製造業向けCRMとは?導入メリットや事例、選び方などをわかりやすく解説
最終更新日:2023/11/14

顧客情報を一元管理できる「CRM(Customer Relationship Managementの略)」を製造業で導入することで、効率的な営業活動や業務効率化を実現できる上、他の作業へとリソースを割けるため利益の最大化が見込めます。
そのため現在製造業におけるCRMツールの導入は加速しており、今後さらにその必要性は増していくことが予想されています。
本記事では製造業向けのCRMについて、解決できる課題やその必要性、導入するメリットや選定ポイントなどをわかりやすく解説します。終わりでは製造業におけるCRM導入時の注意点なども紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
製造業における課題
CRMシステムを導入することで製造業における様々な課題を解決できるため、近年製造業ではCRMシステムの導入が加速しています。
そこでまず現状をクリアにするために、製造業における課題とCRMツールを導入すべき理由について解説します。
人手不足
少子高齢化や労働人口の減少によって、製造業における人手不足は深刻化しています。
特に製造業は若い世代から「3K(きつい・汚い・危険)」と呼ばれる負のイメージを持たれる傾向にあり、求職者が少ないことも大きな課題です。
人手不足は作業現場だけでなく営業部門においても大きな問題となっており、質の高い新製品や自社独自の開発に成功しても、効果的な営業活動が行えずに下請構造から抜け出せない企業も多く存在します。
また製造業では紙やExcelなどのアナログな方法で顧客情報を管理する企業も多くあり、手作業での入力業務や分析、人的ミスなどによって時間・工数がかかってしまい非効率であるという点も大きな問題といえます。
CRMツールを導入することで業務効率化につながり、人材不足という課題解決に貢献できます。
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製造部門と営業部門の連携
製造部門と営業部門での連携がスムーズにできない点も、製造業における大きな課題のひとつとされています。
たとえば、営業部門を通して顧客から問い合わせのあった内容に関して「製造部門からの回答がなかなか得られない」、「製造部門で対応するのが厳しい納期で営業部門が受注してしまった」など、部門間での連携が適切に行えなかったためにトラブルが発生する場合があります。
またスムーズに連携できないと、「生産性の低下・レスポンスの遅延・顧客からの信頼度低下」などにつながる可能性も高まります。CRMツールを導入して顧客情報の管理や進捗を部門間で適切にシェアできるようにすることで、これらの課題を解決できます。
不要な在庫の増加
製造業における課題として「不要な在庫が増加してしまう」など、適切な在庫数の維持の困難さが挙げられます。
消費者ニーズの多様化やインターネットの普及、世界状況の不確実性などの影響で製造業におけるニーズは著しく変化しています。その変化に都度対応するのは非常に難しく、不要な在庫を抱えてしまうという問題が発生しているのです。
CRMツールを導入することで、市場動向を見通した生産管理や在庫管理が実現し、不要な在庫や管理コストの増大を防ぐことができます。
国内市場の縮小と競争の激化
製造業界の市場規模は縮小傾向にあり、市場における競争は激化しています。
「モノの所有」から「モノの体験」へ価値がシフトチェンジしており、以前と比べてモノが消費されにくくなっているためです。
市場は縮小傾向にある一方、モノを供給する企業数は減少しないため、現在激化している市場での競争がさらに激化するものと予想されています。
この競争で生き残るためには顧客ニーズに素早く対応する必要があり、それに役立つのがCRMツールなのです。
多様化する顧客ニーズの把握
先述したように、様々な影響によって顧客ニーズが多様化しています。製造業においては顧客のニーズに最適な商品を提供することが重要ですが、多様化する顧客ニーズを的確に把握できていないという課題があります。
自社からの視点だけで、ものづくり自体が目的になったり、機能過剰な製品の生産をしてしまったりすると、競争が激しい市場において自社製品を選んでもらうことは難しいです。
CRMツールを導入することで、あらゆる顧客情報の収集・分析を行い、顧客のニーズ・インサイトを的確に把握し、顧客のニーズに沿った製品開発を実現できます。
顧客からの評価などの情報も収集・分析すれば、より良い新製品を開発する際のヒントにもなり得るうえ、ニーズに応じた商品を提供できれば、顧客と良好な関係を構築しやすくなります。
製造業の課題を解決できる「CRM」とは
では改めて、CRMについて解説します。
CRMとは
「CRM(Customer Relationship Managementの略)」は、顧客情報を一元管理することを指します。CRMツールを製造業で導入することで、効率的な営業活動や業務効率化を実現できる上、他の作業へとリソースを割けるため利益の最大化が見込めます。
CRMツールで収集した顧客情報を分析することで、顧客に最適且つ効率的にアプローチすることができ、顧客にも自社の商品やサービスを選んでもらう可能性が高まります。
さらにCRMツールを導入すれば、営業部門や製造部門など全部門で情報をシームレスにシェアできるので、質の高い顧客対応が実現し、顧客満足度の向上が期待できます。このような理由からCRMツールを導入して顧客管理を行う企業が近年増加しているのです。
CRMシステムの市場規模
CRMツールの市場規模は年々拡大しています。コロナ禍の影響による急速なオンライン化によって、顧客との接点がデジタルシフトしたことがその主な原因です。
IT及び通信分野に関する調査・分析を行うIDCJapanの独自調査「国内CRMアプリケーション市場予測」では、国内CRMツールの市場規模について、2020年は1871億7300万円、2025年は2448億8200万円になると予想されています。
CRMツールの年間平均成長率は5.5%で推移すると予測されており、今後さらにCRMツールを導入する企業は増加していくことがわかります。
引用元: 日経XTECH「コロナ禍を経て成長続けるCRM市場、欠かせない顧客接点の改善」
CRMとMA・SFAの違い
CRMと混同されがちなシステムにMA・SFAがあります。
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「MA」「SFA」「CRM」どれも営業支援ツールだけどどう違うの?
MA(Marketing Automationの略)はマーケティングオートメーションと呼ばれ、「マーケティング施策に関する業務を自動化・効率化するための仕組みやツール」を指します。MAの対象部門はマーケティング部門であり、リードの獲得や育成が目的です。
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SFA(Sales Force Automationの略)は「営業支援システム」とも呼ばれ、「営業活動を効率化するツール」を指します。営業部門で利用されるツールであり、契約の獲得やリードの転換などが目的です。
一方CRMはマーケティング・営業・CSなど部門の垣根を越えて利用されるのが特徴で、導入する目的は「顧客情報の一元管理(顧客関係管理)」及び「リピーターの獲得」にあります。それぞれ似た領域にありますが目的や部門、役割等は異なるため明確に理解しておくことが大切です。
CRMの主目的である「顧客情報・顧客関係の管理」を実現するためには、リードの獲得・育成を行うMAツールと、契約の獲得を行うSFAが必須 です。近年ではMA・SFAの機能やサービスをもったCRMが登場しています。
製造業におけるCRMについてわかってきましたが、なぜ近年こんなにもその必要性が高まっているのでしょうか?
製造業におけるCRMの必要性
現代の製造業においては顧客管理や関係構築の重要度は高まっており、それを実現できるCRMツールの必要性が増しています。
顧客管理の重要度が高まる背景には、人口減少による「市場の縮小」のほか、インターネットの普及やSNSの発展、趣味・趣向の多様化による「顧客ニーズの複雑化」などがあります。
また「作れば売れる」という従来のビジネスモデルは終わりを告げ、顧客のニーズをより的確に捉えた商品を提供しなければ、自社製品を選んでもらうことは難しくなるという「競争の激化」も大きな理由です。
関係構築の重要性は昔から変わらずではありますが、古くから課題を解決するツールとしてCRMは役立ちます。例えば営業の属人化により、顧客の情報が営業担当の手元にしかなかったりすると、担当者がいなくなった瞬間に情報ごと失ってしまいかねません。そのため、顧客のニーズや状況はデジタルとして共有し管理する必要があるのです。
CRMツールを導入することで、これらの問題の解決へとつながるため、年々その必要性は高まり、導入する企業が増加しています。
製造業にCRMツールを導入するメリット
製造業にCRMツールを導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか?以下では主な5つのメリットを紹介します。
顧客ニーズの的確な把握
まずCRMツールを導入するメリットとして、顧客ニーズを的確に把握できるという点が挙げられます。
CRMツールでは、顧客の社名や購買情報、取引実績、クレームの有無や要望など、顧客に関するあらゆるデータを一元管理します。これらのデータを収集・分析することで顧客のニーズをより的確に把握でき、より効率的な商品の製造・販売が実現できます。
またニーズを把握することで不要な在庫の保管や処分などのリスクを軽減できるのも大きな利点です。顧客との良好な関係構築や、新製品の開発などにも寄与します。
他部門との連携強化
他部門と連携を強化できる点も、CRMツールを導入する大きなメリットです。
従来は各部門それぞれが顧客データを管理していましたが、CRMツールを導入して顧客情報を一元化することで、営業・製造・マーケティング・カスタマーサクセスなどの部門の垣根を越えて情報をスムーズにシェアできるようになり、業務の効率化を実現します。
部門間での連携を強化することで、部門間での重複した入力作業や人的ミスなどを削減でき、データの正確性も担保できます。
営業力の向上
CRMツールを導入することで、企業全体の営業力の向上につながるというメリットがあります。
CRMツールでは顧客に関するあらゆる情報を管理・共有し、社内全体で情報や商談内容を把握できるため、仮に担当者が不在の場合でも他の社員が対応することで、機会の損失を防ぐことができます。
また成績の良い営業担当者のノウハウや知見をシェアして知識を体系化することで、組織全体の営業力向上を見込め、受注の増加も期待できるでしょう。
生産管理の効率化と売上予測の精度向上
CRMツールを導入して顧客情報を一元化することにより、企業全体での情報共有が可能になり、生産管理の効率化と売上予測の精度向上を実現できます。
たとえば顧客から受注した際、CRMツールによって受注内容や緊急度の把握ができ、生産ラインにおける優先度の設定や調整が迅速に行えるなど、生産管理における効率化が見込めます。CRMをERPと連携させれば、需要予測を生産管理に反映させて在庫を最適化できるという点も魅力です。
また顧客データの収集・分析によってより正確なニーズ予測が立てられるため、売上予測の精度向上も見込めます。精度の高い生産管理や売上予測が実現できれば、適正在庫の維持が可能になり、保管や廃棄にかかる無駄な費用の削減や、利益の最大化につながります。
コストの削減
CRMツールを導入することで業務を効率化でき、最終的にはコスト削減の実現につながるというメリットがあります。
収集・分析した顧客情報に基づいて活動を行うため、業務の効率化と同時に、非効率もしくは無駄な施策を減らすことができ、最終的には企業全体のコストの削減を実現できます。
また、社内の各部門ごとに利用していた複数の管理システムをCRMツールに集約して一元管理すれば、管理システムの利用・維持にかかるコストも大きく削減可能です。
さらに、CRMツール導入による不良品の削減や製品・サービスの品質維持という点からも、生産コストの削減を実現できます。
製造業におけるCRMの選定ポイント
製造業で導入するCRMツールを選定する際、どんなことに気をつけると良いでしょうか?以下では主な5つの選定ポイントを紹介します。
必要な機能を明らかにする
製造業でCRMツールを導入する際、必要な機能を明らかにして、その機能が備わっているかどうかを確認することが大切です。
そのためにはまず、CRMツールを導入して「どのような目的を達成したいか」「どんな課題を解決したいか」を、予め明確にしておく必要があります。
たとえば新規顧客獲得を目的とする場合、顧客とのやりとりを履歴としてシェアできる機能や、メルマガ配信などを行えるMA機能があるといいでしょう。顧客の高精度なニーズ把握を課題とする場合、顧客の精密なデータ分析機能が備わったCRMツールを選ぶことがおすすめです。
自社の目的・課題に最適な機能を把握するためにも、自社の課題や目的を明らかにし、事前に必要な要素・機能を洗い出すことが大切です。
システム連携を確認する
CRMツールではMAツールやSFAツール、ERPなどと連携することができるため、予めどのようなサービスと連携できるかを確認する必要があります。
すでに別のツールやシステムを導入している場合は特に、CRMツールがそれらのシステムとスムーズに連携できるかを確認しておきましょう。カスタマイズ性の高いCRMツールを選ぶことで、今後導入するツールやシステムとの連携が図りやすくなるため、今後の展開を視野に入れて選定することも重要です。
スモールスタートできるかを確認する
初めてCRMツールを導入する場合には、スモールスタートが可能なツールかどうかも選定ポイントです。
最初から大きなコストや労力をかけてもうまくいくとは限らないため、初めは初期費用を抑えたスモールスタートが理想です。無料トライアルが備わっているツールも多数存在しているため、まずは利用してみるのもいいでしょう。
料金プランに関しては、1ユーザー単位ではなく、5ユーザー・10ユーザー単位などに別れているサービスだと拡張しやすく、今後さらにCRMツールの利用を展開させていきたい場合は導入しやすいです。
場所を問わずに利用できるツールを選ぶ
CRMツールにはスマートフォンなどのデバイスで場所を問わずに利用できるものがあります。
場所などの制限なく顧客情報を確認できるため、顧客の商談履歴や現状を訪問先を訪れる直前にチェックでき、より正確でタイムリーなアプローチを実現できます。
商談後もすぐにその場で顧客情報を入力できるので、情報の共有をより迅速に行うことができ、業務の効率化にもつながります。
費用対効果を考慮する
費用対効果がどれくらい見込めるのかを考えることも、CRMツール選定の際には重要なポイントです。
費用対効果について検討する際は、「機能」「導入・維持費用」「実現できること」の3つの視点から考慮する必要があります。これらを検討せずに導入してしまうと、導入しただけで終わってしまったり、コストだけかかって効果が得られないということが起こり得ます。
コストを無駄にしないためにも、どの程度の費用対効果があるのかについて考慮を重ねましょう。
サポート内容を確認する
CRMツールを導入する際に受けられるサポート内容について確認しておくことも重要です。
CRMツールは導入した後に、いかにスムーズ且つ迅速に運用できるかどうかが大切であり、運用できてこそツールの真価を発揮します。
ツールの運用が軌道に乗るまでのサポートを行う導入支援や、導入後も手厚いサポートが備わっているコンサルティングサービスなどがあるため、選定する際にはサポート内容を必ず確認しましょう。
製造業でのCRMツール活用時の注意点
製造業にてCRMツールを活用する際には、気をつけるべき注意点があります。CRMツールの効果を最大限に発揮できるよう、参考にしてください。
全ての顧客情報を一元管理する
CRMツールを導入して最大限活用していくためには、あらゆる顧客情報を一元管理することが重要です。一元管理することで部門間での情報のシェア・連携がうまくいき、スムーズな業務を実現できます。
どの部門からも、いつでも顧客情報をチェックできる状態にしておくことは、さまざまな部門が関与することが特に多い製造業においてとても大切なポイントです。CRMツールで顧客情報を一元管理すれば、24時間のカスタマーサポートなどのクオリティの高い顧客対応が可能になり、顧客との良好な関係構築にもつながります。
サプライチェーンデータを登録する
CRMツールには顧客情報だけではなく、在庫管理や注文管理、配送などのサプライチェーンデータも登録することが大切です。
CRMツールでサプライチェーンデータを管理することで、より高度な生産管理が実現します。また最適な生産計画や、不要な在庫の削減などにもつながります。
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販売予測を分析する
CRMツールに顧客情報を収集・蓄積していくことで、そのデータをもとにリアルタイムでの分析が可能になり、導入後数ヵ月で「何がどのくらい必要になるか」という販売予測が立てられるようになります。
また、顧客の購買履歴をデータとして分析し追跡していけば、購入パターンを把握することも可能です。「どの時期に再受注が増えるか」という的確な販売予測を実現することで、最終的には利益拡大へつながるため、CRMツール活用の際にはとても大切な作業といえます。
可視化による属人化の防止
CRMツールで取引状況や履歴などを可視化することで、営業の属人化を防止できます。
製造業の営業活動は従来、営業担当者に属人化されてしまうという課題がありましたが、CRMツールを活用することで社内全体で顧客情報や営業の進捗をシェア・可視化できるため、属人化を防止できます。
属人化していると担当者が不在のときに対応できなくなり、貴重な商談機会を逃してしまうことにもつながるため、属人化防止をCRMツールで実現できれば、社内全体の営業力向上も期待できます。
ビッグデータ分析ツールに連携する
CRMツールを活用する際には、ビッグデータ分析ツールと連携することをおすすめします。
連携させることで蓄積した情報を詳細に分析でき、「何を販売するか」「いつ販売するか」など重要な項目を決定す
る際に役立ちます。アップセルやクロスセルに最適な製品の特定も可能になるため、利益の拡大にもつながるでしょう。
製造業界のCRMツール導入事例
製造業においてCRMツールはどのように導入されているのでしょうか?実際の導入事例を3つ紹介します。
株式会社イムラ:封筒の製造・販売
封筒の製造から販売までを行う「株式会社イムラ」は、CRMツールを導入することで、当初の目標達成を短期間で実現した製造業の事例です。
同社は「部署ごとに顧客情報の管理体制が異なり、営業リードタイムが長い」という課題を抱えていましたが、社内で統一された営業管理の仕組みがなく、部署ごとに管理の状況がバラバラという中でも、不都合を感じずに業務に取り組んでいたそうです。
しかし、封筒の製造販売はリードタイムが非常に短く、リピート率が高いという特性がある点や、DM支援事業に力を入れ始めたことをきっかけに営業管理の重要性を感じ始めました。そして営業部門の効率化が必要になり、CRMツール導入を行います。
CRMを導入した結果、商談内容などの顧客情報がデータベース上で管理されるため、進捗や種別を上長が把握できるようになったほか、ノウハウや成功事例の部門内シェアにもつながり、部門全体における営業力向上を実現しました。
引用元: Zoho CRM/SFA 導入事例「営業活動の属人化がZoho CRMにより解消「受注型」から「獲得型」へ転換し、提案力を強化」
日本車輌製造株式会社:車両の製造
これまで国内の鉄道車両製造で中心的役割を担ってきた、車両の製造をしているトップメーカー「日本車輌製造株式会社」は、輸送用車をオーダーメイドで製造しています。
そのため受発注は三位一体の組織営業であり、「営業・工場・マネージャー」間での情報共有が必要不可欠であり、CRMツールの導入に至りました。
CRMツールを通した情報共有で密接なコミュニケーションが取れるようになったほか、これまで紙ベースで管理していた営業情報をデジタルデータで活用することで、管理の負担を減らし、効率化が図れるようになったそうです。
また部門間連携の強化によって情報漏れを防ぐことができ、顧客満足度の向上やクレームの削減を実現できました。
引用元: eセールスマネージャー導入事例「全員が使えるeセールスマネージャーが、きめ細やかな組織的営業を推進する」
丞威精密工業:精密金型
自動車部品や医療機器などの精密金型を提供する台湾CWグループの「丞威精密工業」は、CRMツールを導入することで、営業担当者のサービス能力向上と人件費の削減を実現しました。
導入以前は、「高い人件費」「人手不足」という課題や、Excelを活用した顧客情報管理によって、「顧客データを完全に把握できていない」という課題があり、「情報ミスによるリスクの低減」を目的としてCRMツールを導入したそうです。
CRMツールを導入したことで、サービスの正確性の向上や人件費削減につながったほか、営業担当者の持つ顧客増加やサービス能力の向上などを実現しました。
引用元: ez vital 導入事例「CHEN-WEY PRECISION INDUSTRYのVital CRM顧客システムを駆使した海外受注管理の簡素化」
まとめ
本記事では、製造業におけるCRMについて解説しました。
市場規模の縮小やニーズの多様化、競争の激化など、売上アップのためには様々なハードルがある製造業ですが、CRMツールを導入することでそれらの課題解決へとつながり、効率的な営業活動や利益の最大化が見込めます。
CRMツールの効果を最大限に発揮できれば、市場における競争優位性を保つこともできるはずです。もちろん導入には投資が伴いますが、避けては通れないツールでもあるので、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。
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- この記事を書いた人
- エムタメ!編集部
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クラウドサーカス株式会社 マーケティング課
- プロフィール :
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2006年よりWeb制作事業を展開し、これまでBtoB企業を中心に2,300社以上のデジタルマーケティング支援をしてきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。53,000以上のユーザーを抱える「Cloud CIRCUS」も保有し、そこから得たデータを元にマーケティング活動も行う。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意。
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