Web広告とは?主要8媒体の違いと、予算・商材からの選び分け

Web広告とは、検索エンジン・Webサイト・SNS・動画サービスなど、インターネット上の枠に配信する広告の総称です。主要な媒体はリスティング、ディスプレイ、リターゲティング、SNS、動画、アフィリエイト、純広告、DSPの8つで、届く相手の状態と課金のされ方がそれぞれ違います。
媒体の一覧だけを並べても、自社がどれを使うべきかは決まりません。この記事では8媒体の違いを短くつかんだうえで、月いくらの予算なら何が選べるのか、どんな商材がどの媒体に向くのか、そして広告のクリック後に表示するページを誰が用意するのかまでを順に扱います。各媒体の細かい設定方法は個別の記事に譲り、ここでは選び分けの判断に紙幅を使いました。

- 8媒体の違いを1枚で見比べたい方へ
- Web広告サービス
比較12選 -
-
本文で扱う媒体ごとの性質を、サービス単位の比較表にまとめた資料です。どこから出稿を始めるかを社内で相談するときの下敷きとして使えます。
- ・主要なWeb広告サービスの比較表
- ・サービスごとの配信面と特徴
- ・最初の1媒体を決めるための判断材料
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1.Web広告とは|マス広告との違い
Web広告は、インターネットにつながった画面に表示される広告をまとめて指す言葉です。ネット広告、デジタル広告、オンライン広告と呼ばれることもありますが、指している範囲はほぼ同じと考えて差し支えありません。
この言葉が広い範囲を指すぶん、「Web広告を始めたい」という相談は、そのままでは具体的な作業に落ちません。検索結果に文字で出る広告と、動画の再生前に流れる広告では、必要な素材も費用の掛かり方も別物だからです。最初に押さえるべきなのは、Web広告という大きな箱の中が何で仕切られているかという点になります。
1-1.インターネット広告費は総広告費の半分を超えた
電通が2026年3月5日に公表した「2025年 日本の広告費」では、インターネット広告費が4兆459億円でした。総広告費は8兆623億円(前年比105.1%)なので、構成比は50.2%。インターネットが広告費全体の過半を占めたのは、この調査では初めてです。
内訳を見ると、インターネット広告媒体費は3兆3,093億円(前年比111.8%)。このうち運用型広告が2兆9,352億円で、構成比は88.7%にのぼります。さらに検索連動型広告は、インターネット広告媒体費の中で構成比38.7%と最大の区分です。
この数字から読めるのは、Web広告の中心にあるのが検索連動型であり、かつ大半が「配信しながら調整する」形式になっているという2点です。出稿して終わりではなく、配信後に手を入れ続ける前提で予算と人員を組む必要があります。
1-2.マス広告と分かれる4つの点
テレビ・新聞・雑誌・ラジオといったマス広告と比べると、違いは次の4つに集約されます。
| 観点 | Web広告 | マス広告 |
|---|---|---|
| 出稿の最小単位 | 日額や月額で小さく始められる | 枠単位の買い切りで、金額が先に決まる |
| 届ける相手の絞り込み | 検索語句・閲覧履歴・属性などで指定できる | 番組や媒体の読者層でおおまかに決まる |
| 結果の見え方 | 表示回数・クリック・申込みまで数字で追える | 調査や問い合わせの増減から推定する |
| 途中変更 | 配信中に文面も予算も差し替えられる | 入稿後の差し替えが難しい |
表の4行目は、実務でとくに効いてきます。言い回しを変える、予算を増やす、特定の配信先を止めるといった操作が、その日のうちに反映されます。裏を返せば、誰も触らない期間が続けば、そのぶん改善も止まるということです。
もうひとつ、マス広告との差として挙げておきたいのが遷移先の存在です。Web広告はクリックやタップの先にページがあって初めて成果につながります。広告を出す準備と、受け止めるページを用意する準備は別物で、後者が抜けたまま配信を始める例は少なくありません。この点は9章でまとめて扱います。
1-3.媒体の種類とは別に「買い方」の軸がある
Web広告の分類には、媒体で切る軸と、枠の買い方で切る軸の2つがあります。買い方の側は、入札しながら配信量を調整する運用型広告と、掲載期間や表示回数を先に決めて買う純広告(予約型)に大きく分かれ、成果が出たときだけ費用が発生する成果報酬型がこれに加わります。
この記事は媒体の軸で進めます。買い方の軸は、同じ媒体の中でも商品によって運用型と予約型の両方が用意されていることがあり、媒体の分類とは別の軸として押さえたほうが整理しやすいためです。詳しい違いは専用の記事にまとめています。
2.Web広告の種類|主要8媒体の特徴
ここからは主要な8媒体を順に見ます。それぞれの設定方法や細かい仕様は個別の記事で扱っているため、この章では「誰に届くのか」「何が成果を左右するのか」「遷移先のページが要るのか」の3点に絞って並べます。
先に全体像を表にします。右端の列は、広告をクリックした人を受け止めるページを別途用意する必要があるかどうかです。媒体を比べる表では省かれがちですが、予算を見積もるときに効いてきます。
| 媒体 | 主な配信先 | 届く相手の状態 | 専用の遷移先ページ |
|---|---|---|---|
| リスティング広告 | 検索結果の上部・下部 | 自分で言葉にして探している | ほぼ必須 |
| ディスプレイ広告 | Webサイトやアプリの広告枠 | 別の目的で画面を見ている | 必須 |
| リターゲティング広告 | サイトやアプリの広告枠 | 一度は自社サイトに来ている | 必須(離脱地点に合わせる) |
| SNS広告 | 各SNSのフィード・ストーリーズなど | 交流や情報収集の途中 | 必須(SNS内で完結する形式を除く) |
| 動画広告 | 動画サービスの再生前後・途中 | 別のコンテンツを見に来ている | 必須 |
| アフィリエイト広告 | 提携先のサイトやブログ | 掲載記事を読んで比較している | 必須(成果地点を定義する) |
| 純広告・タイアップ記事広告 | 特定メディアの指定枠 | そのメディアの読者 | 記事型は不要なことがある |
| DSP広告 | 複数のアドエクスチェンジ経由の広告枠 | 配信条件で指定した層 | 必須 |
8つのうち7つで専用ページが要る、というのがこの表の要点です。媒体の利用料だけを見積もっていると、配信を始める直前に制作の予算と期間が足りないことに気づく、という進み方になります。
2-1.リスティング広告(検索連動型広告)
検索された語句に応じて、検索結果の上部や下部に表示されるテキスト広告です。Google広告やLINEヤフー広告の検索広告がこれにあたります。
最大の性質は、ユーザーが自分の言葉で課題を入力した直後に表示される点です。すでに探している人に当てるため、少ない配信量でも申込みや問い合わせにつながりやすく、最初の1媒体として選ばれることが多い領域になります。
成果を分けるのは、どの語句に出すかと、どの語句を止めるかの設計です。商材と関係のない検索にまで表示されると、クリックの費用だけが積み上がります。
2-2.ディスプレイ広告
Webサイトやアプリに設けられた広告枠に、画像・動画・テキストで表示される広告です。Googleディスプレイネットワーク(GDN)やLINEヤフー広告のディスプレイ広告が代表例になります。
検索と違って、見ている人はその商材を探していません。認知を広げたいとき、あるいは一度接点を持った人へ思い出してもらいたいときに使います。クリック率は検索広告より低く出るのが通常で、画像の訴求と配信面の絞り込みが成果を動かします。
2026年10月時点の動きとして、Googleはディスプレイ広告キャンペーンをGoogleディスプレイネットワークとしてデマンドジェネレーションへ統合する方針を公式に告知しており、移行ツールの提供が2026年6月から順に始まりました。将来的に新規作成の場所を絞る方針も公表されていますが、その時期までは示されていません。詳しくはディスプレイ広告の記事で扱います。
2-3.リターゲティング広告
自社サイトを訪れた人を対象に、別のサイトやアプリで再度表示する広告です。配信の形式としてはディスプレイ広告の一種ですが、対象の決め方が違うため、分けて扱われます。
サイトに来た時点で関心はあるため、新規に当てる配信よりも反応が高く出ます。一方、同じ人に繰り返し表示すると印象が悪化するため、表示回数の上限と対象から外す条件の設計が要ります。
対象リストの作り方は、ブラウザ側の仕様変更の影響を受ける領域です。Chromeはサードパーティ Cookie の完全廃止を中止しましたが、Safariは2022年9月以降ブロック済みで、ブラウザによって挙動が分かれます。なお、Google広告でこの機能を指す呼び名は「広告主様のデータ」に変わっています。管理画面では「データ セグメント」として並び、「リマーケティング」のほうは変更前の言い方として公式に整理されています。
2-4.SNS広告
Facebook・Instagram・X・LINE・TikTokなどのプラットフォーム内に配信する広告です。各社が保有する登録情報や利用状況をもとに、配信する相手を細かく指定できます。
投稿の流れの中に差し込まれるため、広告らしさが強いと読み飛ばされます。プラットフォームごとに好まれる見せ方が違い、縦型の動画が前提の面と、画像1枚で成立する面があります。素材をそのまま使い回すと反応が落ちる点は、運用を始めてから気づきやすい部分です。
商材の性質によっては、検索されない段階の層に届けられる点が大きな利点になります。新しいカテゴリの商品や、課題を自覚していない相手に売る商材では、検索広告より先にこちらを試す判断もあります。
2-5.動画広告
YouTubeをはじめとする動画サービスで、再生前・再生中・再生後に流れる広告です。SNSのフィード内で自動再生される動画も、広い意味ではここに入ります。
文字と静止画では説明が長くなる商材に向きます。使っている場面を見せられるため、機器・ソフトウェア・サービス業など、動きで理解が進む商材と相性がよい領域です。
難しさは、改善に編集作業が必要になる点にあります。冒頭数秒で離脱していると数字で分かっても、直すには素材を作り直す工程が入ります。配信の調整だけでは手が尽きやすく、制作の体制とセットで考える必要があります。
2-6.アフィリエイト広告
提携したサイトやブログに広告を掲載し、申込みや購入といった成果が発生したときに報酬を支払う形式です。ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)を介して提携先を募るのが一般的になります。
成果に対して費用が発生するため、1件あたりの単価を先に決められるのが利点です。ただし、ASPの初期費用と月額の利用料は成果の有無にかかわらず発生します。
注意が要るのは掲載内容の管理です。提携先が書いた表現がそのまま自社の広告として読まれるため、どこまで書いてよいかの基準を提示し、掲載面を定期的に確認する担当が必要になります。
2-7.純広告・タイアップ記事広告
特定のメディアの枠を、掲載期間や表示回数を決めて買い切る形式です。読者層がはっきりしているメディアに、まとまった量で接触できます。記事の形で制作するタイアップ記事広告もこの区分に入ります。
入札で単価が動かないため、費用が事前に確定するのが特徴です。予算の見通しは立てやすい一方、配信してから「効かない」と分かっても、期間の途中で引き上げる余地は多くありません。
記事型の場合は、掲載先のページ自体が遷移先として機能します。自社でページを用意せずに成立する数少ない形式ですが、読者を自社サイトへ送る設計を入れておかないと、読まれて終わりになります。
2-8.DSP広告
DSP(Demand Side Platform)は、複数の広告枠をまとめて買い付けるための仕組みです。媒体を1つずつ指定するのではなく、届けたい相手の条件を指定して、条件に合う人がいる枠へ横断的に配信します。
広い面に一度に当てられるのが利点で、認知の獲得や、自社サイトに来ていない層への接触に使われます。配信先が広いぶん、どこに出ているかの確認と、不適切な面を除外する作業が欠かせません。
最低出稿額が設定されている製品が多く、小さな予算では選択肢に入りにくい領域でもあります。
3.Web広告の仕組み|課金方式の違い
媒体の違いと並んで理解しておきたいのが、何に対してお金を払っているのかという点です。同じ「月30万円の広告費」でも、課金の単位が違えば買えている量がまったく変わります。
課金方式は媒体ごとに固定されているわけではなく、同じ媒体でも目的に応じて選べることがあります。まず代表的な4つを押さえ、その後に単価の決まり方を見ます。
3-1.4つの課金方式
| 方式 | 費用が発生するタイミング | 主に使う場面 | 気をつける点 |
|---|---|---|---|
| クリック課金(CPC) | 広告がクリックされたとき | サイトへの誘導、申込みの獲得 | 表示だけでは費用が出ないぶん、単価が上がりやすい |
| インプレッション課金(CPM) | 広告が1,000回表示されたとき | 広く知ってもらう、接触回数を積む | クリックされなくても費用が発生する |
| 視聴課金(CPV) | 動画が一定の長さまで再生されたとき | 動画で内容を理解してもらう | 何秒で1回と数えるかが媒体で違う |
| 成果報酬(CPA/PPA) | 申込みや購入が発生したとき | 費用を成果に連動させたい | 成果地点の定義を厳密に決める必要がある |
このほかに、いいねやフォローなどの反応に対して課金するエンゲージメント課金、掲載期間で費用が決まる期間保証型もあります。純広告は後者にあたり、表示回数や期間を先に買う形です。
最初に選ぶなら、クリック課金がもっとも判断しやすい方式です。クリックされた回数と、そのうち何件が申込みになったかを並べれば、1件あたりの獲得費用がそのまま出ます。表示回数で買う方式は、効果を評価する指標を別に用意しないと、良し悪しの判断ができません。
3-2.単価はオークションで決まる
運用型のWeb広告では、1回の表示機会ごとに入札が行われ、掲載の可否と単価が決まります。あらかじめ「1クリック100円」と決まっているわけではなく、同じ枠を狙う広告主の数と、入札額、広告の評価によって変動します。
評価の部分が重要です。入札額が高い広告が必ず勝つ仕組みではなく、検索語句との関連性や遷移先ページの内容が加味されます。つまり、同じ金額を入れても、広告の作りが雑なら表示されにくく、単価も高くなります。
この性質があるため、競合が増えたり季節要因で需要が集中したりすると、設定を変えていなくても単価が上がります。配信の数字が悪化したときに、自社の操作が原因なのか市場側の変動なのかを切り分ける視点が必要になります。
3-3.同じ予算でも結果が変わる理由
広告の評価が単価に効く以上、改善の余地は入札額の外側にあります。キーワードマーケティングは、品質スコアを改善した2件の結果を公開しています。1クリックの単価が500円から300円になった例と、600円から450円になった例で、下げ幅は40%と25%です。
単価が4割下がれば、同じ予算で入ってくる人数はおよそ1.7倍になります。広告費を増やさずに結果を動かす余地がここにあるという意味で、予算の議論より先に確認したい部分です。
評価を上げる作業は、広告文と検索語句と遷移先ページの内容を揃えていく地道な作業になります。3つのうち遷移先だけが別の担当になっている状態では、ここが止まります。
4.Web広告のメリット
マス広告や他の集客施策と比べたときに、Web広告が持つ強みを4つに整理します。どれも「だから必ず成果が出る」という話ではなく、使い方しだいで効いてくる性質です。
4-1.小さい金額から試せる
枠を買い切る必要がないため、日ごとの上限を決めて少額から配信できます。出稿してみて反応が悪ければ、翌日に止めることも可能です。初期投資を抑えて検証から入れる点は、予算の限られた事業にとって大きな意味を持ちます。
ただし、少額であればあるほど検証に時間がかかります。1日に数件しかクリックが発生しない配信では、良し悪しを判断できる量のデータが貯まるまで数か月かかることもあります。少額で始められることと、少額で成果が出ることは別の話です。
4-2.届ける相手を条件で絞れる
検索した語句、閲覧したページ、地域、使っている端末、年齢層など、配信する相手を条件で指定できます。商圏が限られる事業なら配信地域を絞り、既存顧客を除外したいなら対象から外す、といった調整が可能です。
絞り込みは、無駄な配信を減らすと同時に、届く母数も減らします。絞りすぎて配信量が確保できず、学習が進まないまま終わるのもよくある失敗です。
4-3.結果が数字で残る
表示回数、クリック数、クリック率、申込み件数、1件あたりの獲得費用まで、管理画面で確認できます。どの語句から申込みが入ったかまで追えるため、次に何を増やし何を止めるかの判断が数字でできます。
この利点を活かすには、申込みや問い合わせを計測できる状態にしておく必要があります。計測の設定が入っていない状態で配信を始めると、クリック数しか見えず、判断の材料が半分欠けます。
4-4.その日のうちに変えられる
広告文、予算、配信先、配信時間帯のいずれも、配信中に変更できます。反応の悪い組み合わせを止めて、伸びている側へ予算を寄せる操作が即座に反映されます。
在庫が切れた、キャンペーンが終わったといった事情にも即日で対応できます。この機動力は、入稿後の差し替えが難しい媒体にはない性質です。
5.Web広告のデメリット
利点の裏側には、始める前に知っておきたい負担と制約があります。ここを把握しないまま出稿すると、「思ったより手がかかる」「費用が読めない」という結論になりがちです。
5-1.止めると流入も止まる
広告の表示は費用に連動しています。配信を止めた翌日から、広告経由の訪問はゼロになります。費用を払い続けている間だけ人が来る構造なので、月次の固定費として扱う覚悟が要ります。この点は11章で詳しく扱います。
5-2.運用の手間が継続して発生する
出稿すれば自動的に成果が積み上がるわけではありません。検索語句を確認して無駄な表示を止め、反応の落ちた素材を差し替え、予算配分を見直す作業が毎月発生します。社内で担当を決めずに始めると、設定した当初のまま数か月が過ぎることになります。
5-3.単価は自社の都合と関係なく上がる
オークションで決まる以上、競合が増えれば単価は上がります。業種によっては、1クリックの費用が年々切り上がっていく動きが続いています。去年と同じ予算で同じ件数が取れる保証はありません。
5-4.意図しない面に出ることがある
ディスプレイやDSPのように配信先が広い媒体では、ブランドに合わない面に表示される可能性があります。配信先の確認と除外の設定を定期的に行わないと、気づかないまま費用が流れます。
5-5.ブラウザの仕様変更に左右される
ユーザーの行動をもとにしたターゲティングは、ブラウザ側の設定に依存します。前述のとおりChromeとSafariで扱いが分かれているため、同じ設定でも届く範囲が端末によって変わります。配信量が想定より出ないときは、この要因も疑う必要があります。
6.Web広告の費用相場|広告費・手数料・制作費に分けて見る
「Web広告はいくらかかるのか」という問いに1つの金額で答えられないのは、支払う先が3つに分かれているからです。媒体に払う広告費、運用を外に出す場合の手数料やツール利用料、そして遷移先ページと素材の制作費。この3つを分けて見積もると、総額のずれが起きにくくなります。
なお、媒体ごとのクリック単価を一律の相場として示すことはできません。3章のとおり単価はオークションで決まるため、同じ媒体でも業種と競合状況で何倍も変わるからです。ここでは、金額として確認できる範囲の数字を扱います。
6-1.費用は3つの層に分かれる
| 層 | 支払う先 | 金額の決まり方 | 削りにくさ |
|---|---|---|---|
| 広告費 | Google・LINEヤフー・各SNSなどの媒体 | 自社で上限を設定する | 調整しやすい |
| 運用の費用 | 代理店またはツール提供会社 | 広告費への料率、または定額 | 契約期間に縛られる |
| 制作の費用 | 制作会社、または社内の工数 | 本数・ページ数で積む | 配信前にまとまって発生する |
社内で予算を通すときに通りやすいのは1行目だけ、というのがよくある状況です。2行目と3行目を同じ稟議に乗せておかないと、配信を始めたあとに追加の決裁が必要になり、改善が止まります。
3つのうち、成果への効き方がもっとも見えにくいのが3行目です。広告費を増やしても遷移先が変わらなければ、増えるのは訪問者数だけで申込み件数は比例しません。配分の考え方は9章で扱います。
6-2.最低限いくらから成立するか
少額から始められるとはいえ、下限はあります。配信量が少なすぎると、どの語句やどの素材が効いたのかを判断できる件数が貯まらないためです。
この最低ラインについては、各社が公開している目安に幅があります。WEB FLEEKは、月3万円以下では学習データが蓄積されず非効率であるとし、現実的な最低ラインを月5万円、安定して運用できる水準を月10万〜30万円としています。finnerは月5万〜10万円でテスト運用が可能という見方を示しています。
業種による差を具体的に示しているのがヒューマンワークです。Google広告で最小限の効果を得るための月額予算として、次の目安を公開しています。
| 業種 | 月額予算の目安 |
|---|---|
| 美容・健康 | 15,000〜30,000円 |
| 不動産・建設 | 25,000〜40,000円 |
| BtoB | 45,000〜60,000円 |
| 家庭用サービス | 60,000〜90,000円 |
BtoBと家庭用サービスの金額が高いのは、1件あたりのクリック単価が高い領域だからです。自社の業種が後ろ2つに近いなら、月5万円では検証に足りない可能性を見込んで予算を組んだほうが安全になります。
6-3.外注すると広告費の外側に乗る金額
運用を代理店に任せる場合、広告費とは別に手数料が発生します。当方が13社を調べた範囲では、料率制を取る会社はすべて広告費の20%でした。一方、WEB FLEEKは10〜20%、finnerは15〜20%と、より低い水準を含む幅を示しています。15〜20%とする情報もあるため、20%だけを基準に置かずに幅で見積もったほうが実態に近づきます。
料率のほかに、手数料の下限が月5万円から20万円、受けてもらえる広告費の下限が月30万円から100万円、着手時の費用が0円から10万円、期間の縛りが1か月から6か月。これらの条件が重なるのが一般的です。WEB FLEEKも代理店の初期費用として3〜10万円という水準を挙げています。広告費が月100万円なら、手数料だけで年240万円になる計算です。
自社で運用する場合は、ツールの利用料が代わりに乗ります。相場は、定額制なら月2万〜30万円、広告費に連動する体系なら3〜20%、これに初期設定として0〜10万円という幅です。Shirofuneが公開している体系では、セルフ運用プランの料率が広告費×5%、サポートプランはそこへ月10万円が加わる形になっています。
※本章で挙げた金額は、各社が2026年10月時点で公開している情報から整理したものです。条件は見直しが入る領域のため、申し込みや商談の段階で各社の最新の内容を確認してください。
7.予算別|月いくらならどの媒体を選べるか
媒体の一覧を眺めても選べないのは、予算によって現実的な選択肢が変わるからです。月5万円で動画広告とDSPを併用する、という計画は成立しません。ここでは4つのレンジに分けて、何が選べて何を優先すべきかを整理します。
金額はあくまで広告費の目安で、6章で見た手数料と制作費は別に必要になります。また、業種によって下限が上下する点は6-2のとおりです。
| 月の広告費 | 現実的に選べる媒体 | この段階でやること | 手を出さないほうがよいこと |
|---|---|---|---|
| 5万円前後 | リスティング広告(1商材・狭い地域) | 成果が出る語句を見つける | 媒体の併用、広い地域への配信 |
| 20万円前後 | リスティング+リターゲティング | 遷移先ページの改善に着手する | 認知目的の配信 |
| 50万円前後 | 上記+SNS広告またはディスプレイ | 2媒体目で新しい層を試す | 媒体を3つ以上に分散させる |
| 100万円以上 | 上記+動画・DSP・純広告 | 認知から獲得までの流れを設計する | すべての媒体に薄く配る |
7-1.月5万円|1媒体・1商材に絞る
この帯で分散は成立しません。1つの媒体、1つの商材、絞った地域に集中させて、成果の出る語句を見つけることが目的になります。
選ぶならリスティング広告です。探している人に直接当たるため、少ない配信量でも判断材料が集まりやすいからです。ディスプレイや動画は、認知を広げるために一定の表示量が要るので、この予算では量が足りません。
あわせて、この帯では運用を外注する選択肢がほとんど残りません。最低出稿額が月30万〜100万円に設定されていることが多く、条件に届かないためです。自社で運用するか、ツールを使う前提で計画を立てることになります。
7-2.月20万円|遷移先の改善まで射程に入る
検証に足りる量のクリックが集まり始める帯です。リスティングで獲得できる語句が見えてきたら、サイトを訪れて離脱した人に向けたリターゲティングを足すと、同じ母数からの回収率が上がります。
この段階で優先したいのは、媒体を増やすことより遷移先ページの改善です。広告側の調整で単価を下げる余地と、ページ側で申込み率を上げる余地を比べると、後者のほうが伸びしろが大きい局面が多くなります。
外注を検討できるようになるのもこの帯からですが、最低手数料が月5万〜20万円のため、広告費20万円に対する実質の負担率は20%を超えることがあります。料率だけで比較すると判断を誤ります。
7-3.月50万円|2媒体目を足せる
検索で取り切れる件数には上限があります。狙っている語句で上位に出ていて、それでも件数を増やしたい段階に来たら、検索していない層へ広げる媒体を足します。
選択肢はSNS広告かディスプレイ広告です。商材の見た目で興味を引けるならSNS、幅広い面に接触を積みたいならディスプレイ、という分け方になります。どちらを足す場合も、既存のリスティングの予算を削らずに追加するのが前提です。削ると、確実に取れていた件数まで減ります。
この帯で避けたいのは、3媒体以上への分散です。1媒体あたりの配信量が落ちて、どれも判断できる量に届かない状態になります。
7-4.月100万円以上|認知側へ広げる
獲得目的の媒体で取れる件数が頭打ちになったら、まだ商材を知らない層を増やす施策に予算を回す段階です。動画広告、DSP広告、特定メディアへの純広告が候補に入ります。
ここで必要になるのが、評価の分け方です。認知目的の配信を、獲得目的の媒体と同じ1件あたりの獲得費用で評価すると、どうしても見劣りします。接触した人がその後どれだけ指名検索やサイト訪問に転じたかを見る指標を、配信を始める前に決めておいてください。
なお、この規模になると手数料の総額も大きくなります。月100万円の広告費に20%の料率なら、年間240万円が運用の費用として出ていきます。料率以外の体系を相談する余地が出てくるのもこの帯です。
8.商材別|自社に向く媒体の見分け方
予算の次に効いてくるのが商材の性質です。同じ月50万円でも、売っているものが違えば向く媒体は入れ替わります。ここでは4つのタイプに分けて考え方を示します。
自社が複数のタイプにまたがる場合は、売上の構成比が大きいほうを優先してください。両方に最適化しようとすると、配信の設計が中途半端になります。
| 商材のタイプ | 軸にする媒体 | 補助に使う媒体 | 成果の見方 |
|---|---|---|---|
| 客単価が高く検討期間が長い | リスティング広告 | リターゲティング、資料請求後の追客 | 問い合わせ件数と、その後の受注率 |
| 単価が低く繰り返し買われる | SNS広告 | リターゲティング、アフィリエイト | 初回獲得費用と、2回目以降の購入率 |
| 商圏が地域に限られる | リスティング広告(地域指定) | 地域を絞ったSNS広告 | 来店・来場・電話の件数 |
| BtoB | リスティング広告 | ディスプレイ、DSP、業界メディアの純広告 | 商談につながった件数 |
8-1.客単価が高く、検討期間が長い商材
住宅、設備、保険、法人向けのシステムなどが当てはまります。1件の成約で得られる金額が大きいため、1件あたりの獲得費用に数万円をかけても成立します。
この層は、比較している最中に検索します。したがって軸はリスティング広告です。ただし、問い合わせのその場で決まることはまれなので、資料請求や相談予約のように、申込みのハードルを下げた入口を用意する必要があります。
検討期間が長いぶん、一度訪れた人を追いかける価値も高くなります。リターゲティングで接触を維持しつつ、取得した連絡先へのメールなど、広告の外側の手段も組み合わせると取りこぼしが減ります。
8-2.単価が低く、繰り返し買われる商材
日用品、食品、サプリメント、サブスクリプション型のサービスなどです。1件あたりに出せる金額が小さいため、クリック単価の高い検索広告だけでは採算が合わないことがあります。
この場合はSNS広告が軸になります。見た目で興味を引ける商材であれば、検索していない層にも届くからです。初回の購入で赤字でも、2回目以降の購入で回収できる構造なら、1回目の獲得費用を高めに設定する判断もできます。
そのため、評価の指標を初回の獲得費用だけに置かないことが重要です。繰り返し買われる割合を把握していないと、採算が取れている配信を止めてしまう判断になりかねません。
8-3.商圏が地域に限られる商材
飲食店、クリニック、美容室、工務店、地域密着のサービス業などが該当します。配信地域を絞れることがそのまま利点になる領域です。
軸はリスティング広告で、配信地域を商圏に合わせて限定します。母数が小さくなるぶん1日のクリック数は少なくなりますが、無関係な地域への表示が消えるので、少額の予算でも成立しやすくなります。
注意点は、検索の母数そのものが限られることです。予算を増やしても表示できる回数に上限があるため、ある時点から広告費を足しても件数が伸びなくなります。その段階で地域を絞ったSNS広告を足すか、別の集客手段に回すかの判断が必要になります。
8-4.BtoBの商材
企業向けの商材は、検索する人の数が少ない代わりに1件の価値が高い、という構造です。6-2で見たヒューマンワークの目安でもBtoBは月45,000〜60,000円と高めの水準が示されており、クリック単価が高い領域であることが分かります。
軸はリスティング広告です。業務上の課題を具体的な言葉で検索する人に当てられるため、母数が少なくても成果につながります。社名や製品カテゴリの指名検索が発生しているなら、そこを押さえるのが最優先になります。
検索の母数を取り切ったあとは、業界メディアへの純広告や、企業属性を条件にしたディスプレイ・DSPの配信が候補になります。ただし、申込みから受注までの期間が長いため、広告の管理画面に出る件数だけでは良し悪しが判断できません。商談につながった件数まで戻して評価する仕組みを先に作っておく必要があります。
9.広告の遷移先(LP)を誰が用意するか
媒体を比べる記事では触れられないことが多いものの、出稿の準備でもっとも詰まりやすいのがここです。2章の表で見たとおり、8媒体のうち7つで専用の遷移先ページが要ります。
この章では、なぜページが必要なのか、いくらかかるのか、誰が持つべきなのかを順に整理します。
9-1.どの媒体を選んでも遷移先は必要になる
広告はクリックされた時点では何も生みません。成果が生まれるのは、クリックの先で申し込みや購入が起きたときです。つまり広告の成果は、広告の出来とページの出来の掛け算で決まります。
会社の公式サイトのトップページに流すのでは足りない理由も、ここにあります。広告文で特定の訴求を読んで来た人が、総合的な案内のページに着地すると、自分が探していた情報を探し直す作業が発生します。その手間の分だけ離脱が増えます。
さらに、媒体ごとに訪れる人の状態が違う点も効いてきます。検索から来た人はすでに課題を言語化していますが、SNSや動画から来た人は興味を持った直後の段階です。同じページに流すと、どちらかには説明が足りず、どちらかには説明が長すぎる状態になります。
9-2.制作費と改善費は広告費の外側で動く
ランディングページを1枚作る費用は25万〜100万円が目安です。公開して終わりではなく、数字を見ながら文面や構成を直していく運用まで任せる場合は、月10万〜15万円が別に必要になります。
この金額が効いてくるのは、媒体を増やしたときです。媒体ごとにページを分けたほうが成果は出ますが、3媒体なら3枚、それぞれに改善を回すならその分の運用費が乗ります。広告費だけで予算を組んでいた会社が手詰まりになるのは、ほぼこの地点です。
実務では、広告側の調整が尽きたあとに残る改善余地が遷移先に集中します。3章で見たとおり、ページの内容は広告の評価にも関わるため、ここが固定されていると単価の面でも不利になります。それでも動かせないのは、制作の予算と判断の権限が広告の担当者の手元にないからです。
9-3.持ち主を決める4つのパターン
| 持ち主 | 初期の費用 | 修正の速さ | 向く状況 |
|---|---|---|---|
| 社内の担当者が作る | 人件費のみ | すぐ直せる | 作れる人が社内にいる |
| 制作会社に発注する | 1枚25万〜100万円 | 依頼から反映まで数日〜数週間 | 品質を優先し、改修の頻度が低い |
| 代理店の契約に含める | 別見積もりになることが多い | 契約範囲しだい | 運用とページを同じ窓口に寄せたい |
| ページ作成機能を持つツールを使う | ツールの料金に含まれる製品がある | その場で直せる | 媒体を絞って自社で回す |
どれが正しいという話ではなく、修正の速さと費用のどちらを取るかの選択です。配信を始めてから最初の3か月は、ページを何度も直すことになります。この期間に修正が数週間待ちになる体制だと、検証の回数そのものが減ります。
先に決めておきたいのは、ページを何枚、誰が、いつまでに用意するのかという3点です。ここが空白のまま媒体の選定を進めると、配信開始日だけが決まって中身が間に合わない、という進み方になります。
- ページと広告を同じ場所で作りたい方へ
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CIRCUS Ads -
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CIRCUS Adsは、AIとの対話でランディングページを組み立て、その流れのまま広告キャンペーンまで作って、自社が持つGoogle広告のアカウントへ連携できる広告AIエージェントです。初期費用は0円、月額のツール費用も基本0円で、手数料は月額広告費20万円以上なら広告費の5%、20万円未満は月額10,000円。ページの作成がこの料金の中に収まるため、制作費を別の枠で積む必要がありません。
連携先は現時点でGoogleリスティング広告に限られます(今後拡大予定)。ディスプレイ・SNS・動画まで横断して配信する計画であれば、この記事の6章で触れた代理店やほかのツールと比べたうえで判断してください。
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10.Web広告の始め方|5ステップ
媒体が決まったあとの流れを、順番に並べます。ここを飛ばして配信を始めると、最初の数か月の広告費が検証に使えないまま消えます。
所要期間の目安は、計測の設定とページの用意がどこまで進んでいるかで変わります。ページを新規に作るなら、制作の期間を含めて1か月以上を見ておくと無理がありません。
10-1.目的と、達成を判断する数字を決める
「売上を増やす」では配信の設定に落ちません。問い合わせを月に何件、1件あたりいくらまでで獲得したいのか、という形まで具体化します。
決め方は、商材の粗利からの逆算が基本です。1件の成約で残る利益と、問い合わせから成約に至る割合が分かれば、問い合わせ1件に出せる上限が算出できます。社内にデータがなければ、過去の受注実績から概算で置いて、配信後に実測値へ入れ替えてください。
10-2.予算を決める
7章のレンジを目安に、月いくらを広告費に充てるかを決めます。あわせて、運用の費用と制作の費用を同じ予算書に入れてください。6章で見たとおり、この3つを分けておかないと総額が合わなくなります。
検証に必要な期間も先に決めます。1〜2か月で判断できる量が集まらない予算規模であれば、評価の時期を3か月後に置くなど、あらかじめ合意しておくと途中で止める判断を避けられます。
10-3.媒体を選ぶ
7章の予算軸と8章の商材軸を重ねて、最初の1媒体を決めます。迷った場合は、すでに検索されている商材ならリスティング広告から始めるのが外しにくい選択です。
複数の媒体を同時に始めたくなりますが、最初は1つに絞ったほうが、うまくいかなかったときの原因を特定しやすくなります。
10-4.遷移先のページを用意する
9章で扱ったとおり、ここが最も時間のかかる工程です。誰が作るのかを決め、公開後に誰が直すのかまで決めてから着手してください。
既存のページを流用する場合は、広告文で使う言葉がページの冒頭に出てくるかを確認します。広告で読んだ言葉がページに見当たらないと、来た人は「違うページに来た」と判断します。
10-5.計測を設定し、配信して検証する
申込みや問い合わせを成果として計測できる状態にしてから配信を始めます。計測が動いていないと、クリック数しか見えず、どの語句を伸ばすかの判断ができません。
配信開始後は、最初の2週間で検索語句と配信先の実績を確認し、無関係なものを止めます。その後は、数字の確認と素材の差し替えを月次で回していく流れになります。
11.やめるときに何が残るか
始め方を扱う記事は多い一方、やめたときに何が手元に残るのかはあまり書かれません。予算の継続可否を判断するうえで、ここを先に知っておく価値があります。
運用型のWeb広告は、費用の支払いと表示が連動しています。配信を止めれば、翌日から広告経由の訪問はゼロです。広告は在庫のように積み上がらず、止めた瞬間に流入が消える種類の施策だと理解しておく必要があります。
ただし、何も残らないわけではありません。配信を通じて得たものは次の形で手元に残ります。
- どの検索語句から申込みが入り、どの語句が無駄だったかという実績
- 反応のよかった訴求と、反応のなかった訴求の記録
- 改善を重ねた遷移先ページそのもの
- 広告アカウントに蓄積された配信履歴と学習の状態
このうち最後の項目には条件が付きます。アカウントが代理店の名義で開設されている場合、契約終了とともに履歴を引き継げないことがあります。これから開設するなら、自社名義のアカウントを作って運用者を招待する形にしておくと、依頼先の変更や内製への切り替えで困りません。
残るものの中で、次の施策に直接つながるのが1つ目と3つ目です。申込みにつながった検索語句は、そのまま自社サイトで用意すべき情報の設計図になります。改善済みのページは、広告を止めたあとも検索や他の経路から来た人を受け止め続けます。広告の配信そのものは止まっても、この2つは資産として残ります。
そのうえで、広告を止める判断の前に確認したいのが、止める理由が成果の不足なのか単価の上昇なのかという点です。前者なら遷移先の改善余地が残っていることが多く、後者なら語句の絞り込みで対処できる場合があります。配信を止める前に、3章で触れた評価の改善と、9章の遷移先の改善を試す順序をおすすめします。
12.Web広告に関するよくある質問
Web広告にはどんな種類がありますか?
よく使われるのはリスティング広告、ディスプレイ広告、リターゲティング広告、SNS広告、動画広告、アフィリエイト広告、純広告(タイアップ記事広告を含む)、DSP広告の8種類です。分類の仕方は記事によって幅があり、ネイティブ広告やメール広告、音声広告を別の種類として数える整理もあります。種類の数を覚えることより、届く相手の状態と課金のされ方で見分けるほうが実務では役に立ちます。
Web広告は月いくらから始められますか?
媒体の最低出稿額という意味では、少額から配信できます。ただし判断できる量のデータが貯まるかは別で、WEB FLEEKは月3万円以下では学習データが蓄積されず非効率とし、現実的な最低ラインを月5万円としています。finnerも月5万〜10万円でテスト運用が可能という見方です。業種による差もあり、ヒューマンワークはBtoBで月45,000〜60,000円、家庭用サービスで月60,000〜90,000円という目安を公開しています。
どの媒体から始めるのがよいですか?
すでに検索されている商材なら、リスティング広告から始めるのが基本です。探している人に直接当たるため、少ない配信量でも成果の有無を判断しやすくなります。名前が知られていないカテゴリの商材は検索されないため、SNS広告や動画広告で接点を作るほうが向きます。
Web広告とSEOはどちらを先にやるべきですか?
急いで件数が必要ならWeb広告、時間をかけて流入を積み上げたいならSEOという分け方になります。広告は配信した翌日から人が来る代わりに、止めれば流入も止まります。両方を進める場合は、広告で見つけた「申込みにつながる検索語句」を、そのままコンテンツの設計に使うと無駄が出ません。
代理店に任せるのと、自社で運用するのはどちらが得ですか?
使う媒体の数で変わります。3媒体以上を横断し、社内に確認の時間を取れないのであれば代理店に任せるほうが結果は出やすくなります。媒体が1つに絞れていて、週に2〜3時間の確認時間を確保できるなら、ツールを使って自社で回す選択が費用の面で効いてきます。代理店の手数料は広告費の20%が目安で、15〜20%とする情報もあります。
ランディングページは必ず必要ですか?
記事型のタイアップ広告を除けば、基本的に必要です。広告文で特定の訴求を読んで来た人を、総合的な案内のページに着地させると、情報を探し直す手間が発生して離脱が増えます。制作費は1枚25万〜100万円、公開後の改善まで任せる場合は月10万〜15万円が目安です。ページ作成の機能を持つ広告運用ツールを使えば、この費用を利用料の中に収められる製品もあります。
広告を止めたらどうなりますか?
広告経由の訪問は翌日からなくなります。残るのは、申込みにつながった検索語句の実績、反応のよかった訴求の記録、改善を重ねた遷移先ページ、そして広告アカウントの配信履歴です。ただしアカウントが代理店の名義で開設されている場合、履歴を引き継げないことがあるため、名義は契約前に確認してください。
ディスプレイ広告はなくなるのですか?
廃止が決まったという情報は公式には出ていません。公表されているのは、ディスプレイ広告キャンペーンをGoogleディスプレイネットワークとしてデマンドジェネレーションへ統合するという方針と、2026年6月に移行ツールの段階的なリリースが始まったという事実です。今後は新規の作成をデマンドジェネレーション内に限るとされていますが、その時期までは公表されていません。配信先の広告枠そのものがなくなるわけではなく、作成の入口が変わるという整理になります。
複数の媒体を同時に始めても大丈夫ですか?
予算が月50万円を下回る段階では、1媒体に絞ることをおすすめします。分散させると1媒体あたりの配信量が減り、どれも判断できる量に届かないまま期間だけが過ぎます。1媒体で成果の出る形が見えてから、既存の予算を削らずに2媒体目を足す順序が安全です。
13.まとめ|媒体を覚えるより、予算と商材から絞る
Web広告の主要な媒体は8つあり、それぞれ届く相手の状態と課金のされ方が違います。ただし8つを順番に理解しても、自社が何を使うべきかは決まりません。決まるのは、月いくら使えるのかと、何を売っているのかを当てはめたときです。
予算の軸では、月5万円前後なら1媒体・1商材に絞り、20万円前後で遷移先の改善に着手し、50万円前後で2媒体目を足し、100万円以上で認知側へ広げるという順序になります。商材の軸では、客単価が高く検討期間が長いならリスティング、単価が低く繰り返し買われるならSNS、商圏が限られるなら地域を絞ったリスティング、BtoBならリスティングを軸に業界メディアを足す形が起点です。
そして、どの媒体を選んでも避けて通れないのが遷移先のページです。広告の成果は、広告の出来とページの出来の掛け算で決まります。ページを1枚作るのに25万〜100万円、改善まで任せると月10万〜15万円。広告費だけで予算を組むと、ここで手が止まります。配信を始める前に、何枚を誰がいつまでに用意するかを決めてください。
最後に、広告は止めれば流入も止まる施策です。それでも、申込みにつながった検索語句の実績と、改善を重ねたページは手元に残ります。この2つを次の施策につなげられるかどうかが、広告費を使い切るだけで終わるか、事業の資産に変えられるかの分かれ目になります。
- まず1媒体から小さく試したい方へ
- 広告AIエージェント
CIRCUS Ads -
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CIRCUS Adsは、AIとの対話でランディングページと広告キャンペーンを作り、自社が持つGoogle広告のアカウントへ連携して配信まで進められる広告AIエージェントです。最初のステップで目的と予算、狙うコンバージョン数を入力すると試算が返ってくるため、出稿する前にその予算で成り立つかを確かめられます。初期費用0円、月額のツール費用も基本0円。最低契約期間は3か月で、最低出稿額の設定はありません。クレジットカードの登録も書類の提出も不要です。
連携先は現時点でGoogleリスティング広告のみ(今後拡大予定)のため、ディスプレイやSNSを含めて複数媒体を使う計画であれば、代理店への依頼も含めて比較してください。
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