結局「クリック課金(CPC)」と「インプレッション課金(CPM)」ってどっちがいいの?
最終更新日:2021/08/06

Web広告を運用している方なら、CPA(一人の顧客獲得にかかったコスト)を意識しない方はいないでしょう。
ROAS(広告費に対して売上ベースでどれだけ投資効果が上がっているかを測る指標)をいかに上げるかは、マーケティング担当者のミッションの一つでもあります。
Web広告の課金方法として、代表的なものが「クリック課金(CPC)」と「インプレッション課金(CPM)」ですが、どちらの方がコスパが良いのか迷った経験はありませんか?
今回は、この2つの課金方法をさまざまな角度から比較し、「結局、どちらがいいの?」という疑問を解消していきます。

- 本記事とあわせてオススメの無料資料
- Web広告サービス比較12選
-
-
広告ごとの詳細はもちろん、一覧表にもまとめているため、「どの広告サービスに出稿したらいいかわからない」「手っ取り早くWeb広告の全体像が知りたい」という方に特におすすめの資料です。
-
1.クリックとインプレッションそれぞれの課金タイミング
まずは、それぞれの課金方法のおさらいをしておきましょう。
クリック課金(CPC)
クリック課金(CPC)とは、クリックされるごとに広告費が発生するタイプの課金方法です。
CPCは、Cost Per Click(コスト・パー・クリック)の略です。
広告表示(インプレッション)が何回でも費用は変わらず、クリックされて初めて広告費が発生します。
※支払いのタイミングは、1ヵ月分など一定期間でまとめて行うケースが多いです。
つまり、「クリック課金(CPC)」の課金タイミングは、クリックされたときとなります。
もう少し細かくいうと、クリックしてリンク先のページにジャンプした時点で広告費が発生します。
ユーザーを該当サイトに誘導した数と広告費が比例するため、費用対効果が明確であるというメリットがあり、リスティング広告で多く採用されている課金方式です。
動画広告でも「TrueView(トゥルービュー)」として知られている課金方法です。
インプレッション課金(CPM)
インプレッション課金(CPM)とは、表示回数1,000回ごとに広告費を支払うタイプの課金方法です。
CPMは、Cost Per Mille (コスト・パー・ミル)の略です。Milleは1,000を意味します。
つまり、「インプレッション課金(CPM)」の課金タイミングは、インプレッションが1,000回に達したときとなります。
CTRが高いほどクリック課金(CPC)に比べてクリック単価が割安になるとうメリットがあり、DSP広告やSNS広告などで多く採用されている課金方式です。
2.メリット・デメリット
それぞれの課金方法のメリット・デメリットは、下記のようになります。
クリック課金(CPC)
クリック課金(CPC)のメリットは、インプレッション数が何回でも、クリックするまでは広告費が発生しないので、効果が出るまで無駄は費用が発生しないという点です。
そのため、費用対効果がわかりやすいのです。
しかも、出稿は「クリック数が最大になるように」配信されます。
一方、クリック課金(CPC)のデメリットは、競合が多い分野(キーワード)では広告費が高くなる点です。
また、クリックするユーザー数に応じて広告費が想定以上に膨らんでしまう(または予算上限に達するスピードが予想より速い)ことがある点です。
出稿したら数日は、クリック数の動向をしっかりチェックする必要があります。
インプレッション課金(CPM)
インプレッション課金(CPM)の最大のメリットは、インプレッション数が最大になるように配信されるため、多くのユーザーに見てもらえる点です。
また、クリック数に左右されずに一定額の広告予算で出稿できます。
このため、クリック率が高い場合、クリック課金(CPC)に比べて広告費を抑えることも可能です。
一方、インプレッション課金(CPM)のデメリットは、純粋に表示だけを目的としていれば良いのですが、サイト流入や購入といった成果への貢献がわかりづらいので、費用対効果が見えにくい点です。
3.目的から課金方法を選ぶ
「クリック課金(CPC)」と「インプレッション課金(CPM)」の概要がわかったところで、本題の「どちらを選ぶべきなのか?」というテーマに入っていきましょう。
ポイントは2つ、「広告出稿の目的(=広告効果)」と「クリック率(=広告費)」です。
まず、広告出稿の目的(広告効果)から選ぶ場合は、ブランディング目的か販売目的かで、どちらの課金方法を選ぶべきかが変わってきます。
ブランディング目的の場合、とにかく多くのユーザーに広告を見てもらう必要があります。
周知が目的なので、インプレッション数が最大になるように配信される「インプレッション課金(CPM)」を選んだ方が広告効果が高いといえます。
逆に、販売を目的とした広告の場合、クリック数が最大になるように配信される「クリック課金(CPC)」を選んだ方が広告効果が高まります。
4.コスト面から課金方法を選ぶ場合
もう一つのポイント「クリック率(=広告費)」から選ぶ場合、クリック率0.1%※を超えるか超えないかで、どちらの課金方法を選ぶべきかが変わってきます。
※インプレッション課金(CPM)が1,000インプレッションごとの課金のため
同じ広告料金でクリック率が0.1%よりも高い場合は、「インプレッション課金(CPM)」を選ぶ方が広告費を抑えることができます。
たとえば、クリック課金(CPC)もインプレッション課金(CPM)も100円で、クリック率:0.5%、インプレッションが1万だった場合、それぞれの広告費の計算は下記のようになります。
クリック課金(CPC)
10,000(imp)×0.005×100(円)=5,000(円)
インプレッション課金(CPM)
10,000(imp)÷1,000(imp)×100(円)=1,000円
よって、「インプレッション課金(CPM)」を選ぶ方が広告費は安くなります。
逆に、クリック率が0.1%よりも低い場合を見てみましょう。
同様に、クリック課金(CPC)もインプレッション課金(CPM)も100円、インプレッションが1万で、クリック率が0.05%の場合、
クリック課金(CPC)
10,000(imp)×0.0005×100(円)=500(円)
インプレッション課金(CPM)
10,000(imp)÷1,000(imp)×100(円)=1,000円
となり、「クリック課金(CPC)」を選ぶ方が広告費は安くなります。
実際に広告を運用してみて、クリック率が0.1%を超えているかどうかを確認して、状況に合わせて課金方法を変えても良いのではないでしょうか。
5.まとめ
「クリック課金(CPC)」と「インプレッション課金(CPM)」について、概要とメリット・デメリットをご紹介してきました。
結論として、どちらが良いとは一概にはいえず、出稿後の広告効果やクリック率、広告費をチェックしながら最適な方を選んでいく必要があります。
課金方法についてお悩みの方は、当社でもWeb広告運用のお手伝いをしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

【関連記事】