E-A-Tとは?SEOでの重要性と対策まとめ
最終更新日:2023/05/24

最終更新日:2021年7月17日
E-A-TとはGoogleが提唱する「検索品質評価ガイドライン」に書かれている言葉で、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)の頭文字を取って作られた造語です。E-A-Tは医療・健康のジャンルでとりわけ重視されており、ランキングにも大きく影響を及ぼします。
本記事では、そんなE-A-Tについて詳しく解説。さらに、E-A-Tを意識したSEOチェックリストも紹介します。

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目次
1 E-A-Tとは
- ・特定のテーマに専門化したウェブサイトにする
- ・コンテンツの専門性を高める
- ・専門家への取材やインタビューを実施する
- ・専門家の監修・コメントを獲得する
- ・一次情報の記事を作成する
- ・著者名・運営会社名などを明示する
- ・記事の編集方針を明示する
- ・質の高い被リンクを獲得する
- ・サイテーションを意識する
- ・コンテンツの公開日・更新日など情報を明示する
- ・コンテンツの鮮度を保つ
- ・公的機関など信頼できるページから情報を引用・参照する
- ・Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)に登録し口コミを管理する
- ・whois情報を公開する
- ・SSLなどのセキュリティも意識する
6 まとめ
E-A-Tとは
E-A-TはGoogleが提唱する「検索品質評価ガイドライン」のひとつ。専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)の頭文字を取って作られた造語です。「専門性・権威性・信頼性があるウェブサイトを高く評価する」というGoogleの評価基準を表現しています。
「検索品質評価ガイドライン」にはE-A-TのほかYMYL、Needs Metなど複数の評価基準がありますが、E-A-Tは特に重視されているといわれる項目です。
では、具体的にどのようなことが重視されるのか、専門性・権威性・信頼性について詳しく見ていきましょう。
専門性(Expertise)
E-A-Tにおける専門性(Expertise)とは、ウェブサイトがなにかの情報に特化している状態を指します。
例えば、医療メディア、ペットメディア、コスメサイトなど、ひとつのテーマに絞って運営するサイトは専門性が高いと評価されます。そのなかでも、犬の情報だけを掲載している、猫の情報だけを掲載している、といった特化型のサイトはより高評価を得やすくなります。
専門性が高く質の良い記事を掲載したとしても、1記事だけでは評価されません。専門性があり、質の良い記事を多数保有するサイトが評価されます。
権威性(Authoritativeness)
「誰が書いた記事なのか」「誰が運営するサイトなのか」が明確で、プロや専門家といった信頼できる発信者の情報は権威性(Authoritativeness)が高いと評価されます。また長年良質な情報を発信し続け、知名度を獲得し、「この分野ならこのサイト」など万人に認められたサイトも権威性が高いと評価されます。
Googleは、掲載されている情報が正しいのか間違っているのか判断できません。そこで、発信者が誰かを確認し、より信頼のできる人物が書いた記事を評価することで、誤った情報を上位表示させないようにしています。
信頼性(Trustworthiness)
信頼性信頼性(Trustworthiness)は、言葉の通り、信頼できるサイト・情報かどうかで判断されます。
例えば、市町村の公式サイトや大手企業の公式ページなど誰が見ても信頼できる運営元であるサイトは信頼性が高いと評価されます。クリニックや病院の公式サイトも同様です。
個人レベルでいうと、実際に使用したレビューかさくらレビューか、匿名か記名かでも評価は変わります。また病気体験者がその過程について詳しく紹介するブログが評価されたり、SNS上で名前が知られている人物が評価されたりもします。
SEO対策におけるE-A-T
Googleの評価は検索順位に直結します。E-A-TはGoogleが提唱する「検索品質評価ガイドライン」に掲載されていると説明しましたが、このガイドラインはGoogleの評価基準を解説しているもの。
つまり、ガイドラインに掲載されている内容を意識したサイト作りをおこなえば、SEO対策になるということです。
E-A-Tはガイドラインのなかでも特に重視されているため、SEOで上位を狙いたければ避けては通れません。
ただし、E-A-Tだけを意識しても検索上位にはなれません。基本的なSEO対策は必要です。またE-A-Tが特に求められるジャンルと、「あったら良いな」程度しか求められないジャンルもあります。
E-A-TとYMYLの関係
SEO対策を調べていると、YMYLという言葉を耳にする人も多いでしょう。YMYLは「Your Money or Your Life」の略語。お金や生命、人生に影響を与える情報が掲載されているウェブページを指す言葉です。
こちらもE-A-Tと同様、Google検索品質評価ガイドラインに登場しており、「お金や生命、人生に影響がある情報が掲載されているサイトは特に厳しく評価します」という意味が含まれています。
先ほどE-A-Tが特に求められるジャンル、あれば良い程度のジャンルがあると言いましたが、YMYLは必須レベルで重視したほうが良いジャンルです。
YMYLは人生に直結する分野。誤った情報は掲載できません。GoogleはYMYLのE-A-Tを厳重に調べ、情報の正確性を確かめ、上位表示させます。そのため、YMYLで上位を狙うならE-A-Tは必須の項目であり、E-A-Tの評価を得られないとYMYLを扱うサイトは大きく順位を落とすことになるでしょう。
E-A-TとYMYLが重視されるようになった背景
ネットが普及し始めたころは、キーワードを入れ、リンクを付けるなど小手先のSEOテクニックを駆使すればどんなサイトも検索上位に表示されていました。そのため、誤った情報や健康を害する情報が掲載された低品質なコンテンツが上位にあふれ、多くの人の目に触れる状態となっていました。
それを解決するために導入されたのが、YMYLやE-A-Tといった「検索品質評価ガイドライン」に沿ったアルゴリズムです。このアルゴリズムの導入により、検索結果は大きく変化し、より正確で信頼できるコンテンツが上位に表示されるようになりました。
現在も頻繁にアップデートを繰り返し、その精度を高めています。
E-A-Tを意識したSEOチェックリスト
E-A-Tの3項目、専門性・権威性・信頼性を高めるといってもどうやれば良いかわからない!という人は多いでしょう。そこでE-A-Tを意識したSEOチェックリストを紹介します。
特定のテーマに専門化したウェブサイトにする
ひとつのテーマに特化したウェブサイトを作りましょう。そのテーマに関わりがあり、興味関心のある情報を充実させると上位表示されやすくなります。
コンテンツの専門性を高める
テーマに関する情報が網羅された、専門的なコンテンツは上位になりやすいです。テーマに関する基本的な情報だけではなく、潜在的なニーズや派生的な情報も含めて掲載していくと、ユーザーのニーズに答える専門的なコンテンツが作れます。
専門家への取材やインタビューを実施する
専門家への取材やインタビューを実施しましょう。取材やインタビュー記事は他社サイトとの差別化ができ、専門的な情報も掲載できるため、Googleからの評価につながりやすいコンテンツです。
専門家の監修・コメントを獲得する
専門家が関わったとわかるコンテンツは高い評価が得られるといわれています。専門性を高めたいなら、専門家にコンテンツ制作を手伝ってもらうのも効果的です。他サイトにない、専門家ならではの知見を含めた記事を掲載しましょう。
ただし架空の専門家を作ることはNG。Googleは記事の内容だけでなく、その執筆者情報も確認しています。専門家が携わっているときちんとわかるように、執筆者のプロフィールを掲載しましょう。プラスしてウェブサイトやSNS情報などを掲載すると、さらに効果が高まります。
一次情報の記事を作成する
ジャンルにもよりますが、専門家が監修するよりも、自身の体験談といった一次情報を掲載したほうが、専門性が高いと評価される場合があります。
経験者ならではの要素を加えることで、専門性が増すだけでなく、他サイトと差別化ができることも魅力。なにか人よりも語れることがある、経験したことがある人は、それを生かせるテーマでサイト作りをするのもおすすめです。
著者名・運営会社名などを明示する
専門家ではなくても、誰が書いているのか、誰が運営しているサイトなのかを明確にするのは重要です。匿名のサイトよりも評価が高くなります。
最近では情報をそのままうのみにせず、誰が書いたものなのか、信用できる運営元なのかを確認するユーザーも増えているため、E-A-T対策としても、ユーザーからの信頼を得るためにも、著者・運営者情報は必須項目といえます。
著者情報の例▼
記事の編集方針を明示する
記事の編集方針が掲載されているサイトは、信頼されやすくなります。例えば、どのような目的で記事を作成しているのか、記事作成の際に特に意識していることなどを掲載して、どのようなサイトなのかを明示しましょう。
質の高い被リンクを獲得する
質の高い被リンクがあると権威性が向上します。質の高いリンクとは、関連性の高いサイトからのリンクや著名なサイトからのリンク、ナチュラルリンクなど。
誰かがシェアしたい、内容を紹介したいと思うほどの有益な内容を掲載することが、評価へとつながります。
内容が充実していても誰が書いたのかわからず情報が信頼できない記事は、紹介しにくく、被リンクの取得が難しくなります。質の高い被リンクを獲得するためには、ウェブサイトの認知度を高め、信頼されるサイト作りを平行しておこなうことも大切です。
サイテーションを意識する
サイテーションとは「引用・言及」という意味で、リンクは使われていないが、サイト名やページについて、他サイトで言及されている状況を意味します。サイト名に限らず、リンク化されていないがテキストでURLが記載されている場合もサイテーションに含まれます。
サイテーションも評価を高めることにつながるため、被リンク同様、他サイトが利用したい、引用したいと思うようなコンテンツ制作をおこないましょう。
コンテンツの公開日・更新日など情報を明示する
公開日・更新日を表示しましょう。定期的に内容をチェックして更新日を新しくすることで、このページはしっかりとメンテナンスがおこなわれているんだな、とGoogle・ユーザーどちらにも伝えられます。信頼性の向上に有効です。
コンテンツの鮮度を保つ
古い内容を掲載し続けるのは、評価を落とす原因です。Googleは情報を常にアップデートし、ユーザーが「今一番必要な情報」を上位に掲載します。そのため、情報が更新されるごとに内容をアップデートしていきましょう。
公的機関など信頼できるページから情報を引用・参照する
信頼できるページから情報を引用するのも大切です。情報の発信者に専門家といえるほどの知識がなくとも、信頼できるページの情報を引用することで、サイトの信頼性向上につながります。また、誤情報の掲載防止にも役立ちます。
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)に登録し口コミを管理する
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)ではユーザーの口コミが投稿されており、その内容がサイトの評価につながると考えられています。Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)に登録し、口コミの内容を確認したり、口コミに返信をしてコミュニケーションを図ったりすることも効果的です。
whois情報を公開する
個人サイトでは無理に公開する必要はありませんが、企業の場合はwhois情報を公開しておきましょう。運営者情報をきちんと公開しておくことが、信頼性の確保につながります。
SSLなどのセキュリティも意識する
SSL化といったセキュリティ面の確保は、ユーザー情報の保護やWEBサイトの保護にもつながります。特にSSL化はGoogleも推奨しており、SSL化していないと評価が下がるため、必ず対応しておきましょう。
E-A-Tへのよくある勘違い
E-A-Tは他のSEO対策で使われる言葉と違い、「こうあると良い」という基準を示す概念的なもののため、勘違いされやすい部分があります。そこで、E-A-Tの勘違いされやすい3点を詳しく説明します。
E-A-Tは直接的なランキング要素ではない。
ランキング上位には、ページ速度やHタグ、キーワードなど、さまざまな要素が関係しています。しかしE-A-Tは、それらとはまた違った概念であり、直接順位に関係するわけではありません。
検索エンジン専門メディア「サーチ・エンジン・ウォッチ」を立ち上げた、検索エンジンやSEOに詳しいダニー・サリバン(Danny Sullivan)氏は、2019年10月に以下のようなツイートをおこないました。
Is E-A-T a ranking factor? Not if you mean there's some technical thing like with speed that we can measure directly.
We do use a variety of signals as a proxy to tell if content seems to match E-A-T as humans would assess it.
In that regard, yeah, it's a ranking factor.
簡単にまとめると「E-A-Tはページ速度のように直接測定できるものではない。コンテンツがE-A-Tを満たしているか、人間と同じような評価を試みるためのものである」と、サリバン氏は語っています。
E-A-Tはすぐに改善でき結果が出るものではない
タグを付けたりや情報を充実させたりする簡単な改善で、すぐにランキングが変わることがあります。しかしE-A-Tは長年の積み重ねや、さまざまなSEO対策が結びつき、徐々に形作られていくため、どこかを改善すればすぐに効果が出るというものではありません。
また、E-A-Tにおける専門性・権威性・信頼性どれかひとつだけ満たされていてもあまり効果がないことも特徴です。
E-A-Tはアルゴリズムではない
E-A-T自体はアルゴリズムではありません。アルゴリズムはコンピューターの「計算方法」という意味があり、Googleはランキングを作るためにさまざまなアルゴリズムを用意しています。E-A-Tは、ランキングを構成する計算式ではないということです。
ただし、E-A-Tはアルゴリズムと密接に関わっており、アルゴリズムは良いE-A-T・悪いE-A-Tを見分けています。
まとめ
E-A-Tは検索順位を上げるための重要な要素ですが、ページ速度を改善するといった簡単な対策では効果がありません。長期的に計画を立て、質の高いコンテンツをコツコツと積み重ねていくことが大切です。
E-A-Tの対策は紹介したSEOチェックリストを参考にしてください。E-A-Tを意識して、他に負けないコンテンツ作りを目指しましょう!

- この記事を書いた人
- エムタメ!編集部
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クラウドサーカス株式会社 製造業マーケティング課
- プロフィール :
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2006年よりWeb制作事業を展開し、これまでBtoB製造業を中心に2,000社以上のデジタルマーケティング支援をしてきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。38,000以上のユーザーを抱える「Cloud CIRCUS」も保有し、そこから得たデータを元にマーケティング活動も行う。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意。
メディア概要・運営会社→https://mtame.jp/about/
Twitter→https://twitter.com/m_tame_lab