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製造業向けのMAツールとは?営業課題や導入事例、選び方のポイントをご紹介

記事公開日:2023/08/01
最終更新日:2023/11/10
製造業向けのMAツールとは?営業課題や導入事例、選び方のポイントをご紹介

製造業における顧客の意思決定は、「課題に気づいて、必要な製品を決め、サプライヤーを探す…」という流れをたどります。このプロセスにおいて、見込客のニーズを分析することで、意思決定前のタイミングで先手を打てる「MAツール」は、現代の製造業の営業活動になくてはならない存在ともいえます。

 

製造業は日本のGDPに占める割合も大きく、日本の経済を支える中心的存在です。しかし従来の業務体制や組織体系などが原因となり、営業活動のデジタル化には苦戦しているというものづくり企業は少なくありません。

 

本稿ではそのような企業の方々にむけて、製造業ならではのMA(マーケティングオートメーション)ツールの使い方やその効果について、選び方から活用方法までご紹介していきます。MAツールを導入して成果を出しているものづくり企業の成功事例もご紹介しますので、ぜひMAツール導入の際、参考にしてみてください。

 

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製造業が抱える営業課題とは

製造業が抱える営業課題は近年さらに深刻化しており、「従来の営業活動では収益を維持できなくなっている」というものづくり企業も少なくありません。一方で、旧来の営業手法を見直してDX化を進めることで、業績を伸ばしている企業もあります。

 

ここでは、製造業が抱えている営業課題について、3つのポイントで解説していきます。

新規顧客獲得

製造業界では、既存顧客との取引を中心としてきたために、新規開拓に力を入れてこなかったという企業が多くあります。

 

しかし近年パンデミックの影響もあり、社会全体でデジタル化が急進しました。これにともない顧客の購買行動が大きく変化したことで、数々の企業が「営業活動の変革」や「新規開拓の必要性」に迫られているのが現状です。

 

変化の激しいこれからの時代に対応するためには、新規顧客獲得のためのスキームを新たに構築する必要があります。

 

BtoBにおいても、顧客は商談前にインターネットを通してすでに情報収集しているケースがほとんどです。そのため従来の営業活動のように、何も知らない顧客に営業マンが一方的に説明するのではなく、顧客の中で比較検討が済んでいる状態で商談がはじまることも少なくありません。

 

このようなビジネス環境の変化に対応するべく、情報収集段階のリードの足取りをつかめて、新規獲得の確度をあげられるMAツールに、いまあらためて注目が集まっているのです。

人材不足と人材育成

日本はいま、少子高齢化という問題に直面しており、人材不足は深刻な課題となっています。経済産業省の調査によれば、94%の企業が「人材確保に課題がある」と回答し、さらに3割をこえる企業が「人材不足によりビジネスに影響が出ている」と報告しています。

 

人材育成のための人員不足も進んでおり、約60%の企業が「指導する人材が不足している」と悩みを訴えました。実際に、製造業においてOJT(On-the-Job Training)/OFF-JT(Off-the-Job Training)を実施している企業の割合は、2019年から2020年にかけて低下しています。

 

製造業界も例にもれず、2021年までの20年間で就業者数は157万人も減少しました。なかでも若手の減少は著しく、業界全体で高齢化がすすんでいることがデータでわかっています。

 

日本の製造業がもつ高い技術力を継承するためにも、この課題は早急に解決する必要があります。MAツールは、業務の効率化をはかり属人化をふせげるため、人材不足解決の一助となるはずです。

マーケティングへの理解不足

製造業界では、現場でマーケティングへの理解が進まないというのも課題のひとつです。最近では使いやすいMAツールも増えている一方で、従来の製造業界のリード対応は販売促進が中心だったために、ツールの導入に至らない・ツールを使いこなせないという課題に直面しています。

 

従来のものづくり企業では営業部門の発言力が強い傾向があり、マーケティング部とうまく連携がはかれない状態ではMAツールを最大限に活用できません。上層部がマーケティングによる新規獲得の重要性について理解し、組織全体で意識改革をおこなうことも重要になってきます。

 

また製造業界では、マーケティング領域を含む無形固定資産への投資が遅れている傾向にあります。ものづくり企業では設備投資などの「有形固定資産」に偏りがちです。しかし、ツール導入によって得られる業務効率化やコスト削減といった「無固形資産」に対しても、バランスよく投資していく必要があります。

MA(マーケティング・オートメーション)ツールとは

MA(マーケティング・オートメーション)ツールとは、これから顧客になりそうな見込客のデータを一元管理して、マーケティング活動を自動化できるツールです。

 

以下は、MAツールを通して行うマーケティング活動の一例です。

 

  • メールのリンククリック、Webサイト内での動線などの行動ログからリード情報を解析して数値化
  • 解析した情報をもとにリードを分類、見込み度合いごとに顧客リストを作成
  • 興味度合いや関心事項に沿ったメルマガ配信、パーソナライズされたアプローチ

 

これらの施策によって、成約確度の高い顧客を抽出して、営業部に引き渡せるようになります。またこういったマーケティング活動そのものをツールによって自動化できゆため、さらに効率的な営業活動を実現できるのも特徴です。

 

次の章からは、MAツールで自動化できる業務プロセスについてご説明していきます。

MAツールで自動化できること

ここでは、MAツールによって自動化できる4つの領域について、ひとつずつ解説します。

リードジェネレーション「見込み客の創出」

リードジェネレーション(Lead Generation)とは、見込客を新しく生み出すステップです。名刺交換やメルマガ登録、お問い合せなどをしてもらうことで、見込客の情報を取得します。

 

オフラインではたとえば、

 

  • 直接の営業
  • 展示会・セミナーでの名刺交換
  • 広告出稿
  • DM発送

 

などにより、見込客からのお問い合せを獲得していきます。

 

オンラインでは、Web広告・SNS・SEO対策などによって自社サイトへの流入をはかり、お問い合せや資料ダウンロードからメールアドレスを登録してもらう方法が一般的です。

 

MAツールをリードジェネレーションにおいて活用できるのは、主にオンラインの範疇です。たとえば、MAツールによって「ユーザーがどのような検索クエリで問い合わせにたどりついたか」を分析することでキーワードを割り出し、SEOで適切な対策をとることができます。

リードナーチャリング「見込み客の育成」

リードナーチャリング(Lead Nurturing)は、リードジェネレーションで獲得した見込客を育成するフェーズです。MAツールが一番得意とするのは、リードナーチャリングの領域です。

 

具体的には、オフライン・オンライン問わず「名刺交換しただけ」「資料ダウンロードしただけ」といった見込客に対して、分析したデータをもとにアプローチします。たとえばメルマガを活用してお役立ち記事やホワイトペーパーなどの有益な情報を提供することで、自社製品への興味関心を高め、見込客の信頼を育てていきます。これらは、一度取引があったもののリピート購買にいたっていない既存顧客に対しても有効な施策です。

 

とくにBtoBでは、製品の検討〜購買までのリードタイムはBtoCに比べて長くなるため、1製品、1企業の購買プロセスに対して、それぞれ適切なアプローチや関係性づくりが重要です。

 

弊社の実例でも、資料ダウンロードからそのまま受注にいたった商談は全体の15%に過ぎません。残りの85%の受注は、過去に資料ダウンロードなどの接点があった見込客に対してナーチャリング活動をおこなったことで獲得できています。

 

過去に資料をダウンロードした人の受注

リードクオリフィケーション「見込み客の分類」

リードクオリフィケーションとは、リードナーチャリングによって顕在化した見込客をさらに選別し、より確度の高い見込客を選定するプロセスです。製品・サービスに関心をもっている見込客から優先的にアプローチできるため、営業活動をさらに効率化できます。

 

リードクオリフィケーションの手法には、閲覧ページやスコアに応じた選定があります。たとえば、閲覧ページに基づく選定では、検討度の高い特定のページに頻繁におとずれている見込客を抽出することができます。

 

またスコアによる選定では、メルマガの開封やURLのクリックなどの行動に応じて点数をつけ、高いスコアを持つ見込み客を選定します。スコアリングにおいては、決裁権の範囲や役職といった属性スコアも組み合わせることで、さらに精度を向上させることが可能です。顕在化しやすい見込客の傾向を明確にすることで、営業活動をさらに自動化し効率化をはかれます。

リードマネジメント「見込み客のリスト管理」

リードマネジメントでは、見込客のリスト管理を行います。MAツールでは見込客の属性だけでなく、行動ログにもとづく受注確度も含めてリスト管理を自動化でき、リストはメルマガ配信や電話でアポイントメントをとる際などに活用できます。

 

MAツールを活用することで、リードマネジメントのプロセスも自動化できるようになります。またリードマネジメントにおいては、営業部とマーケティング部の連携が重要です。リードの情報や行動履歴を一元化し、リードの進捗状況を可視化することで、適切なタイミングでフォローアップすることが可能になります。

なぜ製造業にMAツールが必要なのか

MAツールはいまや多くの企業が営業課題を解決するために活用しています。しかし、製造業においてはなかなか導入が進まないのも現状です。

 

製造業界の特性上、部門の連携不足がその障壁となっていることも少なくありません。たとえば、営業部とマーケティング部とでリードの定義が異なっている場合、ツールを導入しても一元化したデータをうまく活用できないのです。

 

逆に言えば、製造業がMAツールを適切に使いこなせるようになれば、生産性を大きく向上できます。ここでは「製造業とMAツールは相性がいい」理由についてご説明していきます。

インターネット上での顧客対応を強化できる

MAツールを使うことで、インターネット検索で情報収集をしている見込客への対応を強化でき、また見込客の取りこぼしを防ぐことが可能です。

 

製造業界がインターネットを通して顧客獲得するために「MAツールが有効である理由」は、以下2点にまとめられます。

「新しい技術などへの好奇心が高い」

製造業界における顧客は、新しい技術への関心が高く、探究心が強い方が多い傾向にあります。「おもしろそうだな」「技術ベースでこういうことができないだろうか?」と感じれば、「話を聞いてみたい」とアクションを起こすハードルが低いのが特徴です。

 

展示会などでも気軽に話を聞く方が多いように、web上でも技術を使える会社について情報収集したり、資料をダウンロードしたりと、積極的に行動する方が多くなります。

 

MAツールによってWeb上での顧客対応プロセスを自動化できれば、このような顧客のアクションに対して適切なアプローチがおこなえるようになり、これまで取りこぼしていた見込客を獲得する機会を増やせるようになります。

 

新しい技術への関心が高いといっても、接点を持った段階ではまだ購入の意思決定があるわけではありません。こういった見込み客から受注を得るには、見込客の抱える困りごとにコミットしていきましょう。見込客がどのような課題を抱えているかを理解し、自社が提供する製品やサービスが、その課題を解決できることを示す必要があります。

「課題解決の方法を自分で調べる」

製造業に従事する技術者は、自分自身で情報を調べる傾向が強いです。そのため製造業では検討者が自ら収集した情報をもとに数社と比較をおこなって購入することも多いため、営業が提案をおこなうタイミングを逃してしまうことも。

 

MAツールを使用すれば、顧客のWebアクティビティから購入タイミングを把握・予測できます。お問い合わせフォームや資料ダウンロードフォームなどから取得したユーザーのCookie情報をもとに、見込客がWebサイト上でどのような行動をとったかを確認できるからです。

 

たとえば、「ツールの選び方のコラム」「料金ページ」といった検討度の高いコンテンツへのアクセス履歴などをスコアリングすることで、確度の高い見込客を、他社の製品を購入決定する前に抽出しアプローチすることが可能です。

 

また確度の高いユーザーがたどる行動をカスタマージャーニーマップに起こすことでリストの精度があがるため、より有益な情報を営業部に引き渡せるようになります。

対象顧客の絶対数が限られている

製造業界において、対象となる顧客の絶対数は限られています。そのためひとつ一つの顧客情報を大切に扱い、エンゲージメントを高めていくことが必要です。

 

MAツールを使えば、顧客データを活用し、それぞれの顧客にカスタマイズしたコンテンツを届けることができます。とくに技術者は、数多くの情報のなか自分にとって必要な情報をきびしく取捨選択していきますので、顧客の会社情報・アクティビティに最適化したメールを送ることが重要です。

 

顧客との長期的かつ良好な関係を築くためには、MAツールによって、顧客の知りたいことや抱える課題を導き出すことが成功の鍵となります。顧客にとって必要な情報を提供することで顧客との関係性を強化し、最終的に「この会社に相談してみよう」と思ってもらえる仕組みづくりができるのがMAツールです。

 

さらに顧客の絶対数が限られているからこそ、既存顧客に対して、現在取引のある自社製品を軸に、別の製品やサービスにクロスセル・アップセルをはかることで売上拡大を狙うこともできます。

製品の購入・入れ替えタイミングを測る

製造業界において、顧客が製品を購入したり、入れ替えたりするタイミングを測るためにも、MAツールは有効です。購入タイミングを掴むためには、顧客の検討度合いの変化をすばやく察知し、製造業では長引きがちな検討期間の中で適切なタイミングをキャッチする必要があります。

 

MAツールなどのシステムは基本的に部署やプロジェクトごとの導入となるため、検討担当者と決済者が異なることが多く稟議プロセスが必要で、検討期間が長引く傾向が強くなります。また製造業では、課題が発生したタイミングで検討度合いが急上昇することも少なくないため、MAツールによって行動分析やスコアリングをおこなうことが大切です。

 

また既存顧客であっても「そこまで密に関係性が築けていない」場合、別の製品への興味関心については把握できていないこともあります。既存顧客が別の製品ページへアクセスしていることを確認でき、適切な内容・タイミングでアプローチをおこなえるのは、MAツールの醍醐味ともいえます。

製造業においてMAツールを導入するメリット

企業がMAツールを導入するメリットは多くありますが、ここでは製造業においてどのような利点があるかに絞ってお伝えしていきます。

新規顧客獲得を促進

MAツールの最大のメリットは、新規見込客を効率的に創出できることです。

 

MAツールは、メルマガ配信や、LP(ランディングページ)作成といった機能を搭載しています。ただ配信・作成するだけでなく、配信したメールの開封率やリンククリック率、LP閲覧数などを計測できるのがMAツールの特徴です。このプロセスによって、顧客がどのような興味を持ち、製品を探しているのかをくわしく分析することができます。

 

また、見込客の育成や、検討度合いの高い顧客の選別をし、こちらから効果的なアプローチをするまでのプロセスを自動化することができます。見込み客の行動ログや属性はツール上で一元管理でき、自動でスコアリングして確度の高い顧客を抽出。見込み客へのアプローチを最適化し、効果的なマーケティング活動を展開できます。

属人化を防ぎ、業務を効率化

MAツールは、営業活動を可視化して属人化を防ぐため、営業業務の効率化にも貢献します。

 

MAによって業務のテンプレート化を行うことで、優秀な営業マンの実力に依存せず、顧客対応のプロセスを標準化できます。たとえば見込客の受注確度をスコアリングして確度の高いリストとして営業活動にひきつぐことで、購買意欲の高い見込客にしぼってアプローチできるようになるため、担当者ごとにスキルのばらつきのある体制でも安定して成績をあげられるようになります。

 

また顧客の名刺情報を保管するだけでなく、その後の顧客の行動ログも蓄積し、一元管理できるのもMAツールならではです。情報を全体で共有できるようになれば、上司が新人担当者の進捗状況を把握することもでき、連携体制で営業活動をすすめることができます。

 

営業活動の成果や顧客のリアクションを共有できる土台をMAツールによって構築すれば、業務改善も容易になり、組織全体の生産性向上にもつながるはずです。

成約確度が上がる

MA活用によって、見込み客が成約するまでの確率を上げることができるのもメリットのひとつです。MAツールでは見込客の行動ログや状況にもとづいて、見込客が必要な情報をタイミングよく提供できます。

 

はじめは関心が少なくアクションが少なかった見込客も、求めている情報を提供してくれる企業に対して、次第に信頼度をあげていきます。見込客にとって役立つ情報と、アピールしたい自社製品の情報を、適切に振り分けて配信することで地道にナーチャリングしていきましょう。見込客の課題が浮上したタイミングで、お願いするならこの企業にしよう、と選んでもらえる確率をあげることができます。

 

またMAによって顧客データ分析・タスク管理を自動化することで、営業担当者の負担を軽減。ここぞというタイミングで、担当者による効果的なアプローチをすることで、成約確度を最大化できるはずです。

製造業でのMAツール導入準備

MAツール導入が決まったところで、導入前に準備しておきたいポイントについてお伝えします。

MAツールによって解決したい課題を明確化

製造業においてMAツールを導入する際には、どのような自社課題を抱えているか明確化することが重要です。たとえば新規顧客創出においても、新規リードの獲得に悩んでいる場合、獲得したリードの育成に手こずっている場合などさまざまです。

 

ここでは製造業でよくある営業課題の例をご紹介します。

 

  • 新規リード獲得
  • リードの育成
  • 顧客ニーズの把握
  • 受注までの期間短縮
  • 成約率の向上
  • リピート購入・クロスセル・アップセル
  • 業務の属人化
  • 人材育成
  • 新規受注のタイミング
  • 部署間の連携不足........

 

自社が抱えている営業課題と優先度を明確にして、MAツール導入の目的を具体化することで、効果的なツール選定が可能となります。ツール導入を検討する際には、自社の特定の課題に焦点を当て、そのMAツールが解決策を提供できるかどうかを確認しましょう。

自社が保有している名刺を集約

各営業マンが個人ごとに保有している名刺は、既存顧客や見込客リスト作成のもとになるデータとして重要です。マーケティング活動のもととなる情報ですので、MAツール導入前に各営業担当者から保有している名刺を集めて、集約しておきましょう。名刺情報の集約には、MAツールと連携できる名刺管理ツールを使うのも手です。

 

集めた名刺情報をMAツールを投入することで、情報管理はもちろん、Web上での顧客情報と紐づけて一元管理できるのが大きなメリットです。重複を防ぐこともでき、名刺情報を見やすく管理できるだけでなく、検索機能を使って管理の手間を省くこともできます。

 

名刺には顧客のセグメントにも活かせる大切な情報が詰まっています。リードの母数が大きいほどマーケティング活動にも効果が期待できるため、取りこぼしのないよう集めておきましょう。

見込客をランクごとに分類

名刺を集約したリストをそのままマーケティングで活用しても効果が出にくいため、顧客のランク分けをするのもまた重要なステップです。とくに製造業においては、アプローチするべき担当者を見極めることがとても重要です。

 

たとえば、名刺やフォーム入力された顧客情報をもとに、企業における担当者の役職や取り扱う案件を分析します。製造業においては、部長・課長クラスだけでなく、主任や稟議立案者の担当者が重要な役割を担う場合もめずらしくありません。また企業の売上規模や取引履歴、案件の重要度などもランクづけの重要な要素となります。

 

ランク分けの目的は、自社にとって重要な企業や担当者を特定し、リソースを効果的に割り当てることになります。マーケティング活動・営業活動においても、重要な案件に集中することで成果を最大化できるからです。

製造業におけるMAツール選び方のポイント

MAツールの選び方がわからず、自社の課題解決に適していないツールを選定していることで、せっかくツールを導入したのにあまり業務改善ができていないということも。ここでは、製造業において適切なMAツール選定のポイントについてお伝えします。

費用(費用対効果)

MAツールの導入費用は幅広いため、自社にとって適切な費用と費用対効果を検証しましょう。費用については、初期費用・ランニングコストの2点に着目します。

 

MAツールが登場した当初はランニングコストが月数十万円かかるMAツールが主流だったものの、ここ10年ほどで、最低限の機能をおさえたツールであれば月額1万円ほどで利用できるようになりました。ただし月額料金は、メルマガの配信数、リスト登録者数などのデータ利用量によっても変動することが多いです。またツールによっては初期費用が発生することもあるので、しっかり確認しておきましょう。

 

MAツールは中長期的な運用によって効果を発揮できるものなので、導入時に重要視すべきはスモールスタートであり、はじめは費用をおさえて小規模で導入してみるのがおすすめです。とくに事業規模の小さい中小企業では、多機能なツールよりも最小限の機能にしぼったツールを導入することで、社内での浸透もスムーズになるかもしれません。

 

自社にとって必要な機能を明確にし、費用対効果を考慮しながらツールを選定することが重要です。

機能

ここでは機能面「使いやすさ」「リードの創出」「部門館連携」「Webサイト作成機能」「業界に特化した機能」、5つの選定ポイントについて解説していきます。

使いやすさ

ツールの操作しやすさ、データの見やすさは、どのツールを使ううえでも重要なポイントです。MAツールは部署間をまたいで活用されることがほとんどです。とくに製造業での現場担当者が使えなければ意味がないため、デジタルツールに対してそれぞれ異なる知識やスキルを持つメンバー全員が、まずは「使える」ことが大切になります。

 

ツールによっては無料のデモやトライアルが用意されていますので、操作感を試してみましょう。社内で詳しい人員がいない場合は、無料ツールで運用できるか試してみるのもよい方法です。

 

また製造業において、業界に特化しており使いやすい機能があるツールもありますが、まずはMAツールの運用イメージを確立できるツールからチャレンジしていくのがおすすめです。

新たなリード・質の高いリードの創出

近年は顧客の購買行動が変化しており、営業活動における新規リードの創出は必須項目となっています。そのためMAツールを通して「新規リードを創出できるか」「適切な育成ができ自社リードの質を高めていけるか」はツール選定の重要なポイントです。

 

たとえばMAツールに搭載されたWebサイト作成機能をつかえば、新規リード数の底上げが期待できます。MA内のサイト作成ツールは専門知識がなくても直感的に操作できるものが多く、作成したサイトを通して、「見込客が何に興味関心を持っているか」「どの企業がサイトを閲覧しているか」などを可視化できるようになります。これまでリーチできなかった顧客ニーズを把握できるようになるため、新たな顧客層獲得にも役立つはずです。

 

また顧客分析機能によって、適切なナーチャリングを実施できるツールを選定すれば、リードの質を高めるプロセスも自動化できます。スコアリングによって見込客の興味度を数値化し、営業担当者がMAツールによる施策の効果を実感できるような良質なリストを渡すことができれば、組織全体でマーケティングに対する理解が深まり、営業業務の生産性を高めていくことができるのです。

部門間連携

製造業においては、社内の部門間のパワーバランスとして営業部が発言力を持っていることも多いです。とくに製造業のようなBtoBマーケティングの場合、マーケティング部が獲得・育成したリードを、営業部が引き継いでアプローチする仕組みができなければ、MA導入による効果を発揮できません。

 

まずは組織全体でMAツールの必要性や、マーケティングに対する理解を深めましょう。また営業部で使われているSFAやCRMといったツールと連携できるMAツールを選ぶことも、部門間連携をスムーズにおこなう方法です。ツール間の連携がスムーズに行えると、共有した情報を有効活用できるようになり、生産性も向上します。

 

MAツールを導入する際には、上層部にもMAツール導入によるメリットを理解してもらい、組織全社的な活用をすすめる必要があります。

Webサイト作成

近年は、BtoBビジネスにおいてもインターネットを通して競合他社との比較検討が行われることがほとんどです。この比較検討のラインで脱落してしまわないように、見込客が自社製品やサービス、導入実績などを閲覧できる自社のWebサイトは、マーケティングにおいては必要不可欠といえます。

 

WebサイトやLP(ランディングページ)の作成機能がついているMAツールを選べば、専門知識が不要で簡単に作成できるものも多く、マーケティング活動の効果検証をより簡単に行えるのもメリットです。

 

お問い合わせフォームや資料ダウンロードページといったフォームの設置は、新規リード獲得にとって有効な手段です。すでに自社サイトをお持ちの場合でも、MAツールによって計測可能なフォームを作成し、既存のフォームと差し替えることができます。

 

新規リードの流入口を設けてリードの母数を増やすことで、受注率の向上を目指しましょう。

業界に特化した機能

MAツールの中には、製造業界の特性に合わせたメールテンプレートやLPデザインなどを提供するものもあり、製品・サービスのセールスポイントを的確にアピールできます。

 

また製造業では、展示会やイベントへの参加機会が多いのも特徴です。参加者情報の収集や、フォローアップの自動化をサポートしてくれるツールであれば、効果的なイベントマーケティングが実現できます。展示会前後のメール配信などにも有用です。

 

ツール自体の使いやすさももちろん大切ですが、自社が所属する業界での使いやすいポイントにも考慮することで、より自社に最適なツール選定ができます。

サポート体制

製造業、とくに中小製造業の場合、MAツールの導入〜運用においてサポートをしっかり受けられるかどうかは、非常に重要な選定ポイントともいえます。

 

従業員数の少ない企業やマーケティング部の立ち上げ当初は、マーケティング担当者が他の業務を兼務している場合がほとんどです。そのため人数が少なかったり、専門知識をもつ人材がいなかったりしても運用できるよう、サポート体制の手厚いベンダーを選ぶことが大切になります。

 

国産のMAツールは近年数多く提供されるようになりましたが、ベンダーごとに、どのくらいの頻度で、どの範囲までサポートしてくれるのかは異なります。いくら高機能なツールでも、使いこなせるようにならなければ導入する意味がなくなってしまいます。

 

またMAツールの導入〜運用が軌道に乗るまでは、理解したり設定したりするのに、ある程度の時間が必要になることは想定しておきましょう。その都度生じる疑問や、発生したトラブルに対して、ベンダーがどこまで支援してくれるのかしっかり確認しておくとよいです。

製造業におけるMAツール導入成果事例

弊社でもMAツール「BowNow」を提供しているので、ここではいくつか事例をご紹介します。どれも製造業界においてMAツール導入で成果を出されている企業事例になりますので、ぜひ自社での導入イメージにお役立てください。

新規業種に参入、顧客数ゼロからのスタート。手厚いサポートで社内の営業戦略・体制に変化!|株式会社カワハラ技研様

長年にわたり建設業をメインに事業展開してきた株式会社カワハラ技研様。幾度にもわたる震災を経て、災害時の危機管理用品(災害用トイレ「ほぼ紙トイレ」、携帯型冷却装置「ZERO HEAT」など)を扱うメーカーに事業転換をはかりました。

 

新しい市場を開拓していく必要に迫られていたものの、実務担当は4名。少人数でも効果のある方法を探してMAツールにたどりつきます。それまで手作業で入力していた名刺情報をBowNowに投入し、「すでにお付き合いのある」方から「これからお客様になりうる」方たちの情報を一元管理できるようになり、お客様情報の取り扱いもクリアになりました。

 

お問い合わせから一年後に受注するようなケースでも、お客様ごとに接点があった履歴を蓄積、サイト訪問があるかもリアルタイムに追跡できるため、情報管理の抜け漏れをなくし業務改善を重ねられています。

 

BowNowには、導入時から運用のフェーズまでそれぞれに専任担当者がつき、さらにサポートデスク(技術支援)、勉強会(定例・個別)などの手厚いサポート体制が整っています。サポート内容は、操作方法などのアドバイスから、BowNow機能の活用状況の分析から成果に繋げるためのコンサルティングも含まれていて、デジタルマーケティング運用についての相談もできるので助かっていますね。

 

インタビュー記事はこちら▼
https://bow-now.jp/media/cases/kawaharagiken/

MAでお客様のニーズが可視化でき、営業のアプローチ強化に!セグメントメール施策でCVも獲得|株式会社アークノハラ

「安心、安全な街づくり」を理念に掲げ、道路標識や視線誘導標(デリネーター)などの、設計〜製造〜施工の一貫したネットワークを構築しているアークノハラ様。

 

コロナ禍において、従来の飛び込み営業・既存顧客からのご紹介による営業手法を見直し、Web集客に着手されました。実際に、BowNowをつかったメルマガ配信をおこなったことで資料ダウンロードに結びつけることに成功するなど、新たな営業手法を開拓されています。

 

カタログダウンロードなどで獲得したリード情報に対して、初動の電話はほぼ100%に近い率で営業担当がアプローチしてくれるようになったのが、以前と大きく変わった点です。MAで得られる情報があるからこそ、アツいリードに対して積極的にアプローチしやすくなったということだと思います。

 

インタビュー記事はこちら▼
https://bow-now.jp/media/cases/arc-nohara/

顧客の知りたい情報を、タイムリーに把握。情報提供の質が向上したことで、ニッチな商材への理解度も深まり、さらなる販売促進につながりました!|株式会社システムギアビジョン様

株式会社システムギアビジョン様は、視覚障害者の方向け製品というニッチな分野を取り扱う会社です。コロナ禍でリアルの展示会などがなくなり、製品を目にしていただく機会が激減したことにより、これまで着手してこなかった新しい集客方法を確立させるべくMAツールを導入されました。

 

BowNowのメール作成機能をつかって、画像などをふんだんに使ったキャッチーなメールを作成したり、リード分類をタグで管理してメルマガ配信をしたことで、エンドユーザの方だけでなく販売店の理解度も深まり販売促進につなげられています。

 

Webサイトへ訪問した顧客の属性や行動履歴を元に、潜在的なニーズを把握できるようになったのも大きいです。「このページを見てくれている人が多い」というデータを把握できることで、「もっと情報をしっかりと作り込もう」といった対応ができるので、コンテンツの拡充など、Webサイトの改善にも役立っています。

 

インタビュー記事はこちら▼
https://bow-now.jp/media/cases/sgv/

低予算で叶うアパレル小ロット生産のニーズをとらえ、マーケティングオートメーションでBtoCの新規事業を一気に加速化|株式会社B・MORE様

国内大手アパレルや有名ブランドのOEMに携わってきた株式会社B・MORE様が新しく立ち上げられた事業は、中国での小ロット生産により、初めてアパレルにチャレンジする方のお手伝いをするBtoC向けのサービスです。

 

BowNowでお客様のステータス・ステップごとの人数を可視化、顧客情報の管理を最適化したことで、メール配信からの商談化率は高く、3分の1は受注につなげられるという高い成果を出されています。

 

正直なところ、サポートしてくれるかたがいること自体が驚きでした。この価格で、担当者がついて色々と細かくやってくれるMAツールは、他社では無いのではないでしょうか。

 

インタビュー記事はこちら▼

https://bow-now.jp/media/cases/bmore/

ニューノーマルなビジネス環境に追いつくための意識改革を実現|日東紡績株式会社様

各種繊維、繊維工業品、グラスファイバー製品、各種化学工業製品、医薬品の製造・加工および販売、清涼飲料水の製造および販売など多岐にわたる事業を展開されている日東紡績株式会社様。中でもグラスファイバー事業では2017年ごろからデジタルマーケティングに取り組みSFAを活用されてきましたが、よりマーケティング領域を強化するためにMAを導入。展示会での名刺を活用する目的もありました。

 

同社が開催するオンライン展示会の登録フォームやアンケートフォームは、BowNowで作成し、リードの分析も実施。実際に開催したオンライン展示会では数十件のお問い合わせ・直接営業担当者への連絡が集まり、MAツールを通じたデジタル施策における大きな成果と、組織全体での意識改革を実現されています。

 

BowNowを使わなければ、このようなオンライン展示会を開催しても、KPIが獲得名刺数のみとなっただろうと思うので、効果まで把握できなかったと思います。商談・売上につなげる結果がまったく見えなかった中で、効果が数値として見えたことは、営業部門にとっても事業部全体にとっても大きなことでした。

オフラインの展示会では、名刺を集めて終わりだったのですが、BowNowを活用することで、「獲得名刺を生かす」ことを意識付けられたと感じています。

 

 

インタビュー記事はこちら▼

https://bow-now.jp/media/cases/nittobo/

まとめ

MAツールが製造業においてどのような役割を果たし、どのようなメリットを得られるか、製造業向けのMAツールについてお伝えしました。

 

MAツールは「むずかしい」「使いこなせない」「高額」というイメージを持っている方も多いものの、最近では簡単に操作できる国産ツール、無料からはじめられる安価なツール、サポート体制の手厚いツールも増え、導入ハードルは低くなってきています。

 

「営業部の発言力が強くなかなかツール導入にいたらない」「社内にデジタルに強い人物がいなくて不安」という企業でも、適切なツール選定をおこなえば、かならず業務効率化やその先の成果につながります。まずは自社が抱えている営業課題を明確にして、ぴったりのMAツールを探してみてください。

 

 

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  • この記事を書いた人
  • エムタメ!編集部
  • クラウドサーカス株式会社 マーケティング課

    プロフィール :

    2006年よりWeb制作事業を展開し、これまでBtoB企業を中心に2,300社以上のデジタルマーケティング支援をしてきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。53,000以上のユーザーを抱える「Cloud CIRCUS」も保有し、そこから得たデータを元にマーケティング活動も行う。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意。

    メディア概要・運営会社→https://mtame.jp/about/

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