【2023年最新】検索エンジンとは?各サービスの概要から仕組みまで基本を解説
検索エンジンとは、インターネット上の膨大な情報の海から、ユーザーが必要とする情報を見つけ出すためのシステムです。
インターネットが日常生活に欠かせないツールとなり、情報収集の手段として検索エンジンの重要性は増しています。2023年の日本国内では、AI技術を取り入れた新しいタイプの検索エンジンが登場し、市場に新たな動きを見せています。
この記事では、最新の検索エンジンの概要と、それらが中小企業のマーケティング戦略にどのように役立つかをご紹介します。
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目次
検索エンジンとは
検索エンジンとは、ユーザーが入力したキーワードに基づいて、関連するWebページを検索結果として表示するプログラムのことです。
GoogleやYahoo!などが有名ですが、それぞれ独自のアルゴリズムを用いて情報を索引付けし、最も適切な検索結果を提供しようと努めています。
中小企業にとって、検索エンジンは顧客獲得のための重要なツールです。特に、検索エンジン最適化(SEO)を行うことで、自社のWebサイトが検索結果の上位に表示されやすくなり、潜在顧客に対する露出が増加します。
検索エンジンのタイプ
検索エンジンには、「ディレクトリ型」と「ロボット型」の2つのタイプがあります。
ディレクトリ型
ディレクトリ型とは、カテゴリー別に登録されている検索エンジンのことです。
人手によって審査されているため、登録Webサイト数は少ないですが、信頼性の高いWebサイトのみが掲載されているのが特徴で、コンテンツの質も高いです。
かつては、Yahoo!がディレクトリ型検索エンジンを採用していましたが、現在はロボット型検索エンジンを使用しています。
ロボット型
ロボット型とは、クローラーやスパイダーと呼ばれるロボットがWebサイトを巡回し、情報を収集して登録(インデックス)を行うタイプの検索エンジンです。
短時間で多くのWebサイトをクロールし登録できるのが特徴で、検索アルゴリズムに基づいたSEO対策が可能です。
Googleなどがロボット型の検索エンジンを採用しています。
日本で利用できる検索エンジン一覧
2023年現在、日本で利用できる主な検索エンジンは、次の10点です。
Google(グーグル)
Googleは、世界で最も利用されている検索エンジンです。世界シェアは90%を超え、日本国内のシェアも75%以上あります。
Googleは、世界中の膨大な数のWebページをインデックス登録しているため、ユーザーの検索意図に沿った、より関連性の高い検索結果を表示することができます。
こうした理由から、SEO対策はGoogleの基準で実施すれば問題ないといえます。
Googleでは、単にWebページを検索するだけでなく、画像、ネットニュース、ニュースグループ、ニュース、動画などの検索や、ローカル検索(場所指定検索)、地図検索なども行えます。
Yahoo!(ヤフ-)
Yahoo!は、米国のIT企業であるYahoo Inc.が開発・提供している検索エンジンです。
世界シェアはGoogle、Bingに次ぐ3位、日本国内では、Googleに次ぐ2位となっています。
日本国内で独自のポジションを確立しているYahoo! Japanは、ニュースや天気、地図などのサービスとの連携が強く、情報の検索だけでなく、日常生活に密接に関わるサービスを提供しています。
また、地域情報が充実しており、日本国内の地域情報に特化した検索サービスを提供しています。たとえば、地域のグルメやイベント、ニュース、天気など、地域に関する情報をまとめて検索することができます。
このため、日本のマーケターは、Yahoo! Japanのローカル検索機能を活用して、地域密着型のマーケティングを強化することが可能です。
Bing(ビング)
Bingは、Microsoftが2009年にサービスを開始した検索エンジンです。独自のアルゴリズムと検索技術を使用しています。
世界シェアはGoogleに次ぐ2位、日本国内ではGoogle、Bingに次ぐ3位となっています。
Bingは、検索結果の精度を高めるために、ページの関連性だけでなく、ユーザーの意図を理解しようとするセマンティック検索技術に力を入れています。
また、ビジュアルに優れた検索エンジンとして知られており、画像検索や動画検索に強みを持っています。
NAVER(ネイバー)
NAVERは、韓国発の検索エンジンで、韓国企業のネイバーが運営しています。
世界シェアや日本シェアはさほどありませんが、韓国では70%を超えるといわれています。
Yahoo!のようにポータルサイト型となっており、ニュースや天気、株価、動画、ショッピングなど、さまざまなコンテンツを提供しています。コミュニティ機能も有しており、特定の趣味や関心を持つユーザーに対して効果的なアプローチが可能です。
検索結果がカテゴリーごとに3~5つずつコンテンツが分割されて表示されたり、リスティング広告が強調されて表示されたりする点が特徴的です。
Baidu(バイドゥ)
Baiduは、中国発の検索エンジンで、中国企業の百度公司が提供しています。
中国大陸では、政府がインターネット検閲を行っているため、中国政府の検閲に従わない姿勢を示したGoogleやYahoo!などは利用ができません。このため、中国大陸では、Baiduがトップシェアとなっています。
広告の種類が豊富で、リスティング広告やアドネットワーク広告のほか、インフィード広告、ブランドリンク広告、動画広告などが用意されています。中国市場でのプロモーションに効果的なツールとして位置づけられます。
DuckDuckGo(ダックダックゴー)
DuckDuckGoは、米国発の検索エンジンで、プライバシーと匿名性を重視している点が特徴です。ユーザーの検索履歴や個人情報を追跡したり、広告主や第三者に売ったりすることは、ありません。検索結果のパーソナライズも行いません。
ユーザーが一度にタブや閲覧データを消去できるようなボタンも用意されています。
DuckDuckGoでは、検索ボックスに「!」とサイト名を入力することで、そのサイト内で直接検索することができます。たとえば、「!wikipedia 日本」を入力すると、Wikipediaで「日本」に関するページに飛びます。
また、DuckDuckGoが提供している無料のメールアドレスを利用すれば、ユーザーはメールのトラッキングを防ぐことができます。
YANDEX(ヤンデックス)
YANDEXは、ロシア発の検索エンジンで、ロシア語の検索に強みを持っています。ロシアの多国籍テクノロジー企業であり、インターネット関連の製品・サービスを提供するYandex LLCが運営しています。
YANDEXも、検索機能だけでなく、さまざまなWebサービスを提供するポータルサイトでもあります。たとえば、メールサービスや配車サービス、地図サービス、音楽サービスなどを提供しています。
Yandexは、ロシアのオンライン広告市場で最大のシェアを持っており、検索エンジンやポータルサイトのほかに、提携メディアやアプリにも広告を配信しています。広告主に対しては、検索データやユーザー属性などに基づいたターゲティングや分析などのサービスを提供しています。
Ecosia(エコジア)
Ecosiaは、ドイツ発の検索エンジンで、ベルリンに本社を置くEcosia GmbHが運営しています。
特徴は、環境保護をミッションとしている点。検索による収益の一部を植林活動に寄付しています。また、広告収入の約80%を非営利団体「WWF」に寄付しています。
日本語での検索にも対応しており、パソコンやスマートフォンから利用できるため、社員に対してEcosiaでの検索を推奨することでSDGsへの取り組みを実施する企業もあります。
Google ChromeとMozilla Firefox上でEcosiaのアドオンを追加することで既定の検索エンジンとして使用できます。
CocCoc(コックコック)
CocCocは、ベトナム発の検索エンジンで、ハノイに本社を置くCocCocCo.,Ltd.が運営しています。
ベトナム語の自動入力、自動スペルチェック機能、mp3・動画サイトのダウンロード、高速ダウンロード機能、Facebookとの連携機能などが搭載されています。
ベトナムで開発されたCocCocは、ベトナム語に特化した検索サービスを提供しています。CocCocの広告プラットフォームを利用することで、ベトナム市場に特化したマーケティング戦略を展開することができます。日本国内でベトナムとのビジネスを行っている中小企業にとって、CocCocはベトナム市場へのアクセスを容易にするツールとなるでしょう。
Seznam(セズナム)
Seznamは、チェコ共和国発の検索エンジンで、プラハに本社を置くIT企業Seznam.cz, a.s.が運営しています。チェコ共和国内でのシェアは、Googleに次ぐ2位となっています。
ポータルサイトとしても機能し、ニュース、メール、地図、天気、占いなどのサービスを提供しています。
日本語も検索できますが、日本語の検索結果はGoogleのものとほぼ同じです。
AIが搭載されている検索エンジン
生成AIであるChatGPTの利用が急拡大した2023年、検索エンジンにもAIが搭載され始めました。
2023年11月現在、以下の2つの検索エンジンで生成AIを利用できます。
Google SGE
Google SGEは、Googleが開発した新しい検索機能で検索クエリの意図を深く理解し、より関連性の高い情報を提供することを目的としています。
なお、SGEとは、Search Generative Experienceの頭文字を取ったものです。
このうち、Google検索の生成AI機能は「Search Labs」といいます。
2023年5月10日に発表され、米国のみでプレビュー版が導入されていましたが、2023年8月30日に試験運用の形で日本に上陸しました。
Google SGEでは、ユーザーが入力したキーワードだけでなく、文脈や検索の背景まで考慮されるため、よりユーザーの知りたい検索結果を得られることが期待できます。
Search Labsが利用できるアカウントは順次拡大されており、Googleの検索画面で右上にフラスコのマークが表示されたユーザーは利用が可能です。フラスコのマークをクリックし、SGEを有効にするボタンをオンにすると、利用できるようになります。
(利用にはGoogleアカウントでのログインが必要です。)
Google SGEについて詳しくは、Googleが発表している動画をご覧ください。
Bing AI
Bing AIは、AI技術を組み込んだ新たな検索エンジンとして、2023年2月28日に日本で導入されました。この開発は、大規模言語モデル(LLM)とBingのバックエンドパワーを組み合わせて、独自の「Prometheus」技術を開発したことにより実現しました。
開発の目的は、ユーザーのクエリに対して正確で豊富な回答を1/1000秒以内に提供することで、利便性を高めることです。また、フィードバックを元に不正確な情報を減らす工夫や、攻撃的で有害なコンテンツを防ぐ取り組みも行われています。
Bingにアクセスし、右上の「Copilot」ボタンを押すと、Bing AIを利用できます(利用には、Microsoftアカウントでのログインが必要です)。
会話のスタイルを「より創造的に」「よりバランスよく」「より厳密に」の3種類から選べ、「より厳密に」を選ぶと尋ねた情報だけをシンプルに回答してくれ、逆に「より創造的に」選ぶと関連情報も含めて回答してくれ、「よりバランスよく」は、その中間となります。
検索エンジンの仕組み
検索エンジンがどのように機能しているのかを理解することで、これに基づくSEO戦略を立てることができるようになります。
検索エンジンは、大きく「クローリング」「インデックス」「ランキング」の3つのステップで検索結果を表示しています。
クローリング
検索エンジンにキーワードが入力される前の段階です。
クローリングとは、検索エンジンがWebを巡回し、情報を収集するプロセスです。
検索エンジンのロボットがWebページを訪れ、リンクをたどりながら新しいページを発見し、情報を収集していきます。
Webサイトを運営する際は、検索エンジンがスムーズにクローリングできるよう、Webサイトの構造を適切に整えることが重要です。
なお、Googleが推奨するWebサイトの構造化については、下記ページに記載されています。
Google検索での構造化データのマークアップの仕組み概要
インデックス
クローリングによって収集された情報は、インデックスというプロセスを経てデータベースに保存されます。Webページの内容を分析し、検索クエリに対する回答として適切かどうかを判断し、適切だと判断されればインデックスされます。
Webサイトが検索結果に表示されるためには、コンテンツが適切にインデックスされることが不可欠です。
正規化URLを設定したり、メタタグにnoindexを設定しないようにしたりといった対策を行いましょう。
ランキング
検索クエリが入力されると、検索エンジンはインデックスされたデータベースから最も関連性の高いWebページを選び出し、ランキングを行います。
このランキングは、ページの信頼性、権威性、コンテンツの質、ユーザー体験など多くの要因に基づいて決定されます。
たとえば、Googleの場合は、200種類以上の検索アルゴリズムと照合されます。
検索エンジンを変更する方法
最後に、既定の検索エンジンを変更する方法をご紹介します。
既定の検索エンジンとは、Webブラウザを立ち上げて、アドレスバーにキーワードを入力してからEnterキーを押した際に、優先的に利用される検索エンジンのことです。
検索エンジンを変更するには、まずWebブラウザの設定メニューにアクセスします。
多くのWebブラウザでは、「設定」から「検索」とたどると、利用可能な検索エンジンのリストが表示されます。
この中から変更したい検索エンジンを選択することで、変更できます。
まとめ
この記事では、主な検索エンジンや、AI技術を取り入れた新しいタイプの検索エンジンについて紹介しました。
GoogleやYahoo! Japan、Bingといった大手から、プライバシーを重視するDuckDuckGo、社会的責任を掲げるEcosiaまで、多様な検索エンジンが存在します。
マーケターは、これらの進化する検索エンジンや、検索エンジンの仕組みを理解し、適切なSEO戦略を立てることで、ビジネスの成長につなげることができます。AI搭載検索エンジンの活用は、今後のマーケティングにおいて避けて通れない道となるでしょう。
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2006年よりWeb制作事業を展開し、これまでBtoB企業を中心に2,300社以上のデジタルマーケティング支援をしてきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。53,000以上のユーザーを抱える「Cloud CIRCUS」も保有し、そこから得たデータを元にマーケティング活動も行う。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意。
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