第1回の記事では、マーケティングオートメーション(MA)ツールとは何かについて紹介しました。
漠然と「マーケティングオートメーション(MA)ツールは便利なもの」というイメージがあると思いますが、そもそもなぜマーケティングオートメーション(MA)ツールが必要なのでしょうか?
今回は、BtoB企業の営業活動においてなぜマーケティングオートメーション(MA)ツールが必要なのか、その理由を紹介します。
インターネットや様々なツールの普及なども相まって、営業スタイルは時代とともに、アナログ型→集客型→情報活用型へと変化しています。まずはそれぞれの特徴を簡単に説明します。
インターネットが普及する前、営業は個人の営業力や経験をもとに成果を上げるのが一般的でした。とにかく数をこなす戦略が主流の時代です。
例えば、テレアポを1日100~200件かけたり、飛び込みを数百件したり、既存顧客を数十件回ったりする活動から商談を獲得する件数の目標を設定していました。
営業担当が、リスト作成からアプローチ、商談、追客、アフターフォローまでを一人で行うため業務が属人化してしまい、忙しさに比例して放置されてしまう案件が増え、営業成果の格差は広がるばかりでした。
全ての業務を高いレベルで、かつ生産性も高く実行することは非常に難しいです。
こと追客(顧客育成)に関しては時間もかかる上に成果が直ぐに出にくい傾向にあるため、真っ先に削られてしまう業務だったと言えます。
インターネットの普及により、見込み客は自らの手で情報を探し出すようになりました。
そのため、企業はマーケティング部門をつくり、ホームページに力を入れて検索順位を上げることや、広告で自社サービスを認知させる施策を多く打つようになりました。
マーケティング部門が設けられ、展示会やホームページやSNSなどからリードを獲得して顧客情報を営業部門に渡すことで、プッシュの営業活動の負担が減り、より追客や提案に力を入れることが出来るようになりました。
しかし、マーケティング部門が出来たことにより「供給される商談」や「見込み客の数」が増えた会社がほとんどでしたが、「供給される商談の質」がバラバラで検討レベルが低い見込み客を供給された営業担当は「マーケティング部門への不満」が募り、供給される見込み客リストの重要度も低くなってしまう会社もありました。
前述した通り、追客活動は成果が出るまでに時間がかかるので、営業部門としても今すぐ検討してくれそうな案件にのみ時間と労力を使い、そうでない案件は放置してしまうという流れが激化していきました。
結果的に見込み客の総数は増えましたが、放置されてしまう見込み客の数も比例して増えていく形となります。
経営層や営業部門としても追客の重要性は理解していても、かける時間に対する見返りが少ない事から「なかなか解消できない課題」となってしまっていました。
この放置問題を解消する方法として、これからの時代で求められるのが分業と情報活用型の営業活動です。
追客業務が得意な営業担当者を追客専任に据えて、放置されてしまう見込み客を組織的にかつ戦略的に育成していくことで営業部門に供給されるリードの質と量をコントロールしていく活動といえます。
属人的に貯まっていた情報を、しっかりとログデータとして取得・分析できる技術が発達したため、過去の履歴からユーザーの趣味嗜好や行動を把握し、ユーザーが求めている情報を配信することが可能になったことも大きな要因です。
そしてそのデータを蓄積・活用し見込み客をナーチャリング(育成)する追客専任担当はインサイドセールスと呼ばれており、現在はこの組織を新たに設ける企業が増えています。
ナーチャリングとは見込み客の検討度を上げていく活動のことですが、営業部門はナーチャリングが完了した顧客のみを担当できるようになれば、追客や中長期的なアプローチの時間が削減でき、かつその活動に必要な知識やノウハウを覚える必要もなくなります。
結果的に営業は商談のみに集中できるようになる為、成果が個人の営業力に偏ることが少なくなり、安定した強い営業組織をつくることができるようになります。
このような情報活用型へとシフトするためには、マーケティング部門とインサイドセールス部門の新設や増員といった組織編制(リソース)や見込み客の行動や動向を蓄積・分析するためのツールの導入が必要になります。
このツールとして最適と言われているのがマーケティングオートメーション(MA)ツールです。
マーケティングオートメーション(MA)ツールを設置しているサイトに見込み客が訪問すると企業名や個人名が分かるだけでなく資本金や従業員数などの企業データまで取得が可能な場合もあります。
さらにその見込み客がサイト上でどういう行動を取ったのかという、閲覧ページや閲覧順、滞在時間、ページ読了率、流入元情報、訪問回数などの詳細な分析までもが取得可能となっています。
マーケティングオートメーション(MA)ツールではメール配信機能がついているものも多くあり、その場合も同様にメール開封率やURLクリック率だけでなくメールをクリックしてサイトに流入した見込み客のサイト上の行動も分析可能です。
そしてデータを取得するだけでなく、先述したデータをグラフや分析レポートとして可視化することで、自分たちが行っている施策に効果があったのかを検証するために分析機能は非常に有効です。
営業スタイルの変化とともに従来の営業活動の中でマーケティングオートメーション(MA)ツールが担うことができる役割は確実に増えています。
追客強化(放置の解消)は短期的な売り上げに直結するものではないためリソースや予算を割けないという企業も多くいるかもしれませんが、長期的な視点で考えると確実に営業部門の負担を減らし、最終的な売り上げアップにも貢献できるものだと言われています。
次回の記事ではマーケティングオートメーション(MA)ツールのメリット・デメリットを紹介します。
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