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Google広告アカウントの作り方|作成手順と配信前に止めておく初期設定

記事公開日:2026/10/01
最終更新日:2026/11/02
Google広告アカウントの作り方|作成手順と配信前に止めておく初期設定

Google広告アカウントは、①Googleアカウントでログインする ②ビジネス情報を登録する ③支払い情報を登録するという3つの入力で作れます。開設そのものに料金はかからず、費用が発生するのは広告の配信が始まってからです。入力だけなら15分ほどで終わります。

この記事は、これから初めてGoogle広告アカウントを開く人のための作業ガイドです。準備するもの、開設の手順、開設直後に誘導されるスマートモードからエキスパートモードへ切り替える方法、配信が勝手に始まらないよう止めておく設定、そしてアカウントを誰の名義で持つかまでを作業の順番どおりに並べます。実際の画面と操作名は2026年10月時点のものです。

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1.Google広告アカウントとは|Googleアカウントとの違い

1-1.Google広告アカウントが持つ役割

Google広告アカウントは、広告の配信内容と費用の支払いを紐づけて管理する入れ物です。どのキーワードにいくら払うか、どのページへ誘導するか、月にいくらまで使うか。こうした情報はすべてこの入れ物の中に保存され、請求もこの単位で発生します。

中身は4つの階層に分かれています。アカウント/キャンペーン/広告グループ/キーワードと広告の順で、下へ行くほど細かい設定になります。開設の段階で決めるのはいちばん上のアカウント階層の情報、つまり会社名・通貨・タイムゾーン・支払い方法です。この4つは後から変えにくい項目を含むので、入力する前に社内で確定させておくと手戻りがありません。

とくに通貨とタイムゾーンは、開設後に変更できない設定として扱われます。日本国内で日本円の請求を受けるなら、国に日本、通貨に日本円、タイムゾーンに日本時間を選びます。海外法人の名義で開設すると、ここが別の値で固定されてしまいます。

1-2.Googleアカウントとの関係

Googleアカウントは、Gmailやカレンダーを使うためのログイン情報です。Google広告アカウントは、そのログイン情報でアクセスする先にある広告の管理領域にあたります。Googleアカウントが鍵、Google広告アカウントが部屋という関係です。

1つのGoogleアカウントから複数の広告アカウントへアクセスできますし、逆に1つの広告アカウントへ複数のGoogleアカウントからアクセスすることもできます。後者は、社内の担当者と代理店の担当者が同じアカウントを見るときの形です。鍵を増やす操作がアクセス権の付与で、これは6章で扱います。

開設に使うGoogleアカウントは、個人の私物ではなく業務用のドメインで取得したものを使ってください。退職や異動のたびに個人アカウントを引き継ぐ運用は、いずれ止まります。

1-3.開設にかかる費用と時間

アカウントを作るだけなら無料です。入力項目は多くないので、必要な情報が手元にそろっていれば15分前後で終わります。料金が発生するのは、広告の配信が開始されてクリックが発生してからです。

ただし「開設できた」と「配信できる」は別です。支払い情報が審査を通り、作成した広告がGoogleの審査を通過して初めて配信が始まります。Google公式ヘルプによれば広告の審査は通常1営業日以内に完了するとされているため、出稿したい日の数日前には開設を済ませておくと安全です。

2.アカウント作成の前に準備するもの

2-1.入力画面で求められるもの

作成フローで入力を求められるのは、おおむね次の4つです。これらが手元にない状態で始めると、途中で止まって最初からやり直すことになります。

準備するもの 内容 注意点
業務用のGoogleアカウント ログインに使うメールアドレス 個人の私物を使わない。複数人で共有する前提なら会社ドメインで取得する
ウェブサイトのURL 広告の遷移先となるページ 公開済みで、スマートフォンでも開けること。工事中ページは審査で止まる
支払い用のクレジットカード 広告費の決済手段 法人カードを推奨。担当者個人のカードは退職時に差し替えが必要になる
会社情報 会社名、請求先住所、国、タイムゾーン、通貨 通貨とタイムゾーンは後から変更できない扱いになる

遷移先のURLは、トップページでなくてもかまいません。商品やサービスの内容が書かれたページ、あるいは問い合わせまで一枚で完結するランディングページのほうが成果につながります。遷移先が決まっていないなら、開設より先にページを用意したほうが結果的に早く進みます。

2-2.先に社内で決めておくこと

入力欄には現れませんが、決めずに進むと後から作り直しになる項目が3つあります。広告の目的、月の予算、配信する地域です。

目的は「問い合わせを増やす」「電話を鳴らす」「資料請求を取る」のように、ウェブサイト上で起きる行動の形で決めます。この目的がそのままコンバージョンの定義になり、5章で設定する計測の対象になります。目的が曖昧なまま配信を始めると、何をもって成功と呼ぶかが決まらず、増額も停止も判断できません。

予算は月額で持ち、それを配信日数で割って1日あたりの金額に直します。Google広告の予算設定は1日単位なので、この割り算を先にやっておくと入力で迷いません。地域は自社がサービスを提供できる範囲に限ります。全国に出せる商材でないなら、ここを絞るだけで無駄なクリックが消えます。

2-3.準備チェックリスト

開設画面を開く前にそろえるもの

  • 会社ドメインで取得した業務用のGoogleアカウント
  • 公開済みで、スマートフォンから開ける遷移先ページのURL
  • 決済に使う法人クレジットカード
  • 会社名・請求先住所・担当部署の正式名称
  • 広告の目的(問い合わせ/電話/資料請求など、1つに決める)
  • 月の予算額と、そこから割り出した1日あたりの金額
  • 配信する都道府県または市区町村の範囲
  • アカウントの管理者になる社内の2名(1名だけにしない)

最後の1行を軽く見ないでください。管理者が1名しかいない状態でその人が休むと、配信中の広告を止めることも支払い方法を直すこともできなくなります。開設の時点で2人目を決めておけば、後から慌てずに済みます。

3.Google広告アカウントの作成手順

※この章と4章で挙げる画面名・ボタン名は2026年10月時点のものです。Google広告の登録フローは更新が早く、名称や並び順が変わることがあります。見当たらないときは、入力を求められている情報の種類(ビジネス情報か、支払い情報か、キャンペーン設定か)で読み替えてください。

作成フローは、ビジネス情報の入力、キャンペーンの作成、支払い情報の登録という順で進みます。Google公式ヘルプでも、ビジネス情報の追加、お支払い情報の設定、コンバージョン測定の設定という流れで案内されています。ここでは実務で詰まりやすい箇所を補いながら、5つの手順に分けて説明します。

3-1.手順1|使うGoogleアカウントを決めてログインする

Google広告の公式サイトを開き、2-3で用意した業務用のGoogleアカウントでログインします。ここで私用のGoogleアカウントでブラウザにログインした状態になっていないかを確かめてください。私用のまま進めると、そちらに紐づいた広告アカウントが出来上がります。

Googleアカウントを日常的に使い分けているなら、ブラウザのプロフィールを業務用と私用に分けておくのが確実です。シークレットウィンドウで開き、目的のアカウントだけでログインする方法もあります。

3-2.手順2|ビジネス情報を入力する

ログイン後、ビジネス名とウェブサイトのURLを入力する画面に進みます。ビジネス名は請求書や管理画面に表示される名前で、社内で区別がつく表記にしておきます。複数の商材を別アカウントで運用する予定があるなら、この時点で「会社名+商材名」のように後から見分けられる形にしておくと迷いません。

1つ落とし穴があります。Google公式ヘルプには、新規に作成するアカウント名にURLを含めることはできないと明記されています。社名がドメインと同じ会社では、ここで入力が弾かれて原因が分からなくなることがあります。該当する場合は、ドット以降を外した表記に変えてください。

この画面では、YouTubeチャンネルやGoogleビジネスプロフィールなど、すでに持っているGoogleのサービスとの連携を求められることもあります。実店舗がある業種では、Googleビジネスプロフィールを連携しておくと住所や電話番号を広告に出せるようになります。連携は後からでも設定できるので、迷ったら飛ばして先へ進んでかまいません。

3-3.手順3|最初のキャンペーン作成をどう扱うか

ビジネス情報の次に、広告の目標を選んでキャンペーンを作る画面が続きます。ここが開設フローで最も注意が要る場所です。この流れで作られるのはスマートアシストキャンペーンで、キーワードや入札の細かい調整ができない形式になっています。

Google公式ヘルプには、スマートアシストキャンペーンはスマートモードでのみ作成できると書かれています。裏を返すと、キーワードを自分で選んで検索広告を出したい場合、この画面で作ったキャンペーンはそのままでは使えません。

対応は2つです。1つは、Google公式ヘルプが案内しているとおり登録プロセスの中でキャンペーン作成をスキップし、アカウントだけを先に作る方法。もう1つは、いったん作ってから4章の手順でエキスパートモードへ切り替え、改めてキャンペーンを組み直す方法です。検索広告を自分で設計するつもりなら、前者のほうが手戻りがありません。

3-4.手順4|支払い情報を登録する

支払い情報の画面では、請求先住所の国をプルダウンから選び、タイムゾーンを確認します。前述のとおり、ここで選んだ国とタイムゾーンは後から変えられない扱いになるため、送信する前に画面を読み返してください。新規の広告主向けのプロモーションコードを持っている場合も、この画面で入力します。

続いてお支払いプロファイルを選び、アカウントの種類を指定します。初期値は「組織」で、個人事業主なら「個人」に変更します。法人として広告を出すのに「個人」を選ぶと、請求書の宛名が個人名になり、経理処理で差し戻されることがあります。

最後にクレジットカードなどの決済情報を入力し、送信します。この時点ではまだ広告費は発生しません。カードの有効性を確認するための少額の与信が立つことはありますが、請求されるのは配信が始まってからです。

3-5.手順5|アカウントIDを控える

作成が完了すると、10桁のアカウントIDが発行されます。ハイフンで区切られた数字で、管理画面の上部に表示されます。このIDは、代理店やツールにアクセス権を渡すとき、Googleのサポートへ問い合わせるとき、クライアントセンター(MCC)へ紐づけるときに求められます。

開設直後に社内の共有ドキュメントへ控えておいてください。アカウント名、アカウントID、管理者のGoogleアカウント、支払いに使っているカードの管理部署。この4点をまとめておくと、担当が替わったときの引き継ぎが1枚で済みます。

4.エキスパートモードへの切り替え方

※この章の画面名も2026年10月時点のものです。モードの名称はこれまでにも変更されてきた経緯があるため、同じ名前が見当たらないときは「すべてのキャンペーンタイプが選べる側」を探してください。

4-1.スマートモードとエキスパートモードは何が違うか

Google広告には2つの操作モードがあります。初期フローで誘導されるのがスマートモード、広告運用でよく使われるのがエキスパートモードです。違いは、設定できる範囲の広さにあります。

項目 スマートモード エキスパートモード
作れるキャンペーン スマートアシストキャンペーンのみ 検索、ディスプレイ、動画など各タイプ
キーワードの指定 テーマ単位の自動選定が中心 キーワードとマッチタイプを個別に指定
除外キーワード 調整の幅が限られる リスト単位で設定・共有できる
入札戦略 自動に固定 目標値を指定した自動入札や手動入札を選べる
向く人 設定に時間を割けず、まず出してみたい キーワードと予算配分を自分で管理したい

スマートモードが劣っているわけではありません。手を動かす時間がほとんど取れない小規模な事業者にとっては、設定項目が少ないことがそのまま利点になります。一方で、検索語句を見て除外キーワードを足す、キーワードごとの成績を比べる、といった運用はエキスパートモードでなければ回せません。リスティング広告として一般に語られている運用は、ほぼエキスパートモード側の話です。

4-2.切り替えの操作

切り替えは管理画面の設定メニューから行います。右上のツールや設定を開くアイコンをクリックし、表示されたメニューの中にある「エキスパートモードに切り替える」を選びます。確認画面が出たら進めると、画面の構成がキャンペーン一覧を中心としたものに変わります。

この操作は、広告の配信を止めるものではありません。すでにスマートアシストキャンペーンを作って配信している場合、そのキャンペーンは残ったまま表示されます。ただし次の点だけ先に理解しておいてください。

4-3.切り替える前に知っておくこと

エキスパートモードに切り替えると、新しくスマートアシストキャンペーンを作ることはできなくなります。Google公式ヘルプが示しているとおり、スマートアシストキャンペーンの作成はスマートモードに限られるためです。両方を行き来しながら使う運用は想定されていないと考えてください。

そのうえで、これから検索広告を自分で設計するなら、切り替えは早いほうが有利です。スマートモードのまま数週間配信してから移ると、蓄積したデータの持ち方が変わり、キャンペーンを組み直す手間が増えます。開設した当日に切り替えておくのが、いちばん作業が少ない順番です。

切り替え後に最初に作るのは検索キャンペーンです。そこで入稿する広告は、見出しと説明文を複数登録して組み合わせが自動で選ばれる形式になります。入稿できる本数と文字数には上限があり、Google公式ヘルプの規定では見出しが最大15本・各半角30文字、説明文が最大4本・各半角90文字です。実際に表示されるのは通常、見出し3本と説明文2本です。

5.配信前に確認しておく初期設定

開設フローをそのまま進めると、意図しないタイミングで配信が始まります。ここでは「出す準備」ではなく「勝手に出ないようにする準備」を先に並べます。初月の広告費を無駄にしないための章です。

5-1.キャンペーンは一時停止の状態で組み立てる

キャンペーンを作るときは、保存した直後にステータスを一時停止へ切り替えます。有効のまま置いておくと、審査が通った瞬間から配信が始まります。設定を見直している最中に費用が動き出すのを防ぐため、中身が固まるまでは停止したままにしてください。

停止と削除を取り違えないことも大切です。削除したキャンペーンは再開できません。検証のために一時的に止めるなら、使うのは一時停止です。

5-2.地域と言語を自社の商圏に合わせる

地域の指定は、初期設定でいちばん事故が起きる項目です。初期値のまま進むと配信範囲が広く取られ、商圏の外で起きたクリックにも費用を払うことになります。来店や訪問が前提の事業なら、都道府県ではなく市区町村や半径で指定してください。

あわせて地域の指定方法も確認します。「その地域にいる人」だけに出すのか、「その地域に関心を示した人」も含めるのかで、配信対象の広さが変わります。地元客を狙っているのに、旅行先からその地域を検索した人にまで出ているという状態は、ここの設定から生まれます。言語は日本語に絞っておけば、まず問題ありません。

5-3.1日の予算を先に決める

予算はキャンペーン単位で、1日あたりの金額として設定します。月の上限額をそのまま入れてしまう入力ミスが起きやすい箇所なので、2-2で割り出した日額を入れているか確認してください。

Google広告では、需要の多い日に1日の予算を超えて配信されることがあります。その分は他の日で調整され、請求が月単位の上限を超えない仕組みです。1日の金額が多少上振れしても慌てずに、月の合計で見てください。

5-4.除外キーワードを初日から入れておく

除外キーワードは、成果につながらない検索で広告が出ないようにするための設定です。配信してから足すものだと思われがちですが、初日から入れておける語があります。「無料」「求人」「とは」「やり方」「評判」「自分で」といった、購入や問い合わせから遠い語です。

2026年10月時点のGoogle広告のマッチタイプは、インテントマッチ・フレーズ一致・完全一致の3種類です。かつての絞り込み部分一致は廃止され、部分一致はインテントマッチへ名称が変わっています。インテントマッチは表示される範囲が広いぶん、除外キーワードの管理とセットで使う前提になります。

5-5.コンバージョン計測を配信より先に入れる

コンバージョン計測は、問い合わせや資料請求が発生した回数を数える仕組みです。これを入れずに配信を始めると、成果が出た分も記録に残りません。あとから計測を入れても、過去の配信分を遡って数えることはできないため、初月の費用がまるごと評価できない状態になります。

設定したら、公開前にテスト送信を行ってください。フォームの完了ページにタグが入っているか、同じ成果を二重に数えていないか、電話の問い合わせを数える必要があるか。この3点を配信前に確認しておくと、1か月後の判断材料が正しくそろいます。

5-6.配信を開始する前の確認項目

一時停止を解除する前に見る項目

  • キャンペーンのステータスが一時停止のままになっているか(設定中は停止)
  • 配信地域が商圏と一致しているか/地域の指定方法を確認したか
  • 1日の予算が月額ではなく日額で入っているか
  • 遷移先URLがエラーにならず、スマートフォンでも開けるか
  • テスト送信でコンバージョンが記録されることを確かめたか
  • 除外キーワードを最低限(無料・求人・とは・やり方など)登録したか
  • 支払い方法が登録済みで、カードが有効な状態か
  • 管理者権限を持つ社内の担当者が2名以上いるか

この8項目を通してから、ステータスを有効に戻します。チェックの途中で「まだ決まっていない」ものが出てきたら、配信の開始日を後ろへずらしてください。配信しながら直すより、止めたまま直すほうが費用がかかりません。

6.広告アカウントを誰の名義で作るか

6-1.名義によって何が変わるか

ここは、作成手順そのものより後々の影響が大きいにもかかわらず、作成ガイドではあまり触れられない論点です。広告アカウントの所有者が誰かによって、取引先を変えたときに手元に残るものが変わります。

広告アカウントの中には、支払いの履歴だけでなく、キーワードごとの成績、コンバージョンの履歴、自動入札が学習した結果が蓄積されていきます。これは運用を続けた期間だけ積み上がる資産です。アカウントの所有者が自社でない場合、取引を終えたときにこの蓄積が手元に残らないことがあります。どのキーワードが効いたのかという知見も、入札の学習も、移った先でまた一から積み上げ直すことになります。

開設を依頼された側に悪意があるという話ではありません。委託先の管理下で作られたアカウントは委託先の資産として扱われる、というだけのことです。だからこそ、開設の前に決めておく必要があります。

6-2.自社名義で作り、権限を渡す

原則は単純です。アカウントは自社で開設し、運用を任せる相手にはアクセス権を付与します。Google広告のアクセス権は細かく分かれていて、Google公式ヘルプでは次の5段階が示されています。

権限 できること 渡す相手の例
管理者 アクセス権の付与・変更を含むすべての操作 自社の担当者2名
標準 キャンペーンの編集、レポートの実行 運用を委託する代理店
読み取り専用 キャンペーンの閲覧、プランニング機能の使用 数字だけ確認する上長
お支払いとご請求 請求情報の表示・編集 経理部門
メール専用 通知やレポートの受信 定期報告だけ受け取る関係者

代理店へ渡すのは標準権限で足ります。管理者権限は自社の2名が持ち続けてください。管理者を社外だけにすると、契約を終えるときにアクセス権の取り消しが自社で行えなくなります。

委託先を選ぶ段階では、契約前に2点を確認しておきます。アカウントの名義がどちらになるか、そして解約時にアカウントを引き継げるかです。この2つに明確な回答が返ってこない場合は、自社で先に開設してから声をかけるほうが安全です。

6-3.すでに代理店名義で開設されている場合

すでに委託先の名義で運用が始まっている場合でも、打つ手はあります。まず現在のアカウントIDを教えてもらい、自社のGoogleアカウントへ管理者権限を付けてもらえるかを相談します。応じてもらえれば、名義はそのままでも操作とデータの参照は自社でできます。

応じてもらえない場合は、自社名義で新しいアカウントを開設し、過去の配信実績はレポートとして受け取る形に切り替えます。学習は引き継げませんが、少なくともこれから先の蓄積は手元に残ります。切り替えの判断は早いほど損失が小さく済みます。

7.アカウント作成でつまずきやすいポイント

7-1.アカウント名にURLを入れると弾かれる

3-2で触れたとおり、新規に作るアカウントの名前にURLを含めることはできません。社名とドメイン名が同じ会社でよく起きます。入力が通らない原因として表示されるメッセージが分かりにくいため、ここで止まる人が少なくありません。ドット以降を外すか、社名の正式表記に変えてください。

7-2.広告の審査が終わらない

入稿した広告には審査があり、通過するまで配信されません。Google公式ヘルプでは通常1営業日以内に完了すると案内されていますが、内容によってはそれ以上かかることもあります。

48時間を超えても審査中のままなら、Google公式ヘルプはブラウザの更新やアセットの再アップロードを試すよう案内しています。それでも変わらない場合は、広告文やランディングページがポリシーに触れていないかを見直します。医療・金融・人材のように規制の強い領域では、根拠の表示が足りないことが原因になりがちです。

7-3.支払いが通らず配信が始まらない

アカウントは作れたのに配信が始まらない場合、支払い情報を疑ってください。カードの有効期限切れ、限度額の超過、海外決済の制限、法人カードの利用区分の制限。いずれも決済が失敗して配信が止まります。

配信が突然止まったときに最初に開くのは、請求関連のメニューです。ここで取引履歴と支払い方法の状態を確認すれば、原因の多くは切り分けられます。カードの管理部署が別なら、連絡先を共有ドキュメントに書いておいてください。

7-4.作ったはずのアカウントが見つからない

よくあるのは、開設に使ったものとは別のGoogleアカウントでログイン中というケースです。ブラウザが私用のアカウントを開いたままだと、業務用で作った広告アカウントは一覧に現れません。アカウントを切り替えて、もう一度確認してください。

切り替えても見つからない場合は、そのGoogleアカウントにアクセス権が付与されていない可能性があります。開設した本人に管理者権限の追加を依頼します。複数の広告アカウントを扱う予定があるなら、クライアントセンター(MCC)でまとめて管理する方法もあります。

7-5.気づかないうちに配信が始まっていた

開設フローの流れでキャンペーンを作り、支払い情報を登録した時点で、審査が通れば配信は始まります。「まだ設定の途中だったのに費用が発生していた」という事故は、ここから起きます。

5-1のとおり、作ったキャンペーンはいったん一時停止にしてください。すでに配信が始まってしまった場合も、停止すればその時点で費用の発生は止まります。発生済みの費用は戻りませんが、金額が小さいうちに気づけば被害は限定的です。開設した当日は、翌日に一度だけ費用の列を見る習慣を持っておくと安心です。

8.作成のあとにやること

8-1.管理画面の読み方を覚える

アカウントができたら、次は数字の読み方です。管理画面には何十もの指標が並びますが、最初に押さえるのは表示回数・クリック数・クリック率・クリック単価・コンバージョン数の5つで足ります。この5つを上から順に追うと、どの段階で止まっているかが分かります。

画面の構造、指標の見方、出稿と停止の操作手順は別の記事にまとめています。開設が終わったら、そちらを開きながら実際の画面を触ってみてください。

8-2.最初の1か月でやること

開設直後の1か月は、成果を出す期間ではなく、設定のずれを見つける期間だと考えてください。やることは3つです。週に1回、実際に検索された語句の一覧を開いて、関係のない語を除外キーワードへ足す。コンバージョンが記録されているかを確認する。1日の予算が使い切れているか、余っているかを見る。

この3つを4週続けると、キーワードの選び方と予算の水準が自社に合っているかが見えてきます。1日ごとの上下はたいてい偶然の揺れです。判断は週の単位でそろえてください。毎日数字を触って設定を変えると、何が効いたのか読み取れなくなります。

この時期に品質スコアを確認しておくと、後の費用に効いてきます。キーワードマーケティングが公開している事例(2026年10月時点の公開情報)では、品質スコアを改善した結果としてクリック単価が500円から300円に、別の事例では600円から450円に下がっています。単価を下げる手段は入札額の調整だけではありません。

8-3.自社で操作し続けるか、外に出すか

開設を終えた段階で、運用の体制を考え始めてかまいません。選択肢は、自社で管理画面を操作する、代理店に委託する、ツールで操作を減らす、の3つです。

代理店に委託する場合、運用手数料の標準は広告費の20%です。当方が2026年10月時点の公開情報で確認した主要代理店13社は、例外なくこの水準でした。実際の契約では下限の条件が付くことがあります。最低契約期間は1ヶ月から6ヶ月、初期費用は0円から10万円、最低出稿額は月30万円から100万円、最低手数料は月5万円から20万円といった形です。毎月100万円を出稿する会社なら、1年間の手数料だけで240万円を支払う計算になります。ランディングページの制作を別途頼めば1本あたり25万円から100万円、継続的な改善には月に10万円から15万円が上乗せされます。

ツールで作業量を落とす方法もあります。相場は、広告費連動型なら広告費の3%から20%、定額型なら月に2万円から30万円で、別に初期設定費用が0円から10万円かかります。この分類の中には、配信の設定だけでなくランディングページの制作まで引き受けるものがあります。クラウドサーカスが提供する広告AIエージェント「CIRCUS Ads」はその一例です。AIと会話しながらランディングページを作り、その延長でキャンペーンまで組み上げ、自社が保有するGoogle広告アカウントへ流し込みます。最初に目的と予算、目標とするコンバージョン数を入れると配信のシミュレーションが走り、出稿が成立する見込みかどうかを事前に確かめられます。費用は初期0円、ツールの月額も基本は0円。月の広告費が20万円以上なら広告費の5%、それ未満(広告を出していない月を含む)は月額10,000円です。最低契約期間は3ヶ月で、最低出稿額の定めはありません。

向かない条件も挙げておきます。現時点でつながる媒体はGoogleのリスティング広告に限られます。LINEヤフーやSNSまで含めて横断的に回したい会社には、これだけでは足りません(媒体は今後拡大予定とされています)。手を動かす量は減りますが、何を採用するかの決定は自社に残ります。週に2〜3時間は広告に向き合える体制がないと、導入しても数字は動きません。複数の媒体を専任で動かす前提なら、代理店のほうが適します。

体制 向く条件 社内に必要な時間 費用の目安
管理画面を自社で操作する 広告費の規模が小さい/知見を社内に残したい 週に数時間〜 広告費のみ
ツールで操作を減らす 作業は減らしたいが決定は自社で持ちたい/ページ制作まで含めたい 週に2〜3時間程度 定額なら月2万円から30万円/連動型なら広告費の3%から20%
代理店に委託する 媒体をまたいで出稿する/社内に広告の時間がない ほぼ不要 広告費の20%+最低手数料(月5万円から20万円)

選ぶ軸は費用よりも、週に何時間この仕事へ向き合えるかです。どの体制をとる場合でも、6章で書いたとおりアカウントの名義は自社に置いたままにしてください。

9.Google広告アカウントに関するよくある質問

Google広告アカウントの作成は無料ですか?

無料です。アカウントの開設と、キャンペーンや広告を作る作業そのものに料金はかかりません。費用が発生するのは配信が始まり、広告がクリックされてからです。開設だけ済ませて配信を始めないという使い方もできます。

GoogleアカウントとGoogle広告アカウントは何が違いますか?

Googleアカウントはログインに使う個人の認証情報、Google広告アカウントはそのログイン情報でアクセスする広告の管理領域です。1つのGoogleアカウントから複数の広告アカウントを扱えますし、1つの広告アカウントへ複数のGoogleアカウントからアクセスすることもできます。

1つのGoogleアカウントで広告アカウントをいくつ作れますか?

複数作れます。Google公式ヘルプには作成数の上限が定められており、自動支払いまたは手動支払いのプロファイルを使う場合、1週間に作成できるアカウントは15件までとされています。通常の事業で上限に当たることはまずありません。複数のアカウントを横断して管理したい場合は、クライアントセンター(MCC)を使います。

エキスパートモードに切り替えると、作ったキャンペーンは消えますか?

消えません。スマートモードで作って配信中のキャンペーンは、切り替え後も残ります。ただし切り替えた後は、新しくスマートアシストキャンペーンを作ることができなくなります。検索広告をキーワード単位で設計するなら、開設した当日に切り替えておくのが手間の少ない順番です。

広告が配信されないのはなぜですか?

よくある原因は4つです。キャンペーンのステータスが一時停止のまま/広告が審査中か不承認/支払い情報の登録漏れや決済の失敗/キーワードに検索の需要がない。この順で確認してください。審査は通常1営業日以内に終わるとGoogle公式ヘルプに案内されています。

アカウントの通貨やタイムゾーンは後から変えられますか?

変更できない設定として扱われます。開設時に誤った国や通貨を選んでしまった場合は、正しい設定でアカウントを作り直すことになります。送信ボタンを押す前に、国・通貨・タイムゾーンの3つを読み返してください。

代理店に開設を頼んでも問題ありませんか?

開設作業を手伝ってもらうことは問題ありません。確認すべきなのは名義です。委託先の名義で作られると、契約を終えたときに配信データと学習が手元に残らないことがあります。自社のGoogleアカウントで開設し、委託先には標準権限を渡す形にしておくと、後の選択肢が狭まりません。

法人カードがなくても作れますか?

個人名義のクレジットカードでも登録できます。ただし担当者の退職や異動のたびに支払い方法を差し替える必要が出るため、業務で継続的に運用するなら法人カードを用意しておくほうが運用が安定します。アカウントの種類も、法人なら「組織」を選びます。

10.まとめ

Google広告アカウントの開設は、ビジネス情報と支払い情報を入力するだけで終わります。難しいのは入力ではなく、その前後の判断です。開設の前に目的・予算・地域・名義の4つを決め、開設の後にエキスパートモードへ切り替え、配信を一時停止にしたまま初期設定を整える。この順番を守れば、初月の費用が無駄になりません。

とくに注意したいのが、開設フローがスマートアシストキャンペーンへ誘導される点です。キーワードを自分で選んで検索広告を出したいなら、登録の途中でキャンペーン作成をスキップするか、開設直後にエキスパートモードへ切り替えてから組み直してください。

名義の決定は、後から取り返すのが最も難しい項目です。自社のGoogleアカウントで開設し、運用を任せる相手にはアクセス権を渡す。この形にしておけば、委託先を変えても配信データと学習は手元に残ります。

この記事の画面名と操作は2026年10月時点のものです。登録フローの見た目は変わっても、求められる情報がビジネス情報・支払い情報・キャンペーン設定の3種類であることは変わりません。画面が違って見えたら、いま入力しているのがこの3つのどれなのかで読み替えてください。

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