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製造業におけるコンテンツマーケティングとは?ブログやホワイトペーパーなど施策をまとめてご紹介!

記事公開日:2023/09/01
最終更新日:2023/11/21
製造業におけるコンテンツマーケティングとは?ブログやホワイトペーパーなど施策をまとめてご紹介!

コンテンツマーケティングとは、Webブログやメルマガなど有益な情報をコンテンツとして発信して、顧客を獲得する施策のことです。 いままでWebサイトやSNSに力を入れてこなかったという製造業の企業も、コーポレートサイトを作成したり、メルマガを配信したり、コンテンツマーケティングに注力する会社が増えてきました。

 

製造業では、付き合いの長い取引先など決まった既存顧客とのやりとりが中心でしたが、コロナ禍を境に売上が減り、新規獲得の必要性に迫られている企業も多いといいます。インターネットの普及に伴い、新たな営業スタイルの構築も求められています。

 

そこで、本記事ではコンテンツマーケティングについて、メリット・デメリット、具体的なコンテンツ内容、実践方法などをまとめてご紹介します。「自社のサイトがうまく活用できない」「コンテンツを作成したけれど、成果につながらない」などの課題を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

コンテンツマーケティングとは?

コンテンツマーケティングとは、見込み客が求めている情報を定期的に発信することで、彼らをファンとして定着させ、最終的な購買につなげるマーケティングの概念です。

テレビCMやテレアポなど、従来行われていた一方的な売り込み型とは異なり、ユーザーが「何を求めているか」を見極め、的確なタイミングで適切なコンテンツを提供していくのが特徴です。

 


コンテンツの提供方法もさまざまで、メルマガのように企業側から積極的にコンテンツを届ける手法もあれば、オウンドメディアなどを運用し、ユーザー側からコンテンツを閲覧しに来てもらう方法もあります。
いまではBtoC、BtoBを問わず、さまざまな業界でコンテンツマーケティングが取り入れられています。

コンテンツマーケティングとコンテンツSEOとの違い

コンテンツマーケティングはユーザーに「見つけてもらう」ことにはじまり、ユーザーが自ら「買いたい」という気持ちになるまでコンテンツ(情報)によるコミュニケーションを継続的に活用していく手法です。

 

コンテンツマーケティングと似た言葉に「コンテンツSEO」がありますが、コンテンツマーケティングとは別ものというより、その手法のひとつになります。

 

コンテンツマーケティングの手法はメルマガ、セミナー、SNSなど多種多様に存在します。そのなかでもコンテンツSEOは、作成したコンテンツが検索エンジンによって上位に表示されることで、検索流入を稼ぎ、集客を増やす手法です。

 

コンテンツSEOという言葉が生まれた背景には、Googleのアルゴリズムが進化し、SEOにおいてもコンテンツの質が重視されるようになったことがあります。

 

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コンテンツSEOとは?メリットから実施手順までを解説!

なぜ製造業にコンテンツマーケティングが必要なのか?

最近では、製造業でもコンテンツマーケティングに取り組む企業が増え、コンテンツ作成が重要視されるようになりました。注力されている理由は大きく二つあります。

一つ目は、ユーザー側の情報獲得手段が変化したことです。GoogleやYahoo!などインターネットの検索機能の発達や、スマートフォンの利用、SNSの普及などにより、ユーザー自身が好きな時に、欲しい情報を簡単に得られる時代になりました。

 

また個人だけでなく、企業でも購入を検討する際に商品やサービスの情報収集にWebサイトを活用しています。

 

ブランドやWebサイトに関する調査を行うトライベック・ブランド戦略研究所の「BtoBサイト調査 2022」によると、「仕事上の製品・サービスの情報源」として、66.7%が企業のWebサイトを参考にしていることが明らかになりました。

 

つまり、BtoB製品の販売が多い製造業では、質の高いWebコンテンツを作成すれば、営業やマーケティングの支援となり、売上向上の可能性があるといえます。

 

店頭に商品が並ぶBtoC製品と違い、製造業の製品は新規顧客に知ってもらう機会がなかなかありません。そのため潜在的な顧客層に売り込むには、まず知ってもらうことが重要です。そこで製品の特徴、利点、使い方、メンテナンス方法などの情報をコンテンツマーケティングで発信して自社製品をアピールすることが必要となっています。

二つ目の理由は、 顧客獲得の競争が激化していることです。 いままで製造業では、ルート営業や既存顧客の紹介など、リピートによる販売が中心でした。しかし、顕在的な購買顧客の獲得競争が激しくなったことで、従来の方法が通用しづらくなり、新たな手法での他社との差別化が求められています。

 

とくに製造業は、グローバル市場で競合他社との競争が激しい業界です。世界的なデジタル化の波に合わせて、コンテンツマーケティングで戦略的かつクリエイティブなアプローチをする必要性も高まっています。

 

これらの理由から、潜在的な顧客層へ、彼らの欲しがっている情報を提供することで囲い込み、最終的に購買顧客に育てていく「コンテンツマーケティング」が注目されはじめました。

製造業におけるコンテンツマーケティングのメリット

製造業がコンテンツマーケティングを実践するメリットは何でしょうか。ここでは4つの項目に絞って解説します。

①コストをかけずにはじめられる

コンテンツマーケティングは、メールマガジンやブログ機能を利用したオウンドメディア、コーポレートサイトのページの増産といったことからはじめられるため、社内で制作できる場合は人的コストのみでもスタートできます。

 

製造業は、既に製品に関する情報やノウハウをもっているので、それらを整理・再利用することで、新たなコンテンツの作成も可能です。

 

一般的なWeb広告と比べてみると、広告は月額数十万円程度はかかるため、それなりの予算が必要ですが、コンテンツマーケティングは、自社内でも制作可能なのでコストがかからず、広告費用を抑えられます。

 

コンテンツマーケティングは、効果が出るまでに時間がかかるため、はじめから大きな予算を投入しても、効果がすぐに得られる保証はありません。少額からはじめて徐々に予算を増やす方がリスクを軽減できるでしょう。

②コンテンツが資産になる

コンテンツは企業の重要な資産のひとつになります。Web広告の一つであるリスティング広告を例に挙げると、運用期間中は広告の露出ができますが、終了したら消失してしまいます。

 

一方、コンテンツは一度作成・発信すればWeb上に掲載され続け、企業の情報資産として蓄積されます。掲載期間の制約もありません。そしてGoogleから良質なコンテンツと評価されることで検索結果の上位に表示され、長期間にわたる集客効果が見込めます。

 

また、作成したコンテンツは、社内での新卒社員研修や営業ツールとしても応用可能です。コストを投じた分のコンテンツは自分たちの資産としてずっと残ります。

③SNSでの拡散効果が期待できる

SNSが普及し、「シェア」などの情報拡散行為が一般化した現在では、ユーザーは情報を収集するだけでなく自ら情報を発信する立場でもあるといえます。

 

ユーザーの興味・関心を満たす優れたコンテンツやおもしろい動画、ユーザーの悩みを解決する有益な情報など、ニーズに応えるコンテンツはシェアされ、自然に拡散されるようになりました。

 

企業側としては、コンテンツを発信するだけでおのずと集客ができ、ターゲットユーザーと接点をもてる点がメリットとなります。

④顧客のニーズを知ることができる

オンラインで施策を展開するコンテンツマーケティングなら、顧客の行動や反応をデータとして収集できます。集めたデータを分析すれば、顧客のニーズや行動パターンを理解し、より効果的なマーケティング活動が可能です。

 

たとえば、Webサイト上でどの資料がよくダウンロードされているのかを分析すれば、顧客のニーズが把握できます。さらに、MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入することで、どのページを閲覧しているのか、どんな頻度でサイト訪問しているのかなど、その後の行動も追跡でき、顧客の育成にも役立つでしょう。

製造業におけるコンテンツマーケティングのデメリット

一方、代表的なデメリットとして挙げられるのは以下の3つになります。

①効果が出るのに時間がかかる

多くのメリットがある一方で、成果を得るのに時間がかかる点はデメリットといえるでしょう。たとえばユーザーのニーズに沿った良質なコンテンツを配信したとしても、Googleに認識されてから検索結果の上位に表示されるようになるまで、数週間〜数か月かかる場合があります。

 

また、検索エンジンからの流入や、SNSで集客した潜在顧客をファンに育てるためには、ある程度の時間がかかるのが常です。

②継続的な配信が必要になる

Webサイトで顧客を集客する場合、コンテンツが更新されないとユーザーのアクセスは減少してしまいます。配信の間隔が空きすぎることは、ユーザーが離れてしまう要因のひとつです。

 

コンテンツマーケティングでは、成果がなかなか出なくてもコンスタントに配信し、継続的に更新し続けることが不可欠になります。そのため、短期的な集客効果を狙う場合には、広告運用の方が適しているかもしれません。

③コンテンツの制作に時間がかかる

コンテンツマーケティングの重要なプロセスであるコンテンツ制作は、品質を高めようとすればするほど時間がかかるものです。効果が出始めるタイミングが遅いことから、施策に途中で見切りをつけてしまう企業も少なくありません。

 

とくに製造業は、製品の生産や供給業務に集中している場合も多く、コンテンツマーケティングのリソース確保が難しい場合もあります。

 

また、製造業のコンテンツは専門的な情報が多くなりがちです。広く興味をもってもらうためにも、技術的な内容をわかりやすく解説するコンテンツを配信すると良心的でしょう。

コンテンツマーケティングの理想的な運用体制

コンテンツマーケティングの運用に悩む企業のために、ここからは代表的な手法であるオウンドメディアにフォーカスし、運用体制のコツを2つご紹介します。

①運用チームを作る

オウンドメディアの運用だけに専任できれば問題ありませんが、ほとんどの企業では、本来の業務をこなしながら、メディアも更新していくことになります。これを一人で続けるのは大変です。

そこで、複数名の担当者を決め、チームで協力しながら運用できる体制を整えましょう。さらに、責任者を決めて最終的なチェックを行えば、より有益なコンテンツが発信できます。

 

オウンドメディアの運用体制

②社内に蓄積している資料やノウハウを公開

先述したように、「オウンドメディアをはじめたが、なかなか更新が続かない」という担当者の悩みをよく聞きます。そのような場合は、定期的に更新ができて、かつユーザーが求める情報として、社内に蓄積されているノウハウやデータ資料をコンテンツとして掲載する方法があります。

 

自社では当たり前の情報でも、それを知らないユーザーにとっては貴重な資料です。他社には真似できない、オリジナル性の高いコンテンツにもなるでしょう。さらに、製造プロセスに特化したコンテンツを公開すれば、品質や安全性に対する信頼を高めることもできます。

よくあるコンテンツ形式

コンテンツを作成する際は、自社製品やターゲットに合わせてより伝わりやすい形式を選びましょう。一度作成すれば、営業ツールやセミナー資料など、ほかの媒体に応用することも可能です。

①Web記事

コンテンツマーケティングの形式として、圧倒的に多いのがブログ記事や知識系・ノウハウ系の記事です。自社に蓄積している技術情報を解説したり、新製品やスタッフ紹介など企業寄りの情報を掲載したり、社内で制作しやすいコンテンツからスタートできます。

 

なかでもおすすめなのが、製造工程の解説や自社の高度な技術について、わかりやすく解説した記事です。製造業の専門的な知識を活かして、製品の活用例やアイデアを提供できるとさらによいでしょう。その内容がユーザーの課題解決につながれば、企業の信頼度や認知度向上も期待できます。

②チェックリスト

製品・サービスのターゲットとして当てはまる見込み顧客の悩みに共感したり、潜在ニーズを喚起するような チェックリストを掲載すれば、問い合わせなどのコンバージョン(成果)に直結するコンテンツになります。

もっと広く潜在層にリーチできるような汎用性のあるチェックリストでも構いません。チェックリストは目を引きやすく、「ちょっとやってみよう」と気軽に参加してもらえるコンテンツなので、効果的に活用してみましょう。

③インフォグラフィック

インフォグラフィックとは、データや数値類などの情報をイラスト化してわかりやすく伝えるイメージコンテンツです。ひと目で理解できるように視覚化されているため、ユーザーへ親しみを与えることができます。

 

制作にはノウハウとセンスが必要となり、多少ハードルは上がりますが、一度制作すればWeb媒体だけでなく、パンフレットなどの紙媒体にまで幅広く活用可能です。 現在、Webサイトに掲載されているインフォグラフィックの多くはBtoC向けですが、BtoBとの相性も悪くはありません。

 

とくに製造業のコンテンツは、専門性が高いため、馴染みのない用語ばかりを並べてしまうと、ユーザーの負担が大きくなり離脱されてしまいます。インフォグラフィックを上手に活用して、ユーザーの興味を引くようなページ構成を目指しましょう。

④調査資料・レポート

自社で独自調査した結果をまとめた資料やレポートは、非常に価値の高い情報となり、コアなユーザーから求められます。コンテンツマーケティングのために新たに調査を行うのは手間ですが、定期的に調査活動をしている場合は一部でも公開することで立派なコンテンツになるでしょう。後に解説する「⑦ホワイトペーパー」にも活用できます。

⑤動画

YouTubeをはじめとする動画共有サイトの拡大や、スマートフォンの普及とともに、ユーザーが動画に触れる機会も多くなりました。
静止画よりも感情に訴えかけやすく、圧倒的な情報量を伝達できる動画は、企業のコンテンツマーケティングの一つとしても注目されています。

 

市場規模の小さいニッチな製品を扱う製造業では、文字や写真だけでは操作性まで伝わらない場合がありますが、YouTube動画を活用すれば、製品の使い方や作業工程などもよりわかりやすく紹介できます。YouTubeは、誰でも手軽に見られるので幅広い層にアピールできるでしょう。

⑥ウェビナー

ウェビナーとは、「Web+セミナー」の造語で、セミナーをWeb上で行うことです。新型コロナの拡大を受けて、2020年以降急速に普及し、いまではリアル開催で行うセミナーよりも手軽に実施できるウェビナーを行う企業が増えています。

 

オンラインセミナーなどとも呼ばれ、事前に録画しておいた動画を流すタイプと、閲覧者からの質問に回答しながらリアルタイムで映像を流すタイプがあります。
定員が決まっている来場型のセミナーとは異なり、主催者側は会場を用意しなくても多人数に参加してもらうことができ、参加者側も会場まで移動する時間と費用を抑えられます。

 

録画タイプであれば、何度でも繰り返し利用したり、都合のよい時間にコマ切れに視聴してもらったりといった柔軟性の高い活用が可能です。

⑦ホワイトペーパー

ホワイトペーパー

 

ホワイトペーパーとは、「役に立つ情報」や「課題の解決策」などユーザーに有益な情報をWebサイト上で提供するコンテンツです。 本来、ホワイトペーパーは特定の分野の研究結果や調査結果の報告書のことを指しますが、最近ではコンテンツマーケティングの施策として多くの企業が導入しています。
事実に基づいたデータのためユーザーからの信頼度も高く、ブログと違って一度に密度の高い情報を提供できる点がメリットです。

ホワイトペーパーのダウンロードと引き換えに、会社名や氏名などの個人情報を入力してもらい、企業はリード情報を獲得します。

 

【関連記事】

製造業におけるホワイトペーパーの重要性と具体的な事例を紹介!

⑧メルマガ

メルマガとは、メールマガジンの略称で、企業が顧客へ定期的に配信するメールです。新商品やサービスの紹介、セミナーの告知、お客様へのお知らせなど、さまざまな目的で使用されています。メールアドレスを登録した顧客に配信されるため、ターゲットに直接アプローチすることが可能で、開封率を高めればコンテンツを効果的に届けられるでしょう。

 

メルマガは、顧客との信頼関係を構築する手段としても有効です。たとえば、メルマガで製造業界の知識を身につけてもらったり、自社製品に興味をもってもらえれば、自社のファン創出につながり、売上向上が期待できます。定期的に価値あるコンテンツを届けることで、自社を認知してもらい、信頼関係が築けるでしょう。

 

施策を成功させるには、ターゲットにとって価値のあるメールを届けることが重要です。最新の動向や製品の開発秘話など、読者が興味をもち、積極的に読んでくれるようなコンテンツを目指しましょう。

 

【関連記事】

BtoB製造業のメールマーケティングとは?基礎知識から種類、コンテンツ例や具体事例などを徹底解説!

⑨導入事例

導入事例とは、自社製品やサービスを導入した企業がどのような成果を得たのかを具体的に紹介するコンテンツです。実際に製品を活用している他社の事例は信ぴょう性が高く、検討段階の企業の導入を促します。また、「導入の決め手」「導入後の成果」などを掲載することで、利用している様子をイメージしやすくなり、リード育成にも適したコンテンツといえるでしょう。

 

製造業の製品は、BtoCのような口コミやSNS投稿が少ないため、実際に使用している顧客のエピソードは貴重です。Webサイトに掲載したり、メルマガで配信したりすれば、同じような課題感をもった顧客からの問い合わせが期待できます。

コンテンツマーケティング導入後に起きやすい問題

①更新が滞り、コンテンツが追加されない

前述した「コンテンツマーケティングの理想的な運用体制」でも触れましたが、運用体制を複数名のチームにしておかないと負担が大きくなり、コンテンツ配信が滞ってしまいます。継続的に配信できなければ、ユーザーが離れてしまうかもしれません。

 

ただし、コンテンツマーケティングの目的が「コンテンツの更新」になってしまっては本末転倒です。効果測定をしながら、最適なコンテンツを制作していくことを忘れないようにしましょう。

②ゴール設計をせずにスタートしてしまい、効果測定ができない

一過性のアイデアだけではじめてしまった場合も、やはり「コンテンツの更新」が目的になってしまいがちです。

求めるコンバージョン(購入、ECサイトへの流入、問い合わせ、資料請求、アクセス数アップによる認知の向上など)を設定しておかなければ、効果測定ができません。 これらはサイト全体ではなく、個々のコンテンツごとに設定した方が効果が出やすくなります。

③企業が作りたいコンテンツばかり載せてしまう

自社の強みや新商品を紹介をしたくなる気持ちはわかりますが、企業のアピールしたいことだけをコンテンツ化するのでは、マーケティングは成り立ちません。

 

顧客は自身の課題解決や役に立つ情報を求めています。そのため、企業中心のコンテンツばかりだと、情報提供を目的とした広告だと気づき、顧客のことよりも企業目的が優先されている印象を与えてしまいます。

 

コンテンツマーケティングを成功させるためには、自社の製品やサービスに焦点を当てるだけでなく、ターゲットを架空の人物像として設定する「ペルソナ」や、顧客が購入に至るプロセスを設計した「カスタマージャーニー」を踏まえ、顧客が欲しい情報をコンテンツ化しましょう。

コンテンツマーケティングの実践方法

ここからは、コンテンツマーケティングを実践する際の手順をご紹介します。

①目的を決める

先ほど、「コンテンツマーケティング導入後に起きやすい問題」でもお伝えしたように、コンテンツの更新が手段から目的にならないよう、あらかじめゴール設定をしておくことが重要です。

 

【目的の例】

  • 製品を購入してもらう
  • ECサイトやSNS、コーポレートへの流入
  • お問い合わせ・資料請求をしてもらう(リードの獲得)
  • コンテンツへのアクセス数アップによる認知度の向上

 

目的設定については、こちらの記事もご覧ください。

サイトの目的とコンセプトを明確にしよう!

②目標を決める(PV、CVR、CV数、送客数など)

次に、目的をさらに掘り下げて、最終的な数値目標(KGI)を立て、そこまでに達成すべき通過点の目標(KPI)を決めます。 KPIを立てる際は、これまでのPV(ページビュー数)、CV数(コンバージョン数)、CVR(コンバージョン率)、送客数、客単価などのデータをもとにしましょう。

たとえば、「Webサイト経由の売り上げを1ヵ月50万円」のようなKGIを設定したとします。まず、これまでのアクセス解析などから、Webサイト経由の客単価とCVR(コンバージョン率)を割り出し、「1ヵ月50万円」を達成するために必要となるPV数(ページビュー数)とCV数(コンバージョン数)を逆算してKPIを設定します。

③ペルソナを立てる

 

次の「④カスタマージャーニーを作る」のために「ペルソナ」を設計します。 ペルソナとは、理想的な架空の顧客像のことで、コンテンツ設計を行うにあたってアプローチしたいターゲットを明確にします。 性別、年齢、職業、行動や価値観、ライフスタイルといった具体的なプロフィールを設定していきましょう。

 

コンテンツマーケティングにおけるペルソナ設計では、実際の優良顧客をリサーチ・分析して決めるのが有効です。想像で作り上げたりせず、できる限り実際の顧客を調査することをおすすめします。

 

「購買センター」を意識する

製造業においてペルソナ設計するときに重要視したいのが「購買センター」という概念です。購買センターとは、製品購入を検討する際、設計、製造、品質管理など複数の部署から関係者が集まり、組織的に購買に関わることをいいます。

 

それぞれの部署で購入時に重視するポイントが違ってくるので、どのポジションの担当者に向けてコンテンツを作るのかといったことも共有しておきましょう。

 

たとえば、購買センターの中でも生産ラインで実際に製品を使う「使用者」は、製品導入後に作業効率が向上するかを重視します。

 

一方、経営者など購入を決める「決定権者」は製品の性能もさることながら、供給の安定性や会社の信用度なども気にします。

 

ペルソナは、このような担当者ごとのニーズを意識しながら作成することも大切です。

④カスタマージャーニーを作る

③で設定したペルソナをもとに、顧客が製品を認知してから購入に至るまでの流れ=カスタマージャーニーを作ります。

購入までのプロセスには、何度か情報収集をする機会が訪れるので、その際にどんな情報が必要とされるかを検討してコンテンツに落とし込みます。この段階で、ニーズの高いコンテンツをすべて洗い出しておきましょう。

 

カテゴリーごとの特徴をつかむ

また製造業とひと言でいっても、販売している製品・サービスはさまざまあり、「部品」「原材料」「機械設備」「業務用供給品」「製造サービス」など商材ごとに分類すると企業の特徴がよりはっきりします。

 

たとえば、部品や原材料などの製品は、消耗品のため購入頻度は高いですが、価格帯は低く、定期的に購入してもらわなければ売上が見込めません。

 

一方、産業用ロボットや機械設備などは、価格が高いので1度の購入で大きな収益につながります。ですが購入頻度が低く、受注生産の場合が多いため、カスタマージャーニーも長いスパンでの作成が必要です。

 

このようにカテゴリーごとの特徴を細かく掴めば、どのようなカスタマージャーニーを作成すればよいのかがより明確になるでしょう。

 

カスタマージャーニーの作り方

⑤コンテンツスケジュールを立てる

カスタマージャーニーができあがったら、これに沿ってコンテンツスケジュールを立てましょう。 カスタマージャーニーをもとにコンテンツを計画することで、内容がブレずに済み、提供すべき情報を漏らさずにコンテンツ化できます。

コンテンツのなかには、記事だけではなく、ホワイトペーパーとなる技術資料やサポート資料など、他部署に作ってもらうものもあるでしょう。コンテンツスケジュールがあれば、公開に間に合わせるための事前依頼もラクに行えます。

 

コンテンツマーケティングで大事なのは、自社しか出せない専門的な情報をコンテンツに落とし込むことです。そのためにも、他部署と連携した調整が非常に重要となってきます。

またオウンドメディアでは、ユーザーに親しみやすさをもってもらえるように季節ネタ・時事ネタを織り込むことも大切です。作成の際には、Googleにクローリングされるまでに、公開から2ヵ月かかることも意識してスケジュールを立てましょう。さらに「⑦SNSを開設する」で説明する、企業SNSからの情報発信も並行して計画することがポイントです。

⑥オウンドメディアを構築する

オウンドメディアには、自社サイト、メールマガジン、ブログ型サイトなどがありますが、情報量と更新性などを考慮するとブログ型サイトを作成するのがおすすめです。ここ数年でBtoC・BtoBを問わず、オウンドメディアとしてブログ型サイトをもつ企業が増えました。

ブログ型サイトを作成すると、自社サイトやメールマガジン、SNSなど他媒体と連携したマーケティング活動が可能になります。その際ハブとしての役割を果たしてくれるのも、やはりブログ型サイトです。

自社サイトにブログ機能をつけたり、バナーからリンクさせたりと、自社サイトとの関連性を打ち出すやり方もありますし、社名をまったく出さずに、ユーザーの興味・関心のあるテーマで独立した情報サイトとして運営する方法もあります。どちらを選ぶかは、コンテンツマーケティングの目的や目標によって変わってくるでしょう。

実際の構築には、社内で制作するケースと、無料や定価で提供されているブログ機能を活用して内製化する方法、制作会社に外注する方法があります。予算があれば、ベンダーに外注するのもおすすめです。オウンドメディアのアクセス分析やコンサルティングまで行ってくれるので、手間をかけずにサイト作成ができるでしょう。

⑦SNSを開設する

オウンドメディアを構築したら、ユーザー接点としてより親しまれやすいSNSの企業アカウントを作って連携させましょう。具体的には、SNSでオウンドメディアの更新情報や企業ニュースなどをアナウンスし、それぞれのメディアへ流入させます。季節ネタ・時事ネタを発信するのもおすすめです。投稿のタイミングは、ペルソナが該当のSNSに触れる時間に合わせて決めます。

使用するSNSの種類は時代とともに変化しており、かつてはBtoBなら仕事に活用している人が多いFacebookが強く、BtoCなど商品ビジュアルを訴求したい場合はInstagramがよいといわれていました。

 

現在はInstagram、X(Twitter)、YouTubeを活用する企業が多いようです。各SNSの特徴と、最初に決めた目的・目標に合わせて媒体を選んでください。

ひとつに限らず、InstagramとLineなど、複数のSNSを併用する戦略もありますが、数が増えるほど運用負担も上がるので、社内リソースに合わせて広げていくとよいでしょう。

SNSは、拡散されやすいので影響力も高い媒体です。何気なく投稿した内容が炎上してしまう恐れもあるため、事前にSNSガイドラインを定めておくと安心です。

 

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⑧記事を作る

ブログ型サイトに投稿する記事の作成は、コンテンツスケジュールに合わせ、自分で作成したり、社内の作成担当者や外注先への発注を行います。

作成する際は、ペルソナやカスタマージャーニーをもとに、その記事の目的を明確にしましょう。記事を読んだユーザーに取って欲しいアクションを決めたうえで、まずタイトルもしくはキーワードと、全体の文字数(1記事あたり1,000文字前後の記事が多い)、見出しを決めます。ここまでをコンテンツマーケティングの担当者が行えば、社内の他部署にライティングを依頼したり、外注したりする場合もスムーズに行えます。

あらかじめ記事の表記や内容、引用などについてのルールを決めておくと、他部署や外注先に発注する際のコンセンサスがとれ、トラブル回避につながります。

 

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⑨ホワイトペーパーを作る

ブログ型の記事のほかに、「ホワイトペーパー」も作成して掲載しておきましょう。

 

ホワイトペーパーをダウンロードするのは、ブログ記事を閲覧するユーザーよりもペルソナに近いコアなユーザーである可能性が高いです。問い合わせをするほど検討度が熟してはいないが、情報収集したいと考えている見込み顧客と考えられるでしょう。

ホワイトペーパーのメリットは、ダウンロードの条件として企業名や氏名、メールアドレスなどの入力、あるいは会員登録をしてもらうことで、その後、見込み顧客へ直接アプローチできるようになります。

社内に眠っている技術資料や、製品CAD図、独自に調査した市場、技術動向の分析結果など、ホワイトペーパーとしてまとめられるネタはないか探してみてください。

 

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⑩広告を出稿する

オウンドメディアを開設しても、既存のコーポレートサイトやメルマガなどで周知するだけでは、製品や社名を認知している層にしかリーチできません。そこで有効なのが広告の出稿です。

 

広告を出稿することで、Googleにクローリングされるまで自然流入が見込めない公開初期のアクセス数も高められます。

広告にもデジタル、アナログ含めてさまざまな種類があります。今回のようなオウンドメディア開設の周知が目的の場合は、顧客接点が多く拡散性の高いSNS広告がマッチするでしょう。SNS広告は、メディア開設の周知以外にも、特定の記事を広告してコンテンツを拡散する手段としても活用できます。

⑪メルマガで拡散する

オウンドメディアへの集客方法として、メールマガジンもあります。すでにメルマガを発行している場合は、オウンドメディアを開設した旨をURLに添えて告知しましょう。また、新着記事の掲載に合わせて内容の一部をメルマガで紹介し、興味をもったユーザーをオウンドメディアへ誘導します。

 

メルマガを発行していない場合も、オウンドメディア開設を機に発行してみてはいかがでしょうか。低コストでスタートできますし、ユーザーの興味の度合いに応じて配信内容を変える「セグメント配信」を活用して、検討段階を一つ引き上げることも可能です。

 

配信先は、取引先やこれまでに名刺交換して社内に眠っている見込み顧客などです。オウンドメディアやコーポレートサイト上にメルマガ登録フォームを追加したり、ホワイトペーパーのダウンロード条件にメルマガ登録を掲げたりして、読者を増やしていきましょう。簡単に配信解除できるようにしておくことも大切です。

 

また、メルマガとは少し違いますが、社員に協力してもらい、メールの署名に開設したオウンドメディアのURLを記載してもらうのもひとつの方法です。

 

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⑫分析する

コンテンツマーケティングによる効果は、短期的には現れませんが、最初に決めた目的や目標をもとに定期的な分析を行い、改善していく必要があります。

 

具体的には、以下の指標をチェックします。

 

【チャネルごとの流入】

  • オーガニック…検索サイトからの流入数
  • ソーシャル…SNSからの流入数
  • リファラー…他サイトからの流入数
  • ダイレクト…URLを直接打ち込んだり、ブックマークからの流入数

 

GoogleAnalyticsなどのアクセス解析ツールを使って、大きな目的である「検索からの流入」が獲得できているか、SNSで拡散されているかを確認します。

 

【検索クエリ】

Googleサーチコンソールで検索クエリ(検索する際に入力された単語)を調べ、どのワードで流入してきているのかを確認します。狙っているキーワードで獲得できているのかどうかをチェックしましょう。

 

【評価の高いページ・低いページ】

  • PVが獲得できているページ
  • CVへの遷移が多いページ
  • 直帰率の高いページ
  • 離脱率の高いページ

 

これらをチェックすることで、どのページがユーザーからの評価が高いのかを確認できます。 評価が高いページは、コンテンツの追加やリライトなどページを強化する施策を進めて、検索順位をより強固なものにしましょう。

 

逆に、評価が低いページでは、タイトルや内容をチェックして問題点を明確にし、コンテンツを改善します。洗い出した問題点はデータ化して、次回のコンテンツ作成やキーワード選定にも活かしましょう。

 

【CVR・CV数】

  • サービス資料
  • ホワイトペーパーのダウンロード数
  • セミナーのお申し込み
  • メルマガ登録

 

目的としているCVや中間CVが獲得できているかを確認します。

 

【CVや中間CVからの受注率・受注数】

最後に、獲得したリードが有効なものかどうか判断するために、営業部門が集めたリードと、コンテンツマーケティングで集めたリードの受注率や受注数を比較します。 営業部門が集めたリードよりも受注率が悪い場合には、ホワイトペーパーの見直しや、ターゲットが検索しそうなキーワードを営業と再考する必要があります。

 

ここまでがコンテンツマーケティングの1サイクルです。分析した結果をもとに「⑧記事を作る」に戻り、PDCAサイクルを回して改善していきます。

コンテンツマーケティングに必要なツール

コンテンツマーケティングで成果を上げるためには、ユーザー目線に立った良質なコンテンツを安定的に配信すること、ターゲットユーザーの情報ニーズや購買フェーズに合わせてコンテンツを広める手法を選定することの二軸が必要です。

 

次に、コンテンツマーケティング施策の効率的な運用に欠かせないツールをご紹介します。

CMS

Webサイトの管理ツールであるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)は、オウンドメディア運用にとくに役立ち、大量のページや複数のブログなど多くのコンテンツを管理する際に便利です。

 

CMSには「Wordpress」などに代表されるような無料でスタートできるものもあり、専門知識をもたずともWebサイトの更新・管理を行えるというメリットから、幅広い業種で活用されています。

 

以下は弊社が提供する「CMS BlueMonkey」の管理画面です。公開ページと同じ見た目でWebコンテンツの編集ができます。

 

CMS管理画面

MA

マーケティング活動の業務とプロセスを自動化するツールであるMA(マーケティングオートメーション)は、コンテンツによって顧客を育成するプロセスを自動化することができます。また、獲得した顧客情報を営業部門にスムースにパスすることも可能です。

 

MAツールの代表的なものにはMarketoやSalesforce Pardotなどがあります。また、国産ツールでは弊社が提供する「BowNow」や、SATORIなども近年支持を集めています。

 

MAツールをコンテンツマーケティングに導入する際には、カスタマージャーニーの整理と適切なコンテンツ配信を土台として、マンパワーだけで実行するには厳しい業務をサポートする手段として活用するとよいでしょう。

Google Search Console

Google Search Console(グーグル サーチ コンソール)は、Webサイトにアクセスしたユーザーがどのようなキーワードで検索したのかを調べられるツールです。

 

キーワードごとの表示回数やクリック数などが一覧でわかるので、各種のSEO施策に役立ち、コンテンツを作成する際のキーワード選定に便利です。

Google Analytics

アクセス解析ツールであるGoogle Analytics(グーグル アナリティクス)は、コンテンツマーケティングの効果測定に不可欠なツールのひとつです。

 

Webサイトのアクセス状況やユーザーの閲覧行動を追跡・計測でき、社内でのデータ共有にも便利です。

 

アクセス解析に必要な機能を無料で利用できることから、企業規模を問わず多くの企業で導入されているツールです。

まとめ

顧客のニーズや購買行動が変化している現代社会において、製造業ではコンテンツマーケティングへの取り組みがますます重要になっています。インターネットの普及で顧客は自ら情報を探し、製品や企業に対して高い情報要求をもっています。そのため、製造業者は顧客のニーズに応えるために、有益な情報を提供することが不可欠です。

 

コンテンツマーケティングは、製造業が自社の専門知識や製品に関する情報を活用して、顧客との関係構築を強化する手段として非常に効果的です。製造プロセスの公開や製品の活用例の提供、導入事例の紹介など、製造業ならではのコンテンツは、顧客にとって価値のあるものになるでしょう。

 

また、一過性の広告とは異なり、長期的な効果が期待できる点もコンテンツマーケティングの魅力です。地道な情報提供を通じて、顧客の信頼を勝ち取り、企業の成長に貢献することができるでしょう。

 

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  • この記事を書いた人
  • エムタメ!編集部
  • クラウドサーカス株式会社 マーケティング課

    プロフィール :

    2006年よりWeb制作事業を展開し、これまでBtoB企業を中心に2,300社以上のデジタルマーケティング支援をしてきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。53,000以上のユーザーを抱える「Cloud CIRCUS」も保有し、そこから得たデータを元にマーケティング活動も行う。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意。

    メディア概要・運営会社→https://mtame.jp/about/

    Twitter→https://twitter.com/m_tame_lab

 

 

 


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