BtoB製造業の「ブランディング」は技術力をどうアピールするかが重要
最終更新日:2023/11/14
BtoB企業のブランディングとは
「ブランディング」と言うと、車やお菓子など特定の製品を消費者に向けて宣伝する「BtoC」視点のイメージが付きがちです。直接エンドユーザに対して製品を販売していくわけではないため、未だ多くのBtoB製造業においてのブランディングは重要視されていないことが多いです。しかし、これは大きな間違いです。
情報の受け手である顧客側は、スマートフォンなどデバイスの普及や、チャネルの多様化により誰もが情報へのアンテナを張るようになりました。
これにより、実際のビジネスの土俵以外でも、様々なシーンで常に競合他社と比較される状況となったため、もはやどの企業も「ブランド」を 持つことは大きなアドバンテージとなる時代になりました。
とはいえ、BtoCと比べBtoBのブランディングはやや複雑で、あまりピンとこない方も多いと思います。
ここで、まず誰に向けて行うか、という点から触れてみます。
誰に向けて行うか
ここで重要になるのが、「対企業」としてブランディングするのではなく、 企業の「人(担当者)」を意識して発信するということです。 最終的には企業という集合体が対象となりますが、結局は接触するのは「人」であり、 一担当者なのです。
BtoBの場合は、製品の検討~購入までのプロセスに関わる人間が多いため、 ワンマン社長の企業を除いては、購入までの承認フローが複雑で時間を要する場合が殆どです。
そのため、それぞれの関係者に的確なタイミングで、自社の製品や技術を正確に伝えることが大切です。 そして、そのプロセスを確実に踏んでいくことが、顧客を購買へと導く近道になります。
BtoB企業のブランディングの課題
BtoB企業のブランディングには、現状まだまだ課題が残されています。 製造業の経営者からは、
- TVコマーシャルを展開しているが、いまいち競合他社との差別化がてきていない
- 影響力のある媒体へ配信できていない
- 新規事業を始めたが、認知度の効果的な上げ方が分からない
このような声がよく挙がります。 こういった企業の共通点として挙げられるのは、
- 「自社の技術」について理解
- 「顧客」について理解
が不足しているからだと考えられます。
自社の技術がどういうもので、それが誰に対して求められているのかが 理解できていないと、誰に対してどんなことを訴求したら良いかが定まりません。
また、顧客についても、「●●を検討している企業」といった考え方ではなく、 どれぐらいの企業規模で、何に悩みを持ち、どの部署が対象になるのかなどの、 詳細の顧客像を踏み込んで設定する必要があります。
認知啓蒙の重要性
BtoB製造業におけるブランディングでは、技術力で差別化をすることが多いです。
ただ、ここで特定の業界用語や技術をそのまま伝えても、理解されないことが殆どです。 訴求する相手は必ずしも同じ製造業とは限らないからです。 そこで重要になってくるのは、いかに「分かりやすく」、そしていかに『入り込ませるか』がポイントです。
ブランディングに成功している製造業の企業は、自社の技術力を特定のキーワードやテーマ、世界に置き換え、 それを一つのストーリーとして紹介するような一工夫をしています。 これにより、分かりにくい技術もより親しみをもって理解してもらうことが出来ます。
技術力をわかりやすく表現している例
『うごかす、とめる。』
https://www.nabtesco.com/promotion/
参考:ナブテスコ株式会社様
『なんてなめらか』
http://www.ntn.co.jp/japan/news/press/news201700020.html
参考:NTN株式会社様
『知的生命を吹き込む。』
https://www.dmgmori.co.jp/corporate/news/ad/video.html
参考:DMG森精機株式会社様
サイト上で取り組める認知啓蒙コンテンツ例
ブログ(オウンドメディア)
コンテンツマーケティングの王道、ブログです。
一見すると理解されにくいサービスや、製品も、 読み物として紹介することで、スムーズな認知啓蒙に繋がります。
いきなり購買顧客がサイトへ訪れることはそう頻繁には無いものです。 そこでブログ記事を定期的に発信していくことで、見込み客をよりサイトに 引き込み、自社の製品や技術力を理解してもらうきっかけになることでしょう。
特に、自分達が書きやすい内容で、且つ対象となるターゲットも欲している情報が最適です。
・自社ブログを運用している例
参考:スターティアラボ
基礎知識紹介コンテンツ
BtoB製造業では、ニッチな技術や製品が多いため、WEB上での訴求も 一工夫必要です。
例として、日立製作所ではサイト内に自社の製品や 技術をイラスト形式で分かりやすく紹介しています。 専門的な用語は極力避け、一つひとつ丁寧な説明で解説することで、 まずは「知ってもらう」ための工夫しています。
http://www.hitachi-ies.co.jp/voltage/Basic02.html
参考:株式会社日立製作所様
まとめ
ブランディングの重要性は年々高まっています。また、昨今は顧客とのタッチポイントも多様化しているため、Webサイトだけではなく一貫したブランディングコミュニケーションが必要です。
いまやどの企業も人ごとではない「ブランディング」なので、もし曖昧にしてしまっているのであれば、一度戦略的に設計してみることをおすすめします。
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