YMYLとは?E-E-A-Tとの関連性や該当ジャンル、SEO視点での対策方法まで!
最終更新日:2023/11/14
YMYLとは、Google検索品質評価ガイドラインで定義されている言葉で、「Your Money or Your Life」の略語です。お金や生命、人生に影響を与える情報が掲載されているウェブページを指します。関連するワードに「E-E-A-T」というものがあり、この2つの言葉は今後コンテンツ作りに従事する人はセットで抑えておくべき重要ワードです。
YMYLの対象サイトは対象外のサイトに比べて信頼性や権威性に対して評価される基準が厳しく、思ったような検索順位が得られないと悩む人も多いでしょう。ここではそんなYMYLについて、具体的な対象ジャンルやなぜ評価が厳しくなったのか、E-E-A-Tとの関連性、SEOで上位を得るための対策などを紹介します。
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YMYLとは?
YMYLとは「Your Money or Your Life」の略語で、お金や生命、人生に影響を与える情報が掲載されているウェブページを指します。Googleが検索結果の品質を保つために、その評価基準をまとめた資料「検索品質評価ガイドライン」の項目の一つです。
お金や生命にかかわるジャンルでは、間違った情報や悪意のある情報が表示されてしまうと、ユーザーに危害を与えてしまう可能性が高まります。
それを防ぐため、GoogleはYMYLの品質を向上させ、信頼性の高い情報がトップページに表示されるよう、一般的なSEOの基準よりも検索エンジンのアルゴリズムを厳しく定めています。
YMYLの対象ジャンル
GoogleのGeneral Guidelines (検索品質評価ガイドライン)は、2022年7月28日の改訂によってYMYLジャンルの記載は無くなりました。それ以前まで記載されていたのは、以下の6つのジャンルです。
・ショッピング、または金銭の取引を扱うページ
・金融情報を扱うページ
・医療の情報を扱うページ
・法律の情報を扱うページ
・ニュース記事や国民に対する公式な情報を扱うページ
・その他
しかし、記載がなくなった現在も注意するべきジャンルであることを覚えておきましょう。6つのジャンルについて、以下で簡単に紹介します。
ショッピング、または金銭の取引を扱うページ
オンラインショッピングに関するページを指します。オンラインのサイト上で商品やサービスを購入したり、決済を行うページが該当します。
金融情報を扱うページ
投資、税金、年金、保険、クレジットカード、ローン、不動産の購入など、お金にまつわる情報のページが該当します。
医療の情報を扱うページ
健康や病気、特殊な病気、薬、精神疾患、栄養などの、医療に関する情報が記載されるページが該当します。
法律の情報を扱うページ
離婚や親権、遺言書の作成、市民権の取得、裁判など法律に関する情報のページが該当します。
ニュース記事や国民に対する公式な情報を扱うページ
災害時の対応や法律、政策や行政、国の対応などに関する情報が記載されたページが該当します。
その他
人種や性別、宗教、障害、養子、国籍、年齢、車の安全に関する情報など、上記具体的に挙げたジャンルには該当しなくても、人や主張などに関する情報で、YMYL領域であると判断されるものが該当します。
YMYLに対してGoogleがどのような見解を持っているかどうかについて、今後も定期的に情報をアップデートしていく必要があります。YMYLに対するGoogleのアップデートについて、次の章でより詳しくみていきましょう。
YMYLに対するGoogleのアップデート
なぜGoogleはYMYLを重視し、常にアップロードするのでしょうか?その背景についてみていきましょう。
YMYLに対するGoogleのアップデートとは
GoogleはYMYLの対象ジャンルに関する人々の関心や世情を元に、常にアップデートを続けており、定期的に信憑性の高い情報を有するサイトの検索順位を上げ、そうではないサイトの検索順位を下げるなどを行ってきました。
たとえば、ヘイトスピ―チが話題を集めた2017年に人種やジェンダーに関する話題が付け加えられ、その後の2018年、2019年にも改訂が加えられました。2019年以降は3〜4回/年の頻度でアップデートされています。
YMYLの領域はそのタイミングで検索順位が著しく変動するため、今後も常に情報をチェックしていく必要があります。でもそもそもなぜ、GoogleはYMYLをこんなにも重視するのでしょうか?
YMYLの考え方が導入された背景
ユーザーの利便性を第一に考えるGoogleは、すべての情報においてユーザーの目線に立った検索体験を提供するために、常にアップデートを繰り返しています。
現在では、検索結果には品質や正確性の高いコンテンツや情報が上位表示されるようになりましたが、以前は検索エンジンのアルゴリズムの傾向を掴んでSEOで上位を獲得する手法が横行し、間違った情報やフェイクデータが溢れていました。
そして、その情報を信じた人たちに健康被害が多発してしまう、医療情報キュレーションサイトの「ウェルク問題」が発生しました。
Googleはこの問題を非常に憂慮し、厳しい評価基準を設けることで検索品質を向上するようになったのです。現在では品質が保たれているため、そのような問題が起きないようになっています。
YMYLとE-E-A-T(旧E-T-A)の関連性
YMYLと同様、Googleの検索品質評価ガイドラインでよく目にする単語に「E-E-A-T(旧E-T-A)」というものがあります。E-E-A-T(旧E-T-A)はYMYLと関わりが深いため、YMYL対策をする場合は知っておく必要がある単語です。
E-E-A-T(旧E-T-A)とは
「E-E-A-T(旧E-T-A)」とは、以下の4項目の頭文字から名付けられたもので、それぞれ「E=Experience(経験)」「E=Expertise(専門性)」「A=Authoritativeness(権威性)」「T=Trust(信頼性)」を指します。
以前は、専門性に特化していることを示す「Expertise(専門性)、コンテンツの内容が正しいかどうかを示「すAuthoritativeness(権威性)」、公共機関や専門家が発信しているような信頼できる情報かどうかを示す「Trustworthiness(信頼性)の頭文字を組み合わせた「E-T-A」と呼ばれていました。
2022年12月16日のGoogle公式発表にて、経験者が発信しているかどうかを意味する「Experience(経験)」が追加され「E-E-A-T」となり、検索品質評価ガイドラインにおいて「ページ品質評価の最重要項目」と記されるほど、SEO対策をするにあたって不可欠な評価基準とされています。
E-E-A-TはYMYLコンテンツを特に厳しく評価
E-E-A-Tは、YMYLを特に厳しく評価します。とりわけ医療に関するジャンルは厳しく、E-E-A-Tの評価基準を満たしていない場合、検索順位を大きく下げることになるでしょう。
YMYLが厳しく評価されるようになったのは「健康アップデート」までの一連の問題が関わっており、人生に影響するようなコンテンツ、特に間違った情報で健康や人生を害する可能性があるコンテンツを掲載しないというGoogleの意図が強く反映されています。
そのためYMYLのジャンルで評価されるには、E-E-A-Tのガイドラインも満たす必要があります。
YMYL領域におけるSEO対策
YMYLに対して「必ず順位が上がる」という対策はありません。一方で、SEOで上位に表示するための本質は、YMYLの分野に限らず言えることでもあります。それは高品質のコンテンツを作成する、信頼性を高めるなど、良質なユーザー体験を提供することです。
Googleが好むコンテンツのヒントは得ることができるため、そういった情報を元に対策をするかしないかで大きな差が出ることもあります。そこで、本記事ではこれまで発表されている情報を持ちに、SEOの中でもYMYLの分野で重視されるであろう対策を紹介します。
質の高いコンテンツを作る
YMYLのカテゴリでは特にコンテンツの品質が問われます。小手先のSEO対策だけをした、中身のないコンテンツでは評価されません。ユーザーが読みたい情報、課題解決となる役立つ情報を多く掲載することが重要で、文献の引用なども信頼性の高い出所を明示する必要があります。
ちなみにGoogleの検索セントラルでは、以下のような記載もあります。
「ユーザーは閲覧したときに良いコンテンツだと感じると他のユーザーに知らせたいと思うものです。クチコミによる自然な評判はユーザーと Google の両方に対してサイトの評価を高めるのに役立ちますが、質の高いコンテンツなしにそうした評判が生まれることはめったにありません」
サイトの評価全般を高めるためにも、大前提としてコンテンツの品質が重要です。また、ここでいうコンテンツの質はYMYL以外の分野でも最重要です。発信するすべてのコンテンツにおいて、できる限り質を高める努力をしましょう。
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良質なコンテンツ作りについてはこちらの記事を参照ください!
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筆者・運営者情報を明確にする
誰が書いた・運営しているコンテンツなのかを掲載していないと、良い評価が得られないようです。特に医療やお金、健康などの専門的なコンテンツでは「誰が」という情報が重視されます。
誰が書いた記事なのかを明確にしたり、筆者のプロフィールやSNS情報を掲載したりして、情報の信頼性を向上させましょう。また「このサイトは誰が運営しているのか」という責任者の情報、問い合わせ先も記載が必要です。
筆者プロフィールの例▼
情報の信頼性をアピール
「専門家監修」「○○資格保持者が執筆」など情報の根拠を記載して、正しさ・信頼性をアピールしましょう。
ただ専門家監修と書いても、読者は本当に監修された記事なのかがわかりません。架空の情報ではないことを示すために、どんな人が監修したのか・書いたのか、簡単な経歴やホームページ情報などを記載すると信頼性が高まります。
数値や正確性が重視される記事は「参考文献」「引用元」などを記載するのも効果的。誰が見ても正確で信頼できると思えるコンテンツ作りが重要です。
定期的にコンテンツを更新する
古い情報を掲載したままだと、その記事の評価が悪くなるだけでなく、サイト全体の評価を低下させる場合があります。掲載した情報が変化したり、古くなったりした場合は定期的な更新が必要です。
YMYLの対策というと難しく聞こえますが、基本的にはユーザーにとって有益で信頼性のあるコンテンツを提供することが本質です。常に最新の情報が掲載されているのも、ユーザーにとっては重要な要素となりますので、定期的にWebサイトは更新するようにしましょう。
被リンクやサイテーションを獲得する
YMYL領域において、被リンクやサイテーションを獲得することは、SEOにとても強く影響します。
運営会社や運営者個人と関係がなく、権威性の高い組織が運営するサイトからの被リンクが望ましいです。被リンクの獲得が難しい場合は、「信頼性が高い」「参考になる」などとSNSや他サイトで紹介される「サイテーション」を獲得できれば権威性が高まります。
また、当然のことながら、自作自演で被リンクを獲得する「ブラックハット」はNGです。
ユーザーがシェアしやすいコンテンツを作成したり、SNSなどへの露出を増やしたりするなど、工夫して取り組むことで被リンクやサイテーションを獲得しやすくなるでしょう。
問い合わせフォームなどのカスタマーサービスを設ける
YMYL領域のサイトのコンテンツは権威性や専門性が高く、一般ユーザーには難しく感じられる傾向にあるので、問い合わせフォームやチャットなどのカスタマーサービスを設けることも大切です。
一般ユーザーの悩みを解消できるだけでなく、更新されていない情報や誤情報が記載されている場合にも、第三者からの問い合わせによって、情報の正確さや鮮度を保つことができます。
YMYLに限らずユーザーの目線を
YMYLの対象ジャンルは、ひとりの人生を大きく左右する場合があります。掲載者は重大な情報を取り扱っているという意識を持ちコンテンツ制作に取り組む必要があるでしょう。
今回紹介した対策を踏まえてコンテンツを作成すれば、ある程度は品質が高く、信頼性のあるコンテンツが作れるはずです。なかなかGoogleに評価されないと悩んだら、試してみてください。
そして、YMYLに限らずこれらの対策は「ユーザーのため」ということを忘れずに、運用をしていただけると幸いです。
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2006年よりWeb制作事業を展開し、これまでBtoB企業を中心に2,300社以上のデジタルマーケティング支援をしてきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。53,000以上のユーザーを抱える「Cloud CIRCUS」も保有し、そこから得たデータを元にマーケティング活動も行う。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意。
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