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オンボーディングとは?SaaSのカスタマーサクセスにおける重要なステップを解説!

記事公開日:2021/06/07
最終更新日:2023/10/27
オンボーディングとは?SaaSのカスタマーサクセスにおける重要なステップを解説!

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カスタマーサクセスにおける「オンボーディング」とは、新規顧客に対して自社サービスの使い方や活用方法をいち早く理解してもらうよう支援するプロセスを指します。

「無料プランを試したいけど、使い方がわからない」「機能が使いこなせない」など、ユーザーが使い始めでつまずいてしまうと、なかなか契約や継続利用には結びつきません。LTVを最大化していくためには、いかにスムーズなサービス利用を支援できるかが鍵となります。


特に、サブスクリプション型の課金形態であるSaaSでは、オンボーディングに成功するかどうかでLTVに大きな影響が出ることは、もはや周知の事実でしょう。

そこで今回は、カスタマーサクセスのプロセスで重視されている「オンボーディング」について、メリットやその進め方、具体的な弊社の事例などを詳しくご紹介します。



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カスタマーサクセスにおけるオンボーディングとは?

オンボーディングとは、もともと「船や飛行機に乗ること」を意味する「on-boarding」から派生した言葉で、「新人研修」を示すビジネス用語としてよく使われます。

一方、カスタマーサクセスの文脈における「オンボーディング」としては、サービスを使い始めた顧客に対して使用方法や機能を理解してもらうよう支援するプロセスのことです。ユーザーが迷うことなくサービスを使えるようにフォローして、利用者の定着を目指します。

そもそもカスタマーサクセスとは、顧客が自社サービスを利用する際に生じる疑問や課題を解決し、成功へと導くフローのことです。顧客からの要望に対してアクションを起こす、受動的なカスタマーサポートとは反対に、顧客の問題解決のために企業側から能動的な支援を行います。顧客の満足度を向上させて、成功体験を重ねることでリピーター獲得につなげます。

カスタマーサクセスはSaaSビジネスなどで注目を集め、近年注力する企業が増えていますが、そのフローの中でも特に重要なプロセスとなるのが「オンボーディング」です。

オンボーディングに注力するメリット

企業はなぜ、オンボーディングに注力すべきなのでしょうか。ここからは、オンボーディングに注力した際の代表的なメリットをご紹介します。

継続利用を促進できる

アプリなどのサービスの利用で月額や年額課金を得るSaaSビジネスは、継続的に利用してもらうことで安定した収益が得られます。しかし、導入の早い段階で「使い方がわからない」、「うまく活用できない」といったネガティブな印象を持たれてしまうと、ユーザーの運用意欲が低下してしまい、継続的な利用は望めません。

そこでオンボーディングを実行し、基本操作や機能についてレクチャーすればユーザーが使い方で迷うことはありません。ストレスなくサービスを使いこなせれば、継続利用率もアップします。

一度離れてしまったユーザーの心を再びつかむのは至難の業です。顧客の継続利用、さらには企業利益の増加につなげるためにも、オンボーディングでユーザーをフォローアップしていくことが重要となるのです。

解約を防止できる

不要と判断されると、すぐに解約してコストカットできるのがSaaSモデルです。そのため、企業側はいかに解約を防ぐかが大きな課題となります。

オンボーディングで、活用方法や機能について説明すれば、短時間でサービスの価値に気づいてもらえます。ユーザーの悩みや疑問を解決できる機能をこちらから提案できれば、顧客満足度アップにもつながるでしょう。積極的に効果を実感してもらうことで、顧客離れが防げます。

アップセル・クロスセルによる顧客単価の引き上げが可能

アップセルとは、ユーザーにより高いサービスを購入してもらうこと。またクロスセルは、購入する商品とは別の商品もあわせて購入してもらうことで、どちらも顧客単価をあげるための営業手法です。

オンボーディングでサービスの利便性がユーザーに伝われば、このふたつの提案もスムーズにアプローチできます。顧客はサービスに満足しており、さらなる効果の拡大を検討しているかもしれません。高機能なプランを提案することは、企業側にも顧客側にも大きなメリットが生まれるでしょう。

オンボーディングの進め方

オンボーディングの進め方はいろいろありますが、ここではその中の1つをご紹介します。

導入から活用までのフローを整理する

まずは、自社のサービスについて理解を深めましょう。ユーザーが自社ツールを最大限に活用し、目標や目的を達成するまでの流れを整理して、サービスの魅力を洗い出します。顧客目線で自分たちが利用し、どんなステップで成功にたどり着けるかを可視化しましょう。

オンボーディングのゴールとKPIを決定する

サービスについて理解できたら、オンボーディングのゴールを決めます。「どの地点まで進んだら顧客が使いこなしていると判断するか」という基準を設定しましょう。具体的な内容は企業やサービスによって異なります。「2か月以内に初期設定ができ、データ作成まで達成すれば完了」などサービスに合わせて設定していきます。

その際、基準を細かくしすぎないことがポイントです。厳しい設定にしてしまうと、オンボーディングが終わっていない顧客ばかりになってしまいます。長期間、オンボーディングが完了しない顧客は、解約リスクが高くなるといわれているので要注意です。ユーザーの意欲が高いうちに完結できる指標を立てましょう。

また、KPI(重要業績評価指標)を設定して、経過を確認することも必要です。「利用回数」「使用時間」など数値で測定できるようにし、活用状況を把握しやすくしましょう。

支援の手段を決定する

目標が定まったら、オンボーディングの具体的な手段を決めていきます。オンボーディングには、3つのアプローチ方法があります。

一つ目はハイタッチです。ハイタッチとは、大きな利益をもたらす顧客に対して行われる1:1のサポートです。自社にとってメリットの高い顧客に、ある程度コストをかけて手厚いサポートを行います。

二つ目はロータッチです。ロータッチとは、一人でまとまった顧客に同一対応を行い、ハイタッチほどコストをかけずにサポートすることです。セミナーや勉強会などの開催をメインとし、必要に応じて個別対応を行います。

三つめはテックタッチです。テックタッチは、ITテクノロジーやシステムなどを駆使して、コストをかけずにユーザーサポートをしていきます。顧客数が多く、低価格のサービスでは対人支援が難しいため機械の力を借りて行います。

ただし、上記のような基準はあるものの、無理矢理タッチモデルに当てはめる必要はありません。まず最初は、ハイタッチでしっかりユーザーの声に耳を傾けることが大切です。丁寧な顧客対応から信頼が生まれ、今後の対策へのヒントも得られるかもしれません。

とはいえ、ハイタッチはコストがかかるので長期継続は困難です。次第にテックタッチへと移行し、最終的には顧客自身でオンボーディングを完結させる「セルフオンボーディング」を目指しましょう。

そのためには、直感的に操作がわかるツールの開発や、はじめてのログイン時にチュートリアルを表示するなど、使いやすさを追及した手法が必要です。顧客目線に立って、しっかりとしたサポート体制を実現していきましょう。

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オペレーションを実施して改善する

支援方法が決まったら、実際にオペレーションを開始してみましょう。一度でうまくいくことはありません。問い合わせ内容やデータなどで顧客の動きを確認しながら、「なぜKPIが達成できないのか」「ユーザーがわかりにくいのはどこなのか」など問題点をチェックしていきましょう。

Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)のプロセスを繰り返し行う「PDCAサイクル」を取り入れて、常に改善しながら進めていくことが成功への近道です。

オンボーディングのKPI例

オンボーディングのKPIは様々ですが、代表的なもので言えば「期間内に特定の工程を終えたユーザーの割合」などが例として挙げられます。

例えば弊社のMAツールでは、計測タグの設置やアカウントの作成、カテゴリやタグの作成など、利用を開始する上での最低限のプロセスがあります。作業自体はごく単純ですぐにできるものばかりですが、完了しないと運用も開始ができないため、どれだけの進捗化をこちらでウォッチし、場合によってはカスタマーサクセスの担当からプッシュで連絡し、背中を押すこともあります。


特定のステップまで進めば安定して利用を継続してくれるラインが、各SaaSサービスごとにあるはずなので、まずはその工程に進んでいる社数の割合などをKPIとしておいておくと良いでしょう。もしそのプロセスが明確になっていない場合は、まずはデータをもとに明確にするところから始めた方が良いと言えます。

オンボーディングの施策事例

ここで、弊社の自社MAツール「BowNow」を有料でご利用いただいているお客様に実施しているオンボーディングフロー(スタートアッププログラム)をご紹介いたします。(※2021年5月段階の内容です。)

弊社では以下の表のように、ハイタッチとロータッチ、そしてテックタッチを併用してオンボーディングを実施しています。

画像引用:https://bow-now.jp/about/support/

まずはマーケティング施策全体を理解して頂くために、基礎講座を受講いただきます。これがロータッチのプロセスです。その後に1to1のハイタッチで個別の目標設定を行い、具体的なツールの操作動画(テックタッチ)も並行して視聴いただきます。

その後も必要に応じてロータッチやテックタッチを組み合わせ、ユーザーが自身でMAツールを運用していくために必要な設定や基礎知識を全て身につけていただいたところで、オンボーディングのプロセスの完了としています。

オンボーディングのゴールや支援の範囲は企業によって様々ですが、弊社ではお客様がマーケティング活動を始められるところまでを、プログラムとして支援しています。ぜひ自社の活動に当てはめて、「オンボーディング」をどこまで実施するのか考えてみてください。

まとめ

オンボーディングを実施することは、顧客にとってだけでなく、自社にとってもたくさんのメリットがあります。反対にオンボーディングに失敗してしまうと、顧客は競合他社へと流れてしまいます。

その重要性がわかっていても「どんなサポートをしたらいいのかわからない」という企業も多いはず。まずはハイタッチからはじめて、顧客の声を集めてみましょう。ユーザーが抱えている問題や疑問を知ることで、支援の方法が見えてくるかもしれません。

SaaSビジネスは、顧客の不満を迅速にキャッチして、せっかくアクセスしてくれたユーザーを離さない努力が必要です。まずはオンボーディングを導入して、ストレスのないスタートシステムを構築していきましょう。



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