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DSP広告とは?仕組み・課金・メリット・選定・国内主要サービス5社をご紹介!

記事公開日:2019/04/29
最終更新日:2023/11/14
DSP広告とは?仕組み・課金・メリット・選定・国内主要サービス5社をご紹介!

Web広告を利用している企業様なら「広告費をできるだけ抑えながら、自社サイトへのトラフィックは最大のボリュームを確保したい」と考えるのではないでしょうか。

しかし、広告枠を提供する媒体側は「できるだけ高く広告枠を売りたい」と、広告主の思惑とは正反対の考えを持っているはずです。

これら双方の意見を汲んで、ちょうど良いバランスで広告費が決まるのが「DSP広告」です。

本コラムではDSP広告の仕組みや配信方法、メリットと注意点などをご紹介し、国内の主要なDSP広告サービス5社を比較していきます。

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1.DSP広告とは?

DSP広告とは、DSP(Demand Side Platform)を通じて配信されるディスプレイ広告を指します。”Demand Side”という言葉が付いているだけあり、広告出稿の費用対効果を高めたい広告主のためのサービスとも言えます。

広告主が狙いたい属性のターゲットユーザーに対して、リアルタイムに広告枠の入札を行えるという特徴があります。

DSP広告とは

DSPとはDemand-Side Platform(デマインドサイドプラットフォーム)の略で、広告主(広告配信を希望している側)や代理店が利用する広告配信、オーディエンスのターゲティング等を一括して行うことで 広告効果の最大化を支援するサービスです。

従来、広告主が広告出稿を行う際には媒体の属性からターゲット層を想定し、枠ごとに広告を購入していました。一方、DSPではどのようなユーザーが来訪しているのかをタグ設置により計測し、 リアルタイム入札で広告の売買を行い、必要な時に必要な分だけ広告を配信できます。

DSPでは広告主の目的に合わせた配信コントロールを一括で行い、国内外のPCサイトやスマートフォン向けに効率的に広告を配信していくことができます。

DSPによって進化した広告配信では、従来のディスプレイ広告における課題やデメリットを解消し、広告主が伝えたい情報を最適な消費者に向けて適性価格で効率良く届けられるようになります。

DSPとSSPは「対」の関係

DSPの対の関係にあるのがSSP(Supply Side Platform)です。
SSPはメディア(広告枠を提供している側)のプラットフォームで、広告枠をなるべく高く買ってもらいたいメディアのためのサービスだと言えます。

DSPとSSPにはメディア来訪者の情報(年齢、性別、嗜好性、行動履歴など)に合った広告を表示させる仕組みがあり、DSP(需要側)とSSP(供給側)がセットで使われることで双方に広告費用対効果を生み出します。

アドネットワーク・ディスプレイ広告との違い

アドネットワークとは、Webサイトやアプリ、SNSなど複数のメディアを一元管理している広告配信管理システムです。アドネットワークを利用すると、加盟しているメディアに一括で広告配信ができます。

DSPはさまざまなネットワークを横断して、ターゲットユーザーに最適な広告を配信するツールです。広告枠は持っていないため、利用する場合はDSP利用料にプラスして、広告費用が必要になります。
一方で、アドネットワークはネットワーク内にある媒体のみに広告配信ができる「ネットワーク」です。広告枠も持っています。しかしDSPのように、個人の興味関心に合わせて広告を配信するような細かな調整はできません。

ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリなどの「広告枠」に表示される広告です。画像広告、動画広告、テキスト広告などがこれにあたります。バナー表示することが多いので「バナー広告」と呼ばれるほか、Webサイトの内容に合わせて表示されるため「コンテンツ連動型広告」とも呼ばれます。
DSP広告は広告配信システムであるのに対し、ディスプレイ広告は広告の種類です。

2.DSPの仕組みと登場の背景

DSPが登場した背景には、ユーザーターゲティングの考え方と、顧客のニーズに合わせた広告配信が大きく関わっています。

インターネットとスマートフォンの普及に伴い、インターネット上での情報収集や購買行動がより頻繁に行われるようになりました。顧客一人ひとりの興味・関心に合わせたマーケティング、いわゆる One to One(ワントゥーワン)マーケティングの必要性が高まり、企業のマーケティング戦略も変化しています。

広告主のニーズも画一的なものではなくなり、 アプローチしたい顧客に対し、必要最低限のコストで最適な広告を配信する方向にシフトしています。

ただし、その工程をマンパワーのみで行うとかなりの工数を要し、広告運用者の負担が増大します。そこで、システマティックに広告配信を行える「DSP」や「SSP」といった仕組みが開発されました。

基本的な仕組み

まず、前提として複数のDSPがあり、それぞれに利用企業(広告主)が複数ぶらさがっています。

ユーザーが広告枠のついたページを訪問すると、ユーザー属性などの情報が媒体側のSSP(Supply Side Platform)というツールに通知されます(各DSPは提携している複数媒体のSSPと接続しています)。

次に、SSPが各DSPに、ユーザー属性情報を送るとともに入札要請を行います。
入札要請を受けたDSPは、SSPから受け取ったユーザー属性情報と、広告主側の出稿条件(ターゲット属性)を照合し、条件の合った広告主の間で 入札を行います。

入札結果はDSPごとに集計されて、SSPへ送られます。
SSPは、すべてのDSPの入札結果の中から一番高額な値段をつけた広告主の広告を選定(落札)し、掲載します。

以上の一連の流れをRTB(Real Time Bidding) と呼び、これらが一瞬(0.1秒以内)にして自動的に行われるのがDSP広告です。

DSPとは

DSPとは先述の通り、Demand Side Platform(デマンド・サイド・プラットフォーム)の略で、DSP広告の仕組みのなかで広告主側のプラットフォーム(ツール)を指します。

DMPとは

DMPとは、Data Management Platform(データ・マネジメント・プラットフォーム)の略です。

ユーザーの個人を特定できないかたちで、「年齢、性別、居住地、家族構成、職業」といったデモグラフィックデータ(人口統計学的なデータ)や、「価値観、ライフスタイル、趣味」といったサイコグラフィックデータ(心理学的なデータ)を収集・管理・活用するためのツールです。

DMPサービスは、幅広く広告を出したいときや、Google広告などではセグメントできない層に出稿したい場合に活用できます。

DSP広告では、各DSPが持つオリジナルのDMPを利用してインプレッションのあったユーザーの属性を分析し、広告主側の出稿条件と照らし合わせます。

SSPとは

SSPとは、Supply Side Platform(サプライ・サイド・プラットフォーム)の略です。

「基本的な仕組み」でもご紹介したように、DSP広告において媒体側のプラットフォーム(ツール)を指します。

DSP・SSPで広告が表示される流れ

DSP広告とは

DSP・SSPでどのように顧客のニーズにあった広告が表示されるのか、具体的な流れを上の図をもとにご説明します。ユーザーがさまざまなメディアを閲覧している裏側で、このような流れがシステマティックに行われています。

①ユーザーが広告枠のあるサイトを閲覧

②「こんなユーザー(ユーザー情報をもとに年齢、性別、興味・関心、行動履歴など)が来たので広告表示したい」とSSPに広告をリクエスト

③SSPがDSPに、どのDSPが広告を配信するかを決めるオークションを行うよう、リクエストを出す

④各DSPにおける入札結果の情報をSSPに送信

⑤落札されたDSPの情報がサイトに送られる

⑥サイトが落札したDSPに対して、広告配信のリクエストを送る

⑦DSPからサイトへ広告が配信され、広告枠に表示される

3.DSP広告のメリット・デメリットと注意点

DSP広告のメリットとデメリット、注意点についてご紹介します。

メリット

「面」ではなく「人」にアプローチできる

DSP広告のメリットの1つめは、ターゲットユーザーにピンポイントでフォーカスしてアプローチできるという点です。

これは、特定のターゲットにフォーカスせず、とにかく幅広い層(面)に配信するという「アドネットワーク」とは真逆の出稿形態だといえます。

リターゲティング広告が配信できるのもDSP広告のメリットです。ECサイトを訪れた後にニュースメディアなどへ移動すると、先ほどまで見ていたECサイトの広告が表示された経験はありませんか。これがリターゲティング広告です。興味があって訪れたサイトの広告なので、効果的な訴求ができます。

同じサイトの広告が何度も出続けると効果が落ちるケースもあるため、それを防ぐためのフリークエンシーコントロール機能も搭載されています。アドネットワークでもみられる機能ですが、DSPを使うことでよりユーザーに合ったアプローチが可能になるでしょう。

類似ユーザーにも出稿が可能

DSPのなかには、サイトを訪問しているユーザーに似た属性のユーザーへ広告を配信する「類似ユーザー機能」がついているものもあります。
この機能を活用すれば、インプレッションしたユーザーと類似した属性・興味関心を持つユーザーをターゲットとして設定できるため、狙ったターゲット像を核としながら出稿の幅を広げることが可能です。

潜在層のユーザーにもリーチできる

「潜在層のユーザー」に対する広告配信を最適化 できる点もDSP広告の大きなメリットです。
能動的にキーワード検索をしたユーザーにしか広告を届けられないリスティング広告と異なり、DSPでは最適なユーザー、つまりコンバージョンしやすいユーザーに対しての配信ができます。

今まで訴求できなかったユーザー層へのアプローチにおいて、DSPは非常に効果的だと言えます。

広告効果が最適化される

DSP広告は、DSP、SSPそれぞれが持つユーザーの行動履歴などの膨大なデータをもとに、自動的に一瞬で広告の最適化と費用対効果を上げる仕組みであるため、DSP広告を利用するだけで広告効果が最適化されます。

自動化で工数削減

ほかの広告配信サービスでは入札単価の調整などの際に手作業が必要な場合がありますが、DSP広告では半自動で入札単価の調整を行えるので広告配信にかかる工数が減ります。広告配信者はその分を他の重要な業務にあてることができます。

デメリットと注意点

DSPでは大規模なトラフィックを確保しながら最適化を行えますが、一方でデメリットもあります。運用にあたっての注意点とあわせてご説明します。

初期費用と最低利用金額が高額である

リスティング広告やSNS広告など、代理店に依頼する場合でも初期費用なしでスタートできるWeb広告があるなかで、DSP広告にはほとんどのケースでDSPサービスに支払う初期費用がかかります。

また、「最低契約期間」が設けられているサービスもあります。

サービスごとの独自性を理解する必要がある

DSP広告のサービスは種類が豊富で、その中からどのDSPを選んで利用するかを決める際には、サービスごとの特徴を理解したうえで事業者にヒアリングし、検討する必要があります。

各サービスが提携している配信先、ユーザー情報の根拠となるデータや選定に利用しているアルゴリズムなども異なります。

たくさんのサービスを比較検討して自社に最適なサービスを選定するのはなかなか骨の折れる作業です。

広告の配信先が不透明

利用するDSP広告サービスによって、掲載先が開示されるものとそうでないものがあります。

広告の配信先が開示されないサービスだと、いつ、どの媒体で自社の広告が掲載されたかが不明なまま利用を続けることになります。

ターゲティングの重複による入札競争

同一広告でのキャンペーンを複数DSPで掲載する場合、類似オーディエンスへの広告配信をすると 自社広告同士で入札競争を激化させてしまうリスク があります。ただしターゲットが重複しない場合には複数DSPで入札を行っても入札競争が起こることはありません。

複数DSPで類似オーディエンスに広告を配信すれば、より多くのターゲットにアプローチできると考えられがちですが、実際にはコストパフォーマンスの悪化につながります。

広告効果の定期的な確認が必要

DSPは自動で最適化を行うツールですが、最適化機能が思うように働かない ことがあります。たとえば外的要因によるKPIの急激な変化があったりキャンペーンの開始直後であったりすると安定した広告効果を出せない場合もあります。 配信に異常値が見られないか、定期的にKPIをチェック することを習慣化し、トラブルに迅速に対応できる体制を取りましょう。

DSPを含むアドテクノロジーは常に進化しています。日々、何かしらの機能が強化され、運用者にはより専門的なノウハウが必要とされることも多いでしょう。自社での運用に不安がある場合は、専門知識を持つ事業者や代理店のサポートを受けるのもひとつの手です。

4.DSP広告の入札方式

DSP広告で特徴的なのが、広告の掲載権がオークション形式で決まる点です。
この入札方法に関してもう少し詳しく見ていきましょう。

RTB(Real Time Bidding)

DSP広告における入札方法は、RTBとよばれる仕組みで行われます。

RTBとは、Real Time Bidding(リアル・タイム・ビディング)の頭文字を取ったもので、基本的な仕組みでご紹介したような流れで入札が行われ、広告が掲載されます。

RTBによる入札の特徴は、①1インプレッション(広告表示)に対して、②瞬時に入札が行われること です。

①は、ユーザーが広告枠のついたページを訪問するたびに入札が行われるということです。

②は、インプレッションから広告掲載までにかかる時間は0.1秒以内だといわれています。

裏を返せば、 システムのデータ処理が遅いと、入札金額を高く出したとしてもオークションで勝てず、広告を配信することができない ことになります。
このため、データ処理能力の高いDSPを選ぶ必要があります。

5.DSP広告の課金方法

DSP広告における課金方法で主流となっているのはCPM課金です。

CPM課金

CPMとは、Cost Per Milleの略で、1,000回表示あたりの広告費を指します。
CPM課金は、広告表示が1,000回行われるごとに課金されます。

広告主にとっては、クリック率が高い場合にお得になる課金方式で、ブランディング目的の広告出稿に向いています。

DSP広告におけるCPMの相場は100~500円前後といわれています。

CPC課金

CPCとは、Cost Per Clickの略で、1クリックあたりの広告費を指します。
CPC課金は、閲覧したユーザーが広告をクリックするごとに課金されます。

広告主にとっては、クリック率が低い場合にお得になる課金方式で、商品・サービス販売目的の広告出稿に向いています。

DSP広告におけるCPCの相場は50~100円前後といわれています。
ほかに、GTS(表示時間単位の課金)という課金方式もあります。

インストール課金

インストール課金とは、ユーザーが広告からアプリをインストールしたとき、もしくはアプリを起動したときに費用が発生する、アプリ広告独自の課金方法です。

相場は定まっておらず、広告を出稿するタイミングやアプリのジャンルなどで変化します。

6.DSP広告の選び方

DSPにはさまざまなタイプがあり、各サービスの特徴はバラエティに富んでいます。現在ではDSPは新たな広告配信手法として確立されつつあり、市場の盛り上がりとともに新規参入事業者も増えてきました。

どのDSPサービスで広告を配信するのが良いか、選定の際には次のポイントを確認しましょう。

 

・DSPには「自動型」と「運用型」がある

DSP広告は「自動型」と「運用型」に分類できます。

自動型は独自のアルゴリズムによって広告を運用する仕組みです。その名の通り、 最初の設定さえ済ませておけば1件あたりの広告費が自動的に最適化されます。 運用の手間を省き、時間とコストをかけたくない企業に向いています。

一方、運用型は社内の担当者が手動で運用する仕組みです。その分手間はかかりますが、担当者がパフォーマンスデータを確認し状況によって運用方針を変更するなど、 柔軟に対応できる点がメリットです。

Web広告の運用に長けた人材を社内に確保できている場合や、手動で確実にターゲット層にアプローチしたい場合に向いています。

・広告の配信先を知りたい場合はDSP以外の方法を

DSPでは実際にどんなWebサイトに広告が配信されたのか確かめることはできません。どうしても配信先を知っておきたい場合は、DSPは使わず、広告枠を直接購入することをおすすめします。

そのほか、自社の広告効果を高めるDSP事業者を選定するためのポイントと注意点をご説明します。

どの配信デバイスに強いか

まずは、各DSPサービスの配信デバイスをチェックしましょう。
サービスによっては、「PCだけ」「スマホだけ」とデバイスが限定されているものもあるからです。

また、両方に対応していても「PCが得意」といった傾向などもあります。

出稿したい広告の訴求内容やクリエイティブがPCとスマホのどちらに向くかを軸に、ユーザーが閲覧するシチュエーションなども考慮して配信先のデバイスを検討しましょう。

連携先のSSPはどこか

各DSPサービスにより接続先のSSPやアドエクスチェンジが異なるので、配信先を確認します。

連携先のSSPによっては、そのDSPサービスではターゲット層にリーチできない、ということもあるので重要なポイントです(たとえば、男性向けの商材なのに女性向けのメディアとしか連携していない、など)。

また、特定のメディアへの出稿希望がある場合も、そのメディアが含まれているかをチェックしておきましょう。

広告の配信目的に合うか

自社での広告配信目的を改めて確認し、それにマッチしたDSPサービスを選定する必要があります。

たとえば、目的はブランディングなのか、販売目的なのか。販売だとしても主なチャネルはECなのか、それとも店舗(O2O)なのか、といったことです。
その分野が得意なDSPサービスを選びましょう。

ターゲティング条件に合うか

そのユーザーに入札するかどうかを決めるターゲティング条件は、性別、年齢などの基本部分は同じでも、「天気、地域、年収、職種、病状」といった細かいターゲティング条件はDSPサービスごとに異なります。

自社の出稿希望をどこまで細かく指定するかという部分も含め、社内でターゲティング条件を決めておき、それとマッチするDSPサービスを選びましょう。

ホワイトリスト・ブラックリストを設定できるか

ホワイトリストは優先的に広告を掲載したいサイトのリストで、ブラックリストは広告を掲載したくないサイトのリストです。

ホワイトリスト(サイトの指定配信)とブラックリスト(サイトの除外指定)を設定できるか否かで広告の効果に差が出ることも多く、どのようなサイトに広告を掲載したいか、ある程度の方向性が決まっているときにも役に立ちます。

DSPサービスの事業者によっては、ホワイトリストやブラックリストの設定に対応できない場合があるので、あらかじめ確認しておきましょう。

7.DSP導入の手順

DSPの導入を検討した際にやるべきことを紹介します。

ターゲットを明確にする

始めに「どのようなユーザーをターゲットにしたいのか」を明確にします。

DSPの強みは、アプローチしたい顧客に最適な広告を配信できること。しかし、その強みを引き出すためには、DSPに合った広告を配信する必要があります。DSP広告によってターゲットを選定するアルゴリズムが異なるため、自社のターゲットとマッチしないものでは、期待通りの効果は得られません。

まずはペルソナとカスタマージャーニーを作成して、具体的な顧客像を設定しましょう。

DSPを選定

ペルソナが明確になったら、DSPの選定に入ります。見出し「6.DSP広告の選び方」で紹介した内容も参考にしてください。
BtoBに特化したもの、海外ユーザーへの広告配信が得意なもの、手頃な価格帯で導入できるものなど、さまざまな種類があります。DSPの得意な業種・ジャンルや配信メディアなどを見極めて、自社に最適なものを選びましょう。

 8.DSP広告の国内主要サービス5選

国内外に多数存在するDSP広告サービスのうち、日本国内の主要な5サービスを取り上げて特徴とともにご紹介します。
※2023年3月時点での情報です

ADMATRIX DSP(アドマトリックス)

ADMATRIX DSP(アドマトリックス)

ADMATRIX DSP(アドマトリックス)

https://www.admatrix.jp/dsp/

「ADMATRIX DSP」は、株式会社フルスピードが提供するDSP広告サービスで、 国内最大規模のIPアドレスデータベースと連携しています。
国内の主要なSSPとRTB取引接続をしていることから国内インターネットユーザーの93%以上にリーチ可能です。

月間の広告配信在庫量は国内最大級の2,000億インプレッション (PC:1,100億インプレッション、SP:900億インプレッション)を保有。
このため、幅広い層のターゲティングが可能で、中顕在層や潜在層の獲得に向いています。

一方、IPアドレスをもとにした特殊なカテゴリ設定も得意です。
東洋経済のランキングから「賞与の多いトップ200社」「残業が少ないトップ200社」といった指定ができ、BtoBでは企業へピンポイントで広告配信を行ったり、BtoCでは、医療従事者といった指定を行ったりできます。

Criteo(クリテオ)

Criteo(クリテオ)

https://www.criteo.com/jp/

「Criteo」は、 世界94ヶ国以上で広告配信を展開し、1日あたり7.5億人のアクティブユーザー数を誇るCRITEO社が提供 するDSP広告サービスです(日本ではCriteo株式会社が提供)。

ユーザーごとに最適な広告バナーを配信するダイナミックリターゲティングを採用しており、アプリ内配信にも対応。
サイト外レコメンド機能も付いていて、中顕在層の獲得向きだと言えます。

ただし、AIの深層学習を強みとしていることから、サイトにはある程度の規模が必要 とされます。導入条件として月間ユニークユーザー数(UU)が4万以上、あるいはサイト訪問者のユニークユーザー数が1日あたり1,500以上が求められます。

UNIVERSE Ads

UNIVERSE Ads

https://demand-services.microad.jp/

株式会社マイクロアドが運営するUNIVERSE Ads(ユニバース アズ)は、自社SSP「COMPASS(コンパス)」を中心に、月間の広告在庫数が2,000億を超える日本最大級の配信先を保有。静止画・動画・ネィティブフォーマットに対応しています。

200社以上のデータプロバイダーと接続する「UNIVERSE」と連携し、 購買データ・位置情報データ・専門メディアデータなどを活用 することで多種多様な業界・業種のマーケティングニーズに合わせたデータ分析および広告配信が可能です。

FreakOut(フリークアウト)

FreakOut(フリークアウト)

https://www.fout.co.jp/freakout/

「FreakOut」は、DSPを専業とする株式会社フリークアウト・ホールディングスが提供するDSP広告サービスで、最先端の独自機械学習エンジンを搭載した全デバイス対応のマーケティングプラットフォーム。

ビデオ、ネイティブ、ディスプレイの各種フォーマットにおいてフリークアウト独自のターゲティング技術を用いた広告配信が可能で、 国内最大級の月間 8,500 億インプレッションを超える RTB 経由の広告在庫を有しています。

アトリビューション分析やドメインマッチ、レコメンドバナー配信など、豊富な機能を揃えています。
GoogleAnalyticsとも連携しています。

cinarra(シナラ)

cinarra(シナラ)

https://cinarra.co.jp/

「cinarra」は、Cinarra Systems Japan 株式会社が提供するDSP広告サービスで、 通信キャリアデータを活用した独自のターゲティングが特徴の広告配信プラットフォームです。

通信キャリアの匿名データによるWiFi行動パターンや位置情報をもとに高精度なターゲティングを提供しています。

既存の来店計測では困難であった、 あらゆるデジタル広告や自社Webサイトなど複数の媒体を横断した来店貢献・集客効果の可視化・評価が可能です。
アプリ内配信にも対応しています。

9.DSP導入の注意点

リーチしたい層に広告が配信できている場合、DSP広告に変更しても高い効果は得られません。すでにユーザーの属性を絞って広告を配信している場合は、導入して効果が得られるのかどうか、しっかりと分析する必要があります。

DSP広告は他広告と異なり、費用が高い傾向にあります。広告を運用する際は、不正なクリックで広告費がかさまないように、アドフラウド(広告不正)対策の検討をするのもおすすめです。

 10.まとめ

DSP広告についての基本的な情報について、基本的な仕組みからサービス選定のポイント、メリットや注意点までひと通り解説してきました。

Web広告のテクノロジーは日々進化しているため、お読み頂いた時点ではさらに画期的な広告が登場しているかもしれませんが、本コラムがお役に立てれば幸いです。

DSP広告はユーザー情報をもとにターゲットを絞り込み、成約が見込めるユーザーのみに広告配信することができ、類似ユーザーを狙った広告配信も可能です。自動化により広告出稿にかかる工数を削減できる点でも費用対効果が高いと言えるでしょう。

DSP広告への出稿を検討されている企業様は、ターゲットや出稿の目的を再確認のうえ、自社に最適なサービスを選んでください。

【参考記事】
Web広告(ネット広告)とは?基本の9種類とそれぞれのメリット・特徴などを比較


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