サブスクリプションというビジネスモデルとは?ビジネスマンの「#わたしのサブスク」ご紹介
最終更新日:2025/10/31

【この記事の要約】
サブスクリプションとは、製品やサービスを「所有」するのではなく、月額・年額などの定額料金で「利用する権利」を得るビジネスモデルです。顧客は初期費用を抑えられ、企業は継続的な収益を見込めるというメリットがあります。
このモデルで最も重要な指標は、LTV(顧客生涯価値)とCAC(顧客獲得コスト)のバランスです。CACを上回るLTVを生み出さなければ、事業は成り立ちません。そのため、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客の満足度を高めて解約率(チャーンレート)を下げ、長期的に利用してもらうためのカスタマーサクセス活動が事業の成否を分ける鍵となります。
【よくある質問と回答】
サブスクリプションビジネスが成功するために、最も重要なことは何ですか?
解約率(チャーンレート)を低く抑えることです。このモデルは、顧客に長く利用してもらうことで初めて利益が出る構造のため、顧客がサービスに満足し、継続的に使い続けてくれるかどうかが事業の生命線となります。そのために、カスタマーサクセス活動が非常に重要になります。
LTVとCACとは何ですか?なぜ重要視されるのですか?
LTVは「顧客生涯価値」で、一人の顧客が契約期間全体で企業にもたらす利益の総額です。CACは「顧客獲得コスト」で、一人の新規顧客を獲得するためにかかった費用のことです。サブスクリプションビジネスでは、「LTV > CAC」の状態を維持しなければ利益が出ません。このバランスが、事業の健全性を示す重要な指標となります。
これからサブスクリプションビジネスを始める上での注意点は何ですか?
継続的に価値を提供し続ける仕組みを考えることです。売り切りモデルと違い、顧客は価値を感じなくなればいつでも解約できます。そのため、定期的なアップデートや新機能の追加、顧客の利用を促進するコンテンツ提供など、顧客を飽きさせず、満足度を高め続ける努力が不可欠です。
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サブスクリプションとは、もともと英語で「予約購読」の意味があります。そこから転じて、特にソフトウェアの利用形態として、利用した期間に応じて使用料を支払う方式の意味で使われるようになりました。
サブスクリプション方式は、それまで主流だった買い切り型(商品として購入)ではなく、主に月単位で定額の利用料を支払うことで「サービスとして利用」するという考え方に基づきます。
スマートフォンが普及し、これに伴い、定額制で利用できるアプリが台頭しました。 このような月額制・年学制の料金形態は、スマートフォン向けのサービスだけでなく、パソコンユーザーや、オフライン、BtoB分野まで広がりを見せています。
今回は、サブスクリプションのビジネスについてみていきましょう。
1.「サブスクリプション(サブスクリプションモデル)」とは?
サブスクリプションとは、もともと英語で「予約購読」の意味があります。そこから転じて、特にソフトウェアの利用形態として、利用した期間に応じて使用料を支払う方式の意味で使われるようになりました。
それまでは、ソフトウェアを利用するには買い切り方式が多く、バージョンアップには追加料金を払って自分自身で対応しなければなりませんでした。
サブスクリプションになると、バージョンアップやサポート費用を含め、使用するために必要な料金はすべて含まれるため、追加料金は発生せず、初期費用も不要です。また、使用してみて合わないと感じたらすぐに解約でき、コストは最小限に抑えられます。
2.どんなサービスがある?
実際にサブスクリプションを採用して提供されているサービスをいくつかご紹介しましょう。 いずれも、レンタルとの違いや優位性が感じられるサービスとなっています。
リアル
まずは、リアルで提供されるサブスクリプションサービスからです。
車×サブスクリプション

NOREL(ガリバーインターナショナル)
月額1万9,800円から900車種以上の車のなかから自由に乗り換えながら利用できるサービスです。法人契約・個人契約が可能で、受け取り店舗を指定して予約し、次の車を予約するまで利用することができます(使用している車は、次の車と交換となる)。
ファッション×サブスクリプション

airCloset(エアークローゼット)
サブスクリプションはファッション業界にも広がっており、月額料金でプロのスタイリストが選んだ服が定期的に届く、好きな服やアクセサリーを特定点数まで借り放題のサービスなどが出ています。
エアークローゼットには、ライト、レギュラーの2プランがあり、雑誌やテレビで活躍するプロのスタイリストが選んだ服が届き、返却期限はありません。返却時のクリーニングなどは不要で、買い取ることもできます。
外食×サブスクリプション

野郎ラーメン(フードリヴァンプ)
関東に15店舗を展開する、いわゆる二郎インスパイア系のがっつりラーメンを提供するフードリヴァンプが、看板商品である豚骨野郎、汁無し野郎、味噌野郎の3種類を月額8,600円(税別)で1日1杯まで出食べ放題になるアプリを提供しています。豚骨野郎なら12杯で元が取れ、クーポンや独自の会員カード「ブタックカード」との併用も可能です。
デジタル
もともと、サブスクリプションが出てきたのがデジタル分野のサービスでした。代表的なデジタルサービスをご紹介します。
動画配信サービス×サブスクリプション

Hulu(HJホールディングス)
日本での動画配信サービスの草分けといえるHuluはアメリカの会社で本国では2008年に、日本では2011年にサービスを開始し、月額933円で映画やドラマ5万本が見放題になります。2014年に日本テレビが日本向けサービス事業を買収したため、海外映画・ドラマだけでなく国内の映画・ドラマ、アニメも充実しています。
音楽配信サービス×サブスクリプション

Spotify(スポティファイジャパン)
Spotifyはスウェーデンの会社で、本国では2008年に音楽配信をスタートしました。音楽配信サービスではサブスクリプション型ビジネスの先駆けともいえる存在です。
日本では2016年にサービスを開始。月額980円で4,000万曲が聞き放題になります。
ソフトウェエア×サブスクリプション

Creative Cloud(アドビシステムズ)
アドビシステムズは、2013年に、主力製品だったパッケージソフトを、箱入りの買い切り型からサブスクリプションに転換しました。これにより、同社の通年の売り上げは工場。記録更新するなど成功を遂げました。
3.ビジネスメリット・デメリット(問題点)
サブスクリプションのサービスをビジネスユースする場合、どんなメリットがあるのでしょうか?デメリットと併せてご紹介します。
メリット
おもに費用面でメリットが大きい使用形態です。特に、初期費用がかからず、すぐに解約できるという点では、導入のハードルを大きく下げてくれています。
また、通常は、ソフトウェアを購入したら資産として計上されるところを経費として処理できます。
- 初期費用がかからない
- 自社に合わなかったらすぐに解約できる
- 会計上で経費として計上できる
デメリット(問題点)
メリットの多いサブスクリプションですが、買い切り方式にはない以下のようなデメリットもあります。
- 利用期間が長期化する場合、買い取り形式よりも高くつくことがある
- 提供企業が倒産したり事情撤退すると、サービスを利用できなくなる
- 契約更新時などのタイミングで値上げされることもある
以上は、ユーザーとしてサブスクリプションサービスを利用する場合のメリット・デメリットですが、自社が提供することを考えた場合のメリットとしては「毎月の売上が安定する」「新規利用者にとってハードルが低いので導入させやすい」「利用状況に関するデータを取得・分析しやすい」などがあります。
一方、デメリットは「最大利用時の負荷に耐えうるリソースの確保が必要」「ユーザーに解約されない工夫を随時行わなければならない」などになります。
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4.ビジネスマンが実際に使ってる「#わたしのサブスク」ご紹介
では、実際にビジネスでサブスクリプションのサービスを利用している人たちに人気を集めているのは、どういったサービスなのでしょうか?
ここでは、ツイッター上で「#わたしのサブスク」を初めて投稿した張本人の今井雄紀氏ほか、ビジネス上の著名人などが利用しているサブスクリプションサービスをご紹介します。
株式会社ツドイ代表取締役 今井雄紀氏の「#わたしのサブスク」
Webメディア・オウンドメディアの編集やイベントを行う株式会社ツドイの代表取締役である今井雄紀氏は、2018年1月3日の夕方、「#わたしのサブスク」というハッシュタグをつけて自身が利用しているサブスクリプションサービスを投稿しました。
#わたしのサブスク
— 今井雄紀@株式会社ツドイ (@imai_tsudoi) 2018年1月5日
■エンタメ
AppleMusic
Netflix
WOWOW
NHKオンデマンド
Amazonプライム
PS plus
■メディア
NewsPicks
dマガジン
■アプリ
ATOKクラウド
Office 365
■グルメ
食べログ
■交通
コミュニティサイクル
タイムズカーシェア
■note
しおたんのnote
ひらりささんのnote
紹介されていたサブスクリプションは以下です。
| エンタメ | AppleMusic、Netflix、WOWOW、NHKオンデマンド Amazonプライム、PS plus |
|---|---|
| メディア | NewsPicks、dマガジン |
| アプリ | ATOKクラウド、Office 365 |
| グルメ | 食べログ |
| 交通 | コミュニティサイクル、タイムズカーシェア |
| note | しおたんのnote、ひらりささんのnote |
ビジネス人の「#わたしのサブスク」
ビジネス界の著名人を中心に、利用されているサブスクリプションサービスを数名分、ピックアップしてご紹介します。
最所 あさみ(asami saisho)
NewsPicksコミュニティマネージャー。
#わたしのサブスク 続き
— 最所 あさみ(asami saisho) (@qzqrnl) 2018年1月6日
■仕事
note
freee
Nimbus note
Google drive
あれ、意外と仕事関連少なかった…!
SlackもTrelloもヘビーユーザーだけど課金してまで使いたい機能がないんだよなぁ🙄
あとやっぱりモノ系のサブスクは解約しがち…
岡本真帆(まほぴ)
三田紀房『ドラゴン桜2』担当編集。
#わたしのサブスク
— 岡本真帆(まほぴ) (@mhpokmt) 2018年1月5日
■エンタメ
Netflix
Amazonプライム
プライムミュージック
週刊少年ジャンプデジタル
■メディア
NewsPicks
■note
結城さん @hyuki
しおたん @ciotan
■コミュニティ
設楽さん@ysksdr のサウナサロン
徳谷 柿次郎@Huuuu inc.
株式会社Huuuu代表。どこでも地元メディア「ジモコロ」(@jimocoro)/小さな声を届けるWEBマガジン「BAMP」(@bambambamp)編集長。
#わたしのサブスク
— 徳谷 柿次郎@Huuuu inc. (@kakijiro) 2018年1月6日
■エンタメ
Amazonプライム
apple music
■メディア
NewsPicks
日経BP
ナショナルジオグラフィック年間購読
dマガジン
■仕事
Dropbox
misoca
freee
chatwork
割と普通なラインナップ。日経BPは年明けに紙を購読してみました。
さっちん@D×P広報/資金調達マネジャー
通信・定時制高校の高校生をサポートするNPO団体「D×P(ディーピー)」で広報とファンドレイジングのマネジャーを担当。
#わたしのサブスク
— さっちん@D×P広報/資金調達マネジャー (@sachiiritani) 2018年1月6日
Apple Music
Dropbox
ADOBE CC
Newspicks
メチャカリ
VSCO
seven(筋トレ)
Letter
しおたんnote
地元農家のお野菜
D×P寄付会員
Homedoor寄付会員
ファンドレイジング協会会員
過去
Amazon prime
Todoist
Evernote
マネフォ
今年は難民支援協会さんとsoarさんの寄付やりたい🙌
ナユ / to-R Inc.
フロントエンドエンジニア。デジタルハリウッド大学で講師も行う。
意外とそんなにないなー
— ナユ / to-R Inc. (@nayucolony) 2018年1月11日
■エンタメ
Amazonプライム
Spotify
■仕事
bear
AdobeCC
GitHub
■メディア
CodeGrid#わたしのサブスク #peing #質問箱 https://t.co/OGUsXnfmiG pic.twitter.com/SLyzOC5gUb
るってぃ/プロ無職
「プロ無職」として、Airbnb(エアビーアンドビー)ブログ『エアログ』の運営ほかコンサルティングや講演活動を行う。
#わたしのサブスク
— るってぃ/プロ無職 (@rutty07z) 2018年1月5日
26歳、フリーランスのワイ
■仕事
Gdrive
LINE@
サーバー代
ドメイン代
ポケットWiFi
■エンタメ
Amazonプライム
Audible
■メディア@ciotan @annin_book のnote
■生活
ケータイ(楽天モバイル)
🆕ハイパーリバ邸準住民
🆕ジム
定額課金は月3万以下!家賃0円なのがデカい
5.サブスクリプションのこれから
アドビシステムズのように、従来は売り切り型のビジネスモデルをとっていた企業がサブスクリプション型にシフトする例はもちろん、近年では、最初からサブスクリプション型でサービスを提供するスタートアップ企業も増えています。
特に、シリコンバレーでは、家具のサブスクリプションサービスを展開するFeatherや、歯の矯正サブスクリプションサービスを提供するCandidなど、サブスクリプションによる新サービスが続々とリリースされています。
日本でも、今後、BtoBのサブスクリプション型ビジネスの拡大が予想されており、サービスリリースをバックアップするプラットフォームや支援ビジネスの増加が先行する見込み。
サービスを利用する立場としても、提供する立場としても、サブスクリプション型ビジネスモデルの動向に、これからも目が離せなくなりそうです。
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【English summary】
A subscription is a business model where customers gain the "right to use" a product or service for a fixed fee, such as monthly or annually, rather than "owning" it. The advantages are that customers can keep initial costs down, and companies can expect continuous revenue.
The most important metrics in this model are the balance between LTV (Lifetime Value) and CAC (Customer Acquisition Cost). The business is not viable unless it generates an LTV that exceeds the CAC. Therefore, the key to success is not just acquiring new customers, but also enhancing the satisfaction of existing customers to lower the churn rate and encourage long-term use through customer success activities.




