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動的検索広告(DSA)とは?流入の86%は今まで集客できていなかったユーザー

記事公開日:2020/02/17
最終更新日:2023/10/27
動的検索広告(DSA)とは?流入の86%は今まで集客できていなかったユーザー

Googleが提供する検索連動型広告のメニューのひとつ「動的検索広告」(略称DSA)をご存じですか?

DSAは、広告主のWebページに関連するキーワードを検索するユーザーに対し、GoogleがWebページの内容にあった広告文を自動で生成し、出稿できる広告出稿方法です。

従来のように広告主が指定したキーワードにもとづく広告運用では手間がかかりがちな商品種類の多いサイトの運営者や、ユーザーがどのようなキーワードで検索するかをまだ把握しきれていない新規参入の企業・ニッチな業界にもおすすめです。

この記事では、今Googleがもっとも注力している広告手法のひとつである動的検索広告(DSA)の仕組みやメリットなどの基礎知識と運用のポイントについてご紹介します。

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動的検索広告(DSA)とは?

DSA(Google動的検索広告)とはDynamic Search Adsの略で、Googleが提供する検索連動型広告機能です。広告主のWebページに関連性の高いキーワードを検索しているユーザーに対し、その内容にあった広告の見出しをGoogleのクローラー(ロボット)が機械学習によって自動生成し、出稿する広告出稿方法です。

従来の検索連動型広告では、広告主が指定したキーワードに対して、広告を表示する広告主による「ユーザーは〇〇〇のキーワードで検索するのではないか」といった推測を起点に戦略が構築されます。

しかし、Google 広告の媒体資料によると、Webページに流入するユーザーのうち86%は新しいユーザーであるとされ、サイト運営者も予測できていないキーワードからページに流入するユーザーが非常に多いことがわかります。

このような実態に対し、DSAは従来の指定キーワードにもとづく検索連動型広告だけでは網羅できない幅広いユーザーへリーチを拡大し、より効率的に新規顧客を獲得する手段として活用されています。

DSAの仕組み

DSAでは、Googleが広告主のWebページと関連性の高いキーワードで検索しているユーザーに対し、そのニーズを満たすであろう広告を自動で生成します。つまり、従来は手動で行っていたキーワードの選定や登録、広告の作成をGoogle側が自動で行ってくれます。

では、DSAはどのような仕組みで出稿されるのでしょうか。DSAの設定から広告表示までは、大まかに以下のような流れで進みます。

DSAの広告表示の仕組み

  1. 広告主は、広告がクリックされた際に表示したいページのURLをGoogle Adsに指定(※1)
  2. Googleは指定されたWebページをクローラーで読み取り、コンテンツの内容をインデックスする
  3. GoogleはユーザーにインデックスされたWebページのコンテンツと関連性の高いキーワードが検索されたとき、広告を表示する
  4. その際、広告の見出しとURLはユーザーにあわせて自動生成される(※2)

例えば、広告主が首都圏で外食チェーンを展開している場合、ユーザーがGoogleで「〇〇駅 ランチ」と検索すると「〇〇駅- ランチ」という見出しの広告が自動生成されて表示され、その広告をクリックすると〇〇駅周辺のおすすめランチ情報を紹介するページが表示される仕組みです。

従来の広告主が指定したキーワードに対し広告を表示する方法と大きく異なる点は、※1のように、 広告の対象となるWebページ(URL)を指定することです。

クローラーにかける対象URLも「すべてのWebページ」「カテゴリ指定」「現在使っているランディングページ」「ページフィード」「特定のWebページ」の5つから選択することができ、 広告範囲の細かな設定が可能です。

また※2に示したように、広告の見出しとURLはGoogleによって自動生成 されます。URLは登録してあるページ内から選択されます。

ただし、広告の説明文(2つまで、それぞれ全角45文字/半角90文字まで)はキーワードを指定する場合と同様に、手動で作成したものが表示 されます。そのため、さまざまな見出しに合う汎用性の高い説明文を用意する必要がありますが、説明文の内容は広告主側でコントロール可能であるとも言えます。

動的検索広告(DSA)とは

ターゲティングの仕組み

ターゲティングの方法は広告主のほうで設定できます。個々のWebページや特定のページグループ(カテゴリ)、あるいはWebサイトの全ページに基づいてターゲット設定が可能です。

また、動的広告ターゲットの「除外設定」を使えば一部のページをブロックでき、「除外キーワード」を追加すれば 特定の検索語句(ワード)で広告が表示されないよう制御することもできます。

たとえばECサイトにおいて、「在庫切れ」「販売期間外」などのワードを含み、実際に販売不可能な商品を掲載しているページにはユーザーを誘導できないように設定できます。

広告見出しの仕組み

広告主がWebページ、ドメイン、Webサイトなどを登録すると、Googleのクローラー(ロボット)が広告見出しに使えるテキストを自動で検出し、関連性の高い検索語句をターゲットとする見出しを生成します。これにより、より多くの検索語句を捉えられる仕組みです。

クローラーは直近でよく検索されているワードなどをもとにユーザーニーズを自動で捉えて機械学習を行い、広告主である企業側が 手動でキーワード設定する場合には拾いきれない、あるいは想定していなかった検索ワードも捉えることができます。

DSAを活用するメリット

DSAの活用で得られるメリットについてご紹介します。ポイントは次の4点です。

【1】想定外のキーワードやターゲットを発掘できる

DSAは、任意のキーワードを対象にした検索連動型広告では網羅しきれない具体的なキーワードやロングテールキーワード、3語以上の複数のキーワードで検索する顕在的なユーザーに対し、最適な広告を表示させることができます。

また、どのようなキーワードで広告が表示され、CVにつながっているか を分析すれば、今まで見落としていたニーズを把握し、マーケティング情報として活用することが可能です。

【2】広告設定の手間と負担が減る

従来の検索広告では、自社のWebサイトに掲載する商品やサービスごとに個別のワードを設定する必要があり、広告出稿の際には1件ごとに広告文の作成やURL登録などの手間が発生していました。

一方、Google動的検索広告(DSA)では、Webサイト自体を広告出稿画面から登録すれば、あとはクローラーが自動的に広告を生成してくれるので、 広告設定の工数を大幅に削減することができます。

とくにECサイトや不動産情報サイトなど、商品詳細ページの量が膨大であるサイトや型番検索数の多い業界の場合、広告運用者のキーワード選定・登録・広告文の作成の手間も非常に大きくなります。DSPを活用すればそのような一連の作業を省力化でき、運用の工数を削減できます。

またDSPでは、Googleが対象のWebページからつねに最新の情報を取得するので、「在庫の有無」「価格変更」といった情報の更新頻度が高いWebサイトにも向いています。

【3】CPAの改善が狙える

これまで説明してきたようなDSAの仕組みは、「競合があまり買わないニッチワードのためCPC(クリック単価)が安い傾向がある」「具体的なキーワードで検索する顕在層へ広告表示できる」「誘導先のページがユーザーの検索キーワードとマッチしている」などの特長を生み出します。

その結果、キーワード指定による広告のみを運用するのに比べ、CPA(コンバージョン単価)の改善を見込むことができます。

【4】新たなトラフィックや売り上げを獲得できる

DSAを活用すればトラフィックの増加も可能です。キーワードの指定によるターゲティングでは網羅しきれなかった場所にも広告掲載の機会を見つけることができ、新たなトラフィックや売り上げの獲得が可能になります。

Googleのクローラーは機械学習によりユーザーニーズの高いキーワードを素早く検出して自動的に広告を生成 するので、手動でキーワード設定を行う方法ではリーチできなかった新たなユーザー層の流入やコンバージョン獲得 などの成果が見込めます。

DSAに向いている業種・企業・サイト

では、DSAはどのような業種や広告主にマッチするのでしょうか。次の3つの特徴に合う業界や企業は相性がよく、効果を発揮しやすいでしょう。

●商品数が多い・情報の更新頻度が高いサイト

DSAを活用すると多数のキーワードを登録する必要がないため、膨大なランディングページ数が想定されるECサイトや不動産情報サイト、旅行情報サイト、飲食店情報サイトなどには向いているでしょう。

逆に、商品数が限られるサイトや競合の少ないピンポイントなキーワードを狙う業種では、

DSAのメリットを生かしにくく、手動で運用を行ったほうが効率的な場合もあります。

●SEO対策がきちんとされているサイト

DSAでは、GoogleがWebページのコンテンツをクロールすることで、関連性の高いキーワードの抽出や広告の見出しの生成を行います。

つまり、対象となるWebページがそもそもSEOの考え方に基づいて適切に構成されていなかったり、関連するキーワードが入っていなかったりすれば、適切な効果を発揮できません。

DSAはユーザーの検索ワードと関連性の高い広告を表示するために、登録されたサイトの情報を読み取ります。その際、Webサイトのタイトルタグや見出しタグの情報も読み取りの対象になるので、 クロールの対象となるWebページに基本的なSEO対策がなされていることが前提です。

●新規参入の分野で他社より早く検索優位性を確立したい企業

想定されるキーワードの選定やすり合わせにかける時間を短縮できるため、競合他社に先駆けて新しい市場に参入する場合も効果的です。

DSAに向いていない業種・企業とは?

多くのメリットを持つDSAに向いているWebサイトや業種をご紹介しましたが、逆に、DSAに向いていない、効果を十分に発揮できないケースもあります。

クローラーがWebサイトや特定のページを訪れたときに、「このページのキーワードは『オーシャンビュー マンション』である」というように明確にキーワードを読み取れる状態でなければDSAの効果を十分に得ることはできません。

たとえば日替わりセールやタイムセールを実施しているなどWebサイトの更新頻度がひじょうに高い場合や、ログインをしないと大半のコンテンツにアクセスできないサイト、また、画像や動画がメインのサイトなどが該当します。

クローラーのキーワード検出がより的確なものとなるよう、SEO対策などに加えてこれらのポイントもふまえておきましょう。

DSA運用の注意点

DSAは検索連動型広告の運用を自動化する、とても便利な手法です。しかし広告全般に言えるように、ターゲティングがきちんとなされていなければその効果を最大化することはできません。DSAのターゲティング精度を高めるための注意点をご紹介します。

●Webサイトの改善余地はありませんか?

対象ページのSEO対策は万全でしょうか。DSAはGoogleのクローラーが自動でコンテンツを読み取るため、対象となるWebサイトの情報がもともと正確で信頼性が高いものであるほど、広告の精度が高まります。

●ターゲットに合わせたWebページの範囲設定をしていますか?

不要なページにユーザーを誘導していないでしょうか。広告に不向きなページはURL単位でブロックが可能です。Googleのクローラーにどのページまで読み取らせるかを正しく設定しましょう。

●「説明文」の表現は適切ですか?

DSAは広告の見出しを自動で作成しますが、説明文については広告主が手動で登録したものが反映されるのでコントロールが可能です。説明文の表現を工夫し、ターゲットの呼び込み・選別を行いましょう。

●除外キーワードを設定していますか?

広告主の意図と異なる検索、ターゲットに関連性の無い検索ワードに対しては広告掲載をしないよう、「除外キーワード」を設定できます。

たとえば商品紹介ページでの「在庫切れ」「完売」といったキーワードを除外することで、在庫切れページに広告を表示しないようにすることもできます。

●見出しとタイトルを工夫していますか?

なお、DSAで自動生成される広告見出しは、Google 広告の編集ポリシーなどの観点から、Webサイトから取得されるテキストに若干の変更が加えられる場合があり、広告主はどのような広告見出しが配信されるのかを前もって知ることはできません。

DSAの広告見出しの効果を高めるために、Google 広告はWebサイトの見出しとタイトルを次のように調整することを推奨しています。

ページのタイトルと見出しについて、クリエイティブに関する Google の標準編集ポリシーのルールに準拠する

独自の「行動を促すフレーズ」を用意する

ウェブサイトのタイトルと見出しは、全角 30~45 文字(半角 60~90 文字)以内にする

引用元:
Google 広告 ヘルプセンター「動的検索広告について」

DSAの成果事例

最後に、Mtame株式会社が運用を担当したお客様のDSAの事例をご紹介します。

事前に除外キーワードの選定がおおむね完了している段階で設定を行ったことで、DSAの実施後の運用の手間を省きながら、適切なキーワードに対し広告を表示することができました。

業界:製造業・メーカー様

施策内容:動的検索広告(DSA)の導入

課題:ニッチな業界であったため、製品名や検索キーワードを予測することが困難でCVが出にくい。

運用結果:CPA 約40,000円→約20,000円(お問い合わせ単価)
CPAを1/2以下まで下げ、運用を安定化させることができました。
サイト内の改修とコンテンツの作成(製品ページの増量)を同時に行えた成果です。

まとめ

DSA(Google動的検索広告)は日々変化するユーザーの検索ニーズに自動で対応し、これまでの手動で任意のキーワードを指定する検索連動型広告と比べて広告主や運用者の工数を大幅に削減できる点で夢のような手法に見えます。

しかし、自動化に任せて細かな調整やチェックを怠れば、期待通りの効果は得られません。

リスティングを活用する企業は、自動化という技術の進化をうまく活用しつつ、経験豊富なパートナーと適切な運用を行っていくことをおすすめします。

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