製造業におけるホワイトペーパーの重要性と具体的な事例を紹介!
最終更新日:2025/11/05

【この記事の要約】
ホワイトペーパーとは、顧客の課題解決に役立つノウハウや調査レポートなどをまとめた資料で、Webサイト上で顧客情報と引き換えに提供されます。製造業において、顧客が情報収集段階でいきなり「問い合わせ」をすることは心理的ハードルが高いため、ホワイトペーパーの設置が不可欠です。これにより、まだ購買意欲が明確でない潜在顧客とも接点を持つことができ、その後の関係構築やニーズ把握の基盤となります。
効果的なホワイトペーパーを作成するには、まず顧客を深く理解することが重要です。「どの購買フェーズの顧客が、どのような情報を必要としているか」を分析し、最適な資料を提供する必要があります。例えば、業界の「基礎知識」資料、具体的な「用途・事例集」、「導入・選定ガイド」、既存顧客の「お客様の声」など、顧客の検討段階に合わせた多様な資料を用意することが有効です。これらを整備し、顧客との接点を創出・維持することが、製造業のマーケティングにおいて重要な施策となります。
【よくある質問と回答】
なぜ製造業でホワイトペーパーが重要なのでしょうか?
顧客、特に情報収集段階の担当者にとって、いきなり「問い合わせ」をすることなく、有益な情報を得られる手段だからです。「資料ダウンロード」という形で接点を持つことで、企業側は将来顧客になる可能性のある潜在層の情報を得て、継続的な関係構築につなげることができます。
どのようなホワイトペーパーを作成すればよいか分かりません。
まずは顧客がどの検討段階にいるかを考えることが重要です。例えば、情報収集を始めたばかりの人には業界の「基礎知識」や「用語集」、具体的に課題を感じている人には「テクニック集」や「事例集」、導入を比較検討している人には「選定ガイド」や「比較資料」が有効です。
ホワイトペーパーの活用事例として、どのようなものがありますか?
記事ではキーエンス社の例が紹介されています。同社は「基礎知識」「用途/事例」「テクニック/ヒント」「導入/選定ガイド」「お客様の声」といった形で、顧客の多様なニーズや検討フェーズに応じた詳細な資料を網羅的に用意し、リード獲得と関係構築に活用しています。
【ここから本文】
ホワイトペーパーの存在は知っているものの、「製造業で必要なの?」と疑問に感じている方は多いのではないでしょうか。
必要な時に自社商品を想起してもらったり、問い合わせてもらったりするためには、情報収集段階の人にもアクションを取ってもらうことが重要であり、そのためにホワイトペーパーの設置が不可欠です。
本記事では製造業におけるホワイトペーパーの重要性と、具体的な活用事例についてわかりやすく解説します。
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目次
ホワイトペーパーとは
ホワイトペーパーとは、「顧客の課題や興味関心分野」と「自社の商品・サービスが解決できること」の2つが重なり合う内容をテーマとし、自社のノウハウや方法論に関する知見や情報、調査レポート、リサーチ結果、自社ソリューションの紹介などをまとめた報告書です。Webサイトにて無料でダウンロードできる資料全般を「ホワイトペーパー」と呼びます。
ホワイトペーパーの「資料ダウンロード」と引き換えに、会社名や電話番号、メールアドレスなどの「顧客情報」を入力してもらい、見込み顧客のデータを獲得するというのが基本的な使い方です。
近年、BtoB企業ではリード獲得のためにホワイトペーパーを活用するケースが増加していますが、活用範囲は幅広く、新しい見込み顧客のデータ獲得から、リードナーチャリングまで、マーケティング活動における様々なフェーズで利用されています。
ではなぜ製造業においてホワイトペーパーが重視されているのでしょうか?次章で詳しく説明します。
製造業におけるホワイトペーパーの重要性
製造業に限らず、顧客にとっていきなり問い合わせをすることはハードルが高く、特に情報収集段階の人にとっては「まだ問い合わせをするまでではない」と敬遠されがちです。
しかし接点を持ち続けることができれば、必要な時に想起してもらったり、問い合わせてもらったりできる可能性が高まるため、情報収集段階の人にもアクションを取ってもらうことが重要になります。そこで必要不可欠なのが、お役立ち資料や技術資料などのホワイトペーパーの設置です。
一度接点を持つことができれば、顧客との関係構築もしやすくなるほか、MAツールのトラッキングによってニーズも把握しやすくなるというメリットがあります。顧客との良好な関係性の構築が大事な製造業において、ホワイトペーパーによる顧客との接点の創出や維持は非常に大切なのです。
ホワイトペーパーの作成には顧客理解が重要
ホワイトペーパーを作成するには、まず顧客の理解が重要です。顧客を理解することで、「どのフェーズで、どんな人が、どのホワイトペーパーを必要としているか」がわかり、より有用なホワイトペーパーを作成できます。
顧客を理解するために、まずは自社のビジネスのターゲットを明確にすることが大切です。ターゲットを明確にしないまま進めてしまうと、「誰に向かってコンテンツを配信する必要があるのか」「何が不足しているか」の判断が難しくなります。
ターゲットを明確にするには、ペルソナとカスタマージャーニーマップという考え方が非常に役立ちます。具体的なターゲットの人物像を作り、自社と契約するまでの心理的な流れや必要となるコンテンツを設計します。
例えば下記は、BtoB製造業の顧客の中で製品が検討されるフローのサンプルです。こういった流れを整理し、「どのフェーズの顧客が、どの資料を欲しいのか」ということを理解してからホワイトペーパーを設置しましょう。
とある企業の検討フローと担当者の行動例▼

求められる情報の整理▼

ホワイトペーパーの活用事例 キーエンス
製造業の方々にぜひ参考にしてほしいのがキーエンス社のホワイトペーパーです。網羅的に様々な種類のホワイトペーパーが掲載されているので非常に参考になります。1つ1つ見ていきましょう。
基礎知識
ホワイトペーパーの種類としてまず挙げられるのが、業界に関する基礎知識をまとめた「基礎知識」に関するものです。
キーエンス社の場合「ロギング/トレース機能 簡単!使い方ガイド」「よくわかる[OCR]文字認識の基本」「IMシリーズ 画像寸法測定入門」「プレス品測定の教科書」などの、入門ガイドや専門用語集などがこれに当たります。
また「画像寸法測定器 IMシリーズ まるわかりQ&A [総集編]」など、ユーザーの疑問などに寄り添ったホワイトペーパーも用意されています。
基礎知識のホワイトペーパーは、自社の商品やサービス、またその分野に対して興味はあるものの、まだ情報収集段階にあるユーザーや初心者に適しています。専門用語の使用はできるだけ避け、もし使用せざるを得ない場合は意味をしっかりと説明するなど、ターゲットに対しての配慮が必要です。
用途/事例
「用途/事例」のホワイトペーパーでは、自社商品やサービスの導入事例をまとめます。自社商品やサービスに対する導入イメージがより明確になるため、導入を検討しているユーザーに適しています。
キーエンス社の「用途/事例」では、「誰でもかんたんに使える 画像判別センサ 用途事例集 [自動車業界]」「導入事例 UVレーザマーカ MD-Uシリーズ 丸美屋食品工業株式会社 様」などのホワイトペーパーがあります。導入前後でどんな変化があったのかなどを具体的にまとめた「用途/事例」は、検討中のユーザーにとって参考にしやすく、ダウンロードされる頻度も多いコンテンツです。
作成の際には、実際に自社商品を導入している顧客に取材を申し込み、導入のきっかけや成果、お客様の声などを記事にするため、掲載させていただく企業への許可取りや取材、原稿の確認、旧情報のアップデートなどの手間がかかるという一面があります。
テクニック/ヒント
「テクニック/ヒント」は、課題を抱える顧客に向けて、課題解決のためのテクニックやヒント、アドバイスを伝えることを目的としたホワイトペーパーです。潜在的な顧客を自社の商品・サービスに誘導します。
キーエンス社の場合だと「安定検出に導く“7つの知恵”」「MK-Gシリーズ インク選びのポイント」「画像センサでの困りごと解決 VOL.1」などがあります。タイトルを見ただけで、「顧客の課題」及び「その解決策が記載されている」とわかることが大切です。
自社の商品・サービスの訴求力が弱いときや、認知拡大がなかなか広がらない場合にも役立ちます。
導入/選定ガイド
「導入/選定ガイド」のホワイトペーパーは、ターゲットが自社商品やサービスを導入する際に立ちはだかる壁を整理した上で、その障壁をクリアするための方法や選定ガイドなどを伝えるホワイトペーパーです。
キーエンス社では「お得な導入方法 補助金を活用する」など、導入時のコストという障壁を解決するための資料や、「三次元測定機比較」などの、見込み客が検討しているであろう複数の商品の機能などを比較し、解説を加えた資料などがあります。
お客様の声
「お客様の声」は、「お客様の声 マイクロスコープを導入して収益が改善された!」「お客様の声 IMシリーズを選んだ理由」など、すでに自社商品・サービスを導入した企業の生の声を伝えるホワイトペーパーです。
「用途/事例」と少し重なる部分もありますが、「お客様の声」では実際に利用した顧客の使用感や、導入前の課題、導入までの経緯や活用後の効果などをヒアリングしたものを記載することで、導入を検討する顧客がより身近に感じられる内容にします。
既存顧客から他の顧客へ導入後の成功がイメージしやすくなるため、導入を検討するユーザーや迷っているユーザーをはじめ、広いフェーズのユーザーにアプローチできるのが特徴です。
その他のホワイトペーパーの種類
本章では、前章で紹介したホワイトペーパーの種類以外の、よくあるホワイトペーパーの種類について紹介します。
業界レポート
「業界レポート」は、自社商品・サービスが関連する業界の動向や市場調査、自社で行ったアンケート調査をレポートにまとめたホワイトペーパーです。
規制や業界動向によって成果が左右される企業にとって経営判断の指標になり、業界や市場の最新情報を収集したいユーザーに適しています。数値などの根拠を元にした情報を提供できるため、説得力を与えられるという点も特徴です。
幅広い層にアプローチできるため、認知拡大に効果があるほか、既存顧客に向けた情報提供としても利用できます。
レポート例: 【2022年1月】WebマーケティングとCMSに関する意識調査
チェックリスト
「チェックリスト」は、自社商品・サービス導入前に利用できるセルフチェックシートです。自社に導入できるかどうかの判断基準として利用してもらえます。
「チェックリスト」はExcelなどで比較的簡単に作成でき、技術系の部門で実際に使われている確認資料などを、一般公開できる体裁に整備するだけで提供できる場合もあります。
ダウンロードを検討中の確度が高い顧客に向けたホワイトペーパーなので、ダウンロード数は伸びづらいと考えられていますが、低コストで簡単に作成できるため、作成することをおすすめします。
参考: 基本のSEO対策チェックリスト
ハンドブック
「ハンドブック」は、初心者向けに、商品・サービスの関連分野のノウハウや、使用頻度が高い内容を網羅的に学べるようにまとめたホワイトペーパーです。
自社独自のノウハウであることが大切なので外注が難しいほか、写真や図を交えながら、知識やノウハウを初心者でもわかりやすく説明する必要があるため、作成の工数がかなりかかるという側面があります。作成の難易度は高いものの、ダウンロード数が一番伸びやすい資料とされています。
もし社内ですでに使用している資料などがあれば、0→1で作るのではなく、転用できるかどうか検討してみることをおすすめします。
他に「ハンドブック」は広く情報収集を行う、契約から遠いユーザーからのダウンロードも多いのが特徴です。そのため、リードを獲得できたらナーチャリングを行う必要があります。
参考: BtoBマーケティングハンドブック ~基礎を学べる無料資料~
テンプレート
「テンプレート」は実際にユーザーの業務に活用してもらうためのホワイトペーパーです。利用してもらうことでユーザーに行動を促し、自社商品・サービス導入に対する必要性を認識してもらうことを目的としています。
自社商品・サービスが解決できる課題に取り組んでいるユーザーにとって、テンプレートは実用性が高く、改善に直結する場合もあるため比較的ダウンロードされやすい傾向にあります。
しかし、ダウンロード後にしっかりと活用してもらわなければ価値が伝わらないという可能性もあるため、利用してもらいやすい工夫が必要です。
イベント・セミナーレポート
「イベント・セミナーレポート」は、自社で開催したセミナーやイベントの内容や、実際に行ったセミナー/ウェビナーの内容をまとめたホワイトペーパーです。
自社で実施したセミナー・イベントの場合、使用した資料をそのままホワイトペーパーとして活用できますが、そのままの資料は文字数を少なく作成している傾向にあるため、補足や説明を加えて、参加していないユーザーでも理解できるように工夫する必要があります。
作成コストを抑えることができるほか、セミナーやイベントとの相乗効果が見込める点がメリットです。広報活動の施策の一環として活用することもできます。
参考: 中上級者向けSEOセミナー資料
サービス資料・カタログ
「サービス資料・カタログ」は、自社商品・サービスに関する概要や詳細、製品の写真や金額などを、資料としてまとめたホワイトペーパーです。企業が最初に制作すべきホワイトペーパーといえます。
紙のカタログや会社案内などは本来、営業資料として利用されていましたが、昨今ホワイトペーパーとして公開・提供する企業が増加しています。すでにあるものを活用できるため、作成自体はそれほど難しいものではありません。
導入する確度が高い企業をターゲットとしている場合は、常に最新の資料を提供できるように用意しましょう。
まとめ
本記事では製造業におけるホワイトペーパーの重要性や種類、具体的な活用事例などについて紹介しました。
ホワイトペーパーを設置することで自社商品を想起してもらいやすく、問い合わせてもらう可能性も高まります。情報収集段階の人にもアクションを取ってもらうことで顧客との接点の創出や維持ができるようにもなるため、顧客との良好な関係性の構築が大事な製造業において、非常に重要な施策です。
ホワイトペーパーを活用した施策を開始するハードルは比較的低いため、まずはターゲットをしっかりと理解したうえで、作れるものから作っていきましょう。
参考: 【無料】お役立ち資料ダウンロード
参考: ホワイトペーパーとは?種類・作り方・ダウンロードの仕組みなど知っておきたい知識をまとめました!
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【English summary】
A white paper is a document compiling know-how or research reports useful for solving customer problems, offered on a website in exchange for customer information. In the manufacturing industry, setting up white papers is essential because customers face a high psychological hurdle to "make an inquiry" directly during the information-gathering stage. This allows companies to create contact points even with potential customers whose purchasing intent is not yet clear, laying the foundation for subsequent relationship-building and needs assessment.
To create effective white papers, it is crucial to first deeply understand the customer. One must analyze "what information customers in which purchasing phase need" and provide the optimal materials. For example, it is effective to prepare diverse materials tailored to the customer's consideration stage, such as industry "basic knowledge" documents, specific "use cases/examples," "implementation/selection guides," and "customer testimonials." Developing these and creating/maintaining customer contact points is a vital measure in manufacturing marketing.

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- この記事を書いた人
- エムタメ!編集部
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クラウドサーカス株式会社 マーケティング課
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2006年よりWeb制作事業を展開し、これまでBtoB企業を中心に2,300社以上のデジタルマーケティング支援をしてきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。53,000以上のユーザーを抱える「Cloud CIRCUS」も保有し、そこから得たデータを元にマーケティング活動も行う。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意。
メディア概要・運営会社→https://mtame.jp/about/
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