[事例付]基礎知識から成功法までを一挙ご紹介
メールマーケティングのすすめ
メールマーケティングの基礎から、メールを送るときのポイントを捉えてもらうといった、「まずはなにから行なうべきか」を抑えてもらい簡単にメールマーケティングに取り組めるよう整理しております。
 
近年、日本でもデジタルマーケティングを行う企業が増えてきました。そのなかで、もっとも身近な施策の1つが“メールマーケティング”です。低コストでスタートでき、高いROIが期待できるマーケティング施策として、注目を集めています。また、昨今重要視されているOne to Oneの顧客アプローチを行うにはメールマーケティングの考え方が必須になっています。
そこで今回は、このメールマーケティングについて、メールマーケティングとは何か?という基本から実際の配信の流れや必要となるツール、成功事例までご紹介します。
※メールマーケティングの必要性から、成功事例や参考テンプレートを記載した無料ダウンロード資料もございます。
よろしければこちらも併せてご利用ください。
>BtoB企業向けメールマーケティングガイドライン(無料)
 
目次
メールマーケティングとは「メールを用いてマーケティングの目的を達成するようユーザー自らに動いてもらうこと」です。
まず最終的な目的を決め、そこから逆算して、目的達成のためにはお客様にどんな内容のメールを送り、どのような行動を促せば良いのかを考えます。そして、「適切なタイミングで戦略的にメールコンテンツを配信していく」のがメールマーケティングです。
 
 
メールマーケティングを行うためには、見込み客の名前やアドレスなどの個人情報が必要です。
こういった情報は、ユーザー側の何らかのアクション(たとえば、お問い合わせや会員登録の際に入力してもらった情報)や、名刺交換で得た情報などで入手します。
※メール配信を行うには、さらに、メール配信を許諾してもらう必要があります。
メールをより多くの方に届けるために、名刺交換やお客様からのお問い合わせのほかにも、自社サイトに個人情報を入力しないとダウンロードできないような資料(ホワイトペーパー)を掲載するなどして、メールを送るユーザー数の獲得を目指していきましょう。
 
 
メールを送る際に大切なのは、一人ひとりのお客様に合った内容をそれぞれに適切なタイミングで配信することです。
単一的な内容を全員に配信するのではなく、それぞれの見込み客に合った内容を送ることで、ユーザーの興味を引きつけます。
 
 
メールマーケティングでは、メールの開封率や本文に記載したURLから、サイトへの流入数を測る手法も重視されます。
送りっぱなしではなく、「メールを送った見込み客の中で反応してくれたユーザーは誰か?」というところまで把握することで、より温度感が高い(検討の度合いが高い)ユーザーの見極めが可能となります。
 
(出典:第1回:メールマーケティングとは?/BtoB デジタルマーケティングの基礎知識)
BtoB企業の場合は、顧客が検討から購入に至るまでに時間がかかります。問い合わせから購入までに時間が空いてしまうと、その間に自社のことを忘れてしまうこともあるでしょう。そこで重要となるのがメールマーケティングです。メールによりコミュニケーションを続けることで自社を印象付けたり、信頼性を高めたり、検討状況を把握したりできます。継続してコミュニケーションを取ることで、顧客の育成(ナーチャリング)も可能です。
またヨーロッパの大手CRMプロバイダー、SuperOfficeによると、メルマガのクリック率はデバイスにより異なり、「デスクトップでメールを開いた読者はモバイルに比べて、クリックする可能性が3倍高くなった」とのこと。パソコンでメールを開く確率が高いBtoBのメールマーケティングはより効果が期待できます。
なぜメールマーケティングを行う企業が多いのでしょうか。
総務省が公開している「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、SNSでの情報連絡が主流になっているものの、30代以降の働く世代はメール利用率が依然として高く、特に平日に関して、30代はSNSと僅差、40代~60代はSNSよりメールの利用時間が長いという結果になりました。
いまだ働く世代にとっては、メールがもっとも身近なツールといえます。
ターゲットにもっとも身近なツールであるメールを用いることで、多くの見込み客にコンテンツを届けられます。「こちらから見込み客に情報を届け、かつ継続的に接点を持つことができる」というメールの特性は、マーケティング施策に用いられるツールの中でも数少ないものです。
施策を行う側としても、メールは日常的に使っているため、使い慣れないツールを使うようなほかの施策に比べると、取り組むハードルが低いといえます。 またメールマーケティングは、開封率やURLのクリック率など、ユーザーの行動を把握できる点も大きなメリットです。
 
(出典:第1回:メールマーケティングとは?/BtoB デジタルマーケティングの基礎知識)
URLのクリック率、開封率を見ることで興味関心の度合いがはかれます。
何らかのアクションがある顧客は検討度合いが高いと考えられます。やみくもにアプローチするより、メールマーケティングの結果をみてアプローチするほうが商談につながる可能性は高いでしょう。
また、今どのような悩みを抱えているのか、何の記事に興味があるのかなどを分析し、継続して最適な情報を提供していくことは、顧客が次のフェーズへの移行を考えた際の背中を押すことにつながります。顧客が求める情報の提供を続けることで、他社への乗り換えや、検討を打ち切るといった行動にストップをかけることも可能です。
メルマガはメールマーケティング手法のひとつです。しかしやや異色の存在になります。
メールマーケティングは、メールによって見込み顧客の育成や売上アップを目指すマーケティング施策です。顧客の興味を引く内容のメールを配信したり、顧客の気持ちが動くタイミングを見計らって最適な内容のメールを配信したりと、細かく調整を行います。
問い合わせにつながるよう、顧客の属性や行動に合わせたメールを配信していくため、「ナーチャリング」の要素があるのも特徴です。
一方でメルマガは、新製品情報やキャンペーン情報、自社メディアやホームページ更新のお知らせなどを購読ユーザーに一斉配信します。全員に向けて同じ内容を配信するため、汎用的な内容になることが多く、直接お問い合わせにつなげることは難しいといわれる手法です。
まとめると、一般的なメールマーケティングの手法はユーザーごとに最適なメールを配信しますが、メルマガはメールの購読ユーザーすべてに同じ情報を送るという違いがあります。
 
 
(出典:第1回:メールマーケティングとは?/BtoB デジタルマーケティングの基礎知識)
ここまで、メールマーケティングの概要をご説明してきました。
では、実際に自社でメールマーケティングを導入するかどうかと検討する際に必要となる、メールマーケティングのメリットとデメリットを以下でご紹介します。
メールマーケティングには、大きく以下3点のメリットがあります。
メールマーケティングは、配信システムや効果検証のための分析ツールを導入するだけで始められます。安価にスタートできることが大きなメリットです。数千円から利用できるものもあり、中小企業、個人事業主にも導入しやすい費用感となっています。
メルマガの配信などは顧客側から許可を得て行うため、コンバージョンしやすい層へのマーケティングが可能です。低コストで導入できるツールが多いため、高いROI(投資対効果)も見込めます。
効果測定ができるという点も、メールマーケティングのメリットです。
メールの開封率や到達率、CTR、CVR、配信停止率などのデータを分析し、その結果を元に改善策を練ることで、マーケティング施策の精度を高め、より効果的に実施することができます。
MAツールやメール配信ツールを活用すれば、メールマーケティングを効率化しつつ、より精度の高い効果測定が可能になります。
ほかにも、メール内にSNSやコーポレートサイト、サービスサイトなどへのリンクを記載できるので、ほかの運営メディアと連携させて相乗効果を狙うといった使い方もできます。
メールマーケティングにはデメリットもあります。デメリットをしっかりと理解した上で施策に取り組むことが大切です。
メールマーケティングは、メール送信の回数を重ねることで顧客との関係性を構築していくため、中長期的な運用が必要という側面があります。
特にメールナーチャリングでは、接点を継続的に持ち続け、見込み客を放置しないことが重要です。メールを送信する対象や頻度、コンテンツの制作や企画など、実施するにするべき項目はたくさんあり、中長期的に運用できる体制を立てて取り組まなければ成果が得にくいでしょう。
コンテンツ制作には工数がかかるため、体制(人員)を確保する必要があります。
配信業務や効果測定などの作業はデジタルツールを活用して自動化できますが、質の高いコンテンツを作成するには人材と労力が必要です。すでにWebに掲載されているコンテンツや営業資料、社内向けの資料を配信するなど、工夫次第で工数を削減することはできるでしょう。
コンテンツの質が低いと購読解除につながる可能性があるため、クオリティを保った上で効率化できるように取り組むことが大切です。
メールマーケティングと一口にいっても、目的や状況により採用すべき方法は異なります。
ここで、主なメールマーケティングの施策をご紹介します。
ステップメールとは、個々のユーザーの検討の度合いやアクションに応じて、あらかじめ準備しておいたストーリー性のある複数のメールを、設定したスケジュールに沿って自動的に送信していく仕組みを指します。
 
 
たとえば、自社サイトで製品Aに関する資料をダウンロードしてくれたユーザーがいるとします。ユーザーは製品Aに関心を持っている状態です。その状態からさらに次のアクションを促すために、
 
資料ダウンロードのお礼
製品Aの基本情報
成功事例・ユーザーの声
販売への誘導
 
と、段階ごとのメールを配信していきます。
そのなかで、徐々にユーザーの温度感を高めていき、最終的には製品の申し込みや問い合わせなどの最終目的達成を目指します。BtoBの場合は、営業のアポ獲得を目指すこともあります。
カスタマージャーニーに基づき、どういった内容のメールを届ければユーザーを次のアクションへと誘導できるのかを考えながらメールの内容を作成するのがベストです。
ターゲティングメールはセグメントメールともよばれ、見込み客を「設定した条件」ごとに分類し、そのターゲット(セグメント)ごとに必要だと思われる情報をメールで配信する施策です。
 
 
 
たとえば、
 
「製品Aの資料をダウンロードした方」「サイトで○○のページを閲覧している方」など、ユーザーのアクションごとに分類する
 
「30代」「女性」「製造業」「東京都」「従業員51-100人」など、ユーザーの情報ごとに分類する
 
などが考えられます。ユーザーがすでにアクションを起こした(=関心を持っている)事柄についての情報を配信したり、特定の条件のユーザーが興味を持ちそうな内容を配信したりするのがターゲティングメールです。
配信するユーザーを絞ることで、ユーザーにとってより興味のある情報を届けられるため、開封率やメールに記載したURLのクリック率が上がります。 この施策だけで、メールの開封率が2倍まで上がったという例も報告されています。
上級者向けになるとステップメールをセグメント別に送付するという手法もあります。この方法を突き詰めていくとマーケティングオートメーションツールを使って配信するような1to1メール配信や、シナリオ配信という手法に行きつきます。
 
マーケティングオートメーション(MA)ツールとは?基礎知識や活用手法、選定方法などをまとめて解説
休眠発掘メールとは、一定期間活動がない休眠顧客に対して、何かしらのアクションを促すようにメールでアプローチする手法です。
すでにメール配信を行っているにも関わらず休眠してしまうケースでは、迷惑メールフィルタに引っかかってしまっていたり、タイトルだけ見て不要と判断されていたりと、メールそのものを見てもらえていない可能性が高いです。
これを改善するには、メールのタイトルや差出人の表記を変えるといった工夫が必要になってきます。件名に社名を入れている場合はそれを外してみる、お得感のある件名にしてみるなど工夫してみましょう。
メールに反応してくれるようになれば、そこから先ほどのようなステップメールやターゲティングメール(セグメントメール)を実施→商談や問い合わせにつなげる…と繰り返していくことで、休眠状態を解消することができます。
 
(出典:第2回:メールマーケティングの種類/BtoB デジタルマーケティングの基礎知識)
メール広告とは、電子メールを使った広告のことです。テキストのみの形式と、装飾や画像を添付したHTML形式の2タイプがあります。さらに、メールの一部に広告が掲載されているパターンと、1通まるごと広告として利用するパターンに分かれます。
一般的なWeb広告は、広告を掲載しているメディアにターゲットが訪れる必要があります。しかしメール広告では、ターゲット層に合う送信先へと直接アプローチすることが可能です。
ただし、受信する側の環境によってはHTMLの画像や動画が適切に表示されない場合や、スパムメールとみなされて閲覧してもらえない場合があります。
事前に許可をもらったユーザーに一斉配信を行います。新製品情報やキャンペーン情報、お知らせなどで利用されることの多い手法です。「このメルマガは不要な内容を送ってくる」と思われないように、どのユーザーにとっても有益な情報になるよう内容を厳選しましょう。
メルマガを送る場合は、目的を集客ではなくエンゲージメント強化に設定するのがおすすめです。どのユーザーにとっても有益となる情報を届け、プラスのイメージを持ってもらうことは信頼の向上につながります。
問い合わせやセミナー申し込みなど、何らかのアクションを起こした顧客に対して返信する自動メールです。自動返信メールは開封率が高い傾向があるため、商材の宣伝や見てもらいたい情報を掲載する場として使えます。
「担当者より返信いたします」「ありがとうございました」など簡単な返信で終わらせないような工夫が必要です。
メールマーケティングを行う上で知っておきたい用語がいくつかあるので、ご紹介します。
 
配信したメールのうち開封されたメールの割合を表します。
「開封率=開封数÷総配信数(×100)」で算出することが可能です。
 
メールに記載したURLや画像がクリックされた割合を表します。
「クリック率=クリック数÷総配信数(×100)」で算出することが可能です。
 
加入や参加、許諾、承認などの意思を相手方に示すという意味です。
わかりやすくいうと個人が企業などに対し、メールなどのメッセージの送信や、個人情報の収集や利用などを承諾する手続きなどを指すことが多いです。
 
オプトインの対義語で、一度許可した個人情報の使用を停止する手続きを指します。
メールマガジンを停止するなどがこれに当たります。
 
HTML形式で作成されたメールのことです。
文字の色や大きさの指定、画像や動画の挿入もでき、自由な表現が可能です。
 
HTMLメールに対し、文字だけで作成されたメールのことです。
作成は容易ですが、文字だけの表現になるため自由度は低めです。
 
PCやスマホ、タブレットなど複数のデバイスで閲覧しても、自動で最適なレイアウトになるように1つのHTMLソースで表示できるメールのことです。
 
「経営目標達成指標」と訳されます。
企業の経営戦略やビジネス戦略を達成するために何をもって成果(ゴール)とみなすのかを定める指標のことです。
 
企業目標の達成度を評価するための主要業績評価指標のことをいいます。
 
変換、転換、交換などの意味を持つ英単語で、メールの閲覧者が会員登録や資料請求、商品購入、メールの購読など企業の望む行動を起こすことを指します。
 
総配信数に対してお問い合わせなどのアクションがあった割合を指します。
「コンバージョン率=コンバージョン数÷総配信数(×100)」で求めることができ、配信したメールが最適だったかどうかの判断の基準になります。
 
「企業が提供する製品・サービスにとって、もっとも重要で象徴的なユーザーモデル」の意味で使われています。
メールマーケティングにおいては、ペルソナ設計をきちんと行うことにより、ユーザーの興味を引き付けるメール内容を目指します。
 
日本のIT業界で「ホワイトペーパー」と呼ばれるものは、市場環境や技術動向の分析、導入事例やベストプラクティスの解説、他社製品との詳細な比較などをまとめた文書を意味することが多いです。
ホワイトペーパーをサイトに掲載する際、ダウンロードするために個人情報を入力してもらうフォームをつけることで、メールアドレスの獲得を狙う場合があります。
 
顧客がどのように商品やブランドとの接点を持ち、認知し、関心を持ち、購入や登録に至るのか、というプロセスを旅に例えた言葉です。
顧客に対しどういうメールを送れば検討度が上がるか、次のアクションへ進むのかを可視化することで目標達成率・成約率を高める際に活用します。
 
見込み客(リード)を育成(ナーチャリング)することです。
営業案件を創出するデマンドジェネレーションのなかで、さまざまな手法を用いて見込み客の検討度を高めることを目的としたマーケティング活動を指します。
「こちらから見込み客に情報を届け、かつ継続的に接点を持つことができる」というメールの特性は、リードナーチャリングとの相性が良いです。
 
ウェブサイトやメールの内容を指します。文章だけでなく、写真や動画、資料などさまざまな形式もコンテンツとよぶことが多いです。コンテンツを充実させることにより、サイトへのアクセスやメールの開封はもちろん、お問い合わせや資料ダウンロードなどの目標達成(CV)が目指せます。
 
(出典:第3回:メールマーケティングの用語集/BtoB デジタルマーケティングの基礎知識)
メールマーケティングは、一般的に次の手順で実施します。
 
Plan: 計画 |
①目標設定 |
---|---|
②メールアドレスの獲得(配信リストの準備) | |
③メール作成 | |
Do:実行 | ④メール配信 |
Check: 評価 |
⑤効果測定 |
Act: 改善 |
⑥各要素の再考、改善 |
まずは、メールマーケティングを行うにあたって何を実現したいのか、言い換えればどういった課題を解決したいのかを明確に設定することが非常に重要です。
達成したい最終目標である「KGI」とその目標を達成するための指標となる「KPI」を設定しましょう。
 
 
たとえば、KGIを「メール経由での製品Aのお問い合わせを月10件まで増やす」と設定するとします。
すると、KPIはメール到達率・開封率・クリック率・コンバージョン率などに設定することができます。
 
 
そして次に、ターゲットとなるペルソナを設定します。ペルソナとは「企業が提供する製品・サービスにとって、もっとも理想的なユーザー像」です。
このときのペルソナの設定が細かければ細かいほど、架空のユーザーの行動パターンや価値観をより具体的にイメージすることができます。
【関連記事】
>ペルソナ設定って?作り方は?~顧客の心動かすマーケティングの基礎~
>【わかりやすく解説】KPI(指標)とKGI(目標)とは?Webマーケティング分野での設定方法や決め方など
>KPIとは?KGIとの違いや具体例、設定方法などわかりやすく解説!
メールの配信先であるリストを準備します。いくら良質なメールコンテンツを作成したとしても、メールを送るユーザーがいなければ意味がありません。
ここで重要なのが、KPIとKGIから定めた配信数の目標と、現在自社で保有しているリード数とのギャップをきちんと確認することです。
先ほどのKGI例を用いて、月10件のCVという目標を達成するためにどれくらいの配信数が必要となるのか、各数値から逆算します。
 
 
つまり、月10件のCVという目標を達成するためには3万1,250通のメールを配信しなければなりません。現在のリード数でこの数のメール配信が難しい場合は、まずは配信先を増やすためにリードを獲得することを目指しましょう 。
ユーザーからのお問い合わせを待つだけでなく、メールの開封やURLクリック(またはその後のWEB閲覧ログ)したユーザーをリスト化し、こちらからフォローコールをすることで商談を生むという手法を採用する企業も増えてきています。
【関連記事】
>【自社ホームページの分析・診断に!】オンラインリード獲得チェックリスト
>これからの製造業に求められるリード獲得とは?オンラインでの施策や成果につなげるポイントなどをご紹介!
メールの内容や配信先の設定を行います。メールマーケティングにおいてもっとも重要な要素のひとつです 。
メールマーケティングを本格的に実行していく場合は、設定したペルソナをもとにカスタマージャーニーを設定します。
カスタマージャーニーとは、目標としているアクション(商品購入やコンバージョンなど)を起こすまでに、ユーザーがどういったプロセスを経るのかを表したマーケティング用語です。
以下のように図解したものをカスタマージャーニーマップと呼びます。
 
 
 
カスタマージャーニーのなかでユーザーが必要とする情報をコンテンツとしてメールで届け、ナーチャリングしていくことが理想的なメールマーケティングの姿です。
また、上級者向けとして“どういう内容”のメールを“いつ”“誰に向けて”“どれくらいの量”届ければ、検討度(ステータス)を次の段階へ戦略的に上げることができるのかをスケジューリングして管理していくこともおすすめです。
【関連記事】
>【無料テンプレートあり】カスタマージャーニーとは?メリットデメリットから作成の手順までを解説!
メールマーケティングでは大量のメールを配信・管理しなければならないため、メール配信ツールの活用をおすすめします。
MAツール(マーケティングオートメーションツール)にもメール配信機能がついているものが多くあります。自社のマーケティングの目的に合わせてツールを選定しましょう。
【関連記事】
>マーケティングオートメーション(MA)ツールとは?基礎知識や活用手法、選定方法などをまとめて解説
>第8回:メールマーケティングに必要な配信ツール
>「MA(マーケティングオートメーション)ツール」と「メール配信システム」の違いとは?
配信後は、メール配信ツールやMAツールの分析機能を使い効果測定を行います。
KPI・KGIに設定したメール到達率・開封率・クリック率・コンバージョン率などがきちんと達成できているか、ユーザーの受信拒否により配信数が減っていないかなど、数値から分析を行いましょう。
効果測定で評価した項目から改善点を洗い出します。
 
「メールの内容ではなくタイトルに興味を持ってもらえなかった」と推測できるため、ユーザーに興味を持ってもらいやすいようなタイトルに改善する必要があります。
また、曜日や時間帯によっても開封率は変わるので、自社のメルマガを購読しているユーザーに開封してもらいやすいタイミングを探ることも大切です。
 
「開封はしてもらったものの、ユーザーにメールの内容以上の情報を知りたいと思ってもらうことができなかった」と推測されます。
メールの内容やカスタマージャーニーが正しかったのか、本当にユーザーが求めている内容なのかを再考しましょう。
ただし、これはあくまで一例です。設定したKPI・KGIをどうして達成できなかったのか、何が足りなかったのかを考え、そこから改善方法を検討する必要があります。
 
そして、改善したらまた「①目標設定」に戻って繰り返します。そのなかで、自社に合ったメールマーケティングのかたちを構築していきます。
 
(出典:第4回:メールマーケティングの配信の流れ/BtoB デジタルマーケティングの基礎知識)
メールマーケティングを行う際は、大量のユーザーにメールを配信し、かつ、それを管理するツールが必要です。
ここで、いくつかのメール配信ツールとそれぞれの特長を紹介します。また、MAツール(マーケティングオートメーションツール)を用いたメール配信の方法と、メール配信ツールの機能との比較も併せてご紹介します。
【関連記事】
>マーケティングオートメーションの機能とは?MAは何ができるツールなの?
メール配信に使用するツールを選ぶ基準となる「必要な機能」について解説します。
 
メール配信前に使う機能です。メルマガ、ステップメール、ターゲティングメール(セグメントメール)を送る際に必要となります。
たとえば、「30代の女性」「東京都在住の男性会社員」「自社商品Aを一度購入したことがあるユーザー」など、メールを送る準備として、ユーザーを条件やステータスごとに分類する必要があります。分類した条件に当てはまるユーザーをグループとして一括でメール配信先に設定する機能です。
 
配信したメールの開封率や、本文に記載したURLのクリック率などを測る機能です。届いたメールにユーザーが反応してくれているかというところまで測定ができるので、メールの内容やタイトルが正しかったのかを判断する基準になります。
また、A/Bテスト(詳細は後述)といって同じグループのユーザーにAとBという異なった内容のメールを送り、反応率が良い方のメールを採用するという施策を行う際にもこの開封率やクリック率を見て判断します。メール配信ツールの中にはこのA/Bテストを自動で行うものもあります。
 
HTML形式で作成されたメールは、文字だけのテキストメールに比べ、文字の色や大きさの指定、画像や動画の挿入など自由な表現をすることができます。また、テキストメールだと開封率やクリック率の計測ができないため、開封率やクリック率の測定機能を活用したい場合は、HTML形式でメールを作成する必要があります。
分析機能がついているツールはHTMLメールの作成ができる場合がほとんどですが、操作方法はツールによって様々です。専門的な知識がない人でもHTMLメールを簡単に作成できるようなツールが人気です。
【関連記事】
>メルマガの基本:HTMLメールとテキストメールのメリット・デメリットを理解しよう
これらの機能を備えているメール配信ツールをいくつかご紹介します。
・blaynmail(ブレインメール)
 
(公式サイト:http://blaynmail.jp/)
 
契約数7,000社を誇る代表的なメール配信ツールです。全国のさまざまな企業や官公庁など幅広い顧客から支持を得ています。シンプルな機能で比較的リーズナブルな価格帯。月額2,000円から利用することが可能です。また、独自に開発した高速配信エンジンで「メルマガが届かない」「配信が遅延している」などのトラブルが発生しないよう常に高いパフォーマンスを実現しています。
 
・CombzMall PLUS(コンビーズメールプラス)
 
(公式サイト:https://plus.combz.jp/)
 
導入実績20,760社超の実績を持つメール配信ツールです。自社開発の配信エンジン「経路探索型アルゴリズム」が、過去の配信成功実績を照らし合わせて最適なサーバーに分散処理してくれます。最近では、過去に配信したメールの開封時刻やURLのクリック時刻に合わせて配信時刻を最適化してくれる機能が注目されています。
 
・WiLL Mail(ウィルメール)
 
(公式サイト:https://willcloud.jp/)
 
「ASPICクラウドアワード」を2015〜2019年までの5年連続で受賞している他、ITトレンド年間ランキングの2019〜2022年メール配信システム部門で4年連続1位を獲得するなどの実績があるツールです。
本格的なHTMLメールを短時間で作成することができ、ヒートマップ分析やリピート開封率分析などを含む、12種類の多角的分析機能も充実しています。
初期費用不要、月額4,000円から1ヶ月単位で利用可能で、無料トライアルプランも用意されています。低コストでハイクオリティの機能を利用できるのが特長です。
 
・Benchmark Email(ベンチマークイーメール)
 
(公式サイト:https://www.benchmarkemail.com/jp/)
 
世界で約50万社に利用された実績を持つイギリス発のメール配信ツールです。ユーザーのグルーピング、簡単な操作で作成できるHTMLメール、分析機能などメールマーケティングに必要な機能が一通りそろっています。A/Bテストやステップメールを自動で行う機能など、メール配信だけでなくマーケティングを行うためのツールとしても活用できるような機能が充実。月額1,785円から利用可能です。
 
・配々メール
 
(公式サイト:https://www.hai2mail.jp/)
 
操作方法が簡単で使いやすいメール配信ツールです。社内に専用エンジニアが常駐しており、お客様からのお問い合わせには平均3時間以内に対応しているなど、迅速で丁寧なサポート体制も特長のひとつです。
インストールやソフトウェアのダウンロードも不要です。月額料金は、プランや登録アドレス数によって変動する料金体系を採用していますが、アドレス数に応じた月額費用のため配信数は無制限となっています。
 
紹介したものからもわかるように、メール配信ツールは比較的価格が低いものが多いことから低コストで始められ、かつ費用対効果も高いといわれています。
メール配信ツールはメール配信のみに特化したツールですが、MAツール(マーケティングオートメーションツール)にもメール配信機能がついているものが多いです。
MAツールでメール配信を行うと、Cookie情報をもとにメール開封&URLクリックのその先のユーザーの行動まで把握できるというメリットがあります。
今回は、エムタメを運営しているスターティアラボのMAツール「BowNow」を例に、MAツールでメール配信を行うことのメリットを紹介します。
【関連記事】
>マーケティングオートメーションの機能とは?MAは何ができるツールなの?
・BowNow(バウナウ)
 
(公式サイト:https://www.bow-now.jp/)
 
BowNowでメールを配信すると、メール開封率やクリック率を測定できるのはもちろんのこと、メールからサイトに流入したユーザーがどのページをどれくらい見ているかまで分析することができます。
 
 
上図のように、製品Aに関するページを見ていて、かつ今までに製品Aに関する資料をダウンロードしていたユーザーに対して、次は、製品Aに関するセミナーの案内や、製品情報を案内することで、顧客の育成や追客を目指すことができます。
メールマーケティングでは、企業が抱える営業に関する以下のような課題を解決できます。
 
エンゲージメントとは、企業とお客様の間の信頼関係のことを指します。
企業のファンを育成したり、リピーターになってもらうためには、エンゲージメントの強化は大きな課題のひとつです。
この課題を解決するために活用するメールは、「メルマガ」です。購読してくれているユーザーに定期的に自社の情報を発信します。
まだ取引がない見込み客に対しては、課題解決に役立つような情報を届けることで自社に対してプラスのイメージを持ってもらい、まずは「きちんとした会社だ」と信頼してもらうことが大切です。
 
 
すでに取引がある既存顧客に対しては、商品購入後にフォローメールを送ることで、リピーター獲得や自社のファンを育成していくことを目指します。
自社ファンのさらに次の段階が“アンバサダー”です。アンバサダーとは、自社製品のファンの中でも、口コミなどで知人に自社製品を自ら拡散してくれるお客様を指します。アンバサダーは実際に自社製品のファンであるため、インフルエンサーに比べ、アンケートや新商品のキャンペーンなどにも積極的で、 開封・反応率が格段に高いのが特長です。
>SNSでバズらせたいなら知っておきたい!インフルエンサー・マーケティングとは
 
営業が見込み客を追客していくうえでネックとなるのがリソース不足です。営業部隊だけでは、人員的にも見込み客全員を追客するのは難しいという会社が多いのではないでしょうか。そこで活用して欲しいのが、メールを用いて見込み客を育成していく“メールナーチャリング”です。
 
リソースが不足していると、せっかくの見込み客を放置してしまいがちですが、その課題を解決できるのがメールナーチャリングです。たとえメールだとしても接点を継続的に持ち続け、見込み客を放置しないことが大切なのです。
そして、ナーチャリングして、ある程度、温度感の高い見込み客を営業へパスするという仕組みを作っていくことで、課題解決を目指していきます。
顧客がもっとも興味・関心のあるタイミングで、こちらからアプローチすることができれば、その成功率は確実に高まるでしょう。
そのタイミングを把握することが難しいのですが、実は、この課題を解決できる手法があります。それは、「MA(マーケティングオートメーション)ツール」を使うことです。
 
 
MAツールを使ってメールを配信することで、送ったメールの開封率や本文に記載したURLのクリック率、その後の閲覧ページの傾向などを計測できます。
リアルタイムにお客様の行動を把握できるため、お客様が興味を持ったタイミングを逃すことなく、温度感が下がってしまう前にアプローチすることが可能です。
見込み客とは、お問い合わせをもらったユーザーやメルマガを購読してくれているユーザー、名刺交換をしたユーザーなど、一度は何らかの接触や先方からアクションがあった人のことを指します。
しかし、興味を持っていても具体的に検討まで進んでいるユーザーは一握りです。そこで、興味をもっている状態からステータス(検討度)を上げていくためのフォロー活動が必要になります。
 
 
そこでメールナーチャリングを活用します。先ほどの説明と重なりますが、そのなかでもステータスを上げるために用いられるのがステップメールとセグメントメールです。
 
 
詳しくはこちらの記事をご参照ください。
 
この2種類のメールに共通しているのは、「ターゲットを絞り、かつユーザーに欲しいと思われる情報を届ける」ということです。見込み客全員に同じ内容を配信するのではなく、それぞれの層が欲しいであろう情報を適切な量、適切なタイミングで届けることで、ユーザーに「もっと情報を知りたい」と感じてもらい、見込み客のステータスを上げることを目指すのです。
 
(出典:第5回:メールマーケティングで解決できる課題/BtoB デジタルマーケティングの基礎知識)
メールマーケティングの用語集でも出てきたKPI・KGI。
ここでは、KPI・KGI をメールマーケティングの視点から解説し、実際に考えられる例も併せてご紹介します。
【関連記事】
>【わかりやすく解説】KPI(指標)とKGI(目標)とは?Webマーケティング分野での設定方法や決め方など
>KPIとは?KGIとの違いや具体例、設定方法などわかりやすく解説!
改めて解説すると、KPIとは、企業目標の達成度を評価するための主要業績評価指標のことを指します。
一方のKGIとはKey Goal Indicatorの頭文字をとったもので、経営目標達成指標と訳され、企業の経営戦略やビジネス戦略を達成するために何をもってゴールとみなすのかを定める指標のことを指します。
KGIを設定する際もKPIを設定する際も、達成できたかどうかが明確に判断できるような具体的な数値を併せて設定します。
KPIとKGIという達成指標を設定していると、PDCA(Plan Do Check Act)サイクルを回す際により正確にスムーズに運用できます。
 
配信したメール経由での売り上げの数値を設定します。
 
メールの閲覧者が、会員登録や資料請求、商品の購入やお問い合わせ、メールの購読など企業の望む行動を起こすことを指します。
配信したメール経由でのコンバージョンを具体的な数値として設定することもあります。
 
どういったKGIを設定するにしても、目標設定で大切なのはあくまで実現可能なレベルに設定することです。そして、この実現可能なレベルを設定するためには、現状の数値や費用対効果などを把握していなければなりません。
ユーザーにメールが届いているかを把握するための数値です。配信していてもメールエラーで届いていなかったり、迷惑メールフォルダに分類されお客様の目に入らなかったら意味がありません。「メール到達率=配信したメール総数-(受信エラー+迷惑メール)」で算出することができます。
 
配信したメールのうち開封されたメールの割合を表します。「開封率=開封数÷総配信数(×100)」で算出することが可能です。開封率が悪い場合には、メールの件名や送るターゲットの属性などを工夫する必要があります。
 
メールに記載したURLがクリックされた割合を表します。メール配信からお客様が何かしらのアクションをする際には必ずリンクからWebサイトに飛ぶ必要があるので、クリック率も重要な指標となります。「クリック率=クリック数÷総配信数(×100)」で算出することができます。
 
総配信数に対してお問い合わせなどのアクションがあった割合を指し、配信したメールが最適だったかどうかの判断の基準になります。「コンバージョン率=コンバージョン数÷総配信数(×100)」で算出することができます。
では、実際にKPIとKGIを設定してみましょう。
まず、最終目標であるKGIを先に設定します。たとえば、「メール経由での製品Aのお問い合わせを月10件まで増やす」と設定するとします。
目標を設定したら、過去のメール配信から算出できる、現状のさまざまな数値を洗い出します。
 
 
この【例】をもとにお問い合わせ10件というKGIを達成するために、逆算してKPIを達成します。
 
 
つまり、「ひと月のお問い合わせ10件」を達成するためには、
 
 
が必要となります。これをKPIとして設定し、KGIが達成できているかの指標とします。
 
(出典:第6回:メールマーケティングのKPI・KGI例/BtoB デジタルマーケティングの基礎知識)
メールマーケティングを行うにあたり、目標設定の一環として「ペルソナ設計」を行います。ペルソナは、自社が抱える営業における課題の認識や、KPI・KGI設定に加え、目標設定の大切な要素となります。
ここではメールマーケティングにおけるペルソナ設計とは何か、具体例も含めて紹介します。
そもそもペルソナとは、「企業が提供する製品・サービスにとって、もっとも理想的なユーザー像」を指します。そしてペルソナ設計とは、その架空のユーザー像を明確に設定することです。
ペルソナ設計の項目の例としては、以下のようなものがあります。
 
 
 
 
ペルソナを作る際にどういった項目を設定するかは企業によりさまざまですが、基本的には最終目標(商品購入やコンバージョンなど)であるユーザーアクションの意思決定に影響を与え得る項目はすべて設定します。
また、ペルソナはより細かく設定することで、架空のユーザーの行動パターンや価値観をより具体的にイメージすることができます。
>ペルソナ設定って?作り方は?~顧客の心動かすマーケティングの基礎~~
「詳細なユーザー像を設定することで、よりユーザー視点で意思決定をすることができる」「ターゲットとなるユーザー像の認識を社内でより統一できる」など、ペルソナを設定するメリットはいくつかあります。
そのなかでも、メールマーケティングという視点から考えられるメリットは、
 
 
の2点です。
ペルソナ設定をすることで、目標としているアクション(商品購入やコンバージョンなど)を起こすまでに、ユーザーがどういったプロセスを経るのかを表したカスタマージャーニーをより具体的に想定することができます。
 
 
そして、このカスタマージャーニーから、設定したペルソナの視点で考え、“どんな内容”のメールを“いつ”“誰に向けて”“どれくらいの量”届ければ、検討度(ステータス)を次の段階へ戦略的に上げることができるのかを検討していきましょう。
ペルソナを詳細に設定することで、メールのタイトルや内容を、よりユーザーに興味を持ってもらえるものへと最適化でき、メール開封率や本文に記載したURLのクリック率を向上させることができます。
これと似た施策としてセグメントメールがあります。ユーザーをある条件ごとに分類し、その分類したグループ(セグメント)に送るメールのことです。全員に単一的な内容を送った場合と、ユーザーを分類した場合とを比べると、開封率が2倍まで向上したという事例も報告されています。
 
 
セグメントごとにペルソナを設定し、これに合わせてメールの内容やシナリオを作成できると理想的です。開封率や反応率の向上も目指せます。
【関連記事】
>【無料テンプレートあり】カスタマージャーニーとは?メリットデメリットから作成の手順までを解説!
>セグメンテーションとは?分類例や4Rとは?事例と一緒にご紹介します!
それでは具体的にメールマーケティングでのペルソナ設計をしてみましょう。
 
設定:30~50代の主婦向けに商品を展開している。主な商品の告知はDMやメルマガ、テレビなどのメディア。メルマガ施策は行っているものの、メールから商品購入へと至る例が少ない。
 
まずは、メールマーケティングの目標を設定します。現状だとメルマガからの流入が少ないので、「メルマガから商品購入へ至る件数を月10件まで増やす」と設定するとしましょう。
目標を定めたら、ペルソナを設計します。主なターゲットである「30~50代の主婦」をさらに細かい項目にまで落とし込んで設定し、理想のユーザー像を設計します。
 
⇒長谷川 愛美。36歳。女性。神奈川県在住。
A社の商品は購入したことはないがキャンペーン時に一度サンプルを申し込み、メルマガ購読している
⇒医療事務の専門学校を卒業、現在はスーパーでパートとして勤務
⇒朝6時に起きて夜12時に就寝、週4回6時間のパート勤務、食事は基本的に自炊、節約志向
⇒心配性な性格、石橋をたたいて渡るタイプ、美容に興味はあるが、家事やパートで自分のために使う時間が少ない。新しい商品を購入する際はまずサンプルを試してから決めることが多い。ポイントカードやクーポンも多く保有している。
⇒夫40歳、息子9歳、娘7歳の4人家族
⇒本人の年収は約100万(扶養控除額内)、夫の年収は700万
⇒インドア派で休日も家にいることが多い
⇒家にいる時間はよくインターネットを使用
⇒スマートフォン、たまにパソコン
⇒そこまで敏感ではないが、ネット環境があるのである程度の流行は知っている
 
メルマガを受け取ってから商品購入に至るまでのプロセスを、カスタマージャーニーで可視化しましょう。
設定したペルソナが現在どの検討レベル(ステータス)にいるのか、そして次のステータスへと上げるためには?最終的に商品購入という目標を達成するためには?と、戦略的にシナリオとメールの内容を考えていきます。
仮に、あるペルソナが、過去に一度化粧品のサンプルを申し込んだことがあり、メルマガを購読中ですでにA社の商品を認知している状態の場合、現在のステータスを「認知・興味あり」と設定します。
そこから次の段階である「情報収集」へとステータスを上げるために求められるであろう情報、つまりお得なキャンペーン情報や商品の基本情報や成功事例などのより突っ込んだ情報ををメールで届けることが有益かもしれません。また、ユーザーに開封してもらいやすいようにタイトルも最適化しましょう。
読まれるメールの特徴と、簡単なメルマガの例文をご紹介します。
メールマーケティングに興味のある読者が多い場合、「メルマガの開封率を上げる〇つの方法」など、読者に刺さる内容、悩みを解決できるようなワードが入っていると開封されやすくなります。
伝えたいことではなく「読者が知りたいこと、必要だと思うこと」を考えるのがポイントです。読者に刺さるワードであれば、キャッチーな件名でなくとも開封率は上がります。
このほか、クリックしたくなる件名には、以下の要素が含まれています。
期間限定やキャンペーン情報を入れると開封率は上がります。しかし多様すると信頼の低下を招くため、色々なパターンを使い分けるのが良いでしょう。
件名が長すぎるとスルーされやすいので、文字数は15~30文字を目安にして、伝えたい内容はなるべく始めの15文字におさめてください。数字を入れる、【】で囲むなど目立つよう工夫するのもおすすめです。
ファーストビューとは、メールを開いたときに目に入る部分です。読者は大抵、このファーストビューを見て、メールを読むかどうかを判断します。
最初に目に入る場所には、どのようなメールなのか概要や結論を入れ、「続きも読んでみたい」と思ってもらえるように構成するのが重要です。ただし詰め込みすぎはNG。読みやすさも意識してください。
またファーストビューにリンクを設置すると、クリック率が高まる傾向があります。クリックしてもらいたい場合は、なるべくファーストビューに設置しましょう。
メルマガは流し読みされやすいため、内容を詰め込みすぎると何を言いたいのか伝わりません。内容は簡潔に、理解しやすく、伝えたいことが伝わるよう心がけましょう。「1つのメルマガに1つのテーマ」がポイントです。
件名:【サンプルをご利用頂いたお客様限定】お得な冬のキャンペーンのご案内
○○様
いつも当社のメルマガを購読いただきありがとうございます。
株式会社△△です。
本日は、以前サンプルをご利用頂いたお客様限定で、
当社の人気商品□□をお得にご利用いただけるキャンペーンのご案内で連絡いたしました。
・
・
・
件名:メルマガの開封率を上げる〇つの方法
こんにちは!メルマガ担当の○○です。
「メルマガを読んでもらえない」とお悩みではありませんか?
開封率を上げるためには、読者が興味のある内容かつ、目を引く件名をつけるのがポイントです。
開封率の高い企業は何をしているのか、事例をもとに「読まれるメルマガ」の作り方をご紹介します。
・
・
・
もっと知りたい方へ向けた事例集を用意しました。ぜひご活用ください。
ーダウンロードリンクー
前章では読まれるメールの特徴を紹介しましたが、メールを読んでもらうためには失敗を防ぐことも大切です。本章ではよくある失敗例について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
先述したように、メールマーケティングに取り組む際、最初に取り組むのが目標設定です。
その際、ただ「開封率の向上」や「CVRの向上」などのあいまいな目標を立てるのではなく、KGIを「メール経由での製品Aのお問い合わせを月10件まで増やす」など、より具体的な数値を設定する必要があります。
あいまいな目標を設定したままマーケティングを実施してしまうと、成果の最大化は見込めません。具体的な目標を立てた上で顧客にどんな行動を取って欲しいかを検討し、メール施策に取り組みましょう。
開封率や到達率をメールマーケティングの目標にしてしまうと、読んでもらったらそこで終わりになってしまいます。開封率・到達率はあくまでも目標を達成するための、中間地点における重要指標でしかありません。
メールマーケティングの最終目標は、メールを読んでもらった後の顧客の行動にあります。顧客にどんな行動をとって欲しいのか、そして達成したいのはどんな目標かを意識して、指標を追うことが重要です。
メールマーケティングで効果を出すポイントは、「そのメールを読んだユーザーにとって、読んで役に立つか?おもしろいか?新しい視点を得られるか?」といった観点で「Yes」といえるものを届けることです。
これはどのコンテンツにも言えることですが、メールマーケティングの場合は特に、一回でもユーザーに「関係ない」と思われるようなものを送ってしまうと即配信停止されてしまう可能性があるため、よりシビアに考える必要があります。
 
可能な限り配信先リストをセグメントして、「自分向けの内容だ」「自分が欲しかった情報だ」と感じてもらえるようなニッチな情報を送りましょう。
ただし、セグメントがあまり細か過ぎても配信母数が減ってしまったり工数が見合わなくなってしまうので、バランスを取ることが大切です。
メールマーケティングを行うなかで、「もっとここを変えたら効果が上がるのでは?」といくつもの仮説が出てくることと思います。
たとえば、件名や差出人名、配信する曜日・時間、CTA(コール・トゥ・アクション)ボタンの色や形などなど…。
こうした仮説を簡単に検証する方法がA/Bテストです。
 
A/Bテストとは、Aパターン・Bパターンの2つの異なるパターンを実際に試し、どちらが優位性が高いかを検証するマーケティングテストのことです。
 
Webマーケティングにおいては、Web広告やWebページの画像やキャッチコピーなどで行われることが多いです。
 
【関連記事】
A/Bテストとは?種類・期間・項目・ツールなど知っておきたい知識をまとめました!
メールマーケティングのA/Bテストでは、大きく分けると「クリエイティブ」「配信日時」「配信リスト」の3種類が比較項目となります。
メールの件名や差出人、本文のなかに何か所URLを入れるか、どの画像を使うか、CTAボタンはどうするかといったことをテストします。
件名と差出人は、メールの開封率に影響します。本文のクリエイティブは、URLのクリック率に影響します。
メールを配信する曜日や時間帯を変えてテストし、どちらの方が開封率が高いかを検証します。
メールを配信するリストそのものをテストします。2パターンの顧客属性でリストを作成して配信し、開封率やクリック率の高さを見ます。
前章でお伝えした比較項目のうち、「クリエイティブ」「配信日時」をテストしたい場合、まず、リストをランダムに2分し(母数が多い場合には、ランダムに抽出して二つのテストグループを作成)ます。
そして、比較したい項目以外はすべて同じ条件でメールを配信します。
たとえば、比較項目が「件名」だった場合、差出人表示や本文はまったく同じで件名だけが異なるメールを二つのテストグループに対し、同じタイミングで配信します。
 
「配信リスト」をテストしたい場合は、まず、一定の条件を満たしている顧客とそうでない顧客、異なる2つの属性の顧客、といった2パターンで同数のリストを用意します。
そして、この2パターンのリストに対し、クリエイティブや配信日時をまったく同じにして配信します。
 
結果の検証は、それぞれのグループでの開封率やクリック率を比較します。
ただ、数%の差は誤差の可能性があり、明らかな違いが出なければ、リストの母数が小さ過ぎてうまく検証できていないか、どちらのパターンでも差がつかない(開封率やクリック率に影響を与える要素ではない、もしくはどちらのパターンも同じくらい良かった)という結果が出たかということになります。
メールマーケティング以外におけるA/Bテストでもそうですが、より正しい検証結果を得るためには、テストの母集団がある程度の大きなボリュームで必要になってきます。
メールマーケティングの場合は、まず、配信先のリスト数を確保しましょう。先ほどもお伝えしましたが、数%の誤差を検証結果と捉えて改善したつもりになってしまうと、実は「改悪」だったということにもなりかねません。
 
A/Bテストは、比較的簡単に行えるマーケティングテストですが、検証結果を改善につなげる際は、慎重な判断が求められます。
最後に、実際にメールマーケティングを行って成果を出した2つの事例をご紹介します。
株式会社エルブレインは、家具、建築建材、照明などのインテリア輸入販売や、空間を中心としたデザイン事業を行う企業です。
展示会に出展し、対面で話をするという営業スタイルが中心だった同社は、自社のWebサイトからの問い合わせが少なく、新規顧客の獲得もあまりできていないという課題がありました。
そこでMAツールやCMSツールを導入して、顧客管理とメールの配信を実施。Webサイトのアクセスログに基づいてアプローチを行うなど、これまでにないコミュニケーションが取れるようになりました。見積もりの提出や訪問予定など、各営業の状況を可視化して把握できるようになったことで、様々なコンセンサスが取れるようになったそうです。
また、メルマガを開封した履歴からアプローチを行ったところ、発注へとつながるという成果も得られました。月1回のメルマガ配信を各営業が月替わりで担当することで、メンバーの意識にも変化が見られたそうです。
>詳しくはこちら:メルマガ配信でリードを獲得。新しいビジネススタイルを構築して受注がアップ|株式会社エルブレイン様
「障がい者雇用支援」と「旅行・地方創生」の2つの事業を行う株式会社JSHは、「障がい者雇用支援」の事業にMAツールを活用して営業促進を図りました。
メールマーケティングにおいては、MAツールのメール配信機能を活用して約5,000件のリードに対してDMを送り、23%という開封率を達成しています。加えて、メール経由での資料ダウンロード数が月10〜20件、セミナー申し込み数が月5〜10件という成果が出ています。
他にも、自社ホームページを訪れた企業を確認し、営業が電話でアポイントを打診したり、ホームページ内に資料ダウンロードページを作成したりするなど、積極的にマーケティング施策に取り組んで成果を出した一例です。
詳しくはこちら>メール開封率23%! 資料ダウンロード・セミナー応募数も順調に増加|株式会社JSH様
本記事では、メールマーケティングについて、基礎知識から配信の具体的な流れ、効果を出すコツや成功事例など、網羅的に紹介しました。
メールマーケティングは、取り組みやすいうえに費用対効果も高いマーケティング施策です。施策を実施した後は、必ず効果測定を行って改善していくことで、自社が抱える課題を解決することができ、利益の拡大や自社のさらなる発展へとつながる可能性が高まります。
メールマーケティングを行う際は本記事で紹介したツールを活用すると、効率良く業務を進めることができます。無料で始められるプランなども登場しているので、まずはお試し感覚で利用してみることをおすすめします。
 
【関連記事】
>BtoB製造業のメールマーケティングとは?基礎知識から種類、コンテンツ例や具体事例などを徹底解説!
[事例付]基礎知識から成功法までを一挙ご紹介
メールマーケティングのすすめ
メールマーケティングの基礎から、メールを送るときのポイントを捉えてもらうといった、「まずはなにから行なうべきか」を抑えてもらい簡単にメールマーケティングに取り組めるよう整理しております。