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製造業ブランディングの基本を解説!主なメリットから大まかなステップまで

記事公開日:2023/04/10
最終更新日:2023/10/27
製造業ブランディングの基本を解説!主なメリットから大まかなステップまで


「ブランディング」という言葉やその意味を知ってはいるものの、「製造業にとって本当に必要なのか」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか?


競争に勝ち残る上でカギとなる「ブランディング」の重要性は製造業においても例外ではなく、適切に取り組むことで「○○製品と言えば○○会社」などと真っ先に思い出してもらうことができ、市場における競争の中で優位なポジションを築くことが可能です。


本記事では製造業におけるブランディングについて、必要性やメリット、ブランドを作る5つのステップやその効果などを、詳しく紹介します。

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ブランディングとは?

一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会によると、ブランディングとは『ブランド・アイデンティティとブランド・イメージを一致させる活動のこと。』を差します。また、ブランド・アイデンティティとは『企業がある製品・サービスが「何ものか」を示すため定める「旗印」のこと。言い換えると「ブランド独自の価値」をひとことで表したもの。』とあります。

引用元:ブランド用語集


ブランド・イメージは『消費者・顧客が心の中に抱く、ブランドに対する心象のこと。』なので、自社独自の価値を消費者の心の中に適切に届けていくことが、”ブランディング活動”といえます。


この”ブランディング活動”をうまく行うことができれば、「認知度・好意度」などが向上し、顧客のファン化を期待することができるほか、「〇〇商品・サービスといえばこの企業」と自社を想起してもらいやすくなり、売上向上などの効果が見込めます。自社の強みを適切なチャネルで適切にアピールすることで、ユーザーが商品・サービスの導入を検討した際に、自社商品が選ばれる可能性が大きく上がるからです。


では、今回の記事の主題である『製造業』においてなぜブランディングが重要なのでしょうか。その理由について次章で詳しく説明します。


製造業にブランディングが必要な理由

製造業の場合、個人ではなく企業との取引を主とし、顧客からの受注を満たす部品や商品を作るため「ブランディングに力を注がなくても良い」と考えられているかもしれません。しかし、1回の受注における単価が高い製造業こそ積極的なブランディング活動が必要となるのが実情です。現在の取引先から別の企業を探した際に、可能な限りリスクを減らすとなると、まずは第一想起される企業に相談してみよう、となるからです。

 

またインターネットが普及した現代では誰もが気軽に情報を得られるため、BtoB企業においても競合他社と比較される機会は増えており、他社との差別化をしっかりアピールできるブランディングのニーズは高まっています自社の強みや特長を明確に顧客へと伝えられることで、新規顧客の獲得はもちろんですが、ブランドを定着できれば自然と問い合わせが入ってくる状態も作れるので、長期的な売上向上も期待できます。

製造業における購買センターの存在

製造業ブランディングでもっとも影響を与えたい対象は顧客の購買センターです。企業によって構成メンバーも異なるのですが、生産財の購入において重要なキーマンたちとなるので、深い理解が必要です。以下に検討のステージに上がるかが重要となるため、適切な箇所での適切な発信が必要となります。


製造業の何をブランディングする?

ブランディングの中でも、特に製造業におけるブランディングでは他社と差別化できる3つのポイント「製品・サービス」「技術」「企業の存在や理念」について、いかにアピールできるかがカギとなります。


「製品・サービス」については、その製品やサービスを利用することでどんな課題を解決できるのか、どんなことに効果があるのかなどを、導入事例を用いて発信すると良いでしょう。サービスに関しては、一貫生産や24時間対応、無料サンプルなどのポイントをアピールすることができます。


「技術」では、自社独自の技術や特許取得の実績など、自社の持つ技術的な価値を顧客にわかりやすく伝える必要があります。具体的には、他社では扱っていない高度な技術、コストを抑える技術、難易度の高い加工を施す技術、短納期で製造できる技術など様々なものがあり、自社が最も特長とする技術を顧客にしっかりアピールしましょう。


「企業の存在や理念」に関しては、企業そのものや取り組んでいる内容、理念を世間に周知することで認知度・好感度を向上させ、企業イメージを定着させることが大切です。社会や地域への貢献活動や、環境への取り組み、社員教育など様々なアピールポイントがあります。


これらはWebコンテンツとして発信していくことが重要なので、場合によってはコーポレートサイトやサービスサイトをリニューアルする必要も出てきます。あらゆるタッチポイントの中の1つではありますが、最もみられる場所の1つでもあるため、ブランディングに取り組む際にはチェックするようにしましょう。


【企業ブランディングの事例もございます】

Webサイトを活用して製造業ブランディングに取り組んだ事例もございます。こちらも合わせて参考にしていただけますと幸いです。

受注に繋がるお問い合わせが増えた!「粉末調味料のパイオニア」というアイデンティティを表現する場として、Webサイトをリニューアル/日本化工食品株式会社




製造業がブランディングを行うメリット

ここで改めて、製造業がブランディングを行うメリットについて、より詳しくみていきます。

市場における競争力が強化できる

製造業においてブランディング活動に力を入れることで競合他社との差別化を図ることができ、市場での競争力を強化できるというメリットがあります。活動を通して自社のもつ価値を認知してもらえれば、価格を下げなくても商談が成立するようになり、競合他社より有利なポジションを築くことができるはずです。


価格ではなく価値で取引先との関係を構築できるという点も非常に重要で、顧客満足度をはじめ、売上や利益率の向上にもつながっていきます。さらに、顧客のLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)が高まり、長い目でみても市場競争において優位にたつことができるでしょう。

第一想起による新規顧客からの引き合い数UP

ブランディング活動を継続的且つ効果的に行うことができれば、「○○製品ならあの企業」「○○技術・サービスなら○○会社」など真っ先に自社を思い出してもらうことができ、第一想起による新規顧客からの引き合い数がUPします。



認知度・好感度共に向上できれば、業界内や専門分野などの市場全体における知名度も上がり、これまで取引したことのなかった業界や企業から引き合いの声がかかる可能性もあります。新規分野に進出するきっかけにもなり、事業拡大・売上増加なども期待できるでしょう。

販売戦略のコンセプトが明確になる

ブランディングを通して自社の価値を確立しておくことで、社内における販売戦略のコンセプトが明確になる点も大きなメリットです。たとえば、新規企画や販路開拓などについてミーティングを行う際、社内全体で同じ問題意識を共有していることで方向性に一貫性を持つことができ、目標を立てやすくなります


社内における認識にズレが生じた場合でも軌道修正がしやすくなるなど、効率的な取り組みの促進にもつながるため、経営全体にポジティブな影響をもたらしてくれます。

社員のモチベーションが向上する

ブランディングを行い自社のブランドイメージが世間へ浸透していくと同時に、社員の自社に対する誇りが強固なものとなり、モチベーションが向上するという効果も得られます。さらにそのモチベーションが団結力を生むことで、売上向上や業績拡大など、経営に良い効果が期待できます。


昨今ではどの企業も人材が不足しているため、流出を防ぐ観点としても、ブランディングは非常に重要な役割を担ってくれます。


また、社員自身が自社の掲げるブランドイメージに沿って自律的に動くことによって、マネジメントや人材管理もより行いやすくなるでしょう。

採用面にも大きく影響

ブランディング活動で発信を行うことで、自社の価値とともに自社の魅力も伝えることができ、採用面にも大きく好影響を及ぼします


ブランディングに成功すれば、対顧客を越えた幅広い範囲におけるイメージアップが実現できるため、採用に大きなリソースを注がずとも、新卒・中途を問わずエントリー希望者が集まってくる傾向にあります。


希望者を多く集めることができれば、より優秀な社員を採用できる可能性も高まります。そして社員の質が高まることがまたイメージアップにも繋がり、好循環を実現できるでしょう。

製造業ブランディングの5つのステップ

では実際、製造業においてブランディングを行う際には何をすればいいのでしょうか?本章ではその方法を5つのステップに分けて解説します。


1.自社の技術や顧客の理解を深め、ブランドを決める

まずはじめに、自社の技術や顧客に対する理解を深めてブランドを決める必要があります。ブランドの決め方はブランディングの軸となる最も重要な部分なので慎重に行いましょう。


このステップでは「自社の技術の価値は何か」「どんなターゲットニーズがあるか」など、技術と顧客、どちらに対する理解も深めることが重要です。そしてどんな市場で、ターゲット層はどのような課題を解決したいと思っているのか、自社はそこにどんな価値を提供できるのかを考え、最終的には「誰にどう思ってほしいのか」という訴求すべきポイントを明確にします。


たとえば、ユニクロであれば「価格は安いがデザインや品質は一定基準を超えている企業」や、トヨタであれば「品質が高い上に、大衆車で車種も豊富、故障時の対応も良い自動車メーカー」などがブランドの例として挙げられます。


基本的には既存事業の強みを使ってターゲットを絞ることでブランドを決めることができますが、ターゲットを絞りすぎると市場も小さくなりすぎるので、適切なサイズ感を目指すことが大切です。ブランドを決める際のヒントを以下に記載しますので、ぜひ参考にされてください。

ブランドを決める際のヒント

・ターゲット層:誰からの問い合わせが欲しいか

・技術:自社独自の技術、他社ではできない技術、高度加工技術など

・材質:プラスチック、金属、プラスチック、難削材な

・サイズ:大型、微小など

・QCDのどれか:コスト、高品質、短納期など

・生産体制:多数の協力企業、一貫体制など

・生産拠点:国内、海外など

・量産 or 試作

2.フォーカスする「価値」を決める

自社の技術や顧客に対する理解を深めてブランドを決めることができたら、自社の何にフォーカスしてアピールするのか、その「価値」を決めましょう。


自社にとってブランディングすべきなのは「製品・サービス」「技術」「企業の存在や理念」のどれ(または組み合わせ)なのか、項目とその価値を明確にして競合他社との差別化や、訴求する方法を決定することが重要です。市場において自社がどのポジションにいるのかを意識しながら決めることで、より明確な価値を見出せます。

3.キャッチコピーを決める

「ブランド」及び「フォーカスする価値」が決まったら、キャッチコピーを決めます。Webサイトや展示会、パンフレットなどあらゆる場所に利用できるキャッチコピーを決めることで、ブランドの価値を直感的に理解してもらうことができ、ブランディング活動をスムーズに進めていくことができます

4.メッセージを発信し続ける

3つのステップを終えたら、ブランドイメージを持ってもらうため、そしてそれを定着させるためにターゲット層に向けてメッセージを発信し続けます。


より多くの媒体で自社の発信を行うことが大切ですが、自社に興味を持ってもらった際に最初に確認するのはWebサイトなので、重要な役割を担うWebサイトでの発信には特に力を入れて取り組みましょう。ブランディングをより効率的に行うために、リニューアルの検討が必要な場合もあります。



※弊社ではブランディングと成果を意識したWeb制作も実施しておりますので、お悩みの際にはぜひご相談ください。


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もちろん、むやみやたらに発信をすればよいというわけではありません。かといって、一度大きな露出をしたからといってブランドは定着しないので、継続的に適切な形でメッセージを届けていく必要があります。

5メッセージに沿った行動を取り続ける

4つのステップがクリアできたら最後に大切なことは、自社の発信するメッセージに沿った行動を取り続けるということです。


自社のブランド・価値・キャッチコピーを決めて発信し続けても、そのメッセージと実態に齟齬があっては信頼は得られません。たとえば「高品質・高精度・低価格」というブランディング活動を行ったのであれば、その価値を提供し続けるような経営を行っていきましょう。


メッセージに沿った行動を取り続けられなければ、ブランド力が落ちて売上にも影響してしまいます。逆に言えばブランドや価値を決める際には、必ずそれに沿った行動を続けられるかどうかを含めて検討することも重要です。

BtoB製造業のブランディング課題

ここまで製造業のブランディングのメリットや効果などプラスの面を解説しましたが、もちろんまだ課題も残されています。


製造業の経営者からの声として「TVコマーシャルを展開しているが、いまいち競合他社との差別化がてきていない」「影響力のある媒体へ配信できていない」「新規事業を始めたが、認知度の効果的な上げ方が分からない」という課題がよく挙がります。


 こういった企業の共通点として、「自社の技術」及び「顧客」に関する理解が不足している傾向があります。


自社の技術がどういうもので、それが誰に対して求められているのかが正しく 理解できていないと、「誰に対してどんなことを訴求したら良いか」という最も肝心なポイントが定まりません。顧客についても「○○を検討している企業」という情報だけではなく、「 どれぐらいの企業規模で、何に悩みを持ち、どの部署が対象になるのか」というより詳細な顧客像を踏み込んで設定する必要があります

そういった情報を元に、適切な形でメッセージを届け続け、それに伴う行動をとる必要があります。長い道のりで難易度も高いのですが、だからこそやり切れる会社が、大いに恩恵を受けることができるのです。

製造業ブランディングの手段としてのWebサイト

 最後に、製造業ブランディングにおいて重要なツールであるWebサイトについて解説いたします。弊社では2,000社以上の企業のWebサイトを制作してきましたが、長年多く要望をいただくのがWebサイトのリニューアルを通したブランディングです。

実際にインタビューしたお客様の声▼

きっかけは端的に言ってしまうと、ホームページが古かったからですね。弊社の事業はBtoBがメインなので、これまでホームページの持つ役割をあまり考えてこなかったんですよ。しかし私は過去の経歴の中でマーケティングに関わった経験から、ホームページは会社のブランドイメージを高める存在として重要だと捉えていました。

リニューアル前のホームページは会社案内しかなく、全体的に古くなっている印象がありました。本来ならばコーポレートブランディングの一翼を担うはずの、会社を知らしめるものが機能していないことで、ネガティブなイメージを与えかねないなと思ったんです。

引用:
受注に繋がるお問い合わせが増えた!「粉末調味料のパイオニア」というアイデンティティを表現する場として、Webサイトをリニューアル/日本化工食品株式会社

 
ブランディングはあらゆる接点の積み重ねになるため、Webサイト”だけ”を変えたからといって達成できるものではありません。ですが、さまざまな施策の受け皿となるWebサイトがブランドを表していなければ、全体のブランディング施策が非効率になってしまいます。

もしこれからブランディングを実施いていこうと思っていて、自社のサイトに違和感を感じているのであれば、並行して改修を進めていきましょう。冒頭の『ブランド・アイデンティティとブランド・イメージを一致させる活動のこと。』を、実現するためにも。


まとめ

本記事では製造業のブランディングについて、メリットから課題、作成方法まで幅広く紹介しました。


顧客とのタッチポイントも多様化している現代では、Webサイトだけではなく一貫したブランディング活動が必要となり、その重要性は年々高まっています。価値が明確で分かりやすいブランディングは、今後の自社の発展に大きく貢献するでしょう


自社のブランドイメージがどうしても浮かばない場合は、顧客やユーザーの声を参考にしてその理由を探ることで、イメージデザインがしやすくなるでしょう。今やあらゆる業界において必須とされる「ブランディング」をまだ曖昧にしてしまっているのであれば、一度本腰を入れて戦略を立てることをおすすめします。

 

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  • この記事を書いた人
  • エムタメ!編集部
  • クラウドサーカス株式会社 マーケティング課

    プロフィール :

    2006年よりWeb制作事業を展開し、これまでBtoB企業を中心に2,300社以上のデジタルマーケティング支援をしてきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。53,000以上のユーザーを抱える「Cloud CIRCUS」も保有し、そこから得たデータを元にマーケティング活動も行う。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意。

    メディア概要・運営会社→https://mtame.jp/about/

    Twitter→https://twitter.com/m_tame_lab

 

 


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