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UXとは?UIとの違いや重要性、事例、改善方法までわかりやすく解説!

記事公開日:2024/05/16
最終更新日:2025/11/04
UXとは?UIとの違いや重要性、事例、改善方法までわかりやすく解説!

【この記事の要約】

このページは、デザインカテゴリの中でも特に「UX(ユーザーエクスペリエンス)」に焦点を当てた記事を一覧でまとめたサブカテゴリページです。UXとは、ユーザーが製品やサービスを通じて得られる「体験」全体を指します。

このページに掲載されている記事では、UXの基本的な考え方から、その向上に不可欠な「UI(ユーザーインターフェース)」との違い、さらにはユーザーの行動や心理を可視化する「カスタマージャーニーマップ」の作成方法まで、優れたUXを設計するための具体的な手法が解説されています。ユーザーにとって「心地よい」「分かりやすい」体験を創出し、顧客満足度とビジネス成果の両立を目指すための知識が集約されています。

 

【よくある質問と回答】

「UX」と「UI」の最も分かりやすい違いは何ですか?

UIは「接点」、UXは「体験」です。UI(ユーザーインターフェース)は、Webサイトのボタンや文字の見た目など、ユーザーがプロダクトと接する部分そのものを指します。一方、UX(ユーザーエクスペリエンス)は、そのUIを通じてユーザーが感じる「使いやすい」「楽しい」といった感情や体験全体を指します。優れたUIは、優れたUXを実現するための要素の一つです。

UXを向上させると、ビジネスにどんないいことがありますか?

顧客満足度が高まり、リピート利用や口コミに繋がります。使いやすく、心地よい体験を提供することで、ユーザーはそのサービスやブランドのファンになります。これにより、解約率が低下したり(LTV向上)、SNSなどでポジティブな評判が広まったりと、持続的なビジネス成長に大きく貢献します。

このページの記事を読むと、UXデザインについて何が学べますか?

UXの基本的な定義から、それを改善するための具体的なフレームワークまで学べます。特に、ユーザーの行動や心理を理解するための「カスタマージャーニーマップ」や「ペルソナ」といった、UXデザインの現場で実際に使われている手法について、その作り方や活用法を詳しく知ることができます。

 

【ここから本文】

UXとは、「製品やサービスを通じて得られる体験」を意味する言葉です。より良いUXは、顧客満足度向上、リピーター獲得、サービスの継続率向上などにつながる、企業を発展させるための大切な要素だと考えられています。実際に近年、目覚ましい成長を遂げる企業の多くが優れたUXを提供しています。

 

本記事では、UXの基本的な知識のほか、UI・ユーザビリティ・CXとの違い、参考になる事例、UXの改善方法まで、詳しくご紹介します。

 

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UXとは何か

UXとは、ユーザーがサービスや製品を通じて得られる「体験・経験」を意味する言葉です。「User Experience(ユーザーエクスペリエンス)」の略称で、日本語では「ユーザー体験」「ユーザー経験」と訳されます。

 

UXが指す「体験・経験」には、製品やサービスの利用前、利用中、利用後までの全ての期間が含まれます。例えば、「読みやすいWebサイト」「統一感のあるWebデザイン」「直感的に操作できる使いやすさ」「利用後に得られる心地よさ」などがUXに含まれます。

 

UXとUIの違い

UXとUIの違いの図

 

UIとは、「User Interface(ユーザーインターフェース)」の略称で、ユーザーと製品やサービスの「接点」を意味する言葉です。Webサイトの場合、ユーザーが閲覧した際に目に入る文字のフォントやサイトデザイン、画像、色などの要素がUIになります。

 

UIはUXの一部です。例えば、Webサイトで「ほしい情報にすぐ辿りつける、ストレスのない体験(UX)」を提供するためには、「読みやすいフォントや配色」「迷いにくいボタンの配置・レイアウト」などの、優れたUIが必要になります。つまり「良いUXには良いUIが必要」といえます。

 

ただし、良いUIだから良いUXとは限らず、両者はイコールで結ばれる関係ではありません。読みやすく使いやすいデザインであっても、ユーザーが求めるものでなければ良いUXを提供できているとは言えません。

UXとユーザビリティの違い

UXとユーザビリティの違いの図

 

ユーザビリティ(Usability)は、UXに影響を与える要素のひとつです。日本語に訳すと「使いやすさ」「使い勝手」になりますが、ビジネスで使われるユーザビリティにはもっと複雑な意味が含まれます。

 

代表的なユーザビリティの定義として、国際規格の「ISO 9241-11」が挙げられます。

 


 

ISO 9241-11
extent to which a system, product or service can be used by specified users to achieve specified goals with effectiveness, efficiency and satisfaction in a specified context of use
引用:ISO 9241-11:2018

 


 

(日本語訳:システム、製品、サービスを特定のユーザーが使用し、特定の使用状況において、効果、効率、満足感をもって特定の目標を達成できる度合い)

 

簡単にいうと、ユーザビリティとは、特定のユーザーが、特定の状況下で、システム・製品・サービスを使って「やりたいことを達成できているか」「無駄な負担を感じず、効率良く、効果的に使えているか」「使用しての満足度」を表している言葉です。

 

ユーザビリティとUXの大きな違いとして、ユーザビリティは「製品やサービスの利用時」という限定的なものに対し、UXは「利用前」「利用中」「利用後」の全ての期間を対象としてる点が挙げられます。またUXは、使ってどう感じたのか、どんな気持ちになったのかという「感情」にフォーカスしているのも特徴です。

UXとCXの違い

UXとCXの違いの図

 

CXとは、「Customer Experience(カスタマーエクスペリエンス)」の略称で、日本語では「顧客体験」「顧客体験価値」と訳されます。ここで使われる「体験」には、製品やサービスを知り、購入に至るまでの過程や、使用したときの体験、アフターフォローなど、全ての体験が含まれます。

 

UXと似ていますが、CXの方がUXよりも広い範囲をカバーします。具体的には、以下のような違いがあります。

 

  UX CX
範囲 製品やサービスにふれることで発生する「体験」 製品やサービス以外の、物流、販売、アフターフォローなど全てを通してつくられる「体験」
部門 製品開発チーム(販売や開発、エンジニア、デザイナーなど)限定的 物流、販売、開発、デザイナー、マーケティング、カスタマーセンターなど幅広い
対象 製品やサービスを使用するユーザー、顧客(主に取引がある顧客) 企業にとっての顧客(取引をしていない顧客も含まれる)

 

UXは「製品やサービスを通じて得られるもの」であり、CXは「購買プロセス全体を通じて得られるもの」という点が異なります。

UXの重要性

市場競争で生き残るには、優れたUXを提供することが求められています。その理由として挙げられるのが、市場の変化です。

 

現代の市場は類似した製品があふれており、「良いもの」「良い機能」だけでは消費者の心を掴むことが難しくなりました。さらに消費者のニーズは、コト消費やトキ消費、エモ消費などの感情・体験を重視した購買活動へとシフトしています。モノ以外の、副次的な存在を重視し始めた現代において、「体験」は選ばれるための大きな要素となりました。

 

またUXは、顧客満足度に大きな影響を与えます。優れたUXは顧客満足度を高め、リピート率や口コミを増加させることが可能です。逆に、悪いUXは顧客の離脱や不満を引き起こし、ビジネスに悪影響を与えます。利益の増加を目指すなら、UXは避けては通れない要素です。

UXの要素

UXの構成要素を、「UXの期間モデル」「UXハニカム」「UXの5段階モデル」から紹介します。

UXの期間モデル

製品やサービスを使っていくうちに感情が変化していくことから、UXには時間の概念があると考えられています。2010年、ドイツで開催されたUXに関するセミナーの資料(UX白書)の中では、UXは「利用前」「利用中」「利用後」「利用全体」の4種類に分けられ説明されています。

 

利用前:「予期的UX」利用したときをイメージする体験
利用中:「一時的UX」実際に利用しているときの体験
利用後:「エピソード的UX」利用した経験を振り返る体験
利用時全体:「累積的UX」利用期間全体を振り返る体験

 

このように、UXはいくつかの期間に分けられます。

UXハニカム

「UXハニカム」とは、UXを構成する7つの要素を表すフレームワークです。2004年、情報アーキテクチャ論の先駆者であるピーター・モービル氏が提唱しました。

 

UXハニカムの図

  

「UXハニカム」はUXについて、役に立つ(Useful)、使いやすい(Usable)、好ましい(Desirable)、見つけやすい(Findable)、アクセスしやすい(Accessible)、信頼できる(Credible)の6つの要素を満たすことで、「価値がある(Valuable)」体験を提供できるとしています。

UXの5段階モデル

「UXの5段階モデル」は、アメリカのデザイナー、ジェシー・ジェームズ・ギャレット氏が著書『Elements of User Experience』にて提唱したUXの概念図です。これを見ると、UXは表層ではなく、戦略から構成されていくものだということが分かります。

 

UXの5段階モデルの図

 

「UXの5段階モデル」ではUXデザインのプロセスは、戦略(Strategy)、要件(Scope)、構造(Structure)、骨格(Skeleton)、表層(Surface)の5つの要素で構成されており、これらの段階を下(抽象)から順に進めることで、ユーザーのニーズにあったプロダクトを効率的に作成できるとしています。

参考になるUXの事例

優れたUXとして評価されている事例を紹介します。

LINE

LINEのサイト

 

LINEはひとつの画面だけでやり取りができるシンプルさと、老若男女問わず操作ができる操作性の良さ、スタンプで気軽に気分を表現できる機能など、工夫を凝らしたUXを提供し、日本で爆発的にユーザーを増やしたサービスです。

 

豊富なスタンプ機能で自分らしさを表現でき、言語に頼らず会話ができたり、まるで会話をしているかのようにレスポンス良くやり取りができたりと、オンラインでのコミュニケーションを気軽な体験に変えました。電話番号を使わない音声通話、ビデオ通話を無料で提供し、コミュニケーションツールの可能性を広げています。

Google

Google

 

Googleの検索エンジンはシンプルで、優れたUXを提供しています。検索画面は無駄をそぎ落したシンプルなデザイン。言語が異なる人でも、テキスト検索、音声検索、画像検索でどれを押せば良いのかが直感的にわかります。

 

検索結果画面はGoogle独自のアルゴリズムにより、ユーザーの課題解決につながるコンテンツが上位表示され、「関連する質問」でサイトリンクをクリックせずとも疑問を解決できるような仕掛けが施されています。また、「関連性の高い検索」では同様の疑問を持つユーザーが検索した他のキーワードを表示させて、検索体験を拡大させています。

 

シンプルでミニマルなデザイン・機能ですが、画像、動画を一覧表示できたり、期間で結果を絞り込んだりできるカスタマイズ機能があるのも特徴です。ユーザビリティやUIを考え、より良いUXを提供しています。

Netflix

NETFLIXのサイト

Netflixは、動画の視聴体験を没入感のあるものに変えています。例えば、スクロールすると静止画ではなく動画が流れ、文章では伝わらないイメージが数秒で感じられるようになっています。また動画を視聴したら、次のエピソードに自動で移動したり、類似動画を表示させたり、役者名の表示や興味関心にあわせたコンテンツを表示させたりして、快適に視聴できるように手助けしています。

 

シンプルなインターフェースは一見、動画コンテンツが一覧表示されているだけに見えますが、重要な要素だけを残して余分な要素をそぎ落とした、複雑な思考によりつくられたものだと分かります。視聴履歴、ジャンル、視聴の時間帯や視聴するデバイス、類似ユーザーの好みなど様々な要素を学習して、パーソナライズされているのも特徴です。利用すればするほど、自分好みのコンテンツに包まれて、夢中になれるように設計されています。

Spotify

Spotifyのサイト

 

Spotifyは、ダークトーンで統一された落ち着いたインターフェースで、パーソナライズされた音楽体験を提供しています。ホーム画面は文章よりもアートワークが目に入るように設計されており、画像の雰囲気を参考にして再生するかどうかを検討できます。雨の日や夜、朝など「ムード」により音楽が選択できるのも特徴です。好みの音楽を聞くだけでなく、「生活に音楽を溶け込ませる」ような体験を提供しています。

UXの改善方法

より良いUXは、「人」を中心に設計しています。ユーザーのことを理解して、ユーザーにとって使いやすいものを追及することが重要です。改善方法で悩んだら、「UXの要素」で紹介した「UXの期間モデル」「UXハニカム」「UXの5段階モデル」も参考にしてみてください。

①ユーザー情報の調査

ユーザーがどのようにして製品やサービスにたどり着いているのか、利用状況、製品・サービスにどのような感情・要求を抱いているのかを調査します。ユーザーにアンケートをとり、どのような課題を抱えているのかを調査するのも良いでしょう。「なぜ」ではなく「どのように」などの質問を加えると、ユーザーの体験を引き出しやすくなります。

②分析する

調査により判明した情報をもとに、どのようにプロダクトを改善すれば良いかを分析します。ここでは主に、カスタマージャーニーマップやペルソナを利用して分析を進めます。

 

ユーザーがどのように製品に出会い、どのように検討して購入に至り、リピートするのか、といった体験(行動、思考、感情)を時間軸に沿って整理して可視化させることで、顧客理解が深まり、どのプロセスのユーザー体験を改善すれば良いのか考えられるようになります。

③設計する

分析により改善案を導き出したら、プロダクトに落とし込むための設計を考えます。仮説を参考に、試作品となる「プロトタイプ」を作成して反応を見ながら、より良いUXになるように変化させます。

④評価・改善する

ユーザビリティテストなどを行い、導き出した改善策がユーザーの要求を満たしているかを検証して評価・改善していきます。良い評価が得られない場合は、①の調査に戻り、改めて分析を行います。

 

時間をかけて大幅な修正を施しても改善するとは限りません。細かく改善をしてテストを繰り返し、スピーディにPDCAを回していくことをおすすめします。

UX改善のポイント

UXを改善する際に意識したいことを紹介します。

目的を明確にする

「新規ユーザーを増やしたい」場合と、「リピーターを増やしたい」場合では、施策の方向性が変わります。UXを改善する際は、実現したいことを明確にしてから取り組みましょう。

ユーザー視点で体験してみる

ユーザー視点に立って、実際に製品・サービスを使ってみることも大切です。使いやすさや、問題が起こったときにストレスなくQ&Aに辿り付けるか、商品説明書の見やすさのほか、ターゲット別(女性、男性、子ども、老人など)で使いやすいかなど、様々なパターンを想定しつつ体験してみましょう。

まとめ

優れたUXとは、「役に立つ」「使いやすい」「好ましい」「見つけやすい」「アクセスしやすい」「信頼できる」の6つの要素をバランス良く提供し、ユーザーに価値のある体験を提供している製品・サービスといえます。本記事でまとめた事例では、シンプルで無駄をそぎ落としながら、利便性の高いサービスを提供しているものが多く見られました。最低限の情報で、価値のある体験を提供できる製品・サービスがユーザーに好まれていることが分かります。UXの改善を考えるなら、ぜひこれらの要素も検討してみてください。

 


※MAの要点だけを抑えたい方はこちらもおすすめです!

 

  • この記事を書いた人
  • エムタメ!編集部
  • クラウドサーカス株式会社 マーケティング課

    プロフィール :

    2006年よりWeb制作事業を展開し、これまでBtoB企業を中心に2,300社以上のデジタルマーケティング支援をしてきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。53,000以上のユーザーを抱える「Cloud CIRCUS」も保有し、そこから得たデータを元にマーケティング活動も行う。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意。

    メディア概要・運営会社→https://mtame.jp/about/

    Twitter→https://twitter.com/m_tame_lab

 

 

【English summary】

This is a subcategory page within the design category that specifically lists articles focused on "UX (User Experience)." UX refers to the entire "experience" a user has through a product or service.

The articles on this page explain specific methods for designing excellent UX, from the basic concept of UX and its difference from the essential "UI (User Interface)," to how to create a "customer journey map" that visualizes user behavior and psychology. It aggregates knowledge for aiming to achieve both customer satisfaction and business results by creating an experience that is "pleasant" and "easy to understand" for the user.

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