にしてください。

おそらくBtoBの製造業であれば、最初のKPIは商談数の最大化になるはずです。受注するために必要な商談数を、どういった流れでどのくらいの案件のパスが必要なのか、全体を整理して戦略を作っていきましょう。



BtoB製造業におけるマーケティングの全体像


いきなり上記をみると「なんだか難しそう」と感じてしまうかもしれません。ですが、自社ができていることとできてないことを整理していくと、意外とすんなり自社の現在地と次にやることが見えてくるはずです。それでも難しい場合は、外部のデジタルマーケティングのプロフェッショナルに相談すれば、力になってくれるはずですし、1年~数年で内製化ができます。そこまで粘り強く頑張りましょう。

 

また、全体像を把握する際には、下記のように各指標を分解して必要な数字を割り出していくこともおすすめです。


デジタルマーケティングにおけるKPIツリー



WebマーケティングのKPI設定例


施策を実施していると、どうしても部分最適になったり、視野が狭くなったりしがちなので、立ち返る場として用意しておくことをおすすめします。

1.ターゲットと検討のフローを明確にする

それでは、具体的にWebマーケティングの施策に入っていきます。まずは自社のビジネスのターゲットを明確にします。ここをしっかり行っておかないと、誰に向かってコンテンツを配信する必要があり、何が不足しているかの判断が難しくなります。


「ターゲット」とざっくり述べましたが、ここではペルソナとカスタマージャーニーマップという考え方が非常に役に立ちます。具体的なターゲットの人物像を作り、自社と契約するまでの心理的な流れや必要となるコンテンツを設計します。


例えば下記は、BtoB製造業の顧客の中で製品が検討されるフローのサンプルです。こういった流れを整理したうえで、自社に必要なコンテンツを明確にします。


とある企業の検討フローと担当者の行動例▼

とある企業のカスタマージャーニー



求められる情報の整理▼

求められる情報の想定



こちらのフローの整理は非常に重要になるため、次章で詳しく解説いたしますが、ここで抑えておきたいのは購買センターの存在です。BtoB製造業は複数の人間が検討に関わっていくため、主要なペルソナは簡単にでもいいのでまとめておくとよいでしょう。


【関連記事】

ペルソナ設定って?作り方は?~顧客の心動かすマーケティングの基礎~~

【無料テンプレートあり】カスタマージャーニーとは?メリットデメリットから作成の手順までを解説!

2.最低限の受け皿としてWebサイトを整える。

どれだけ集客をしても、受け皿が穴だとだったらザルに水を入れるのと同じです。まずは最低限受け皿としてWebサイトを整えましょう。でなければSEOや広告で集めたユーザーもすぐに離脱してしまいます。


例えば、「しっかりとお問い合わせの導線があるか」「デモ機の貸し出しフォームは設置されているか」「資料請求の導線はファーストビューにあるか」などなど、基本的な整備を行なっていきます。


特に重要なのはファーストビューとCTA(問い合わせの導線)です。まずは第一印象で貴社が何の企業なのかがはっきりわかるようにし、促したいアクションが明確にわかるような導線を設置しましょう。


最低限の対策はやっておかないと成果につながりにくいのと、ご紹介した内容程度であればWebサイトのリニューアルのような数百万円単位の予算を使わなくてもできるはずです(多少の改修で費用がかかることはありますが)。


【関連記事】
とはいえ、最低限の基盤が整っていない場合はWebサイトのリニューアルをおすすめしています!
流れや必要なものに関しては下記の記事をご参照ください!

>【2022年版】成果を出すWebサイトのリニューアルの進め方とは?手順から費用感、準備項目などを解説

>【BtoB企業向け】Webサイトのリニューアルを失敗しないための13のステップ

3.どの手段で集客をするのかを決める。

受け皿を整えたら今度は集客手段です。ターゲットがどこから流入してくるのか仮説を立て(理想としては直接顧客に聞き)、集客手段を決めましょう。


ちなみにBtoBのニッチな業界であればそれほど有効な集客手段は多くありません。第一歩としては、まずはSEOとリスティング取り組むのが効率的だと考えています。SEOについては競合もそれほど多くないので上位表示が狙いやすく、またリスティング広告もそれほど単価が高くない(月に数万程度で十分)ため、効果的なキーワードを見極めるのに有効です。


集客施策に関しては、カスタマージャーニーマップを作成する段階でもある程度想定しておくとスムーズです。全体像を俯瞰して、最適な手段を選ぶようにしてください。

4.顕在ワードでSEOの1位を取る。

具体的な集客施策としてのSEOをご紹介いたします。

一般的に、検索順位に囚われすぎるのはよくないと言われますが、BtoBのニッチな業界であれば顕在ワードでは1位にこだわった方が良いと言われています。かけるコストに対して、リターンが大きいからです。

※キーワード選びについては下記の記事も参考にしてください。

SEOのキーワード選定の手法まとめ!お役立ちツールや無料で使えるサイトまで!

BtoBのニッチな業界は、競合もそれほど多くなく、検索順位でも上位を目指しやすいです。当然上位に出れば競合よりも多くのアクセスを集めることができます。そしてニッチだからゆえに、検討度合いや緊急度も高いことが多いので、確実に接点を持てるようにしましょう。


また、BtoB製造業の”顕在”ワードは、業界によって様々です。一見技術情報を調べに来ているだけに見える人も、その技術を扱っている業者を探していたり、特定の用途や目的を求めて探している人も多く存在します。単に固有名詞だけではなく、実際に顧客から相談を受ける内容をベースに、自社にとっての”顕在”ワードを見つけるようにしてください。


そのキーワードに対して、しっかりと答えになるようページを作り込んでいれば、確実にCVの数を増やすことができるので、まずは良質なコンテンツ作り、その結果として検索結果で上位に表示される状態を目指しましょう。


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製造業のSEOにも使える無料のチェックリストと記事づくりの資料です!

「基本のSEOチェックリスト」

「SEOの基礎と記事コンテンツの作り方」


5.リスティング広告をかける。

BtoBの製品の場合、キーワードボリュームもそれほど多くないので、顕在ワードでリスティング広告を少額で出すのもおすすめです。


可能であればある程度まとまった金額(数十万円以上)で、ただし本当にニッチな業界ではなかなか予算が消化しきれないこともあるので、時間をかけるか網を広げて出稿する必要があります。この辺りは代理店も多く存在するので、相談してみても良いかもしれません。


広告を出稿することで対策すべき(引き合いにつながりやすい)キーワードがわかったり、成果を早く実感できたりと、様々なメリットがあります。先ほども申し上げた通り、BtoBの顕在ワードは確度も高いです。検索本格的にWebに注力するのであれば、この辺りは惜しまず投資していきましょう。


【Web広告関連資料】

『Web広告サービス比較12選』


また、新製品のニーズがあるかを試すのにもリスティング広告はおすすめです。いきなりローンチするのではなく、まずは簡易的なページと想定されるキーワードで少額の広告を出し、引き合いが来るかを確かめることでリスクを減らすことができます。そういった意味でも、やはり第一歩としてのリスティング広告の出稿はとても費用対効果が高いように感じます。

6.安価なMAで最低限のトラッキングをする。

せっかく広告も使ってアクセスも集めたのであれば、企業ログをためておいた方が後々の費用対効果は高くなることがあります。


広告のゴールはCVになりますが、もちろん全てのユーザーがCVに繋がる訳ではありません。そのため、CVにつながらなかった企業のトラッキングや、CVに繋がったものの受注につながらなかった案件などを追客する上で、安価なMAツールなどを入れてログを貯めておきましょう。


このときに、最初から高額かつ高機能のMAツールを導入すると、使いこなせず無駄になってしまう可能性があります。初期段階でとにかく重要なのは、必要な時に必要なリストが適切に引き出せることです。


MAツールの多くはシナリオや自動化、スコアリングなどが主な特徴ですが、使いこなせるのはマーケティングの組織がすでに存在し、リソースが避ける場合のみです。逆に言えばそういったフェーズでは十分に検討の余地はありますが、これからWebサイトを活用しようという段階でそこまでの機能はいらないので、フェーズに合わせて適切なツールを選ぶようにしてください。


手前味噌で恐縮なのですが、弊社で提供しているBowNowも無料から使えるツールです。まずはこういったものから始めて、ミニマムの成果を出すのが良いかと思います。

無料で使えるマーケティングオートメーション「BowNow(バウナウ)」

 

また、製造業の営業現場で「マンネリ化」が課題になることも多いと思いますが、顧客がどのコンテンツを見ているのかを把握できるだけでも、話題になり提案に繋げられるかもしれません。トラッキングコードを設置しておかないと後で遡ってログも見れないため、安価でも最低円設置するようにしてください。

7.Webサイトの改善活動をする。

ある程度アクセスの母数が集まってきたら、Webサイト内の改善を行いましょう。0.のフェーズで立てた全体像において立てた目的が達成できているのかを確認しつつ、差異を埋めていくフェーズです。


Webマーケティングは初めからうまくいかないことも多いので、一喜一憂せずに冷静に原因を分析することが重要です。


ちなみに、ターゲットが集まっていないサイトの分析や改善をしても意味がないので、まずは”最低限”受け皿を整える→集客→改善の流れは徹底してください。この改善を回すためにも、短期的な施策であるWeb広告と、長期的な施策であるSEO(コンテンツ施策)は両立してやっていく必要があります。


参考:Webサイトの流入からコンバージョンの流れ▼
Webサイトから成果を出す流れ

8.営業アプローチする。

当たり前ですが、Web施策が回り出したら営業のアプローチが必須です。先ほども述べた通りアプローチの体制をつくり、営業活動を行いましょう。


また、Webサイトの資料ダウンロードやホワイトペーパーなどで獲得したリードにコールをし、まずはセミナーに集客するといった段階的な営業活動もおすすめです。いきなり商談にならなくても、少しずつ見込み顧客を育てていきましょう。


このフェーズは引き合いが発生したら即アクションすべきなので、8.としているものの常時実施していく必要があります。MAツールにログがたまっていたら、アプローチのリストとして使用するのもおすすめです。早期で成果に繋げることで、Webサイト運用のモチベーションアップにもつながり、社内の理解を得られやすくなります。

9.潜在ワードの検索順位を取る。

ある程度顕在ワードで成果がではじめたら、潜在顧客にまでSEOの獲得ワードを広げます。すぐに検討ではないにしろ、情報収集をしている企業もたくさんあるからです。


いきなりゼロから始めるというよりは、当初からある程度計画を立てておき、本格的に狙いにいくイメージです。例えば情報収拾段階で検索するキーワードを獲得し、そこからリードを獲得するためのハードルの低い仕掛け(ホワイトペーパーなど)を設置します。作成するコンテンツも、できれば社内にある資料などを転用して、工数を削減するなどの工夫をしてください。


潜在層のユーザーは検討期間も長くなるので、中長期的な施策としてじっくりと取り組んでいくと良いでしょう。また潜在的なユーザーには定期的なメルマガ配信なども有効です。

 

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>メールマーケティングとは?成功事例や目標設定方法などを集約しました!

10.広告のターゲットも広げてみる。

広告に関しても、潜在層までターゲットを広げたり、これまで出していなかった媒体にもチャレンジしてみましょう。例えばSNS広告はBtoCのイメージが強いものの、実際は効率的にセミナーの集客ができる、といったパターンも多く存在します。


仮説を立てたうえで、戦略的に"面"でとっていくことをおすすめします。

11.全体のPDCAを回し、施策を広げる。

ここまでをきっちりやれば、最低限のCV数が取れてくるはずです。そこから先の商談も生まれてくるはずなので、施策の幅を徐々に広げていきましょう。また、Webからの成果が上がっているのにアポイントや商談が増えない場合は、視野を広げた改善が必要です。セールスとマーケティング(Web担当者)で協力して、成果を最大化できるようなアクションプランを作りましょう。


以上、ざっと流れを書いてみました。企業の状況によって順番は前後しますが、大事なのはいきなり多くのことに手を出さず、まずはインパクトの大きいところ集中することです。リソースや予算が潤沢にない場合も多いと思うので、まずは短期的な成果を出しつつ、長期的な施策の準備を進めるようにしてください。

そうなると必然的に、Webマーケティング以外の施策に幅が広がっていき、MAやSFAを活用した本格的なデジタルマーケティングに取り組むようになります。地に足つけて、少しずつ自社のデジタル化に取り組んでいきましょう。


BtoB製造業のカスタマージャーニーに沿った情報提供

第一歩としてのおすすめのステップをご紹介してきましたが、「1.ターゲットと検討のフローを明確にする」に関してはもう少し深掘りして解説いたします。

以下の図は、先ほどもご紹介したカスタマージャーニーの一例ですが、こちらに沿って検討のフローを明確にしておくことで、その先のステップもブレずに進めることができます。

また、コンテンツ作りに関しても、このフローに沿って作成することで漏れをなくすことができるため、セールス、マーケ、カスタマーサクセス、インサイドセールスなど、各部署の現場の方々で情報を持ち寄り、作成することをお勧めします。

カスタマージャーニー



すでに述べた通り、BtoB製造業では、使用者と購入決定者(決裁者)が別々であるケースが多く、また、BtoCと比べて検討フェーズ(上図の「無関心」から「業者選定」まで)が長い傾向にあります。よって、検討中に各担当者が意思決定の判断材料として使えるような情報を適切なタイミングで与えていくことが大きなミッションとなります。

ここからは「情報提供」に焦点を当て、BtoB企業が取り組むべきデジタルマーケティングの主な施策をフローに沿ってご紹介します。

無関心フェーズ

【見込み客の行動】

ターゲットとなる見込み客は何らかの課題を抱え、ネットで課題解決に結びつく情報を検索します。そして、課題解決に役立ちそうな商品やサービスの導入を検討し始めます。さらに、関連する商品やサービス名をチェックします。

【提供する情報】

手段 Web広告、コーポレートサイト、サービスサイト、ECサイト、ブログ記事型のオウンドメディア、SNS、展示会 など
内容 該当する課題解決の方法やヒントなどのノウハウ情報、アドバイス

自社製品・サービスが解決できることを、根拠を交えながらアピールします(Web広告、コーポレーとサイト、サービスサイト、ECサイト、展示会など)。
また、自社が蓄積してきたノウハウから、ターゲットが抱える悩みや課題を解決するためのヒントを提供することで、その分野に豊富な知識や実績を持っていることを示すこともできます(ブログ記事型のオウンドメディア、SNSなど)。
まだターゲット自身が問題とは捉えていない潜在的な課題を掘り起こすのもこのフェーズです。

課題認識~ニーズが高まるフェーズ

【見込み客の行動】

課題を認識した担当者は、課題解決のための商品・サービスを導入したいと上司に申し出ます。上司が課題を認識します。課題を認識した上司が解決のための商品・サービスを導入するかどうかを検討する段階です。

【提供する情報】

手段 コーポレートサイト、サービスサイト、ECサイト、データベース、メール(ステップメール、メルマガ)、ホワイトペーパー、インサイドセールス、カタログ、セミナー など
内容 課題解決の方法、商品・サービスの詳細 など

ひとつ前の「無関心フェーズ」からここまでの間に担当者からなんらかの接触を受けており、「課題認識フェーズ」では見込み客として担当者の情報を得ているという前提です。
担当者側の自発的な動きによってWebサイト上の情報を閲覧してもらうほか、メルマガ配信などのプッシュ型の情報提供を行います。
また、営業担当からのコンタクトにより課題の詳細をヒアリングしたり、場合によっては商談のアポイントを取り付けたりといったアクションも必要です。

解決模索~要件定義フェーズ

【見込み客の行動】

上司が課題解決のために商品・サービスを導入することを許可すれば、担当者は導入先の企業候補を絞り込むため、類似商品・類似サービスを集めて比較検討します。スペックや費用などを比較するため相見積もりをとります。

【提供する情報】

手段 コーポレートサイト、サービスサイト、ECサイト、データベース、ホワイトペーパー、カタログ、セミナー、メール(ステップメール、メルマガ) など
内容 商品・サービス詳細情報(スペック、費用感など)、導入実績、FAQ、企業情報 など

フェーズ内にはさらにさまざまな段階の見込み客がいるため、それに応じて必要としている情報も幅広く、提供すべき情報が一番多いのがこのフェーズになります。
具体的な施策として、ステップメールやメルマガによるナーチャリングや、自社と見込み客との信頼関係の構築、Webサイトや電話による問い合わせ対応、セミナーや相談会などのイベントで対面による質疑応答、訪問による商談などが挙げられます。
また、承認を行う上司や決裁者(社長)からは、企業としての信用を得る必要があるので、商品・サービスの納入実績ページやコーポレートサイトの企業情報ページや整備されていないようならこのフェーズまでに情報を充実させておくことも必要です。

導入検討~業者選定フェーズ

【見込み客の行動】

要件定義フェーズでの決定事項を満たす商品・サービスを担当者や上司、場合によっては決裁者も交えて比較検討し、どの企業を選ぶかを決定します。その後、稟議書を上げて決裁者が承認します。

【提供する情報】

手段 コーポレートサイト、サービスサイト、ECサイト、ホワイトペーパー、カタログ など
内容 商品・サービスの概要・スペック・特徴(特長)、類似サービスとの比較表、導入実績 など

競合製品・サービスと比べたときの特長をアピールします。Webサイト上に、どんな企業に向いているか?といった情報を掲載したり、競合他社が提供する類似サービスとの比較一覧表など、稟議書にそのまま添付できるような資料をホワイトペーパーで提供して担当者の手間を省いてあげると良いでしょう。

使用フェーズ

【見込み客の行動】

契約後、見込み客は商品・サービスの使用をスタートします。 問題なく商品やサービスの利用を継続させるため、メンテナンスや不具合が起きた時の対応、アップデート情報などに関心が移ります。

【提供する情報】

手段 コーポレートサイト、サービスサイト、ECサイト、ホワイトペーパー、メルマガ など
内容 メンテナンス情報、故障対応に関する情報提供、アップデート情報、新製品リリース情報 など

購買後、顧客フォローのための情報提供を行う必要が出てきます。コーポレートサイトやサービスサイト、ECサイトにアフターフォローのページを設けたり、顧客側で行うべきメンテナンス方法をホワイトペーパーで提供したりといった施策があります。
また、アップデート情報や新商品情報をメルマガや営業フォローなどで提供することで、リピート化をうながすことも大切です。

上記はあくまでも一例で、各フェーズで行うべき施策は、商材やターゲット(ペルソナ)によって変わってきます。

当初のデジタルマーケティングの目標が、カスタマージャーニーの各段階にいるターゲットユーザーに対し、適切な対応をして成約ないしリピート購買につなげていくことであるのを念頭に、前章でご紹介した理想像と照らし合わせながら施策の評価を行って改善につなげていきましょう。

その他のデジタルマーケティング施策

ここまで紹介したデジタルマーケティングの手法はあくまでWebマーケティングの領域で、かつ一部の領域に限ったものです。ですが、施策が進んでいけば他の手段も必要になるはずです。

ここでは、代表的なデジタルマーケティングの手法をいくつかご紹介します。


メールマーケティング

保有しているハウスリストに対してメールの送付をおこなう施策です。MAツールやメルマガツールを活用してメールを送付します。特定のアクション(資料ダウンロードやページ閲覧等)をトリガーとして自動的にメールを送付することも可能で、段階的なステップメールを送ることで見込み顧客を育成&検知することにも役立ちます。

前章でMAを設置しておくことを推奨したのも、いざメールマーケティングを行う際にトラッキングログがたまっていた方が、運用時に便利だからです。

また、ハウスリストは営業の過去名刺なども有効なので、マーケティング部門に集約してメールを送れるよう連携を取っていきましょう。


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SNS運用

企業のSNS運用(Facebook,Twitter,Instagram等)も一般的になってきました。BtoB企業でも代表がSNSを運用して認知度を向上させたり、リクルーティングに使ったりと、その幅は広がりを見せています。

BtoCと比較すると運用の仕方は異なりますが、基本的にはSNSの特性を活かして会社の情報や、他ユーザーとコミュニケーションをとることで、関係性を築いていきます。

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動画マーケティング

スマホの普及から動画のニーズが年々高まっています。通信速度も4Gから5Gに変わり、ますますマーケティング施策としての動画が有効となっていきます。

BtoB製造業の動画の活用手段としては、製品の使用イメージを動画でわかりやすく解説したり、マニュアルを動画で公開したり、リアルで聞いているような体験をオンラインに置き換えることが多いです。

特にコロナ禍では、対面での打ち合わせや訪問見学などが難しいことが多くなっており、オンラインで製品検討をされる比率が増えています。動画を有効に使って、製品訴求をする施策は今後も広がりを見せるでしょう。

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AR

最後にご紹介するのがARの施策です。まだまだこれからの市場ではあるものの、今後市場規模の拡大が予想されているビジネスAR。

例えば製造業なら、機械のサイズ感をオフィスに居ながら確かめたり、工場での設置イメージを確かめたりすることが可能です

省スペースや小型化を強みとしている製品もあるかと思いますので、より魅力を訴求するためにも役立つでしょう。また、ARからのリンクにトラッキングのMAツール等のタグを設置しておけば、何らかの形でアプローチも可能です。

ぜひ施策の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。

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デジタル施策のトレンド「オンライン展示会」とは

続いては、デジタルマーケティング関連の最近のトレンドとして「オンライン展示会」をご紹介いたします。これまでオフラインで実施していた展示会をオンラインに移管して実施するもので、製造業を中心に多くのBtoB企業から注目を集めています。

 

出展方法やブースの形式は様々ですが、自宅にいながら訪れることができたり、地方の企業が都心にアプローチできたりと、デジタルを活かしたメリットが多く存在する施策です。

 

デジタル施策の中でも比較的新しいものにはなりますが、今後ますます主流になっていく可能性があるので、ぜひ合わせて理解を深めていただけると幸いです。

 

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デジタルマーケティングを実行するBtoB企業の組織体制について

ここまでWebマーケティングの実行ステップについてご紹介してきました。ではこのステップはどんな組織体制で実施すれば良いのでしょうか。


実は、デジタルマーケティングに取り組む上で多くの企業が悩むのが体制づくりです。いきなり多くの人間を配置しても利益が出る保証もなく、リソースが少なすぎても思うように施策も回りません。


そこで今回おすすめするステップは、まずはミニマムの成果を出し、その成果をもって組織を変えていくというものです。いきなり専任担当をつけられたら理想なのですが、リソースが潤沢にある会社ばかりではありませんし、それなりにリスクがあります。当たり前の話になるのですが、まずはミニマムの成果を出してから、できる範囲の組織改革から始めましょう。



例えば、まずは兼務のWeb担当者を置いてサイトの分析やホワイトペーパーづくりをしたり、コンテンツ作りに着手してコンバージョンを増やす、といった行動が挙げられます。少しずつ見込み顧客との接点を増やし、案件につなげていくことで、社内の協力も得られやすくなります。



また、すでにある程度ハウスリスト(過去名刺など)がある場合は、それらをインポートしてメールマーケティングを行うのもおすすめです。そこからアポイントにつなげ、営業が受注することで、より多くのリソースをWebマーケティングに割くことが可能となります。


こういった工夫をしながら、まずは成果につながる施策に集中して、実施していきましょう。


そして、最終的に生産性を最大化させるのであれば分業制の組織もおすすめです。まずは社内に知見をため、上層部の理解を得たあとは、しっかりと仕組みを作っていくとよいでしょう。





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BtoB企業がWebマーケティングを実施するための社内体制について

デジタルマーケティングに成功しているBtoB製造業の特徴

続いては、弊社がデジタルマーケティングを支援している中で成功している企業の特徴を述べてまいります。施策の成否というよりも、こういった状況・スタンスであれば成果につなげることが可能、といった内容となります。ぜひ参考にしてください。

・経営者が前向き

大前提として、経営者(もしくは経営層)がデジタルに前向きでなければ施策が進みません。よくある失敗パターンが、担当者はやる気になっているが予算がおりなかったり、協力者が進まなかったりするパターンで、施策が実施できなければ当然成果は生まれません。逆に言えば、経営者が前向きに施策を推進してくれれば、仮に1つや2つ施策の成果が芳しくなくても、PDCAを回し続ければ成果につなげることができます。もちろん事業なので失敗続きではダメですが、チャレンジ精神がなければ新しい施策が成功することもないのです。

余談ですが、弊社のお客様の中でも代表が交代したタイミングで施策が一気に進むことが多々あり、実際に成果も出し、利益にもつながっています。そういう経験があるからこそ、やはり経営層の理解はマストと確信しています。

しっかりと意思決定をして、全社的に取り組んでいけるように体制を整えていきましょう。

・社内キーマンが協力的

施策を進めるにあたって重要なのが社内キーマンの協力です。各部署からコンテンツをもらったり、リードに対してしっかりアプローチしてもらうには、社内で交渉力のある味方が必要です。事前に根回ししておきましょう。

また、この協力体制を作るためにも、やはり経営層の理解が必要だと言えます

・営業とマーケティングの双方が戦略MTGに参加している

デジタルマーケティングに取り組むにあたって、営業とマーケティング(Web担当者)の協力は不可欠です。そのため、一方しか戦略MTGに参加していないと合意をとるのに時間がかかる可能性があるため、可能であれば双方が戦略のMTGに参加するようにしましょう。


経営/事業指標の中でとらえられている

全社的に取り組んでいると宣言しても、具体的な経営指標に組み込まれていなければ、施策は後回しになってしまいます。仕組みを作るうえでも、最終的な成果から逆算して経営指標としてデジタルの成果をとらえるようにしましょう。


小さな成功体験を積み上げている

デジタルマーケティングは積み重ねが重要です。1つ1つは地味な作業でも、積み重ねることで大きな成果を生み出すことができます。例えば私が書いているこの記事も、単体ではすぐに利益につながるものではありませんが、毎週、毎月と続けてきたからこそ、商談創出に寄与しています。

特に担当の方は1人で作業をして孤独を感じることも多いかとは思いますが、日々の小さな成功体験を積んでいくことで、自身のモチベーションを管理しつつ地道に成果につなげていってください。

 


以上、デジタルマーケティングにおいて成果を出している企業の特徴を簡単に述べてまいりました。

デジタルマーケティングの一歩を踏み出す上で、まず重要なのは会社としてのスタンスです。ノウハウや知見は外部のパートナーをみつければ得ることができますが、行動を起こすことができなければ全てが無意味となります。

まずはトップが意思決定をして、キーマンを巻き込み、戦略MTGで合意を取る。そうして少しずつでも、施策を進めていってください。

デジタルマーケティングに取り組む製造業の事例

最後に、デジタルマーケティングに取り組む企業の事例を1つご紹介します。ぜひ参考にしてください。

アイメックス株式会社様

URL:https://www.aimex-apema.co.jp/

アイメックス株式会社様は、東京都墨田区に本社を構える機械メーカーです。ロールミルやビーズミルといった機械を製造販売しております。

この10年で2回ほどWebリニューアルを実施しており、MAツールやWeb広告、オンライン商談の積極採用など、デジタルの施策にも前向きな企業となります。代表や営業部長の方もWeb戦略のMTGに参加することで、先進的な取り組みをいち早く取り入れることに成功しており、デジタル化を目指す製造業の企業の模範となる活動をしている企業です。

1度目のWebリニューアル時にはCMSの導入と問い合わせが増える仕組みづくりを、2度目のリニューアルではより現代のユーザーに合わせたデザイン刷新やりレスポンシブ対応を行っています。

それぞれのきっかけとしても、中長期の運用の中で必要性が生じたために踏み切った背景があり、それ自体が目的というよりは手段としてリニューアルを実施しています。実際に施策も成功しており、Web経由での引き合いや商談数も年々増えております。こういった企業がどんどん増えていくことで、日本全体のデジタル化が一気に進むと信じています。

BtoB製造業のデジタルマーケティングは着実な施策から

BtoBの製造業がやるべきデジタルマーケティングについて解説してきました。今回ご紹介した内容は限定的な内容ではあるものの、多くの企業がたどるステップではあります。組織上の壁もありなかなか進めるのが難しい場合もあるとは思いますが、それはどの企業も同じです。だからこそ、やはり経営の判断がマストと言えます。着実に、成果を生み出していき、仕組みを作っていきましょう。


また、具体的なデジタルマーケティングのtodoは企業によって異なります。ぜひ本記事を参考にしつつ、貴社にとって最適な形を導き出していただきたいです。そしてまずは、第一歩を踏み出してください。



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  • Written by
  • 小木曽 一馬
  • クラウドサーカス株式会社 マーケティンググループ

    プロフィール :

    2013年に新卒でスターティアラボ株式会社(クラウドサーカスの前身)に入社。2014年よりWebマーケティング事業のカスタマーサクセスに従事し、立ち上げから責任者までを務める。もともと1人での活動から6人まで組織を広げ、顧客成果を追求しながらもアップセルやクロスセルを生み出す仕組みづくりを行う。以降はコンサルタントやパートナー開拓の新規事業を経て、現在はマーケティンググループに所属。個人でもnoteやTwitterで発信しており、写真も撮る。

    Twitter→@ogisokazuma



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