デマンドジェネレーションとは?3ステップのプロセスを解説
最終更新日:2025/10/16

【この記事の要約】
デマンドジェネレーションとは、BtoBマーケティングにおいて、「需要(デマンド)を創出し、質の高い商談を生み出す」までの一連のプロセスを指します。単発の施策ではなく、体系的な仕組みです。
このプロセスは、①リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)、②リードナーチャリング(見込み顧客の育成)、③リードクオリフィケーション(見込み顧客の選別)という3つの段階で構成されます。MAツールなどを活用して、これらのプロセスを一元管理し、マーケティング部門と営業部門が連携することで、継続的に、かつ効率的に商談を創出し、売上に貢献することを目指す、現代BtoBマーケティングの中核的な考え方です。
【よくある質問と回答】
Q1. 「デマンドジェネレーション」とは、具体的にどのような活動を指すのですか?
A1. 見込み客を見つける活動(リードジェネレーション)、見込み客を育てる活動(リードナーチャリング)、そして育った見込み客の中から商談になりそうな人を選別する活動(リードクオリフィケーション)という、3つの活動を合わせた一連のマーケティングプロセス全体を指します。
Q2. 「リードジェネレーション」と「リードナーチャリング」の違いは何ですか?
A2. 「リードジェネレーション」は、展示会での名刺交換やWebサイトからの資料請求などを通じて、将来顧客になる可能性のある人の連絡先を「獲得する」段階です。一方、「リードナーチャリング」は、獲得した連絡先に対して、メールマガジンやセミナー案内などを通じて有益な情報を提供し続け、関係性を深めながら購買意欲を「育成する」段階を指します。
Q3. なぜ今、デマンドジェネレーションが重要視されているのですか?
A3. インターネットの普及により、顧客自身がWebサイトやSNSで製品情報を簡単に比較検討できるようになったためです。企業からの一方的な売り込みが効きにくくなり、顧客の検討プロセスに合わせて長期的に情報を提供し、信頼関係を築いた上で商談につなげるという、顧客主導の考え方が必要になったため、デマンドジェネレーションが重要視されています。
【ここから本文】
デマンドジェネレーションとは購買意欲の高いリードを育成・発掘する活動のことです。一連の活動を通して、営業を効率化させ、商談数を最大化していくことが目的となります。
インターネットが発達し、顧客はネット・リアル関係なく、自由に商品情報を入手し、比較・購入できるようになりました。そのなかで自社商品を選んでもらうためには、『デマンドジェネレーション』は欠かせないプロセスとなっています。
本記事ではデマンドジェネレーションの意味や、重要になった背景、一連の流れをご紹介します。

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デマンドジェネレーションとは?
デマンドジェネレーションとは、営業部門へ渡す、案件化できる可能性の高いリードを発掘、育成する活動のことです。
デマンドジェネレーションは、リードジェネレーション(見込み顧客獲得)とリードナーチャリング(見込み顧客育成)、リードクオリフィケーション(見込み顧客の絞り込み)の3つで成り立っており、情報発信だけでなく、顧客との交流も必要になります。
デマンドジェネレーションが重要になった背景
デマンドジェネレーションが重要といわれるようになった背景には、新規顧客の獲得が難しくなったことがあげられます。
顧客の動きをコントロールできない時代に
インターネットが普及する以前は、広告や知人の口コミを参考に商品を購入する人が多くいました。しかし近年、インターネットの普及により顧客の購入経路が複雑化しています。
ネットサーフィンでたまたま見かけた商品を購入したり、口コミを見て購入したり、SNS・アプリがきっかけで購入する人も増えました。
企業が顧客の動きをコントロールするのは、もはや不可能に近い状態です。そのため、デマンドジェネレーションを行いコツコツと顧客を発掘・育成していく、という一見遠回りに見える作業が、実は商談につながる近道といえます。
多くの製品が世にあふれ、選択肢が増えた
安価な海外製品が輸入されるようになり、似たような製品間では価格競争が激化しています。また通販・店舗、さまざまな販売形態が確立され、顧客は無数にある商品を比較し、一番良いと思うものを選択できるようになりました。
競争が激化していくなかで生き残るには、価格・商品の質以外に、買い手の心をつかむ「何か」を提供していくことが重要です。
その「何か」を補うのがデマンドジェネレーションです。
デマンドジェネレーションの3ステップ
デマンドジェネレーションには、リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーションの3ステップが必要です。
リードジェネレーション
リードジェネレーションとは、将来顧客となる可能性が高い個人や企業(リード)を獲得するための活動のこと。主に、ターゲットにアプローチするための個人情報取得を目指し活動します。
具体的にいうと、問い合わせや資料請求、ホワイトペーパーのダウンロード、メルマガ登録、ウェビナー登録など。オフラインでは、展示会での名刺交換やセミナー登録などで個人情報収集を目指します。
リードの数が多いほど顧客獲得のチャンスが増えます。デマンドジェネレーション成功のための土台を支える施策です。
リードジェネレーションの手法例
では、具体的なリードジェネレーションの手法の例を、オフライン・オンラインに分けてご紹介します。
オフラインの手法
オフラインにおけるリードジェネレーションでは、Webではなくリアルの世界で顧客接点を作り、見込客を獲得します。
代表的な手法は、展示会やセミナーなどが挙げられます。
展示会
自社の製品・サービスに関連のある展示会にブースを設けて出展する方法です。ノベルティを配布して、それと引き換えに名刺を交換したり、ブースに立ち寄ってくれた方に声掛けをし、リード情報を集めます。来場者数の多い展示会では、数多くの見込客を獲得できますが、その分、見込み度の薄いリードも多く含まれるため、展示会後のナーチャリング活動やアプローチが非常に重要です。
できるだけ多くリードを獲得するためには、当日のオペレーションや事前準備も重要です。有効なリードジェネレーション施策として機能させるために、しっかりと戦略を立てるようにしましょう。
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セミナー
自社で主催するセミナーのほか、他社との共催セミナーや、他社が主催するセミナーへの登壇などがあります。いずれの場合も、事前登録や、開催後、参加者にアンケート回答を求め、リード情報を集めます。
参加者数を最大化するためには、事前の告知やPR、広告出稿などが不可欠です。企画して終わりではなく、集客の施策までをしっかりと設計するようにしましょう。
オンラインの手法
オンラインの手法としては、顧客との対面の接点は持たず、Webサイトを通して行われるのが一般的です。
Webサイトからのコンバージョン獲得
Webサイトへ見込み客が訪れる仕組みを作り、問い合わせや資料ダウンロードにつなげる手段です。
まずはじめに、自社が運営するコーポレートサイトやサービスサイト、メディアサイトといったWebサイトに訪れてもらう必要があるため、自社製品のターゲット層にSEOや広告出稿などを行って流入数を増やします。この時にどういった手段でいつまでにどの程度、アクセスを増やすのかを設計することがとても重要です。
集客の施策として第一に想起されがちなSEOは成果が出るまでに時間がかかるうえに、確実に増やせるような施策ではないため、短期的にアクセスを増やせる広告を併用して実施する企業が増えています。ほかにもSNSやメルマガなど、集客の手段は年々多様化しています。
そのうえで、問い合わせをもらったり、資料請求やホワイトペーパーのダウンロード、メルマガ登録などを促す導線設計・回遊設計を実行し、コンバージョンを獲得します。あくまで重要なのは有効商談数の最大化なので、そこから逆算してコンバージョンを獲得するために、集客や回遊施策のどこにボトルネックがあるのかを把握し、施策を打っていきましょう。
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オンライン展示会
近年注目を集めているのリードジェネレーション施策がオンライン展示会です。コロナの影響でリアルイベントが難しくなったため、オンラインで展示会のようなイベントに出展する企業が増えています。
自社で開催することもあれば、プラットフォームが開催する展示会に申し込むこともあり、今後ますます発展が期待される施策となっています。
参加社は各企業の資料をダウンロードし、そこからリードジェネレーションにつながっていく流れです。詳しくは下記の記事にまとめているので、併せてお役立てください。
オンライン展示会とは?製造業が取り組むメリットや出展の流れまで
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また、リード獲得手法については、下記の記事もご覧ください。
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リードナーチャリング
リードナーチャリングとは、リードジェネレーションによって獲得したリードとの信頼関係を構築し、購買意欲の高い顧客へと育成(ナーチャリング)するための活動です。
リードを獲得しても、すぐに案件化できるわけではありません。放置すれば営業の機会が失われ、他社競合に案件を奪われることも。そこでリードナーチャリングを行い、リードと継続的に接触を図ります。
リードナーチャリングの手法例
具体的には、メルマガ配信やセミナーの開催、Webコンテンツ提供など。中長期的なフォローで自社のことを印象付け、良好な関係性を構築していきます。
リードナーチャリングの手法には、「SNS」「広告」「メール」「セミナー」「インサイドセールス」の5つがあります。
いずれの手法においても、基本的に、自社メディア(ブログ形式のオウンドメディア)で記事コンテンツを公開し、それを元に使うことが多いです。
SNS
Facebook、Twitterなどで企業アカウントを取り、情報発信する方法です。
必ずしも見込客の会社名や実名といった確かな情報が得られるわけではありませんが、オウンドメディアに掲載した新着記事の情報、新製品情報などを投稿し、コーポレートサイトやオウンドメディアへ誘導するのに適しています。
ファンページなど、自社のファンやユーザー同士がコミュニケーションを取る場を作って提供する方法もあります。
広告
企業IPから広告配信先を限定して配信を行う企業ターゲティング広告や、Webサイトを訪問したことのある見込客に対して広告を表示させるリターゲティング広告を用いて製品を訴求したり、広告を閲覧した見込客のステータスを上げて、次のナーチャリング施策を行ったりと、広告を活用してリードナーチャリングを行う手法です。
メール
リードナーチャリングにおけるメールは、メールマガジンのように全員に同じ内容を送るものではありません。
ストーリー性(シナリオ)のある複数のメールを一定のスケジュールに沿ってメールを順番に送信する「ステップメール」や、条件ごとに分類された見込客グループごとにメールの内容を変えて送信する「ターゲティングメール(セグメントメール)」などがあります。
※メールマーケティングの必要性から、成功事例や参考テンプレートを記載した無料ダウンロード資料もございます。
よろしければこちらも併せてご利用ください。
>BtoB企業向けメールマーケティングガイドライン(無料)
メールマーケティングに関して、詳しくは下記の記事もご覧ください。
メールマーケティングとは?成功事例や目標設定方法などを集約しました!
リードクオリフィケーション
デマンドジェネレーションの最後のステップとなるリードクオリフィケーション。これは、案件化・受注できる可能性の高いリードを絞り込んでいく活動を指します。
代表的な施策としては、リードの行動や行動履歴、興味関心の度合いから顧客の購買意欲をスコアリング・可視化させ、ホットリード(見込み度合いの高いリード)を抽出。営業に渡します。
スコアリングは、商品に対する反応、ウェブへの訪問数、セミナーの参加状況、資料ダウンロード率など、さまざまな要素を絡めて判断しましょう。緻密に分析し、適切な条件でリードを絞り込めば、案件化や商談につながる可能性がぐっと高まります。
リードクオリフィケーションは行動履歴が必要となるため、MA(マーケティングオートメーション)を利用することが多いです。
まとめ
デマンドジェネレーションは、営業に渡すための成約率の高いリードを絞り込む活動。ただ絞り込むだけでなく、リードを獲得し購買意欲を育成、ホットリードを絞り込むまでの一連の流れが必要です。
時間はかかりますが、購買意欲の高さがわからず探り探り営業活動を行うよりも商談につながる可能性が高まります。ホットリードならではのアプローチに注力できるため、効率的な営業活動ができることもメリットです。
営業を効率化させたい、案件化を増やしたいという人は、ぜひデマンドジェネレーションを取り入れてみてください!
【English summary】
Demand generation in B2B marketing refers to the entire series of processes from "creating demand" to "generating high-quality business deals." It is a systematic mechanism, not a one-off measure.
This process consists of three stages: (1) Lead Generation (acquiring prospects), (2) Lead Nurturing (developing prospects), and (3) Lead Qualification (selecting prospects). It is a core concept in modern B2B marketing that aims to continuously and efficiently create business deals and contribute to sales by centrally managing these processes using tools like MA and by fostering collaboration between the marketing and sales departments.







