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顧客の成果を実現する!今大注目のカスタマーサクセスの考え方とは

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2018/10/03
顧客の成果を実現する!今大注目のカスタマーサクセスの考え方とは

近年、カスタマーサクセスという考え方が日本にも広まってきました。聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

今回は、アメリカでカスタマーサクセスソフトウェアを提供するGainsightのCEOニック・メータ氏、同社CCO(最高顧客責任者)のダン・スタインマン氏、カスタマーサクセスを通じて企業の成長を支援するコンサルティング企業シックスティーン・ベンチャーズの創業者リンカーン・マーフィー氏の3名が著した「カスタマーサクセス(英治出版、2018年)」を参考に、カスタマーサクセスの基本的な考え方について紹介します。

カスタマーサクセスとは?

カスタマーサクセスとは、その名の通り「顧客の成果を実現する」活動を指します。
自社商材・サービスを売って終わりではなく、その商材・サービスを顧客が手にした後に、それを用いて顧客の成果が最大化できるようなサポートや、時には能動的なアプローチをすることもあります。

商材を購入してもらった後の活動としては、「カスタマーサポート」という考え方がかなり一般的ですが、これは企業側が基本的に受け身であり、顧客が自社商材を使っている中で不明点や要望があった際にそれらに応えるというコミュニケーションが多い活動です。
しかし、「カスタマーサクセス」はこのカスタマーサポートとは全く違うものと定義されており、常に受け身で顧客からのアクションを待っているのではなく、顧客の成果を実現するために時にはこちらからアプローチをすることも含まれます。

自社商材を最も効果的に活用してもらうための活用法を、その顧客それぞれに用意し提案をし続けたり、「使い方が分からない」「面倒くさい」と思われないために商材の操作自体を簡単なものにしたり、不明点があった際にも顧客が簡単にアクセスできるようなFAQなどのコンテンツを充実させたり、もちろん従来のカスタマーサポートに含まれるような人的なサポートもカスタマーサクセスの一環です。

なぜカスタマーサクセスが必要になったのか

企業がこぞってカスタマーサクセスに注目する背景には、 “サブスクリプションモデル”が増えてきたことが大きな要因としてあげられます。
サブスクリプションモデルとは、ユーザーが利用期間に対して支払いをする形式のことです。
SaaSサービスとは

クラウドの出現により、SaaS(Software as a Service)サービスが急激に世の中に浸透してきました。
SaaSとは、利用者側がソフトウェアを設置するのではなく、提供側で稼働しているソフトウェアをネットワーク経由で利用するサービスを指します。

SaaS系のサービスは利用期間に対して課金するサブスクリプション型のビジネスモデルのため、導入してもらって終わりではなく、導入した後に価値を感じ続けてもらい継続してもらうことが重要です。
そういった背景から、カスタマーサクセスが重要視されるようになってきました。

一見、導入後の顧客にそこまでの工数を割くのは効率が良いとは思えないかもしれませんが、カスタマーサクセスにおいて“解約されない”こと、そして“その他の商材も導入したい”と思ってもらう(アップセル)ことは最大の利益と考えられています。

これはSaaS系サービスに限りませんが、一般的には既存顧客の解約を阻止するよりも新規で顧客を獲得するほうが何倍もリソースやコストがかかります。
効率的に売上を上げるためにもカスタマーサクセスは重要な考え方として捉えられています。

カスタマーサクセスに必要な考え方

顧客とベンダーの関係性

顧客とベンダーの関係性は、何もせずにいると離れていってしまうことが多いと言われています。
特にSaaSサービスの場合は、ツールや商品の継続率が悪かったり、競合商品に乗り換えられてしまったりなど、そのリスクはさらに大きくなります。
そこで、そうならないために顧客との間の関係性をきちんと築く必要がでてきます。

解約を防ぎ顧客と関係性を築くためには、そもそもなぜ顧客がサービスの解約という選択肢をとるのか理解していなければなりません。
『カスタマーサクセス』の中では、解約の理由として10のパターンが紹介されています。

①金銭的リターンや事業価値が得られない

②実装が遅れたり完全に止まったりしている

③プロジェクトスポンサーやパワーユーザーがいなくなる

④製品定着率が低い

⑤別のソリューションを利用している会社に買収された

⑥製品の機能が足りない

⑦新たなトップが方向性や戦略を変えつつある

⑧品質の低さや性能の問題に影響されている

⑨製品が自社にとって適切な解決策でないことがわかった

⑩人的要因

そしてさらに、これらを防ぐための事前対策、解約の危険信号を受けてからの事後対策を行うためには顧客の状況を適切に把握する必要があります。
そのためには顧客が「どういう目的で」「何を達成(解決)するために」自社のサービスを導入しているかを理解していなければなりません。
カスタマーサクセスでは、自社のサービスを使って何がしたいか、という顧客の目標を確認し、そのための手助けや進捗確認、定期的な連絡を行います。

カスタマーサクセスにおける顧客とのタッチポイントは3種類あります。
①ハイタッチ②ロータッチ③テックタッチです。
これは顧客に対する対応レベルによる区別で、この3種類のコミュニケーションを使い分け、顧客の成功と自社の収益とが両立するようにバランスを取ります。

ハイタッチとロータッチとテックタッチ


ハイタッチでは、ベンダー側がかなりの工数を割くため、基本的には“顧客価値が高い”ユーザーに用いられることが多くあります。
ハイタッチには、毎月の現状確認の打ち合わせなどの定期的なやり取りと、製品の使用頻度が下がった場合などの不定期的なやり取りに分けられます。

テックタッチとは、顧客との接点がテクノロジーベースで、直接顧客に対応することなくカスタマーサクセスを行うことです。
主な手段はメールであることが多いですが、その他にもマニュアルサイトやオンラインコミュニティ、ウェビナーなどがあります。
顧客の対応全てを個別対応にしてしまうのはコストがかかるうえに、そこまでの工数を割くことは難しい会社が多いため、カスタマーサクセスではこのテックタッチのコンテンツをいかに増やしていくかが重要になります。

最後に、ロータッチとはハイタッチとテックタッチそれぞれのモデルの混合であり、両方の要素が入っています。
ハイタッチ客にしているような上質な対応を約束するほどのそうでもないが、ある程度個別に対応したいという層に用いられます。

 

カスタマーヘルス

カスタマーヘルスとは、顧客がその商品を使うにあたって健康な状態であるかどうかを判断する指標のことをいいます。
この指標を決めるためには、まず顧客がどういう状態なら健康なのか定義する必要があります。
健康状態はその会社やサービスによって様々ですが、『カスタマーサクセス』では例として、製品定着率、どれくらいサポートセンターに問い合わせがあるのかという頻度、アンケートなどの調査結果、こちらからのマーケティング活動への反応度、コミュニティへの参加度、契約金額の増額を挙げています。

そして健康かどうかを管理する方法ですが、それぞれの指標ごとにヘルススコアという点数を設け、〇点以上であれば健康、逆に〇点以下であれば健康ではないため解約などの危険性がある、という基準を社内で決定し運用していきます。

ヘルススコアが低いがもともとの顧客価値が高い顧客には、ハイタッチで積極的にコミュニケーション取っていく必要がありますが、そういった対応レベルの検討や、そもそも顧客が何に不満を持っているのかなど、カスタマーヘルスはカスタマーサクセスを管理するために重要な考え方です。

会社全体で取り組むこと

カスタマーサクセスが成功するための重要なポイントは、社内の各部門と連携し会社全体でカスタマーサクセスに取り組むことです。
「製品をつくること」「製品を売ること」と並び会社の第三の核として「カスタマーサクセス」を考えていく必要があります。

カスタマーサクセス活動をするためには、事業上のあらゆる問題をカスタマーサクセスの概念に基づいた仕組みに構成しなおすことになります。
製品にどういう機能をつけ、どういった顧客に営業をするのか、など従来の考え方と全くちがう方向性になる会社もいるかもしれません。

新規顧客を獲得するための手段ももちろん大切ですが、先述したように既存顧客に継続してもらうことや追加の受注をもらうことは、新規顧客の開拓に比べて非常に効率的です。
カスタマーサクセス活動を実現するために、一部署だけでなく会社全体の各部署がその考え方に基づいた活動に方向性を変えていく必要があります。

事例

ベルフェイス株式会社(https://corp.bell-face.com/)はWeb商談ツール「bellface」を販売しています。
bellfaceは、BtoBセールス・顧客サポートに特化したインストール・ログイン不要の画面共有システムで、インサイドセールスシステムとして活用されています。

ベルフェイス株式会社は、サービス導入時はもちろんですが、継続的にbellfaceを活用するためのルールや組織作りというところまで顧客をサポートする体制を整えています。
今回は①導入支援②運用支援③ユーザー会④技術サポートの4つを紹介します。

①導入支援

まずはキックオフミーティングを行い、導入後の目標や解決すべき課題を一緒に設定してくれます。
次に、インサイドセールスの基礎トレーニングと題し、担当コンサルタントが営業フローや課題を分析しその顧客に最適な使い方やルールを提案してくれます。
オンライン商談のノウハウがないという顧客でも大丈夫なように、オンライン商談に適した資料やトークスクリプトの作成のアドバイスもしてくれます。

そして、実践のロールプレイングまで行ってくれるそうです。
作成した資料やトークスクリプトを試すということはもちろんですが、どの機能をどういったタイミングで使いべきかなどをベルフェイスのコンサルタントを相手に商談のようにロールプレイングを行います。

②運用支援

月2回、ツール使用頻度と時間が分かるレポートを配信し、導入して効果があったのかを顧客が定量的・客観的に分析することができます。
また、担当のコンサルタントが定期的にサポートをしていて、売り上げを上げる方法や課題への対策を提案してくれるそうです。

ツール導入後に疎かになりがちな効果測定を行ってくれるだけでなく、担当コンサルタントのサポートがあることで、顧客の成果を実現するために導入後のサポートが充実していることが分かります。

③ベルフェイスユーザー会

ベルフェイス株式会社は定期的に「ベルフェイスユーザー会」と題し、顧客同士が関係性を築けるような場を作っています。
ユーザー会では、bellfaceを導入して成果が上がった企業が登壇して自社の活用方法を紹介し、顧客同士の交流会もプログラムにあります。

会社から事例として導入事例を話すことももちろん大切ですが、実際に活用し成果が出ている顧客の話を聞くことで、導入したばかりのユーザーが自社で活用する具体的なイメージをすることができます。
また、ユーザー同士の交流会では、今どんなことに困っているか、どのように使っているか、などを共有でき、顧客がサービスから離れない要因を作る場として機能しています。

④技術サポート

こちらは一般的に言われているカスタマーサポートの領域になりますが、ベルフェイス株式会社は顧客が質問をチャットに投げかけると2分以内に返信してくれます。

分からないことがあった時に即座に答えをもらえるという環境を整備しており、顧客のストレスはかなり少ないのではと想定できます。
ちなみに、テクニカルサポート対応後のアンケートでは94%の満足度だそうです。

このように、ベルフェイス株式会社は顧客からの質問に答えるという従来のサポート領域だけでなく、お客様の成果のためにかなり踏み込んだ施策をしていることが分かります。
こういったサポート体制はベンダー側としてはかなり工数を割くことになりますが、結果的には顧客とのエンゲージメントを高め、顧客を離れにくくする仕組みになっており、LTVを最大化するための活動になっています。

まとめ

カスタマーサクセスは、サブスクリプションモデルが増えたことやSaaS系サービスが増えたことなど、様々な背景でビジネスにとって必要な考え方になってきています。
カスタマーサクセスの基本的な考え方を理解し、自社の商材・サービスで実践することを考えていきましょう。

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