製造業DXの基本用語をまとめました!学習や情報収集にお役立てください
最終更新日:2023/11/16
昨今、製造業のDXが急務となっており、各社何かしらに取り組みを始めていたり、これから取り組んでいきたいと考えられているかと思います。
そこで本記事では、製造業DXを推進していく上で知っておきたい基本用語の意味と、詳細を知るための関連リンクをまとめています。ぜひ情報収集や若手社員の教育などにお役立てください。
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目次
デジタルツイン
デジタルツイン(Digital Twin)とは、現実空間のモノや環境から取得したデータを、デジタル空間に再現するテクノロジーのことです。現実空間を、デジタル上の仮想空間に、鏡写しのようにそっくり作り出すことから「ツイン=双子」と表現されます。グローバルインフォメーションが公開しているレポート(出典:市場調査レポート: デジタルツイン市場 )によると、デジタルツインの市場規模は、2022年の69億米ドルから2027年には735億米ドルに成長することが見込まれています。
デジタルツインを実現するには、現実空間とデジタル空間、これらの情報を連携する仕組みが必要です。IoTやAI、5G、AR・VRなどといった、最新のデジタル技術を使って、物理空間における膨大な量のデータをデジタル空間に反映させます。
AIがデジタル空間で行った分析・検証を、リアルタイムで現実世界にフィードバックすることで、未来の変化までを予測できるのがデジタルツインの特徴であり目的です。実際に使われている製品・稼働している設備や生産ラインなどの動的なデータを、リアルタイムで再現しながら予測を行うため、問題に対して即時にアプローチできます。
より詳しく知りたい方はこちら:
デジタルツインとは?シミュレーションとの違い、製造業での活用事例などをご紹介
ダイナミックケイパビリティ
「ダイナミックケイパビリティ」は、急速に変化する状況・環境に応じて自己を変革していく企業の能力を意味し、「企業変革力」とも呼ばれます。
いくら企業が豊かな固有資源を持ち、それらを利用することができたとしても、状況や環境の変化に応じられなければ不適合なものとなり、企業の弱みや硬直性を招いてしまいます。
そこで重要となるのが、自社が保有する人・モノ・情報・時間などの固有資源や強みを適切に組み合わせながら変化に対応していき、持続的な競争力の持続を目指す戦略経営論の「ダイナミックケイパビリティ」です。
より詳しく知りたい方はこちら:
ダイナミックケイパビリティとは?製造業における重要性やDXとの関係
デジタルイノベーション
「デジタルイノベーション(digital innovation)」とは、デジタル技術を使用して新しい価値を生み出し、社会に変化をもたらすことです。社会全体の革新から企業の改変まで、幅広い意味合いで使われている概念です。
ビジネス領域では、デジタルを活用した新商品やサービスの開発、生産システムの最適化で暮らしや社会がより良い方向へ変化するという意味合いでも使われます。
2023年に経済産業省では、「地域デジタルイノベーション実証型」の事業者を公募し、地域企業とデジタル企業、協力団体の連携を資金援助。政府もデジタルイノベーションの取り組みを促進しています。
より詳しく知りたい方はこちら:
デジタルイノベーションとは?DXとの違いや製造業における活用事例をご紹介
VR
VR(「Virtual Reality」の略)の直訳は仮想現実です。専用のゴーグルをつけた上で360度の映像を映すことで、限りなく現実世界に近い仮想空間を表現でき、没入型のコンテンツを創出する技術のことを指します。
3次元の空間性に加え、自分自身が空間に入り込める自己投射性があるものが一般的にVRと定義されています。VRはバーチャル空間でありながら、音と映像によって本当にその空間に入り込んだような感覚を味わえるのが最大の特徴です。
多くのVRコンテンツは、ヘッドセットやゴーグル、コントローラーなどのデバイスを用いて体験でき、センサーによって身体の動作速度や角度を検出することで映像に反映させ、リアルな体験を創り出します。
より詳しく知りたい方はこちら:
VRを活用した製造業DXの推進方法を紹介!活用方法やポイント、具体的な事例まで徹底解説
インダストリー5.0
「インダストリー5.0(Industry 5.0)」とは、2021年1月に欧州委員会によって定義された産業革命の方針のことで、第5次産業革命ともいわれます。産業が、国や企業の枠組みにとらわれず、地球規模で目指すべき姿として提唱されました。
ひとつ前の産業革命「インダストリー4.0」がドイツによって提唱されたのは2011年。こちらは、現実空間×デジタル空間を高精度で融合させる技術によって産業の効率化をはかり、ビジネスモデルの革新を目指すものです。しかしこれらを推進する上で、プロセスの自動化によって失われるカスタマイズ性、環境保全視点での持続可能性、不測の事態への回復力といった面がカバーしきれないことも課題として見えてきました。
インダストリー4.0が目指す、デジタル技術を駆使した高精度の技術革新に加えて、「人間を中心とした産業のあり方」「環境・社会問題の解決」「パンデミックや災害・戦争など予測のできない事態への対応」、これらを包括的に実現する取り組みとして「インダストリー5.0」の構想が出来上がりました。
より詳しく知りたい方はこちら:
インダストリー5.0とは?「次世代の自動化製造」に取り組むメリットや課題、各国の取り組みや歴史的背景を解説
デジタルファクトリー
「デジタルファクトリー」とは、工場内の設備・センサーから取得した情報を分析し、現実空間の作業場でのシミュレーションを行うことで最適な生産ラインを実現できる、リアルとデジタルを融合した工場を指します。製造業のDX推進において重要性が高まっている手法のひとつです。
デジタルファクトリーでは「生産順・中間の在庫管理・ロボットプロセス・作業プロセス・組み立て順序」など多岐に渡ってデジタルデータによるシミュレーションを行います。そしてその結果をもとに、工場をどう設計・構築・管理するか、生産性をいかに最大化するかなどを考えます。
うまく導入できれば作業の効率化が図れるとともに、消費者にとってよりニーズの高い製品の製造が可能です。他にも運用効率と持続可能性の向上、市場投入までの時間短縮、より多くの顧客への訴求などの実現が期待できます。
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製造業DXのカギを握るデジタルファクトリーとは?意味やメリット、構築法や事例まで徹底解説!
PLM(プロダクトライフサイクルマネジメント)
PLM(Product Lifecycle Management)とは、製品の企画・生産・販売・廃棄までの一連の工程における情報を管理する取り組みです。情報共有によって製品のライフサイクル全体を管理することで、業務効率の向上やモノづくり体制の強化、利益の最大化を図ります。
製造業では競争の激化や環境の変化に伴い、「QCD」=Quality(品質)・Cost(コスト)・Delivery(納期)の重要性が増しており、製品ライフルサイクル全体を一元管理できるPLMのシステムを導入することで、高品質な製品を低コストで製造し、迅速に納品する「QCD」を達成することができます。
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PLMとは?製造業で再注目される背景やシステムの必要性、メリットなどを解説!
BOM(部品構成表)
BOM(Bill Of Materialsの略)は、日本語では「部品表」もしくは「部品構成表」と呼び、製造業において製品を製造するうえで必要な部品を一覧表にした表を指します。
BOMには品名や型名、製造元、数量、品目コードなど部品に関するあらゆる情報や、製造品がどのような構成で造られているのかという情報がまとめられています。
BOMは、設計部門・製造部門・購買部門など様々な部門間で共有され、調達スケジュールや工程管理、原価管理、在庫管理などに活用されます。製造業の現場におけるワークフローを効率化するために非常に重要な存在です。
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BOMとは?種類や重要性などの基礎知識からシステム化までわかりやすく徹底解説!
PIM
PIM(Product Infomation Managementの略)はスペックやイメージ画像などの商品情報を一元管理することで、様々な媒体に連携して利用できるようにする情報管理手法 を指し、「商品情報管理」とも呼ばれます。
Webサイト、カタログ、プロモーションなど、企業において商品情報を確認する媒体は多岐にわたりますが、多くの企業ではそれぞれ個別にシステムを作り、それらのデータを二重・三重に管理しているため、情報管理が複雑化・非効率化しているのが現状です。
その場合、商品の仕様変更や新製品の発表などに伴ってこれらの情報をすべて更新する必要があり、商品数が多いほど作業量や複雑さは増して対応が難しくなる上、人為的なミスが増えるという課題もあります。
PIMシステムを導入することで、複雑に管理されていた商品情報をまとめて一元で管理できるようになり、Webサイトやカタログ、プロモーション等の情報と連携して、適切な媒体で顧客にサービスを提供することが可能です。
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PIM(商品情報管理)とは?機能やメリットから選定の際のポイントまでわかりやすく徹底解説!
ファクトリーオートメーション(FA)
ファクトリーオートメーション(Factory Automation:以下FA)とは、工場の生産工程を自動化するための技術やシステムのことです。いままで人間が行っていた加工、組み立て、出荷作業などに産業用ロボットやデジタル技術を活用して、生産性の向上などを図ります。
似ている取り組みとして「スマートファクトリー」がありますが、こちらはFAをさらに進化させたシステムのことをいいます。製造工程を自動化するFAに対して、スマートファクトリーはIoTやAIなどの最先端技術を活用して、工程全体を最適化するシステムです。
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ファクトリーオートメーション(FA)とは?メリット・デメリットや導入方法を解説
サービタイゼーション
サービタイゼーション(servitization)とは、「製造業をサービス化すること」を意味します。従来の製造業が「製品を売ること」を目的としてきたのに対して、サービタイゼーションは、「製品とそれに付随するサービスを売ること」を目的としています。製造・販売から保守管理まで一連のプロセスを「技術力」として売ることで、販売後も取引継続を目指すビジネスモデルです。
近年サブスクリプションというビジネスモデルは広く一般に定着しました。実際に、以前は私たちが購入していたCD・車・衣服などの「モノ」は、今では月定額料金制の「サービス」として享受できるように大きく変化してきました。その中で顧客は、従来の「購入がゴール」の売り切りビジネスの時代とは異なり、購入前〜購入後すべてにおける顧客体験価値を重視するようになり、その傾向は年々強まっています。
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サービタイゼーションとは?製造業をサービス化する重要性・事例や戦略をご紹介
サプライチェーンマネジメント
サプライチェーンマネジメントを解説する前に、まずサプライチェーンについて説明します。
サプライチェーンとは、原材料の調達から製品を消費者へ届けるまでのモノの流れです。日本語では「供給連鎖」と訳されます。自社の業務だけでなく、卸売業者や小売業者、配送業者などを含むフロー全体のことをいいます。
そしてサプライチェーンマネジメントとは、そのサプライチェーン全体のモノやお金、情報の流れを結びつけて、最適化する経営管理の手法のことです。Supply Chain Managementの頭文字を取って「SCM」とも呼ばれています。
サプライチェーン全体を統括して最適化し、コストやリソースを抑えながら利益向上を目指すのが、サプライチェーンマネジメントの役割です。各プロセスをひとつずつ効率化するのではなく、全体のバランスを見ながら連携することが大切なポイントになります。
より詳しく知りたい方はこちら:
サプライチェーンマネジメント(SCM)とは?メリットから導入ステップまで
リカーリングモデル
リカーリングモデルとは、継続収益をあげることで安定的な売上を維持するビジネスモデルのこと。「Recurring(リカーリング)」は「繰り返す」という意味で、顧客に製品・サービスを何度も繰り返して購入してもらう収益構造を表します。
従来の売り切り型ビジネスは、基本的には一度買ってもらったら終わりという販売モデルのため、「いかにして顧客に製品を買ってもらうか」をもとにビジネス戦略が設計されてきました。一方のリカーリングモデルは、「顧客へどのような価値を提供できるか」を軸に展開します。顧客のビジョン・課題にともに取り組むことで、長期的に信頼関係を構築していき、継続利用してもらうことで収益を安定化します。
さらに顧客との良好なリテンション構築によって、クロスセル・アップセルなどの追加受注も可能。このようにLTV(顧客生涯価値=ひとりあたりの顧客が生涯に支払う金額)の最大化を追求していくのも、リカーリングモデルの特徴です。
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リカーリングモデルとは?製造業における重要性、導入事例やサブスクリプションとの違いを解説
プラットフォーム戦略
製造業におけるプラットフォームビジネスとは、自社がものづくりの過程で培ってきたノウハウを、他社のものづくりを支えるプラットフォーム(基盤)として展開していく、新しいビジネスモデルです。
従来の、製品やサービスのみで勝負する戦略とはまったく異なるように見えて、これまで培ってきた技術が土台にあってこそ構築できるビジネスともいえます。
具体的には、プラットフォームを介して、製造業者とサプライヤー・パートナー企業・ユーザーを結びつけ、情報の共有や取引をおこないます。たとえばデジタルツインによる製造ラインを提供し、製品の開発・製造・販売プロセスに関わるパートナー企業やユーザーと連携することで、あたらしい価値の創造を実現します。
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製造業におけるプラットフォームの重要性とは?メリットや成功事例、プラットフォームビジネスの強みについて解説!
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製造業DXの基本ワードについてまとめてきました。本メディアではこれからも新しいコンテンツや解説記事を追加していきますので、この記事で紹介するワードも随時追加追加してまいります。
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クラウドサーカスではこれまで、2,200社以上のWeb制作に携わってきました。その中でも特に多いのがBtoB企業であり、製造業の方々への支援です。この事例インタビュー集では、BlueMonkeyを導入してWeb制作を実施し、成果に繋がった製造業の企業様の声を掲載しています。
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- この記事を書いた人
- エムタメ!編集部
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クラウドサーカス株式会社 マーケティング課
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2006年よりWeb制作事業を展開し、これまでBtoB企業を中心に2,300社以上のデジタルマーケティング支援をしてきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。53,000以上のユーザーを抱える「Cloud CIRCUS」も保有し、そこから得たデータを元にマーケティング活動も行う。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意。
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