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BOMとは?種類や重要性などの基礎知識からシステム化までわかりやすく徹底解説!

記事公開日:2023/06/21
最終更新日:2023/10/27
BOMとは?種類や重要性などの基礎知識からシステム化までわかりやすく徹底解説!

BOM(Bill Of Materialの略)とは、製品に必要な部品を一覧表にした「部品表」「部品構成表」のことです。品名や型名、製造元、数量、品目コードなど部品に関するあらゆる情報がまとめられており、製造業の現場におけるワークフローを効率化するためにはBOMの管理が重要とされています。

 

特にものづくりの現場におけるDX化推進の重要性が高まっている現在、BOM構築は製造業において必須の取り組みとして注目を集めています。本記事ではBOMの概要や種類、メリットなどの基礎知識から、BOMのシステム化や課題まで網羅的にわかりやすく解説します。

 

・BOMの基本を知りたい
・BOMにおけるシステムの概要を知りたい

上記のような方々には特におすすめです。ぜひお役立てください。

 

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BOMとは

改めて、そもそもBOMとは何なのかについて、その概要と目的について紹介します。BOM(Bill Of Materialsの略)は、日本語では「部品表」もしくは「部品構成表」と呼び、製造業において製品を製造するうえで必要な部品を一覧表にした表を指します。

 

BOMには品名や型名、製造元、数量、品目コードなど部品に関するあらゆる情報や、製造品がどのような構成で造られているのかという情報がまとめられています。

 

BOMは、設計部門・製造部門・購買部門など様々な部門間で共有され、調達スケジュールや工程管理、原価管理、在庫管理などに活用されます。製造業の現場におけるワークフローを効率化するために非常に重要な存在です。

 

従来はExcelなどに部品表を記載するアナログな手法が主流でしたが、BOMを活用することで情報をより管理しやすくなるうえ、スムーズに共有できます。業務のIT化や製造業におけるDX化推進を実現するためにも、BOMを導入し始める企業は増加しています。

 

BOMをより明確に理解するため、BOMを構築する目的についてさらに深掘りしていきましょう。

BOM構築の目的とは

BOMを構築する目的は、製造する製品に必要な部品管理を効率的に行うことです。

 

先述したように、BOMには部品そのものの情報に加え、調達スケジュールや工程管理、原価管理、在庫管理など、あらゆる重要な基本情報がまとめられています。

 

BOMの活用によって情報がまとまることで、部品不足や手配漏れなどのミスを防げるほか、正確な在庫や手配納期なども把握しやすくなり、生産管理全体における効率がUPし、生産性も向上します。

 

また設計部門では設計仕様を満たすための部品構成に関する情報が、製造部門では加工品をメインとした構成に関する情報が必要になるなど、部門ごとや製造フェーズにおいて必要な情報は異なるため、各部門ごとに情報を管理している企業が今も多い傾向にあります。

 

BOMをシステム化(後述)して異なる部門間の情報を一元管理すれば、部門の垣根を越えたシームレスな利用が可能になり、企業全体のさらなる効率化を実現することも可能 です。

 

BOMをより明確に理解するために、混同されやすい「PLM」との違いについてみていきましょう。

BOMとPLMの違い

BOMと混同されやすい「PLM(Product Lifecycle Managementの略)」は、製品の企画・生産・販売・廃棄までの一連の工程における情報を管理する取り組みを指します。情報共有によって製品のライフサイクル全体を管理することで、業務効率の向上やモノづくり体制の強化、利益の最大化を図るのが目的です。

 

PLMはBOMを軸として、製造プロセスにおけるより幅広い情報を管理します。PLMシステムにはBOMデータの管理をはじめ、製品データ・サービス部品・取引先データなどの管理機能が搭載されており、PLMシステム内の1つの機能としてBOMが存在すると理解するとよいでしょう。

 

両者ともに、導入することで作業効率の向上が期待できる点や、DX化推進において重要視されている点は共通しています。

 

【関連記事】

PLMとは?製造業で再注目される背景やシステムの必要性、メリットなどを解説!

BOMの種類

BOMは管理方法という視点からは2種類に、使用用途という視点からは5種類に分類することができます。本章では各種BOMについて詳しく解説します。

管理方法から見る2種類のBOM

BOMは管理方法という視点から捉えると、「サマリ型」と「ストラクチャ型」という2種類に分けられます。

サマリ型

「サマリ型」は製品を製造するのに必要な部品や材料を、製造加工や組み立ての順序に関係なくリスト化したBOMです。

 

単に製品を構成する部品の数だけを入力して管理するため、必要な部品の総数や手配数がわかりやすいという特徴があり、主に部品や資材を調達する部門で使用されています。

 

たとえば製品Aを生産する際、一つ目のフェーズでは部品が3個必要で、次のフェーズで部品が2個必要という組立順序でも、サマリ型では製品Aを生産するのに必要な部品は「5個」と登録するだけです。

 

サマリ型BOMは部品の追加や変更にも柔軟に対応できるというのがメリットで、仕様変更の多い製品(個別受注や試作品など)の製造を行う業種に向いています。

ストラクチャ型

「ストラクチャ型」は、製品が完成するまでの工程を踏まえて入力・管理するBOMであり、「構造型」とも呼ばれます。

 

部品の手配から完成品までの製造工程を階層に分けて考えることで「どの工程でどんな部品・材料が必要になるか」を把握しやすくなるのが特徴です。膨大な数の中間工程がある生産管理での利用が向いています。

 

ストラクチャ型では完成品を「親」、組み立てに必要な加工部品を「子」、加工部品に必要な原材料や部品を「孫」というふうに階層構造で管理することで、加工工程の順序や工数、作業を開始してから製品完成までの時間である「リードタイム」などが判断しやすくなるというメリットがあります。

 

仕様変更や部品の追加などの場合も原価計算や影響範囲の把握がしやすくなるため、多くの製造業で活用されているBOMといえます。

使用用途から見る5種類のBOM

製造業におけるBOMは、使用用途及び部門ごとに最適化された5種類のBOM「E-BOM・M-BOM・P-BOM・S-BOM(サービス)・S-BOM(販売BOM)」に分類できます。それぞれのBOMについて解説します。

E-BOM(設計部品表)

「E-BOM(Engineering-BOM:設計部品表)」は開発・設計段階において、設計図の仕様を満たすために必要な部品をまとめた部品表です。

 

E-BOMでは、CADなどの設計情報より出力した情報をもとに、部品の必要数量や、仕様、技術・設計データなどを管理します。それぞれの部品の仕様や製造に必要な技術も把握することが可能です。

M-BOM(製造部品表)

「M-BOM(Manufacturing-BOM:製造部品表)」は部品情報に加え、組立順序や加工工程、スケジュールなどの製造に必要な情報を記載した部品表を指します。

 

設計部門から渡された部品表に順序や工程などの情報を追記し、生産指示や部品手配、リードタイムを考慮した部品の手配を行うためのもので、製造工程のスケジューリングや進捗管理など、様々な場面で活用されています。

P-BOM(購買部品表)

「P-BOM(Purchasing-BOM:購買部品表)」は部品情報に加え、部品ごとの手配数や仕様、コストや仕入れ先など、購買に必要な情報が記載されている部品表です。

 

調達部門や購買部門にて部品調達を行う際、主に見積もりや発注を行うために使用されます。

S-BOM(サービスBOM)

「S-BOM(Service-BOM:サービスBOM)」は、製品サポートや保守メンテナンスなど、サービス業務に特化した情報が記載された部品表を指します。

 

製品を購入した顧客や、メンテナンスに必要な部品などの情報を管理することが可能です。

S-BOM(販売BOM)

「S-BOM(Sales-BOM:販売BOM)」は部品情報に加え、販売管理に必要な情報が記載された部品表です。

 

販売に関するデータを一括管理できる本BOMは、販売支援システムと連携して販売部門や営業部門で使用されます。

 

上記5種類の中で最もポピュラーなのが「E-BOM(設計部品表)」と「M-BOM(製造部品表)」であり、購買やサービス、販売の工程における情報を両者で管理する企業もあります。

 

このように多くの企業では、部門ごとに最適化されたBOMが構築される傾向にありますが、どのBOMも設計段階の情報を基準としていることは共通であり、本来であればひとつに統合されたBOMを運用することが理想的です。次章ではBOM統合の重要性について詳しく解説します。

BOM統合の重要性

多くの製造業を営む企業において、先述したように部門ごとに最適化されたBOMが利用されていますが、より効率的な運用を目指すためには、部門ごとのBOMを統合したシステムが必要です。

 

従来のように部門ごとのBOM運用では品番・品目の違いが発生したり、仕様変更の際にそれぞれの部門で修正をする必要があったり、他部門へ転記作業を行わなければならなかったりと、工数の増加に加えてミスが生じやすいという課題があります。さらに、異なる部門間での在庫状況などに関して認識のズレがあり、部品が不足してしまうというトラブルも起こりがちです。

 

BOMを統合して共通のBOMを使用することで、設計・製造・購買などの部門間での正確且つスムーズな情報共有が実現し、大幅な工数の削減やワークフロー効率化 につながります。

 

データやプロセスも可視化されることで状況のより迅速な把握も可能になり、顧客の要望に対して柔軟に素早く対応できるシステムを構築できるなど、DX化推進にも寄与するためその重要性は年々増しています。

 

ではBOMを統合するにはどのようにしたらいいのでしょうか?そこで必要になるのが、現在製造業において注目を集めている「BOMシステム」です。次章で紹介します。

BOMシステムとは

「BOMシステム」は、BOMの構築・管理を目的としたITシステムを指します。

 

BOMシステムでは共通の画面を使用することで部門を越えたシームレスな情報共有ができるため、部門間での転記作業や入力ミス、認識のズレやそれで生じる部品不足などを解消でき、業務のさらなる効率化を実現します。

 

BOMシステム上にデータが蓄積されるため、必要の際には過去に利用したBOMの検索や閲覧もでき、工数削減や作業時間の短縮にもつながります。部品ごとの納期や手配進捗なども容易に行えるため、BOMシステムを導入する企業は増加しています。

BOMシステム導入のメリット

ではBOMシステムを導入することで具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?主な5つのメリットについて詳しく解説します。

情報の一元管理

BOMシステムを導入するメリットとしてまず挙げられるのが、情報を一元管理できることです。個別システムのマスタを統合して情報管理を容易にし、異なる部門間でも同じ情報をリアルタイムでシェアできるようにすることで、企業の共通情報インフラを構築し、企業全体の最適化を実現できます。

 

使用用途別BOMでは各部門にて情報がバラバラに管理されるため、連携する部門や部品が増加・複雑になるにつれ情報の不整合などの問題が起きやすくなり、運用が難しくなるという課題があります。

 

BOMシステムによって情報を一元管理することで、企業内の全部門や全拠点でのデータ共有が可能です。複数の製造工程の効率的な同時進行など、運用が複雑な場合でもスムーズに行うことができます。

 

また製品のマスター情報の正確な管理は、設計・顧客仕様の変更への対応力を高め、結果的に競争優位性の向上にもつながります。

人為的ミスの削減

人為的ミスの削減も、BOMシステムを導入する大きなメリットのひとつです。

 

従来のExcelや図面によるBOMでは、記入ミスや重複入力、手配漏れなどが発生しやすく、部門間での認識のズレや矛盾によって、製造が滞る場合もあります。

 

BOMシステムを導入することで、全部門が共通の画面で部品に関するデータを確認できるため、部門間でのスムーズなやりとりや情報共有が可能になり、人為的なミスが大幅に削減できます。個々の部品の使用タイミングの特定や、納期の正確な把握による部品不足などの問題も解消し、管理業務の最適化が図れるはずです。

 

ミスの削減は作業効率向上や人材不足の解消にもつながり、最終的には利益の拡大も見込めます。

情報追加・変更の簡易化

ITシステムであるBOMシステムでは部品に関する情報をすべてデータで管理するため、部品の情報を追加・変更する際に簡単に対応できるようになります。

 

紙やエクセルを使用した従来の方法では、情報の追加・変更があった際には転記ミスや重複入力などが発生しやすいという課題がありましたが、BOMシステムでは1箇所を訂正・変更するだけで済むため作業工数が削減やミスの防止が実現でき、大幅な効率アップが期待できます。

 

作業の簡易化は手間の削減、そして人材不足の解消にもつながるため、企業にとって大きなメリットをもたらします。

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部品の影響範囲検索の迅速化

先述したメリットと少し重なりますが、BOMシステムを活用することで情報の検索が容易になり、特定の部品を作った製品や構成をより迅速に検索することができます。

 

表計算ソフトなどの従来のアナログな管理方法では利便性が低く、時間・労力ともに多くを費やす必要がありました。BOMシステムを活用することで、仕入れ先の変更や後継品の検討など、製品の製造に使用する部品が変更になった際に、該当部品の影響範囲を瞬時に特定することが可能です。

 

さらに特定の部品や発注先、仕入先の検索も可能で、トレーサビリティ(追跡可能性)という点においても大きなメリットをもたらします。

他システムとの連携による改善

システム化したBOMは、他の有能なシステムと連携することもできるため、さらなる効率化と、それに伴う企業の利益拡大が期待できるというメリットがあります。

 

具体的には、生産管理システムや販売管理システム、資材購買システム、ERP(企業資源計画)システム、CADなどのシステムと連携可能です。

 

このようなシステムとBOMシステムを連携することで、「部品のさらなる組み合わせ・流用の可能性」「製造段階における部品の使用度合い」「製品ごとのリードタイムの違いと、部品との関連性」など様々なことを把握することができます。

 

システム連携によって新たな視座を獲得することで、これまで以上の効率化や、新しい領域における改善活動に臨めるはずです。

BOMシステム導入における課題

業務の効率化には部門ごとの情報を統合して管理するBOMシステムが必須ですが、まだ解消できていない課題もあります。その中でも、BOMシステムの導入の際多くの企業が最も苦労するのが「品番・品目コードの整備」だといえます。

 

BOMをシステム化する際には、「同じ部品でも設計者によって記載が異なる」「属人的な作業によって同じものとして認識できない」「同じ品でも受注のたびに品番・品名が異なる」などの問題を起こさないため、社内の共通言語となる品番・品目のナンバリングルールや名称を徹底するほか、設計・製造・購買部門間での認識のすり合わせなどが必要です。

 

品番・品名の情報を整備する際には、優先順位をつけて、優先度の高いものから整理していくといった方法があります。各部門や各拠点の現在の運用情報や品番・品目などを洗い出し、企業全体の情報を見直す取り組みが重要です。

 

BOMシステムを本格的に導入する前に上記課題に取り組むことで、業務を最適化することができます。

BOMもデジタル化して生産性を上げよう

本記事では、BOMの種類や重要性からシステム化やそのメリット・課題まで、基礎的な知識について解説しました。

 

BOMをシステム化して社内の共通情報インフラを整備することで、作業効率の飛躍的な向上や、それに伴う人材不足解消や利益拡大など、様々なメリットを享受する ことができます。

 

特に製造業において業務のIT化やIoTの活用、DX化推進が求められる昨今、BOMシステムは製造現場の業務効率化を支える重要な役割を担い、その必要性は年々高まっています。効率化や利益拡大などにお悩みの方は、企業戦略の一環としてBOMシステムの導入を検討してみることをおすすめします。

 

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  • この記事を書いた人
  • エムタメ!編集部
  • クラウドサーカス株式会社 マーケティング課

    プロフィール :

    2006年よりWeb制作事業を展開し、これまでBtoB企業を中心に2,300社以上のデジタルマーケティング支援をしてきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。53,000以上のユーザーを抱える「Cloud CIRCUS」も保有し、そこから得たデータを元にマーケティング活動も行う。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意。

    メディア概要・運営会社→https://mtame.jp/about/

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