検索順位が上位のサイトは適切なユーザー体験を提供しているサイト。4つの「検索インテント」ごとに求められるSEO対策
最終更新日:2021/08/15
「近くのいい感じのカフェ」 近頃では、このように検索すると、Googleは現在地の近くのカフェを地図とともに表示してくれます。
「世界で2番目に長い川」
こう検索すれば、川の名前を知らなくても、Googleは「世界のおもな川ランキング(長さ)」を表示してくれます。
検索の仕方や、検索によって得られる体験が、みるみる進化していることを1ユーザーとしても実感する近頃。
検索サイトで上位表示するための方法論も大きく変わる時期を向かえています。
今回の記事では、ユーザーの「検索インテント(検索意図)」に応じてに求められる最新のSEO対策についてご紹介します。
1.Googleが実現したい世界
皆さんよくご存じのように、Googleは、全世界の検索エンジンシェア90%以上を誇る検索サービス会社です。
Google社の使命は、「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること」。
その方針は「ユーザーの利便性」が第一で、「有益で関連性の高い情報を提供する」することで、ユーザーの検索体験の価値を高めていくことをめざしています。
SEO業界では、ペンギンアップデートやパンダアップデートなど、Google社の検索アルゴリズムの変更がたびたび話題になってきました。
そのなかで、近年影響力を増しているのが、2015年から導入され始めたAI(人工知能)をベースにした検索アルゴリズム「RankBrain」です。
「RankBrain」は、検索クエリ(ユーザーが検索するときに入力したキーワード)とコンテンツの「関連性」を判断し、検索結果に反映するプログラムといわれています。
つまり、冒頭にご紹介した検索ワードのように、Googleがユーザーの「検索意図」まで理解できるようになったことが、もっとも大きな変化です。
Googleがこのような機能を実装するのは、もちろんユーザーの利便性を高めることが目的です。
ユーザーが検索した際に、意図しない検索結果が上位に表示されれば、使い勝手はよくないのは当然です。
そのためGoogleは、検索クエリからユーザーの検索意図を分析し、より検索意図にあったサイトを上位表示させるように変化しているのです。
そこでWeb運営者にとって気になるのは、どうすればこの新しいアルゴリズムに対応し、自社のサイトを上位表示できるかです。
このような背景から、近年重視されているのが「UX(User Experience/ユーザーエクスペリエンス)」の考え方です。
2.ユーザー体験とは
UXは、日本語では「ユーザーがWebサイトを通して得られる体験」といえます。
たとえば、Webサイトを使ってみて、「求めている情報がすぐに見つかった」「使いやすいサイトだった」「好きなデザインだった」などの感想をもつことがあると思います。
このように、ユーザーがWebサイトを通して得られる体験を「情報設計」「導線」「デザイン」「コンテンツ」など、あらゆる角度から、ユーザー目線で考えることは、ユーザー第一主義であるGoogle社も評価しています。
UXの向上をめざして、ユーザーが求めている情報を「いかに早く、わかりやすく」提示できるかを追求する工程には、検索インテント(検索意図)にあったコンテンツを提供することも含まれます。
つまり、検索インテントにあった適切なコンテンツを設計できているサイトは、ユーザー体験の質を高めるとともに、検索サイトに上位表示される可能性も高められるということです。
3.SEO対策=4つの「検索インテント」対策
では、現在のSEO対策といえる「検索インテント」への対応は、具体的にどのように行えばよいのでしょうか。
Google社は、モバイル時代のユーザーが「検索したい」と思う瞬間を4つに分類しています。
検索インテントもこの4つの瞬間と一致します。
4つの検索インテント(検索意図)
- 知りたい(Knowクエリ)
- 行きたい(Goクエリ)
- やってみたい(Doクエリ)
- 買いたい(Buyクエリ)
参考:Google「マーケターが知るべき4つの瞬間/4 new moments every marketer should know」
それぞれの検索インテントでは、検索結果表示画面での表示方法が異なるほか、タイトルタグやdescriptionに検索キーワードが入っていなくても上位表示されている場合もあります。
これはGoogleがユーザーの検索意図を判断したうえで、ユーザーにとって、もっとも適切と思われるページを、もっとも適切と思われる方法で表示しているからです。
それぞれのクエリについて、詳しく見ていきましょう。
(1)知りたい(Knowクエリ)
・・・検索キーワード例「SEOとは」
●特徴:広告が表示されない(ユーザーの「知りたい」欲求の邪魔になるため)、キーワードが一致していないページでも検索意図に沿ったページが検索結果に表示される。
(2)行きたい(Goクエリ)
・・・検索キーワード例「SEO 新宿」
●特徴:検索結果上部に地図が表示される。
Goクエリの検索結果に影響するのは、キーワードと場所の関連性、クチコミ、検索者からの距離といわれています。
(3)やってみたい(Doクエリ)
・・・検索キーワード例「SEO 自分で」
●特徴:Googleに「知りたい」を満たすコンテンツと判断されるか、「やってみたい」を満たすコンテンツと判断されるかは、明確なルールはわかっていない。
「知りたい」・・・定義、概要、仕組み、利用方法 などのキーワード
「やってみたい」・・・簡単、自分で、やってみる、方法、手順、材料、コツ
などのキーワードが含まれる傾向があるようです。
(4)買いたい(Buyクエリ)
・・・検索キーワード例「SEO 書籍」
●特徴:明らかに「買いたい」意図がある検索キーワードに対して、広告が上位表示される。
たとえば「SEOとは」と検索したときの「すべての検索結果」には、「SEOとは」で対策された広告は表示されません。
つまり、明らかに「買いたい」キーワードに対しては広告が効果的。
「知りたい」キーワードで広告対策をしたり、逆に「買いたい」キーワードで記事対策(自然検索対策)をしたりすることは、効率的ではないといえます。
4.まとめ
長年、SEOの内部対策といえば、「タイトルタグやdescriptionにキーワードを含めることが基本」といわれてきましたが、これも「数ある対策のなかのひとつの要素」という時代になりました。
ユーザーの意図を考え、検索意図に沿った適切なコンテンツを提供するには、Webサイトのより綿密な計画や設計が必要です。
カンペキを求めれば対策の方法は無限にあり、非常に複雑になってきます。
しかし、実のところ、その本質はとてもシンプルなようにも思えます。
これからの時代のSEOは「ユーザーが求めている情報(=検索インテント)を、いかに早く、わかりやすく満足させられるか」がカギです。
そしてこのことは、SEO対策としてだけでなく、自社サイトのユーザー体験を高め、自社のファンを増やすことにもつながります。
Google社が唱えるように「ユーザーにとって一番利便性が高い」方法を追い求めていくことが、これからのSEO対策として必要な、もっとも根本的な考え方なのかもしれません。
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