リードナーチャリングし、リードクオリフィケーションする方法とは!?
最終更新日:2023/11/17
リードナーチャリングやリードクオリフィケーション…よく聞き慣れない方もいらっしゃるかと思うので、まずは言葉の説明をしていきましょう。
リードナーチャリング(見込み客の育成)
リードクオリフィケーション(見込み客の絞り込み)
もう一つ追加して
リードジェネレーション(見込み客の獲得)
これらはマーケティングプロセスを指す言葉ですが、これらをひとくくりにして「デマンドジェネレーション(Demand Generation)=見込み案件の創出・発掘」とよびます。
「見込み案件の創出」と聞いて興味湧いてきた方も多いのではないでしょうか?
本コラムで詳しくご紹介します。
1.獲得したリードのうち、すぐに購入につながるのはごくわずか
普段webサイト、広告、展示会などのさまざまなチャネルで獲得したリードの大半は、一部の例外を除いてそのままではすぐに購買に結びつきません。
このため、見込み客の購入意欲を高めていくリードナーチャリング(見込み客の育成)や購入を促すタイミングを見計らうためのリードクオリフィケーション(見込み客の絞り込み)が必要になってきます。
もちろん、獲得方法にもよると思いますが、購入につながるリードは獲得した全体の件数に対してほんの一部しかないでしょう。
さらに闇雲にリードジェネレーションを繰り返しても、毎回獲得したリードの一定比率が顧客になるとも限りません。
広告のリーチ重視で広げたり、来場数重視で展示会に出展したりすればおのずと購入に繋がる比率は低くなってしまいます。単にリードジェネレーションを実施するだけでは、ROIが低いマーケティング施策になってしまうでしょう。
それでは、リードマネジメントのROIを高めるにはどうしたらいいのでしょうか。方向性としては2つあります。
一つは、リードの獲得コストを下げることです。
たとえば、ホワイトペーパーを配って、たくさんのリードを獲得してターゲットの実数を増やします。低コストでリードを獲得できるが、ただ単にホワイトペーパーが欲しいだけで、製品やサービスに興味のないリードも増え、購買比率が下がり、ROIが平均を下回る可能性があります。
もう一つは、獲得したリードを育成する方法です。
獲得したリードのうち、すぐに購買する層は10%だとしても、残りの90%が絶対に買わない人とは限りません。
残りの90%を、長期的にいかにリードナーチャリングし、購買意欲が高まったタイミングで捉えることによって、10%を20%に高められればROIは上がります。
どちらの方法も、「見込み顧客として確保し育成し時期をみる」ということが重要です。
2.リード(見込み顧客)をどのように育成するか
獲得したリードのうち、すぐに購入に至った10%を除く90%の層は、検討段階がバラバラです。
・BtoB、BtoCどちらでも、一口に「リード」といっても、属性も行動も反応も、それぞれ大きく異なる。
・よって、そのさまざまなリードを育成するには、見込みの度合いによって、コミュニケーションの方法もそれぞれ異なるものが求めれられる。
こうした背景がone to oneマーケティン、リードナーチャリングが求められるゆえんです。
3.リードの育成(リードナーチャリング)、選別(リードクオリフィケーション)のための準備
リードナーチャリング、リードクオリフィケーションをしていくために準備しなくてはいけないことがあります。
この2つです。
①ペルソナ設計
ペルソナ設計については、普段マーケティングなどに触れられている方は、すでにご存じでしょう。ターゲットを明文化するものです。
いくつもターゲットが存在するかと思いますが、ここでは、代表的な人物像をイメージしてください。
ペルソナはターゲットの中の1つの代表であり、ターゲットの中にはマジョリティーを占めるペルソナもいれば、マイノリティのペルソナもあります。
ペルソナの設計ではある人物のさまざまな属性や行動を定義します。
- 性別
- 年齢
- ライフステージ
- 家族構成
- 居住地
- 平日、休日にはどんな行動をしているか
- 商材やサービスに対する購買の価値観がどのようなものか
- 所属企業
- 業務における役割
- 業務の目的
などをまとめていきます。
主要なターゲット像をまずは複数用意していただければと思います。
企業によっては既存顧客のデータから集めてペルソナ設計を酢る企業もあれば、SNSなどでアンケートをとってペルソナの設計をする企業もあるようです。
ペルソナの設計をすることによって、シナリオの仮説立案や設計をしやすくなる効果があります。
②カスタマージャーニー設計
カスタマージャーニーは、自社のお客様になるようなペルソナが、顧客になるまでに体験する「顧客体験」の全体をシナリオ化したものです。
カスタマージャーニーを可視化して地図をつくったものがカスタマージャーニーマップといわれるものです。
カスタマージャーニーマップは、設定したペルソナに合わせて消費者行動モデルの「AISAS(アイサス)」の法則の
「Attension(気づく)」→「Interest(興味をもつ)」→「Search(情報収集する)」→「Action(購入する)」→「Share(情報共有する)」などの要素を描いていきます。
これはペルソナごこに描く必要があり、たとえば、情報を集める一般社員、経営層へ提案する管理職、短期間に決断する必要がある経営層では同じアクションに対しても顧客体験の感じ方は異なってきます。
なので、各ペルソナごとに、顧客体験の中で経験する行動、気持ちなどをシートにつくっていきます。それに対応するマーケティングの施策を考えていきます。
そうすると現状はこの施策がこの部分にあてはまっている、このターゲットの顧客体験には何も施策できていないなどがわかります。
リードナーチャリングでは、見込み客に対してのメルマガ配信やアプリなどでの興味関心のあるコンテンツに誘導し、育成していくというプロセスが繰り返されます。
なので、作成したカスタマージャーニーマップを元に的確な効果が得られるコンテンツが作れるかが重要になってきます。
カスタマージャーニーについては、こちらの記事もご覧ください。
新年度に向けコンテンツ施策を考えよう!カスタマージャーニーの考え方、作り方。
4.リードクオリフィケーションの手法
前章でお伝えした内容で準備を整えたら、実際にリードクオリフィケーションを行います。
カスタマージャナーニーに沿って、リードがスムーズに購入に至るよう、各フェーズで最適な施策を取っていきます(リードナーチャリング)。
①シナリオ
まず、準備してきたカスタマージャーニーに沿ってシナリオ設計を行い、スコアリング設計を行ってリードごとに点数化します。それぞれ、効果測定として見込客の現況を確認する必要があります。
まず、ペルソナごとに、行動や気持ちを洗い出し、それぞれの段階(AISAS)で、どのような施策が効果的か精査します。
マーケティング部門の方だけでなく、営業の方も巻き込んでみると良いものがでてくるかもしれません。
施策を洗い出したら、施策は既存のコンテンツで対応できるか、新しく作るかを考えます。
あとはどのチャネルか。
Webサイト、メルマガ、アプリ、DM、展示会、セミナー、テレビ、雑誌、新聞、ラジオなどなど。
これをカスタマージャーニーマップをみながら、このペルソナには、このタイミングでこの施策をと照らしわせていくのです。
最終的にはいろいろと出過ぎてしまうので、優先順位をつけ、どんなコンテンツを追加するとカスタマージャーニーを完結できるか?という視点が必要です。
②スコアリング
リードクオリフィケーションのもう一つの手法がスコアリングです。
スコアリングとは、リードの行動について、あらかじめ点数を設定して起き、一定の点数を超えたリードをホットリードとして抽出するというものです。
行動だけでなく、リードの属性でも加点することがあります。たとえば、企業規模や業種が自社の理想とするものだったり、担当者に決済権があれば加点するといったものが考えられます。
【注意点】見込客の現況を確認しよう
基本的には、リードナーチャリングを進めるなかで、点数がどんどん上積みされていくことになります。
ただ、設定しておいた一定の点数を超えて、営業にホットリードとしてパスし、実際に営業担当がアプローチしてみると、購買意欲が低く商談に持ち込めるような段階ではないということもあります。
逆に、スコアが設定点数に達していなくても、実は検討段階が進んでいて商談をすればクロージングできる状態のリードがいる場合もあります。
スコアリングは万能ではなく、実際のリードの状況を定期的に確認する必要があるのです。
リードの現況確認の具体的な方法としておすすめしたいのが電話やWeb会議システムを活用して遠隔でコミュニケーションを取る「インサイドセールス」です。 商談前のライトなコミュニケーションを企業にとってもリードにとっても負担の少ないかたちで実現できます。
5.まとめ
なかなか、ここまで踏み込んで施策をされている企業様は少ないように感じますが、取り組まれている企業様が増えてきているのも事実です。
一度、一つのペルソナのカスタマージャーニーマップを作り、コンテンツがあるかないか、施策をしっかりとれているかいないかをチェックをしてみてはいかがでしょうか。
貴社のマーケティング活動に少しでも参考にしていただければ幸いです。
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