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AIDMA(アイドマ)とは?AISAS(アイサス)との違いや活用シーン、成功事例などをわかりやすく解説

記事公開日:2024/04/10
AIDMA(アイドマ)とは?AISAS(アイサス)との違いや活用シーン、成功事例などをわかりやすく解説

AIDMA(アイドマ)とは、消費者の購買行動プロセスを説明する、代表的なフレームワークの1つです。商品・サービスを購入する人が、どのようなプロセスを経て購入に至ったのかという一連の流れを表した概念です。

 

AIDMAを活用することで、マーケティングの最適化につながり、商品・サービスの売上向上を期待できます。

 

本記事ではAIDMAの基礎知識をはじめ、AIDMAの活用シーンや活用メリット、AIDMA以外の消費者行動プロセスを解説します。最後には実際の成功事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

 

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AIDMA(アイドマ)とは

AIDMA(アイドマ)

 

AIDMA(アイドマ)とは、消費者の購買行動プロセスを説明する、代表的なフレームワークの1つです。

 

消費者の5つのプロセス「Attention(注意・認識)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)」の頭文字から構成されており、消費者が商品やサービスを「知る→興味・関心を持つ→欲しいと思う→覚える→購入する」という一連の流れを表しています。

 

購買行動を分解して理解することで、ユーザーの動機を見極められ、より適切にアプローチできるようになり、購買に結びつく可能性が高まります。

 

他にも数多くの購買行動プロセスのフレームワークが存在しますが、AIDMAはユーザーの短期的な購買行動を説明している点が特徴です。

 

以下でそれぞれのプロセスについて詳しく解説します。

Attention(注意・認識)

AIDMAのファーストステップである「Attention(注意・認識)」は、消費者が商品・サービスを知ることを意味します。テレビやネットの広告、SNSなどから情報を得ることで、もともと商品やサービスを知らないユーザーがその存在を認識する段階です。

Interest(関心)

前の段階で知った商品・サービスに対して、消費者が興味・関心を持つフェーズが「Interest(関心)」です。

 

商品やサービスを認識しても、興味を持ってもらえなければ購入には至りません。「どんな商品なのか」「このサービスでどんなことが解決できるのか」など関心を抱いてもらうことが重要です。興味・関心を持ってもらえるかは一瞬で決まるとされているので、企業側は魅力を簡潔に伝える工夫が求められます。

Desire(欲求)

「Desire(欲求)」は、認識+興味を持った商品・サービスを欲しいと思う段階を指します。

 

関心を持ってもらうだけでなく、「実際に使ってみたい」「課題解決のために導入したい」と思ってもらう必要があります。また商品・サービスそのものに興味はあるものの、「価格が高いのではないか」「本当に必要なのか」などの疑問を抱える消費者も多いので、心配や不安を取り除くアプローチが重要です。

Memory(記憶)

消費者は商品・サービスを「購入したい」「使ってみたい」と思ったとしても、購入まで至るとは限りません。

 

そこで企業は、様々なチャネルを通して消費者に情報を提供してリマインドする必要があり、そのプロセスが「Memory(記憶)」です。アプローチすることで、商品・サービスを購入するモチベーションを高めます。

Action(行動)

「Action(行動)」は、消費者が商品・サービスを購入する最終プロセスを指します。

 

購入するモチベーションが高まっていても、購入する機会がない場合や、購入する方法がわからない場合、買って購入しないか悩んだ末に購入をやめてしまうケースなどがあります。

 

コンビニなどの消費者が訪れやすい店舗に商品を置いたり、期間限定の特典をつけたりするなどの対策をすることで、購入機会を提供でき、商品の購入へとつながります。

AIDMA(アイドマ)の具体例

AIDMA(アイドマ)をより理解するため、消費者が新しい冷蔵庫を購入するシーンを例に考えてみましょう。

 

まず消費者は、テレビCMやSNS、Web広告などで冷蔵庫について認知=「Attention」し、その冷蔵庫が好きか嫌いかを瞬時に判断して関心=「Interest」を持つかどうかが決まります。

 

関心を持ったら、この冷蔵庫が自分に必要か否かや、本当に欲しいものかどうか=「Desire」を検討し、記憶=「Memory」します。そして冷蔵庫を購買するモチベーションが高まり、購入機会が訪れたら購買行動=「Action」を起こすという流れです。

AISAS(アイサス)との違い

AISAS(アイサス)

 

AISAS(アイサス)とは、1990年代に電通によって提唱された消費者行動モデルで、AIDMAをインターネット社会に適応させたモデルです。インターネットが普及したことによって端末に商品を記憶させることができるようになり、消費者は自分で記憶する必要がなくなったため、AIDMAの「Memory(記憶)」の段階は消失しました。下記がAISASの購買プロセスです。

 

  • Attention(注意・認識)
  • Interest(関心)
  • Search(検索)
  • Action(行動)
  • Shere(共有)

 

SNSが普及した今、商品を購入したらブログやSNSなどに投稿し、友人にシェアするという行動が一般的になっています。モデルなどのインフルエンサーがインスタグラムなどのSNSで商品を紹介すると爆発的にヒットするという現象も起きています。

 

さらに、何かを探す時はGoogle、Yahoo!などの検索エンジンではなく、SNSを利用するという人も増えてきました。こういった風潮がある中で、「share(共有)」をプロセスの1つとして置いている「AISAS」は、今後のマーケティング戦略を考えるうえで重要なフレームワークだと言えるでしょう。

AIDMAの活用シーン

AIDMAの主な3つの活用シーンについて解説します。

ペルソナの設定

AIDMAはペルソナを設定する際に活用されます。ペルソナとは、自社のターゲットとなるユーザー像を指し、ペルソナを通してユーザー像への理解を深めることで、マーケティング方針を統一できるという役割があります。

 

ペルソナを設定する際にAIDMAを活用して購入行動を分析すれば、ペルソナをより具体的且つ適切に設定しやすくなります。AIDMAから明らかになったニーズや流行などをペルソナに反映することが大切です。

 

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プロセスに応じたアプローチ方法の設定

消費者を購入へと導くためには、各プロセスごとに適したアプローチを行う必要があります。適切なアプローチ方法を設定する際には、AIDMAの活用が役立ちます

 

「Attention」では、テレビCMやWebサイト、SNSでの商品・サービスの広告、「Interest」では、同じ方法を通してより商材の魅力が伝わる情報を提供していきます。

 

「Desire」のフェーズでは、消費者自身が情報を集めようとするため、Webサイトの製品ページやカタログの内容を充実させることが大切です。その後、定期的なメルマガの配信や様々なチャネルを通した広告を打つなど、商品・サービスを思い出してもらえるような施策を行う段階が「Memory」です。

 

最終フェーズの「Action」では、消費者の購買意欲を刺激するために、キャンペーンの企画やクーポンの配布などのアプローチを行います。

適切なタイミングでのマーケティング施策の実行

マーケティング施策で効果を出すためには、適切なタイミングで消費者にアプローチすることが必要です。その際にはAIDMAを活用すると良いでしょう。

 

AIDMAのフェーズを元にタイミングを考慮した上でアプローチすることで、消費者が各フェーズを着実に踏んでくれる可能性が高まります。より的確なタイミングを把握するためには、マーケティングオートメーションを導入するのも効果的です。

 

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AIDMAを活用する3つのメリット

AIDMAを活用することで、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか?主な3つのメリットを紹介します。

自社の課題を明確にして改善につなげられる

AIDMAを活用することで、自社の課題や弱みを明確にし、改善策の立案につなげられるというメリットがあります。

 

Desire(欲求)のフェーズで購入意欲が高くても、Action(購入)の段階ではなかなか購入へ結びつかないケースなどがよくあります。この場合、商品・サービスの値段や質に原因があるとは限らず、競合他社製品と比較した際に改善すべき点が見つかることがあります。

 

思うように成果がでない場合は、AIDMAの各フェーズごとに自社の課題や弱みを把握し、改善していくことが大切です。

消費者の心理状態に応じてマーケティングを最適化できる

消費者の心理状態に応じてマーケティングを最適化できるという点も、AIDMAを活用する大きなメリットです。

 

消費者の心理状態は各フェーズごとに異なる傾向にあるため、必要な施策もそれぞれ違います。適切でない施策を打っても効果が得られないため、せっかくかけた手間や労力も無駄になりかねません。AIDMAの各段階における消費者心理を考慮し、最適なマーケティング施策を打ちましょう。

ペルソナマーケティングを最適化できる

AIDMAを活用することでペルソナマーケティングを最適化することができ、より効果的な施策を打てるようになります

 

ペルソナを設定する際にAIDMAを活用することで、ペルソナをより具体的且つ適切に設定しやすくなることは先述しましたが、ペルソナを深掘りすることで、AIDMAの各段階においてより効果的な施策を打つことができます。

 

たとえば、ユーザーを「男性・40?60代・高年収」というペルソナを設定した場合、ユーザーが多いと予測できる新聞やタクシーに広告を打つことで成果が得やすくなるはずです。AIDMAを活用することで、ペルソナマーケティングの最適化につながります。

 

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AIDMA以外の消費者行動プロセス13選

AIDMA以外の13の消費者行動プロセスを解説します。

SIPS(シップス)

SIPS(シップス)

 

SIPS(シップス)とは、SNSにおけるユーザー同士の影響を考慮した購買プロセスを指します。AIDMAやAISASをもとにした概念ではなく、新しい購買プロセスとして定義されたフレームワークです。

 

以下の段階から構成されており、それぞれの頭文字から名付けられています。インターネットやSNSが普及した現代の消費者行動に合わせて生まれました。

 

  • Sympathize(共感)
  • Identify(確認)
  • Participate(参加)
  • Share/Spread(共有・拡散)

 

プロセスが「共感」から始まる点や、消費者がSNSを通して企業の営業活動に参加する点もなども、他のフレームワークにはない特徴です。

AISCEAS(アイセアス)

AISCEAS(アイセアス)

 

AISCEAS(アイセアス)は、「インターネット普及後の社会における消費者行動モデル」です。消費者のサービスや商品購入までのプロセスを下記の7段階に分けて考え、その頭文字をとって名付けられました。

 

  • Attention(認知・注意):消費者が商品を認識する段階。
  • Interest(興味・関心):消費者が商品を購入するか考え、興味関心を持つ段階。
  • Search(検索):消費者が商品についての情報を検索する段階。
  • Comparison(比較):消費者が商品の比較をおこなう段階。
  • Examination(検討):消費者が商品を購入するか検討する段階。
  • Action(行動):消費者が商品を購入する段階。
  • Share(共有):消費者が体験を共有する段階。

 

このA・I・S・C・E・A・Sのそれぞれのステップに対して、自社のボトルネックを特定し施策を打っていくことで、効果的に顧客を獲得しシェアまでつなげることが可能です。ただ闇雲に施策を打つよりも、より合理的な判断ができるのが、消費者行動モデルを活用するメリットといえるでしょう。

 

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AIDA(アイダ)

AIDA(アイダ)は概念として提唱された初の購入行動フレームワークで、AIDMAの原型とされています

 

各アルファベットは以下を表しており、欲求と購買までの間に「Memory(記憶)」が追加されたのがAIDMAです。他の多くの消費者行動プロセスの元となった概念として知られています。

 

  • Attention(注意)
  • Interest(関心)
  • Desire(欲求)
  • Action(購買)

AIDCA(アイドカ)

AIDCA(アイドカ)は、AIDAモデルに「Conviction(確信)」が加えられた消費者行動プロセスです。AIDMAと同時期に提唱され、AIDMAの「Memory(記憶)」の部分が「Conviction(確信)」に替わっていると捉えることもできます。

 

主に見込み客の購買を狙うダイレクトマーケティングで活用されるのが特徴です。AIDCAにでは「Conviction(確信)」が最も重要なフェーズであり、例えば消費者が高額な商品・サービスを購入する場合、その動機となるのはMemory(記憶)ではなくConviction(確信)であると考えられています。

 

消費者が商品やサービスの価値を確信することで強い購買意欲をもつとされています。

AIDCAS(アイドカス)

AIDCAS(アイドカス)は、前章で紹介したAIDCAに「Satisfaction(満足)」を加えた概念で、商品・サービス購入後のアフターサービスやフォローをしっかりと実施して満足してもらうことを重視したフレームワークです。

 

リピーターの増加やリピート率の向上を目的としており、AIDCAと同じく、主に見込み客の購買を狙うダイレクトマーケティングで活用されます。

AMTUL(アムツール)

AMTUL(アムツール)は、消費者からの信頼や愛着に注目した購買行動プロセスで、各アルファベットは以下を表しています。

 

  • Aware(認知)
  • Memory(記憶)
  • Trial(試用)
  • Usage(本格的な利用)
  • Loyalty(愛用・固定客)

 

AIDMAよりも長期的な心理変化に着目している点が特徴で、消費者との良好な関係構築や、顧客のファン化などを狙えます。ファンを育成・獲得できれば、継続的に商品・サービスを購入してもらう可能性が高まります。

AISA(アイサ)

AISA(アイサ)は、SNSにおける消費者の情報発信から発展する購買プロセスです。以下の流れで構成されています。

 

  • Attention(注意)
  • Interest(関心)
  • Social Filter(ソーシャルフィルター)
  • Action(購買)

 

消費者の中には、WebサイトやGoogle検索ではなく、SNSから得られる情報で商品の購入を決める人も増えています。AISAでは「Social Filter(ソーシャルフィルター)」では、SNSにおける商品・サービスに対する消費者の反応に着目するのが特徴です。

ARCAS(アルカス)

ARCAS(アルカス)とは、店頭販売における購入プロセスを指します。具体的には以下の頭文字から構成されており、主に店頭販売のマーケティング戦略にて活用されます。

 

  • Attention(気づき)
  • Remind(思い起こし)
  • Compare(比較)
  • Action(購買)
  • Satisfy(満足)

 

具体的には、消費者が来店して商品を見た際に「広告で気になっていた商品だ」と思い出したり、店頭で商品に触れた後、他の場所で商品を思い出して比較したりした後に、購入に至るという一連のプロセスを説明します。

 

提供する商品・サービスはもちろん、店舗での接客などに力を入れることで再来店につながり、商品のリピート購入を狙えるでしょう。

AIDEES(アイデス)

AIDEES(アイデス)は、消費者が購入した商品・サービスに満足し、口コミやSNS紹介などでシェアすることに着目した購買決定プロセスです。下記の頭文字をとって名付けられました。

 

  • Attention(注意)
  • Interest(関心)
  • Desire(欲求)
  • Experience(購入)
  • Enthusiasm(心酔)
  • Share(情報共有)

 

AIDMAと比較すると、消費者の体験を重視している点が大きな違いであり、ユーザーによる口コミや宣伝に重きをおいている点がポイントです。消費者が商品・サービスを使って感動した=「Enthusiasm(心酔)」ことを、ネット上で「Share(情報共有)」し、次の消費者へとつなげていくのが特徴です。

SAIDCAS(サイドキャス)

SAIDCAS(サイドキャス)とは、インターネットが普及した現代に即した消費行動プロセスで、GMOが自社の成功事例をもとに編み出し、提唱したモデルです。それぞれのアルファベットは以下を意味しています。

 

  • Search(検索)
  • Aware(認知)
  • Interest(興味)
  • Desire(欲求)
  • Conviction(確信)
  • Action(行動)
  • Satisfy(満足)

 

大口の顧客をつくり出して需要を拡大させ、最終的に獲得することを目的としています。

VASAS(ヴィサス)

VASAS(ヴィサス)はSNSやインフルエンサーを通じた口コミなど、「消費者の情報発信」に着目した消費者行動プロセスです。それぞれの頭文字は以下を意味しています。

 

  • Viral(口コミ)
  • Influence(影響)
  • Sympathy(共感)
  • Action(行動)
  • Share(共有)

 

誰もが情報発信を行える現代では、消費者が簡単にSNSで発信できるようになり、その情報を他の消費者が見ることで、購入するというプロセスが一般的になっています。本モデルでは、「どのように良い口コミを広めるか」「SNSでどのように情報発信を促すか」が重要です。

DECAX(デキャックス)

DECAX(デキャックス)は、Web上で消費者自らが情報発見を行うことを前提とした消費者行動プロセスです。以下のような流れで消費者が自分で情報収集を行い、商品・サービスの購入に至る流れを説明しています。

 

  • Discovery(発見)
  • Engage(関係)
  • Check(確認)
  • Action(購買)
  • Experience(体験共有)

 

SNSやWebサイトなどを通して、消費者があらゆる情報に触れることを考慮している点がポイントです。

 

具体的に「Engage(関係)」は、企業が発信した情報に消費者が反応することで良好な関係を構築することを意味し、「Check(確認)」は、自身で収集した情報が正しいか・有益な情報かをチェックすることを指します。購入した後は、その体験をWeb上で共有=Experienceするという特徴があります。

ULSSAS(ウルサス)

ULSSAS(ウルサス)とは、消費者がSNSに投稿するコンテンツを軸とした購入プロセスを指します。以下が各アルファベットの意味です。

 

  • UGC(ユーザー投稿コンテンツ)
  • Like
  • Search1(SNS検索)
  • Search2(Google/Yahoo!検索)
  • Action(購入)
  • Spread(拡散)

 

消費者は商品・サービス購入後、その商品に関するコンテンツをSNSに投稿するのが一般的になっています。その投稿に他の消費者が「Like(いいね)」で反応し、SNSやGoogle/Yahoo!などのWeb上で検索を行うことで購入に至ります。

 

さらにその消費者が自分のSNSに投稿をすることで、同様の流れが生じてさらなる購入に至るという、自動で集客ができるサイクルの構築を狙います。

AIDMAを活用した成功事例3選

実際にAIDMAを活用した成功事例を3つ紹介します。

資生堂「TSUBAKI」

資生堂が2006年から展開しているヘアケアブランド「TSUBAKI」は、AIDMAの成功事例の中でも代表的な例といえます。

 

有名女優陣が出演するCMのテーマソングを国民的アイドルが担当するという、膨大な予算を使ったキャンペーンを打つことによって、一世風靡を巻き起こしました。黒髪の美しさに着目した戦略で日本女性の共感を獲得し、黒髪ブームも起こったほどです。

 

以下ではAIDMAの段階ごとの施策を解説します。

Attention(注意・認識) 有名女優・人気アイドルをTVCMに起用。テーマソングを耳にするだけで商品を思い出すなど、耳に残るテーマソングと強いインパクトを与えた。
Interest(関心) 「日本の女性は、美しい」という印象的なコピーをTVCMに起用し、消費者の興味・関心を惹きつけた。
Desire(欲求) 店頭やドラッグストア、街中でサンプルを配布し、実際に使用してもらうことで購入欲求を高める。
Memory(記憶) 店頭でPOPを貼ったり、大量に陳列してもらったりするなど、大々的に商品をアピールし、リマインドする。シャンプーとコンディショナーをセット販売し、販促品をつけるなどの工夫を施す。
Action(行動) これまでのフェーズを経て、消費者が実際に店頭で商品を購入する。

 

参考

ナイル株式会社「おトクにマイカー 定額カルモくん」

ナイル株式会社のリーズナブルな価格でカーリースを利用できるサービス「おトクにマイカー 定額カルモくん」でもAIDMAが活用され、加入者が増えるという成果が得られました。

 

以下がAIDMAのフェーズにおける具体的な施策です。

Attention(注意・認識) 「車」に関連したキーワードでSEO上位表示を獲得し、ユーザーにサービスを認識してもらう。
Interest(関心) 「定額で車が買える」という簡潔でわかりやすいコピーを打ち出した。魅力を端的に伝えることで、ユーザーが関心を持った。
Desire(欲求) Webサイトで「定額であの新車に乗れる!」と理解してもらい、商品・サービスの購入に対する欲求を高める。
Memory(記憶) 電車内広告やリターゲティング広告などを利用して、サービスを思い出させる。
Action(行動) Web上で審査申込みから納車まで完結できるシステムを採用することで、ユーザーに購入機会を提供。ユーザーが購入行動を起こしやすくなった。

 

参考

2018年サッカーワールドカップのコカ・コーラ社

コカ・コーラ社でも、2018年のサッカーワールドカップの期間中にAIDMAが活用された取り組みが実施されました。同社はサッカーを観戦しながらコカ・コーラを飲む様子のTVCMを大量に放映することで、コカ・コーラの売上は大幅に向上しました。

 

Attention(注意・認識) サッカーワールドカップの試合をテレビで観戦する際、コカ・コーラのTVCMが流れることで認知度は向上した。
Interest(関心) 印象的なキャッチコピーをCMの最後に流すことで、サッカーワールドカップとコカ・コーラが結びついて記憶され、消費者の興味・関心を刺激した。
Desire(欲求) 世間でサッカーワールドカップの話題が持ちきりになると、サッカーにあまり興味がなかった消費者もテレビで観戦したいと思うようになり、TVCMを視聴することによって商品購入の欲求が高まった。
Memory(記憶) サッカーワールドカップとコカ・コーラのCMを結びつけて記憶した消費者に、さらにリマインドして思い出させることで購入のモチベーションを高める。
Action(行動) サッカーワールドカップを見る予定の消費者が、帰路でコカ・コーラを思い出して購入する。

 

参考

まとめ

本記事では、AIDMA(アイドマ)の基礎知識や活用シーン、AIDMA以外の13の消費者行動プロセスなどを解説しました。

 

インターネットが普及し、消費者の購買行動は変化していますが、AIDMAは100年以上前に提供されながらも根強く残り、今もあらゆるシーンで活用されています。AIDMAを活用し、各フェーズの消費者の状況をしっかりと把握することで、効率的に消費者を購買行動へと導けます

 

AIDMAを起点に、アップデートされた他の消費者行動モデルも参考にして施策立案に取り組むことで、より大きな成果を得られるでしょう。

 

  • この記事を書いた人
  • エムタメ!編集部
  • クラウドサーカス株式会社 マーケティング課

    プロフィール :

    2006年よりWeb制作事業を展開し、これまでBtoB企業を中心に2,300社以上のデジタルマーケティング支援をしてきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。53,000以上のユーザーを抱える「Cloud CIRCUS」も保有し、そこから得たデータを元にマーケティング活動も行う。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意。

    メディア概要・運営会社→https://mtame.jp/about/

    Twitter→https://twitter.com/m_tame_lab

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