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【初心者向け】リスティング広告とは?基礎知識から代理店選びのポイントまで解説

記事公開日:2023/11/22
最終更新日:2023/11/27
【初心者向け】リスティング広告とは?基礎知識から代理店選びのポイントまで解説

リスティング広告(検索連動型広告)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果画面に表示されるテキスト広告を指します。ユーザーの検索キーワードに連動して表示されるため、特定の商品やサービスの情報を求めるユーザーを効率よく集客することができます。

また最低出稿金額が決まっておらず、出稿金額は広告主の予算に応じて自由に設定できるので、少額から始められるのが特徴です。低予算かつ短期間で成果が得られることから、費用対効果の高いWeb広告として多くの企業で取り入れられています。

本記事ではリスティング広告の基礎知識から代理店選びのポイントまで初心者向けにわかりやすく解説します。


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1.リスティング広告とは?

リスティング広告(検索連動型広告)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果画面に表示されるテキスト広告を指します。テキスト広告は主に検索結果の上部と下部に配信され、リスティング広告をクリックしたユーザーを、指定のWebサイトに誘導できます。

リスティング広告は、Web広告の中で最も利用されている広告といっても過言ではなく、電通グループの調査によると、インターネット広告費3兆912億円のうち、リスティング広告は全体の約4割(9,766億円)を占めており、インターネット広告の主流となっています。

本項ではリスティング広告の概要について説明していきます。

リスティング広告の媒体

リスティング広告の出稿先媒体として、最も有名なのがGoogle社が提供する「Google広告(旧称:Google AdWords)」およびLINEヤフー株式会社が提供する「Yahoo!広告」です。

ウェブ上の統計調査を行うStatCounterの統計データ(2022年10月~2023年10月)によると、国内のサーチエンジンのシェアはGoogleが76.56%、Yahoo!が14.14%となっており、Googleが圧倒的なシェアを誇っているのがうかがえます。

listing01.jpg

出典:StatCounter


GoogleとYahoo!の違いのひとつとして、利用ユーザーの年齢層が異なることが挙げられます。Googleの利用ユーザーは全世代(10代~60代)においておおよそのトップシェアを誇るものの、40代以降になるとYahoo!の利用者が増えているのが株式会社GO TO MARKETの「Web検索サービスに関するアンケート調査(2022年12月)」で判明しています。


若年層を含む全世代にアプローチするのであればGoogle、40代以降のミドル・シニア層をターゲットにした商材・サービスを訴求するのであればYahoo!
が適しているといえるでしょう。自社の見込み客がどちらにあてはまるのかしっかりと見極めることで、より高い成果を得られます。

リスティング広告が掲載される場所

リスティング広告の掲載スペースは、検索結果の上下および検索結果の1ページ目以降の3ヶ所です。

listing02.jpg

出典:LISKUL


画像のようにリスティング広告はオーガニック検索(自然検索)の上部と下部に表示されるため、
検索したキーワードに興味関心を持つユーザーの目に止まりやすくなります。オーガニック検索で上位表示されているWebサイトよりも上に広告を出稿できるのは大きなメリットです。

リスティング広告の掲載フォーマット

リスティング広告の基本的なフォーマットは、主に表示URL、広告見出し、説明文の3つの要素で構成されています。

listing03.jpg

出典:TOSHO DIGITAL

表示URL

広告をクリックした際に遷移するURLが表示されます。URL内には「パス(Google)/ディレクトリ(Yahoo!)」項目を追加することも可能です。パス/ディレクトリとは、ユーザーがどのようなページへ遷移するのかをわかりやすく説明したテキストで、URLの末尾に「/(半角スラッシュ)+任意のテキスト(最大で半角15文字まで)」を加えることで設定できます。

広告見出し

表示URLの下に表示される青い太字の部分です。Google 広告では「広告見出し」、Yahoo!広告では「タイトル」という名称で呼ばれています。最大で半角30文字(全角15文字)の見出しを3本まで設定でき、見出しと見出しの間は「|」で区切られています。なお、広告は3本まで表示できますが、3本目は見切れて表示されないケースがあります。必ず入れたいキーワードは1本目か2本目に入れておきましょう。

リスティング広告の見出しは、ユーザーが最も注目する部分であり、クリック率やコンバージョンに直結するとても重要な部分です。成果を出すためにもターゲット層に刺さる見出しを考える必要があります。

説明文

広告見出しの下に表示されるテキストです。このスペース内で商品やサービス内容を説明します。半角90文字(全角45文字)を2本まで決められます。基本的に見出しと説明文は検索エンジンが自動で組み合わせて表示しますが、広告主側が任意で設定することも可能です。

リスティング広告の料金システム

リスティング広告は、ユーザーが広告をクリックした時のみに料金が発生する「クリック課金制」が採用されています。広告掲載自体には費用はかからず、ユーザーが広告をクリックして初めて費用が発生するため、初期費用を安く抑えられるのが特徴です。

また従来のマス広告、いわゆるテレビやCM、新聞広告などのメディア広告は、知名度を向上させやすいメリットはあるものの、「広告を何人が見て、何人が商品を購入したか」までは正確に把握できず、費用対効果がわかりにくい側面がありました。


しかし、リスティング広告はキーワード表示によって、購買意欲のあるユーザーに対して商品やサービスを訴求できるだけでなく、
「ユーザーを1人獲得するのにいくら費用が発生したか」の数値データを取ることができ、施策の見直しや改善をリアルタイムに行なえます。


リスティング広告とよく混同されがちなのが、「ディスプレイ広告」です。ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上の広告枠に表示されるWeb広告を指します。ディスプレイ広告は、リスティング広告と同じクリック課金制を採用しているものと、広告がパートナーサイトに表示された回数に応じて費用が発生する「インプレッション課金」方式があります。

CPC・CPM

リスティング広告が掲載されるまでの仕組み

リスティング広告は、検索結果に掲載する広告をオークション形式で決めます。たとえばGoogle広告の場合、検索結果の上下に最大4つずつの広告枠が用意されています。広告主は事前に「出稿したいキーワード」「上限クリック単価(1クリックでいくらまで支払うかの設定)」を設定し、入札しておきます。ユーザーの検索が発生すると、どの広告を掲載するかを決めるオークションが発生し、表示する広告とその順位を決定するプロセスが自動的に行われます。オークションはユーザーの検索がある度に行われるので、掲載される広告や掲載順位は常に変動します。

なお、リスティング広告の掲載順位は、上限クリック単価の金額で決まることはありません。Google広告では掲載順位を割り振るための指標として「広告ランク」が採用されています(Yahoo!では「オークションランク」)。


この広告ランクの数値が高いほど、自社の広告が上位に表示されるシステムになっています。


広告ランクの数値は、
品質スコア(広告とランディングページの品質)×上限クリック単価+その他要素(ユーザーが検索に至った背景や広告表示オプションなど)で算出されます。つまり、広告ランクを上げるには品質スコア入札金額を高くすることが重要です。

2.リスティング広告とSEOの違い

検索エンジンを活用したWebサイトへの集客方法として、リスティング広告による集客とSEOによる集客の2つがあります。リスティング広告とSEOの違いは以下のとおりです。

違い

リスティング広告

SEO(自然流入)

意味

検索連動型広告

検索エンジン最適化

掲載場所

広告枠

(検索結果の上下)

オーガニック検索枠

(検索結果の中央部分)

即効性

(順位に反映される速さ)

早い

遅い

費用

有料

無料

クリック率

低い

高い

コントロール性
(管理性)

高い

低い


どちらもWebサイトへの集客や認知拡大を図るために欠かせない方法ですが、それぞれの特徴や強みは異なります。本項では混同しやすい2つの違いについて説明します。

・意味

リスティング広告は冒頭で述べたように、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果画面に表示されるテキスト広告を指します。検索連動型広告とも呼ばれ、PPC広告(クリック課金型広告)の一種です。

一方でSEO(Search Engine Optimization/検索エンジン最適化)はGoogleなどの検索エンジンに対してWebサイトを最適化することにより、自社Webサイトを上位に表示し、流入を獲得する取り組みを指します。

【関連記事】

SEOを基本から解説!最低限抑えたい施策から無料ツールまで

・掲載場所

リスティング広告は、検索エンジンの検索結果の上部に「広告」表記付きでWebサイトへのリンクが表示されるのに対し、SEOはオーガニック検索結果部分に「広告」表記なしでWebサイトへのリンクが表示されます。

listing04.jpg

引用元:SEOラボ

・即効性(順位に反映される速さ)

リスティング広告は、基本的に広告出稿費用を支払えばすぐに広告を配信することが可能です。また出稿後、すぐに検索結果の上部に表示されるので、早ければ配信当日から検索ユーザーの流入が期待でき、短期間で成果を得られます。

SEOはリスティング広告と異なり、Webサイトを上位表示させるためには、内部リンクやサイトの構成を改善し、検索エンジンから評価されやすいページを作る必要があります。リスティング広告と違ってお金を払ってあげられるものではなく、良質なコンテンツ作りやユーザビリティの向上など、あくまでユーザーにとって価値あるコンテンツを発信していき、掲載順位の上位を目指していきます。

またSEOを初めてから成果を得るまでに、既存サイトだと最短でも3ヶ月~6ヶ月程度の期間を要します。中長期的な取り組みが必要となるため即効性には欠けます。

・費用

リスティング広告とSEOの最も大きな違いが費用の有無です。リスティング広告はあくまで「広告」のため、出稿費用が必ずかかります。また運用を止めない限り、永続的に費用が発生します。ただリスティング広告の出稿費用に関しては広告主側のほうで自由に決められるので、想定以上に費用がかかってしまったというようなリスクはありません。

一方でSEOはWebサイトの改善がメインのため、基本的に無料です。ただし上位表示を狙うにあたり、SEOコンサルを依頼したり、SEOの専門知識を持ったスタッフを雇うと相談料や人件費が別途発生します

・クリック率

クリック率はリスティング広告のほうが低く、SEOのほうが高い傾向にあります。理由としては、リスティング広告には必ず「広告」表記が入るからです。検索ユーザーにPRと判断されてしまうため、必然的に数値が低くなります。リスティング広告の平均クリック率は、扱う商材やジャンル、設定したキーワードにもよりますが、WordStreamの2023年の調査データでは平均6.1%を記録しています。

一方、SEOは上位表示されるようになると、検索ユーザーにクリックされやすくなります。firstpage.comによると、検索順位1位のWebサイトのクリック率は39.8%、2位が18.7%と続いており、高いクリック率を記録しています。SEOで検索順位1位を獲得することでWebサイトに訪問するユーザーが増え、コンバージョン数の増加につながります。

・コントロール性(管理性)

リスティング広告はSEOと比べて掲載順位や設定などのコントロールがしやすい媒体です。さきほど詳述した広告ランクによって掲載順位が決定するため、品質スコアと入札金額を強化すれば上位に表示されるようになります。また配信地域や配信期間、リンク先など細かな設定ができ、自由度の高い運用ができるのもメリットのひとつです。

反対にSEOの掲載順位は、GoogleやYahooなどの検索エンジンのアルゴリズムによって決定されるので、順位をコントロールすることはできません。またユーザーに良質なコンテンツを提供するべく、Googleは年に数回、検索アルゴリズムのアップデートを行います。一度上位表示できたとしても、検索アルゴリズムの更新にあわせてサイトを改善しなければ、検索順位が下がる可能性があります。

3.リスティング広告のメリット

リスティング広告を運用することで得られる4つのメリットについて解説します。

1.顕在層にアプローチできる

顕在層とはマーケティング用語のひとつで、自社が扱うジャンルに興味関心を持ち、具体的に商品やサービスの比較検討をしているユーザーを指します。たとえば加湿器を購入しようと考えているのであれば、「加湿器 おすすめ」「加湿器 種類」などのキーワードで検索し、購入に向けて情報収集を行っている段階です。顕在層は明確に欲しい商品・サービスが定まっているため、ユーザーのニーズを満たすPRができれば自社商品を選んでもらえる確率が高くなります。

この顕在層へのアプローチとして最も効果的なのがリスティング広告です。なぜならリスティング広告は特定のキーワードに興味関心を持つユーザーへ広告を表示するからです。購買意欲が高い状態で自社商材をPRできるので、広告をクリックされる可能性が高く、そのまま商品の購入やサービス導入といった成果が得られます。

2.少額(1000円)から設定可能

リスティング広告は他媒体に比べ、低予算で運用できるのが特徴です。Google広告の場合、最低出稿金額は1,000円、Yahoo!は3,000円からスタートできます。また出稿金額も自由に設定できるため、自社の予算に応じた柔軟な広告運用が可能です。まずは少額で試し、成果が出たら広告費を増やすというスモールスタートができるのも大きなメリットです。

3.即日配信・停止ができる

リスティング広告は短時間で広告出稿を行うことができます。リスティング広告に必要な3つの項目(キーワード、広告文、リンク先)を設定し、審査に通れば最短で即日配信が実現します。期間限定セールやキャンペーンなど短期間で集客を図りたいイベントで活用するのも効果的です。

また広告の配信停止も任意のタイミングで行えるので、「広告掲載を一時停止し、改善してから再開」するといった対応も可能です。新聞や雑誌などの掲載期間が決まった広告媒体とは異なり、
「効果が出ない」と判断したら、瞬時に配信を止められます。

4.データの分析・改善をリアルタイムでできる

リスティング広告は、配信した広告の結果がすぐに管理画面に反映されます。リアルタイムで成果を確認できるので、データに基づいた効果検証が可能です。なお管理画面では下記のデータ(指標)を閲覧できます。

指標

詳細

インプレッション数

広告が表示された回数

クリック率

広告がクリックされた回数

コンバージョン数(CV数)

問合せ、資料請求、商品購入など、
企業がマーケティング施策において設定する目標のこと

クリック単価(CPC)

クリック単価。
1クリックあたりいくらの費用がかかったかを表す

顧客獲得コスト(CPA)

コンバージョン単価。
1件の顧客獲得の成果に対してかかった費用を示す


各指標を分析することで、「広告がクリックされていない」「クリックされるものの、成果には至っていない」などの傾向がわかり、キーワードや広告文の見直し、ランディングページの変更などの改善を実施できます。リスティング広告は出稿して終わりではありません。常に「Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)」のPDCAサイクルを繰り返すことで、広告パフォーマンスの向上や費用対効果を高められます。

4.リスティング広告のデメリット

低コストで実施でき、即日成果を得られる、リアルタイムでデータ分析や改善ができるといった多くのメリットを有しているリスティング広告ですが、一方でデメリットも有しています。本項ではリスティング広告の4つのデメリットを解説します。

1.潜在層へのアプローチができない

リスティング広告は、キーワード検索したユーザーにのみ表示される広告のため、自社商品・サービスの内容を高める認知拡大には不向きな広告です。認知拡大を図りたい場合は、潜在層(自社が扱う商品のジャンルに対して興味・関心はあるものの、購入の段階に至っていないユーザー)向きのディスプレイ広告や、Web広告よりも不特定多数にアプローチできるTVCMや雑誌新聞広告といったマス広告のほうが高い効果を得られます。

2.運用には専門的な知識が必要

リスティング広告を運用するにあたり、リスティング広告特有の専門用語や概念、設定などさまざまな知識が求められます。特に広告出稿後は、定期的に成果を計測し、必要に応じて改善する必要があります。最適なタイミングで施策を改善するには、リスティング広告に関する知識や運用ノウハウ、広告の管理画面を理解する人材が不可欠です。リスティング広告の運用を広告代理店や専門業者に依頼するのであれば問題ありませんが、自社で行う場合、専門知識や運用スキルを持つ人がいなければ、成果を得るのが難しくなります。

3.成果に限界がある

リスティング広告は、設定したキーワードを検索されなければ成果を得ることはできません。ユーザーの検索数=表示回数になるため、成果の最大値は検索数の上限に比例します。たとえば配信するキーワードを「リスティング広告 成果」に設定し、500件の検索があった場合、最高で500件の流入しか見込めません。検索数と同数のコンバージョンを得るのは難しいことから、成果の最大値は検索数よりも低くなります。

このように検索回数によって獲得できる顧客の数には制限があります。特定のキーワードのみで配信を続けていると、効果はいずれ頭打ちになります。

4.ビジュアルでの訴求ができない

リスティング広告はテキストのみで構成されている広告なので、画像や動画のような視覚に訴えるアプローチはできません。商品のディテールを細かく伝えられないのは、リスティング広告のデメリットといえるでしょう。ビジュアルでの訴求ができないぶん、広告のタイトルや説明文を工夫する必要があります。

5.リスティング広告に適している商材・適していない商材

手軽に広告出稿できるリスティング広告ですが、扱う商材や予算などの諸条件によって成果の良し悪しが分かれます。本項では、リスティング広告に適している商材と適していない商材について解説します。

まずリスティング広告に適している商材は、「客単価が高く、リピート率が高い商品やサービス」です。具体的には下記のものが考えられます。

客単価が高く、粗利が高いもの(不動産やリフォーム、自動車販売など)

客単価は低いが商品購入のリピートが期待できるもの(健康食品や化粧品など)

ネガティブ・コンプレックス系商材(ダイエットや薄毛治療など)

期間限定だが一時的にニーズが高まる商材(クリスマスやお中元など)

競合他社と比較し、商品に知名度があるもの(価格の安さや優位性)


上記商材の場合、リスティング広告で成果が出せる可能性が高くなりますが、すでに他社もリスティング広告を実施していることが多く、競合が多い場合があります。競合調査や市場調査をしっかりと行ったうえで、広告運用を始めましょう。

反対にリスティング広告に適さない商材は、「客単価が低く、リピートが低い商品やサービス」です。一例としては下記のものがあてはまります。

・客単価が低く、リピート性の低いもの(文房具など)

・他社製品と類似しており、優位性が低いもの(食品やファッション、インテリアなど)

・極端に認知が低く、検索自体が行われにくいもの(新商品)

・Web上で成果がわかりにくいもの(店舗誘導や電話予約など)


自社で取り扱う商材が該当しているのであれば、一度自社商品・サービスと関連性の高いキーワードで検索を実施し、リスティング広告が掲載されているかどうか確認することをおすすめします。特に客単価が低い商材は費用対効果に見合わないことが多く、リスティング広告ではない別のPR戦略を取ったほうが一定の成果を得られる可能性が高くなります。

リスティング広告を活用して自社商品・サービスを売り出すのであれば、むやみに広告出稿を行うのではなく、そもそも自社商材がリスティング広告が向いているのかどうかを判断するのが重要です。

6.リスティング広告の平均費用・相場

リスティング広告の費用相場は、広告出稿する商品・サービスによって異なりますが、一般的に1ヶ月で20万円~50万円程度が相場といわれています。実際リスティング広告の運用代行を行う広告代理店や専門業者なども月30万円から請け負うケースが多いです。しかしこれはあくまで平均的な数値であり、月1万円程度で運用している個人事業主・中小企業から、月数千万~数億円の費用をかける大手企業まで幅広いのが実情です。このようにリスティング広告の費用相場はあくまで目安でしかありません。


また先述したようにリスティング広告には最低出稿金額が設けられておらず、自社の予算に応じて自由に設定できます。そこで本項ではリスティング広告の予算の決め方についてもあわせてご紹介します。

1.目標CV数から決める

商品購入やサービス導入など、月に獲得したいCV数を基準に広告費用を計算するパターンです。たとえば月に100件のCVを目標にした場合、CV1件の獲得にかかる費用(CPA)が3,000円であれば、月の予算は30万円と計算できます。

CV数:100件×CPA:3,000円=300,000

2.目標CPA(顧客獲得コスト)から決める

目標CPAから予算を設定することもできます。CPAは「商品・サービスの販売価格」から「目標の利益額」を差し引くことで求められます。 具体的には1個12,000円の商品から8,000円の利益を目指す場合、目標のCPAは4,000円になります。

12,000円(販売価格)ー8,000円(目標の利益額)=4,000円(目標CPA)

あとは獲得したいCV数に目標CPAをかけることで予算を算出できます。CV数を30件に設定した場合、予算は12万円です。

30(獲得したいCV数)×4,000円(目標CPA)=120,000円(予算額)

3.平均クリック単価から決める

広告出稿するキーワードの平均クリック単価とクリック数をかけあわせて決める方法もあります。キーワードの平均クリック単価はGoogle広告が提供している「キーワードプランナー」で確認できます。

平均クリック単価が3,000円で、想定されるクリック率が100回だった場合、予算は30万円になります。

 3,000円(平均クリック単価)×100回(想定されるクリック数)=300,000円(予算額)

4.売上目標から決める

売上目標から逆算して費用を決めるのも有効です。売上高に対する広告宣伝費の比率は業界や業種によって違いますが、一般的には1〜20%程度とされています。仮に商品の売上目標を100万円と設定するのであれば、その15%にあたる15万円をリスティング広告の上限予算に設定します。

7.リスティングの運用方法

リスティング広告の運用方法は広告代理店に委託する場合と、自社で運用する場合があります。それぞれのケースのメリット・デメリットを簡潔にまとめました。

●インハウス(内製)で運用する場合のメリット・デメリット

メリット

  • 広告予算が50万円以下の場合などでも、低価格からはじめられる
  • 続けることで、社内にノウハウがたまる

デメリット

  • 自社に運用ノウハウを持っている人がいないとハードルが高い
  • 社内のリソースが割かれ、人件費がかかる
  • 困ったときに、専門知識や最新の知識のある人に相談できない


自社で内製化するメリットとしては、低コストで運用できる点です。広告代理店や専門業者に運用代行を依頼した場合、代理店への手数料が発生します。扱う商材の単価が安ければ、この手数料は大きな負担になります。しかし自社で運用すれば人件費は発生するものの、外注費や手数料は削減できるので、そのぶんを広告費用に回せます。また運用を続けていくことで専門知識やノウハウを社内に蓄積できます。

ただし自社に専門知識やノウハウを持つ人材が不在だと、ゼロからリスティング広告の運用方法を学ぶ必要があります。専門知識の習得には時間がかかるため、リソース不足に陥ってしまったり、教育するためのコストが発生する恐れがあります。また運用で疑問点や不明点が出ても周囲に相談できず、運用に行き詰まる可能性も少なくありません。

 

8.広告代理店の選定ポイント

リスティング広告を自社運用せず、広告代理店に依頼する場合はどのように選べばよいでしょうか。

実のところ、Web関連会社のなかで「リスティング広告の運用代行ができます」とうたっている会社は非常に多くあります。たとえば、インターネット広告・求人広告などを取り扱う総合広告代理店、SEO会社、Web制作会社、Webメディア運営会社、Webコンサルティング会社、ツールやシステムの開発会社、広告運用の専門会社など。これらの会社は、同じWeb業界ではありますが、メインとする業務が異なっています。

このようにたくさんの企業のなかから、信頼できるパートナーを探すのはなかなか難しいことです。代理店選びの参考になるチェックポイントを下記にまとめました。

(1)手数料は明確か

リスティング広告の手数料は、広告費の○%などの料率で設定する場合、定額制の場合、広告予算のステージによって価格が変動する場合などがあります。費用体系がわかりにくい場合は、詳細な内訳を聞いて判断しましょう。 

(2)運用体制が信頼できるか

リスティング代行を請け負う会社のなかには、メイン事業のサブ商材としてリスティング運用を取り扱っている場合や、外部企業に運用を再委託している会社もあります。実際の広告運用を誰(どこの会社)がやるのか、運用担当者と実際に会って相談できるかなどを事前に確認することが必要です。

(3)有資格者が担当しているか

GoogleやYahoo!には、広告運用の認定資格があります。「Google Ads認定資格」「Yahoo!プロモーション広告プロフェッショナル認定試験」などといい、運用体制のなかに、これらの上級者向け資格やアドバンスト資格をもった人が、どの程度いるかどうかを確認することも、ひとつの判断基準になります。

(4)契約期間は適当か

企業によっては最低契約期間が設けられている場合があります。一般的に、広告予算が少額の場合は契約期間が長く、高額の場合は契約期間が短くなる傾向にあります。

(5)レポートや訪問の頻度はどの程度か

リスティング広告は運用型広告といわれるように、日々の改善が重要です。毎月のレポートが提出されるのみか、訪問して改善案を提案してくれるかなど、予算と目的に見あった対応をしてくれるかを確認しましょう。

(6)担当者とのやり取りはスムーズか

あまりに多忙な担当者だと、こちらの連絡の返信がなかなか来なかったり、 伝えたことが反映されないこともあります。1人の担当者が無理な数の運用をしている可能性があり、改善に十分なリソースを割いてくれないこともあるので、契約前のやり取りなども注意してみると良いでしょう。

(7)出稿を依頼する業界の知見があるか

リスティング広告の代理店によっては、得意な業界とそうでない業界があります。自身が出稿を依頼しようとしている業界を得意としているのかは、事前に確認するようにしましょう。

9.リスティング広告のキーワード選定方法

次に、検索連動型広告で重要なキーワードの選び方についてみていきます。キーワード広告は、本来のターゲットでないユーザーにクリックされれば、無駄なコストを生んでしまいます。効率的に成果をあげるためには、適切な検索キーワードで広告を表示させることが重要です。ここでは、キーワード選定に欠かせない「マッチタイプ」という設定方法をご紹介します。

本格的な運用が始まれば専門業者が設定を代行してくれることもありますが、知っておいて損はない項目なので、ぜひ理解を深めてください。 

●マッチタイプとは?

マッチタイプは、広告主がリスティング広告の対象として登録してキーワードに対し、ユーザーが検索したキーワードが「どの程度厳密に一致した場合に広告を表示するか」を決定するルールです。以下は広告主が「ホームページ 制作」でキーワードを登録した場合のそれぞれの例です。

●完全一致とは

広告主が登録したキーワードと、ユーザーが検索した語句が完全に一致した場合にのみ広告が表示される設定です。

表示される例 「ホームページ 制作」
表示されない例 「制作 ホームページ」「ホームページ」

●部分一致とは

広告主が登録したキーワードと、ユーザーが検索した語句が部分的に一致した場合や、キーワードと関連性が高いと判断された場合に広告が表示される設定です。

表示される例 「制作 ホームページ」「ホームページ 外注」「Webサイト 制作」

●絞り込み部分一致とは

広告主が登録したキーワードが「言葉の順序を問わず」検索した語句に含まれる場合、広告が表示される設定。 

表示される例 「ホームページ 制作」「制作 ホームページ」「安い 制作 ホームページ」

●フレーズ一致とは

広告主が登録したキーワードと、同じ言葉の順序で検索された場合、広告が表示される設定。

表示される例 「ホームページ 制作」「ホームページ 制作 安い」「東京 ホームページ 制作」
表示されない例 「制作 ホームページ」「ホームページ 安い 制作」

 

●どのマッチタイプがよいのか?

一般的に、もっとも無駄なクリックを生む可能性が低いのは「完全一致」ですが、 完全一致だけでは、広告の表示回数が減ってしまいます。また、広告主が想定していないキーワードの組み合わせで検索された場合、取りこぼしが発生する可能性もあります。出稿の成果を確認しながら、部分一致と組み合わせて出稿することがポイントです。

  

10.CVR、CTR、CPC平均データ

マーケティング部門が、リスティング広告を新たに導入する際や、予算を再検討する際には客観的なデータも必要です。一般的に、リスティング広告のコンバージョン率は「1%」が平均といわれることが多いですが、実際には、業種や何をコンバージョンとするかなどで変わるため、一概に平均値を基準にすることはできません。

ここでは、アメリカのインターネット広告会社が2023年に発表したGoogle広告の業種ごとの平均的なデータを、参考としてご紹介します。

Google Adsの業種ごとの平均コンバージョン率(CVR)、平均クリック率(CTR)、平均クリック単価(CPC)

業種 リスティング広告
平均CVR
リスティング広告
平均CTR
リスティング広告
平均CPC
芸術とエンターテイメント 13.41% 8.12% 471円
動物とペット 1.57% 6.46% 409円
アパレル
(ファッション&ジュエリー)
3.03% 11.78% 233円
弁護士と法律サービス 7.00% 4.76% 1387円
自動車
(販売用)
5.72% 8.77% 313円
自動車
(修理、サービス、部品)
12.61% 5.91% 461円
美容とパーソナルケア 8.61% 6.87% 435円
ビジネスサービス 4.94% 5.11% 825円
キャリアと雇用 3.11% 6.67% 569円
歯科医と歯科サービス 10.40% 5.34% 1008円
教育と指導 7.07% 6.41% 617円
金融と保険 4.11% 6.18% 604円
家具 2.57% 6.19% 417円
ヘルス&フィットネス 8.40% 6.44% 629円
住宅とリフォーム 10.22% 4.80% 986円
産業用および商業用 7.91% 5.57% 655円
パーソナルサービス
(結婚式、清掃など)
8.70% 7.54% 587円
医師と外科医 13.12% 6.73% 598円
不動産 2.88% 9.09% 233円
レストランと食事 5.06% 8.65% 293円
ショッピング、収集品、ギフト
(一般)
3.69% 6.39% 367円
スポーツ&レクリエーション 5.69% 10.53% 266円
旅行 3.87% 10.03% 245円
 

データ引用元:WordStreamより翻訳し、当社にてまとめ。CPCは1USD=150円、小数点以下切り捨てにて計算。

ただし、国内のBtoB企業だとこちらの数値より下がる傾向があります。
平均CVRがリスティング広告:0.7%、ディスプレイ:0.2%程度、平均CTRがリスティング広告:1.0%、ディスプレイ:0.3%程度になる感覚です。

ちなみに、Web制作会社を探したいと思っているユーザーにリスティング広告を出稿する場合は、下図のようなキーワードが挙がります。

平均クリック単価(CPC)

11.リスティング広告の改善ポイント

最後に、リスティング広告(検索連動型広告)の検証、改善方法にはどんな方法があるのでしょうか。

さまざまな数値やデザインなど、複数の要素が相互に影響しあっているため、一概にはいえませんが、基本的な考え方にポイントをしぼってご紹介します。

●掲載順位がよくない場合

リスティング広告の掲載順位は「広告ランク」の高さで決まります。また、広告ランクは「入札単価×品質スコア」という2つの要素で導かれます。そのため入札単価を上げる以外では、「品質スコア」をあげることが掲載順位アップにつながります。

品質スコアは、キーワードと広告文の関連性や、キーワードとリンク先ページの関連性などで判断されるため、広告文やランディングページの内容を改善することが必要です。

品質スコアの3つの基準

●クリック率がよくない場合

広告が表示されているのにクリックされていない場合は、広告文がユーザーの検索ニーズに合っていない可能性があるため、広告文の見直しをすることがひとつの改善方法です。

また、クリックをする確率の高い、ニーズのマッチしたユーザーに広告を表示させるためには、キーワードのマッチタイプの見直し(部分一致からフレーズ一致に変更するなど)や、除外キーワードを設定するなどして、広告表示の精度を高めていく方法も考えられます。 

●コンバージョン率がよくない場合

検索キーワードとリンク先の関連性が低かったり、ランディングページの内容がわかりにくかったりすると、せっかく広告をクリックしたユーザーも離脱してしまいます。LPの内容(申込みのステップ、コンテンツの配置、ボタンのデザイン、読み込み速度など)で改善すべきポイントがないか検証しましょう。

リスティング広告の改善というと広告文やキーワードに意識がいきがちですが、Webサイトも含めて課題点を考えることで、コンバージョン率を改善できます。

●流入ユーザーを把握したい

広告効果を最大化するには、検索連動型広告でクリック単価の高い顕在層だけでなく、クリック単価の安い潜在層からも、バランスよく集客することが必要です。

潜在層への再アプローチには、リマーケティング広告を活用。リマーケティング広告のリンク先には、ユーザーの見込み度(ニーズ)に応じたコンテンツを用意します。この際、マーケティングオートメーション(MA)ツールを併用することで、自社のコンテンツに流入したユーザーのリード(個人情報)を把握することができます。MAツールは、潜在層の母集団を幅広く形成し、中長期的に見込み顧客を育成すること(リードナーチャリング)に役立ちます。

潜在層~顕在層に向けた理想的な広告の使い方

潜在層~顕在層に向けた理想的な広告の使い方

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12.まとめ

本記事ではリスティング広告の基礎知識からメリット・デメリット、広告代理店を選び方やリスティング広告の改善ポイントについて網羅的に解説しました。

リスティング広告は数あるWeb広告の中でも、低コストかつ比較的早い成果が得られる施策です。審査に通れば即日配信でき、広告文の改善などもスピーディーに行なえますが、反面運用に関する専門知識がなければ成果が出にくいといったデメリットもあります。

リスティング広告を始める前に自社運用するのか、または広告代理店などの専門業者に依頼するのかしっかりと見極めたうえで取り組むのが成功への近道です。

またリスティング広告はさまざまなノウハウを駆使し、データを検証しながらPDCAをまわしていく必要があります。データばかりを見ているとどうしても機械的な改善ばかりになってしまいがちです。

データは事実として受け止めながらも、その裏側にあるユーザーの動きをイメージしながら運用することでより高い成果を生むことができますので、ぜひ意識してみてください。

 

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