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PIM(商品情報管理)とは?機能やメリットから選定の際のポイントまで解説!

記事公開日:2023/07/05
最終更新日:2023/10/27
PIM(商品情報管理)とは?機能やメリットから選定の際のポイントまで解説!

PIM(Product Infomation Managementの略)とはスペックやイメージ画像などの商品情報を一元管理することで、様々な媒体に連携して利用できるようにする情報管理手法です。PIMシステムを導入することで情報管理が容易になり、作業の効率化や迅速化、より効果的な情報発信などを実現できます。

 

オンライン化やグローバル化などの影響で消費行動が大きく変容している現在、PIMの必要性は非常に高まっており、今後ますます注目を集めるトレンドツール とも考えられています。

 

本記事ではPIMの概要をはじめ、導入のメリットや必要性、機能や様々な観点からの選定のポイントなどについて詳しく網羅的に解説します。


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PIMとは?

まずはPIMについて明確に理解するため、概要とその必要性、そして混同されやすい「PLM/ERP」「MDM」との違いについて解説します。

PIM(商品情報管理)とは?

PIM(Product Infomation Managementの略)はスペックやイメージ画像などの商品情報を一元管理することで、様々な媒体に連携して利用できるようにする情報管理手法 を指し、「商品情報管理」とも呼ばれます。

 

Webサイト、カタログ、プロモーションなど、企業において商品情報を確認する媒体は多岐にわたりますが、多くの企業ではそれぞれ個別にシステムを作り、それらのデータを二重・三重に管理しているため、情報管理が複雑化・非効率化しているのが現状です。

 

その場合、商品の仕様変更や新製品の発表などに伴ってこれらの情報をすべて更新する必要があり、商品数が多いほど作業量や複雑さは増して対応が難しくなる上、人為的なミスが増えるという課題もあります。

 

PIMシステムを導入することで、複雑に管理されていた商品情報をまとめて一元で管理できるようになり、Webサイトやカタログ、プロモーション等の情報と連携して、適切な媒体で顧客にサービスを提供することが可能です。

 

一元管理している情報を更新するだけでWebサイトやカタログなどのチャネルにも反映できるため、情報管理が容易になり作業の効率化や迅速化、より効果的な情報発信などを実現します。

 

ではなぜ現在PIMシステムの必要性が高まっているのでしょうか?次章で詳しく説明します。

なぜPIMシステムが必要なのか

PIMシステムの必要性が高まっている主な原因は、デジタル化による顧客の購買行動の変化にあります。

 

コロナ禍の影響による急速なオンライン化やスマホの普及など、商品をオンラインで購入する消費者が急増し、Webサイトなどのオンラインサービスの利用は世界的に当たり前のものとなっています。

 

このような変化に伴い、企業はWebサイトや電子パンフレット、プロモーションなどのシステムを追加することで対応してきましたが、その都度別のシステムを構築した結果、商品情報の管理がバラバラになってしまいました。今も多大な数の商品をExcelなどで管理し、アナログで対応している企業は多く存在します。 

 

このような背景から複雑化した商品情報を一元管理したいと考える企業が増加し、PIMシステムの必要性が高まっているのです。PIMを導入して基幹システムと各チャネルをつなぐことで、情報管理や情報統一が容易になり、入力ミス防止や効率化につながります。

 

またオンライン化によって購買行動のスピード感は増し、企業の競争優位性を保つためには迅速な市場投入が求められているという背景もあります。PIMシステムを導入してより高度な情報管理を実現できれば、市場における企業の優位性や利益の拡大なども見込まれるでしょう。

PLM/PDM/ERP、MDMとの違い

PIMと混同されやすいソリューションとして「PLM/ERP」「MDM」があります。全て商品情報を取り扱うソリューションですが、それぞれはっきりとした違いがあるので、相違点を明確にしてPIMをより正しく理解しましょう。

PIMとPLM/PDM/ERPの違い

PIMとPLM/PDMやERPの違いは、それぞれのソリューションの観点が「顧客向け」であるかどうかという点にあります。

 

PLM(Product Lifecycle Managementの略)は、「製品の企画・販売・廃棄までの全てのフェーズにおける情報を、自社内で管理するためのシステム」を指し、PDM(Product Data Managementの略)は、「CADやBOMなどの開発・設計段階で利用する情報の管理に特化したシステム」を意味します。

 

またERP(Enterprise Resources Planningの略)は、企業を運営する資源(人材・モノ・カネ・情報など)を分配して、より有効に活用する計画やその考え方を指し、PDM/PLMは「製造を行うため」の商品情報、ERPは「販売管理のため」の商品情報とわけることが可能です。

 

PLM/PDMやERPのいずれの情報も、企業が業務を行うために活用するデータと位置付けられ、「企業視点」であることが特徴です。

 

一方で商品に関連する3Dモデルやサンプル画像、動画などの追加データも含めた、「顧客視点」における商品情報の管理を行うのがPIMであり、ここに大きな相違点があります。

PIMとMDMの違い

MDM(Master Data Managementの略)は、企業のマスターデータとなる情報を全社視点から一元管理する活動を指し、データを統合して品質を維持するのが目的です。

 

MDMでも商品情報を取り扱うためPIMと混同されがちですが、MDMでは商品情報に限らず企業のマスターデータを管理することが主目的であり、マスターデータを取り扱うことにフォーカスした機能を提供しています。

 

一方、MDMで扱うマスターデータなどの情報に、MDMでは取り扱わない流動的な情報(市場のトレンドやセール期間など)を付加して管理し、顧客のチャネルへと連携することがPIMの役割です。

 

しかし最近ではPIMとMDMの境界は曖昧になりつつある傾向にあるため、今後もこれらの情報にアンテナを張っておく必要があります。

PIMの機能

PIMに搭載されている機能は各システムなどによって異なります。以下では一般的に搭載されている主な機能について紹介します。

データモデル機能

データモデル機能は、商品情報を正しく格納する「箱」を定義する機能を指します。同機能では「インテリア」「家電」「ファッション」など、自社の商品に合わせてカテゴリを設定して管理することが可能です。

 

たとえば「家電」の場合、「冷蔵庫」「洗濯機」「テレビ」などのカテゴリに分類し、さらにそのカテゴリを「大きさ」「容量」「画素数」など細かい分類に定義付けしていくことで、より情報を管理しやすくなります。

 

商品情報と他の情報との関係性についても定義できる点も、PIMにおけるデータモデル機能の大きな特徴です。

 

PIMを導入する前に、「商品にどのような定義が必要なのか」「管理する目的」などを洗い出しておくことで、導入後の作業やツールの選定などがよりスムーズに進むはずです。

整合性チェック

整合性チェックは、商品情報をデータベース化するためにデータの整合性をチェックする機能です。

 

データ単体の性質だけでなく、他データとの関連性も確認できるうえ、「1つ以上のカテゴリに商品が属していないといけない」という項目などをチェックできます。

 

ツールによってはチェックする項目を設定できるものもあり、導入前に定義しておくことで効率的に作業を進められます。

管理GUI

管理GUI(Graphical User Interface)は、データを管理・編集するためのコンピューター画面及びその機能 を指します。

 

管理GUIはツールの使いやすさに直結するため、ツール選定の際には、管理GUI機能が自社の業務に則しているかという視点で検討することが大切です。

 

またGUI部分のカスタムの可/不可や、使用する難易度、PIMの利用者などによって、管理GUI機能に求める機能性や操作性のレベルは大きく異なります。使いやすさは業務にも大きく影響するため、事前に操作性を確認する必要があります。

インターフェース機能

インターフェース機能とは、データモデルで定義した項目や汎用的な入出力項目を社内外データと共有できる機能を指します。対応するフォーマットや連携方法、出力先システムへのプリセットなどはツールによって異なるため注意が必要です。

 

またどのツールも簡易的なETL機能が搭載されている一方、高度なデータ加工機能(例:一般的なEAIツールなど)は搭載されていないという点は共通していると言えます。そのためある程度のデータ準備が必要なケースもあります。

承認フローシステム

承認フローシステムはデータ公開前に承認業務が必要な場合に備え、承認業務に関連する一連のフローをシステム化した機能です。データ公開における責任者への申請や承認作業をスムーズに行えます。

 

ただし、PIMの同機能は基本的な機能の搭載のみの限定的なツールが多いため、複雑な承認フローシステムが必要な場合は、フロー機能の作り込みや外部ツールとの連携を検討する必要があります。

グローバル対応

グローバル対応は、外国の言語や通貨などに対応できる機能です。ツールごとに標準で提供する言語や通貨は異なるため、あらかじめチェックしておく必要があります。

 

グローバル対応機能では、言語や通貨だけでなく、長さや重さなどの商品を扱う単位への対応や、翻訳支援や単位変換などの機能を備えているものもあります。海外展開を視野に入れている企業は、必要言語をカバーできているか、設定の拡張が可能なのかなどの詳細を確認しておきましょう。

PIMシステムを導入するメリット

PIMシステムを導入することで、具体的にはどのようなメリットが得られるのでしょうか?本章では主な4つのメリットを紹介します。

情報の一元管理が可能

PIMシステムを導入するメリットとしてまず挙げられるのが、商品情報の一元管理です。

 

情報の一元管理により、PIMシステムを更新するだけでWebサイトやWebカタログなどの連携チャネルの修正をすぐに行うことができるため、最新情報の更新や、情報の変更・シェアなどの作業をスムーズに行えます。部門や組織を越えたシームレスな連携も実現できるほか、「Webサイトとプロモーションの情報が違う」というようなミスも防げるため、企業全体の業務効率化につながります。

 

また販売店との情報共有も容易になり、取引先からの頻繁な問い合わせへの対応や、それに伴う別業務の停滞なども解消できるはずです。

様々なチャネルへの連携ができる

PIMシステムは様々なチャネルやシステム、アプリケーションと連携できるため、導入することでマーケティングやプロモーションをより効果的に行うことができます。

 

例えば、ERPやCRM(顧客管理システム)やと連携して顧客情報を収集・分析することで、詳細且つ正確な顧客プロファイルを獲得でき、顧客にとって最適なプロモーションやアプローチを行うことができます。

市場投入の時間短縮につながる

先述したように、PIMシステムで情報を一元管理することで迅速な対応が可能になるほか、最新情報をリアルで発信することもできるため、市場投入までの時間短縮が実現できます。

 

従来は、カタログの作成や情報の更新、代理店経由での情報伝達などの工程によって、市場投入までに数週間〜数ヶ月のタイムラグが発生してしまうという課題がありました。

 

PIMシステム導入によって同課題を解消することができ、情報共有の迅速化や作業の効率化によって、スピーディーな市場投入が実現するほか、企業の市場における優位性の確保にもつながります。

安全な情報提供ができる

PIMシステムを導入すれば、販売店や取引先が望むフォーマットへのデータ書き換えもでき、安全な情報提供が実現できるというメリットがあります。

 

画像のリサイズや拡張子の変換なども簡単にできるので、事前に設定しておけば工数の削減や作業の効率化につながるでしょう。

PIMシステムの分類イメージ

一概にはいえませんが、PIMシステムはそれぞれの販売会社の他製品からみて「どこから派生したのか」という視点をもとに大きく4つの分類イメージ「MDMからの派生」「カタログ情報管理からの派生」「ECの商品情報管理からの進化」「独立系PIM」に分けることができます。分類をイメージすることで、各PIMシステムの特徴が掴みやすくなります。

「MDMから派生」したPIMは先述したように、よりMDM的な、つまり商品情報に限らず企業のマスターデータを管理する性質が強いPIMであるといえます。「カタログ情報管理から派生」したPIMは、印刷モジュールや詳細なインターフェースを搭載しているのが特徴です。

 

「ECの商品情報管理から進化」したPIMは、他PIMに比べてWebサイトやECサイトのテンプレートとより詳細な連携ができるという特徴があり、どの派生にも属さないのが「独立系のPIM」です。

 

各種PIMシステムにそれぞれ特徴があるため、PIM導入を検討する際には本分類イメージを判断材料として役立ててみてください。

PIMシステムを選ぶポイント

PIMシステムを選ぶ際には、「自社の特性からの視点」及び「製品特性からの視点」の2つの観点を踏まえて検討する必要があります。あらかじめ自社におけるPIMシステムの導入目的を明確にし、以下のポイントを確認した上で製品を選ぶことをおすすめします。

自社特性からみるポイント

自社特性からみたPIMシステムを選ぶポイントを紹介します。

管理の範囲

PIMシステムを導入する際は導入目的を整理し、PIMで商品情報のどこからどこまでを管理するのか、範囲を決めておく必要があります。

 

具体的には、消耗品・パーツなどの「どこまでを商品とするのか」、「何を商品以外の付属品として分類するのか」などを判断し、PIMで管理する範囲及び対象を明確に設定することが重要です。

商品点数

商品点数の上限はPIMシステムの価格やプランによって異なるため、PIMシステムで管理する商品点数も大まかに把握しておく必要 があります。

 

たとえば商品情報の単位として、「コンピューター」と「ソフトウェア」を定義する際、それぞれを1点、合わせて2点と定義するのか、「コンピューター+ソフトウェア」を合わせて1点と定義するのかによって商品点数や商品の組み合わせ情報の管理は変わります。

 

さらに販売が終了した商品情報についても、「削除する」「アフターサポートのために残す」など社内の方針に沿って決めておきましょう。

連携機能

PIMシステムを導入して商品情報を格納する際に、これまで使用してきた既存ツールなどと連携しなければならない場合、該当ツールとPIMシステムの親和性を事前に確認する必要があります。

 

連携機能を検討する際に具体的に気を付けるポイントとしては、「情報を格納する際にデータの加工が必要か」「データチェックが必要か」「加工・チェック処理をどこで行うか」の他に、海外展開している商材であれば「国ごとの規格制限」「公開可能な地域の制限」などについてもチェックすることをおすすめします。

 

またWebサイトやカタログ制作など、商品情報を活用する業務によっても連携するソフトウェアは異なるため、どの業務で利用するかなども事前に確認しておきましょう。

管理業務体制

誰が・どのタイミングで商品情報を管理・編集するのかなど、管理業務体制について確認することで、PIMシステムに求めるものがより明確に なります。

 

システムからの連携で商品情報が登録でき、一部の編集だけを行う場合はインターフェース重視の検討がおすすめです。管理する編集者が少人数の場合は、一括更新機能を付けたり、サポート体制を充実させたりするという方法もあります。

 

一方で多くの人が関わる場合は申請数も増えるので、承認のフローワーク機能があると便利です。効率的なインポート機能化、UIの優れた編集画面ツールのどちらの優先度を高くするかをあらかじめ確認しておくことで、スムーズな選定につながるはずです。

 

また商品情報に詳しい人材がいない場合、根本的な商品情報の見直しや、商品情報の不備や重複などのミスが生じる可能性が高まります。発覚するタイミングによっては大きな損害や遅延が発生しかねないため、商品情報に詳しい人材を採用した管理業務体制が重要になります。

デジタルメディア情報

商材に関連する画像やドキュメントなどのデジタルメディア情報の大まかな個数や種類を把握することも、PIMシステムを選ぶ際には大切なポイントです。

 

基本的に利用するデジタルメディア情報が多くない場合はPIMシステムの導入だけで問題ないでしょう。

 

しかし、デジタルメディア情報が多い場合や使用用途が複数ある場合は、「DAM(Digital Asset Managementの略)」、つまりプラットフォームなどを利用してデジタルコンテンツを一元的に管理する「デジタルアセット管理」も含めて導入する方法もあります。その際にはPIMシステムとDAMシステムとの親和性チェックが必要です。

PIM製品特性からみるポイント

次にPIMシステムの特性からみた、製品を選ぶポイントを紹介します。

標準機能

まずPIM製品を検討する際は、PIM製品を導入する目的に標準機能がどれくらいマッチしているかを確認することが大切です。

 

標準機能については先述しましたが、たとえば「データの更新・削除ができるか」「加工やチェックができるか」「対応するファイル形式」など、導入目的を明確にすることで、PIM製品とのマッチ度を検討しやすくなります。

 

細かくカスタマイズができる製品もありますが、標準機能でどこまで業務を遂行できるかを知っておくことはシステム選びの際に非常に重要です。

機能拡張性

標準機能でカバーできない場合は、カスタマイズ対応しているかどうかや、具体的な拡張できる機能について確認する必要があります。PIMシステムのカスタマイズができない場合、外部システムとの連携で対応が可能なケースもあるため、そこも含めチェックすることが重要です。

 

PIMシステムを導入する主目的にすることで、企業にとってどうしても譲れないポイントが明確になります。その目的を達成するために必要な、もしくは今後必要になる可能性がある機能拡張性の有無は重要なポイントです。

 

カスタマイズをせずに業務を変えることができるかどうかという検討も必要になるため、様々な視点から機能拡張性について検討することをおすすめします。

将来性

PIMシステムを選ぶ際には、同システムの将来性まで考慮することをおすすめします。

 

PIMシステムを導入して商品情報が充実してくると、管理対象や利用システムを増やす必要が出てくる場合があります。その際PIMシステムに将来性・拡張性があれば、システムそのものを変更せずに拡張するだけで同システムを利用することが可能です。

 

将来のことを全て正確に把握するのは難しいですが、製品選定に際して「将来性」はある程度考慮しておくべきポイントであると捉えて問題ありません。

 

機能が豊富なPIMシステムを選ぶという選択肢もありますが、全機能を利用しているケースは多くないため、自社の導入目的と将来性、両者のバランスを見ながら検討することをおすすめします。

ロードマップ

先述した将来性と少し重なりますが、PIM製品のロードマップを練ることも選定の際に重要なポイントです。

 

PIM導入の理想形は、カスタマイズせずに製品をそのまま導入することです。そうすることで将来のバージョンアップがより簡単にでき、さらに高度な機能の利用につながるとされており、特にSaaSで提供されているPIM製品はその傾向がより強いとされています。

 

ロードマップ次第では、自社の目的がシステムの次バージョンで達成できる可能性もあります。

PIMシステム導入フローにおけるポイント

PIMシステムを導入する際のポイントについて紹介しましたが、本章ではPIMシステム導入プロジェクトのフローにおいて大切なポイントを解説します。

PIMに対する捉え方の統一(要件定義)

PIMシステムを選ぶポイントの章でも軽く言及しましたが、PIMを導入する際に一番大事なことは、PIMで実現できることや導入の目的を明確にし、PIM導入の捉え方を統一することです。この要件定義がPIMを導入する第一歩になります。

 

しかし、実際のケースでは要件定義をないがしろにしたままプロジェクト進行することがよく起こります。

 

先述したようなPIMと混同されやすいソリューションとの違いを理解した上で、「最終的に顧客にアピールするための商品情報を管理する」PIMに対する共通認識をもち、プロジェクトを進めることが大切です。

承認ワークフローの定義

PIMシステムにおける承認ワークフローの定義をしっかりと行うことも非常に重要です。

 

PIMシステムで承認された商品情報がそのまま顧客に公開される商品情報となるため、慎重になりすぎて承認ワークフローに時間をかけたくなると思いますが、そうなると顧客への公開が遅れ、新情報の鮮度が落ちてしまいます。

 

承認ワークフローを定義する際には1つか2つの現実的な承認ステップに定め、情報の鮮度を保てるよう、より迅速に商品情報を提供することが重要です。

 

PIMシステムへのアクセス権限の細かすぎる設定や、ガバナンスへの過剰な配慮、必要な顧客への情報非開示などの問題も起こりがちなので、運用しやすい承認ワークフローを定義するように意識しましょう。

PIMのデータの準備

PIMの要件定義及び承認ワークフローの定義ができたら、PIMシステムの肝となるデータ準備をしっかり行うことが大切です。

 

PIMシステムは通常のシステムと異なり、新たに導入するケースが多いのが特徴です。導入時には新たに販売用の商品情報としてデータを体系立てて整理・準備し、PIMシステムに格納する必要があります。

 

その際、既存の情報から技術データを省いたり、逆にマーケティング情報を追加したりと、データ加工にそれなりの時間がかかることを覚悟しておきましょう。データ準備をしっかり行うことで「PIMシステムを導入したものの、商品情報に不要な情報や抜け漏れも多い」という不備もなくなり、効率的に業務を進めることができます。

 

またPIMシステムに関するデータ準備の際、商品情報に詳しい適任者を選ぶのに難航することがありますが、その場合は要件定義の段階からデータ作成についてのプロジェクトを開始することで、その後のデータ準備・整理におけるスムーズな進行を実現できます。

まとめ

本記事では、PIMについて概要や機能、メリットや選定における様々な観点からのポイントなどを網羅的に解説しました。

 

PIMシステムを導入して様々なシステムやチャネルと連携させることで、効果的なマーケティングやプロモーションが実現できるほか、業務の効率化やヒューマンエラーの防止、最終的には利益の拡大も期待できます。従来のビジネスからデジタル化への舵取りが必要な現代において、PIMシステムの導入は非常に重要性の高い取り組みのひとつです。

 

自社にあったPIMシステムを選定し、デジタルビジネス基盤として継続的に運用していくためには効果的且つ現実的な活用を目指すことが重要です。本記事の内容を、企業戦略・運用にぜひ活かしてみてください。


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  • この記事を書いた人
  • エムタメ!編集部
  • クラウドサーカス株式会社 マーケティング課

    プロフィール :

    2006年よりWeb制作事業を展開し、これまでBtoB企業を中心に2,300社以上のデジタルマーケティング支援をしてきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。53,000以上のユーザーを抱える「Cloud CIRCUS」も保有し、そこから得たデータを元にマーケティング活動も行う。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意。

    メディア概要・運営会社→https://mtame.jp/about/

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