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コアラマットレスのKoala Sleep Japanに聞く「認知拡大」のためのマーケティング戦略

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2019/10/29
コアラマットレスのKoala Sleep Japanに聞く「認知拡大」のためのマーケティング戦略

赤ワイン入りのグラスがベッドのマットレス上に置かれており、そのすぐ脇を目がけてジャンプでベッドに飛び乗る男性。
しかし、ワイングラスは倒れることなく、バランスを保っている…こんな動画が注目を集め、再生回数は半年あまりで500万回以上を記録しています。(※各媒体合計再生回数)

このマットレスが振動吸収性をつよみとする「コアラマットレス」です。

コアラマットレスは、オーストラリアの元ラガーマンの2人が2015年に創業し、1年目で13億円、2年目には43億円を売り上げて、2017年に日本へ進出したKoala Sleep Pty Ltd Australiaが開発・販売を手がけ、本国でさまざまな章を受章。
日本でも月間で700件以上が販売されています。

エムタメ!では、同社の日本法人であるKoala Sleep Japan 株式会社を訪れ、マーケティング担当のアダム翔太氏と恵古涼夏氏に、認知拡大施策を中心としたマーケティング戦略についてインタビューしてきました。

(以下、敬称略)

創業から2年、先進国のなかでも深刻な睡眠の問題を抱えている日本に上陸

創業から2年、先進国のなかでも深刻な睡眠の問題を抱えている日本に上陸

エムタメ!:コアラマットレスについて概要をご紹介ください。

アダム:アメリカにウォービーパーカー(Warby Parker)という眼鏡メーカーがあります。最近はロープライスな眼鏡も出てきていますが、基本的に眼鏡は数万円の価格帯の商品ですよね。ただ、実物を見るとプラスチックとガラスでできており、なぜそんな高額になるのかがわかりづらいものです。

ウォービーパーカーの創業者は、商品がメーカーから消費者の元へ届くまでにさまざまな業者や人が介在し、その分のマージンコストがのるため高くなるという構図を知って、オンラインのみで直販してマージンをカットし、手ごろな値段で買える眼鏡ブランドをスタートさせました。

当社も、創業者のダニエル・ミルハムとミッチェル・タイラーが、オーストラリアのマットレス業界を見て、購入のために郊外のショールームへ足を運ばなくてはならなかったり、いざショールームへ着いても数多くの種類が並んでいて、どれを選べば良いかわからないなどの問題に気づきました。さらに、日本と違ってオーストラリアの場合、接客担当者はかなりしつこく営業をかけてくるのです。購入後も、自宅へ届くまでに数週間ほど待たされます。

マットレスは数万円未満の低価格帯と何十万円もする高価格帯に二極化していて、中間帯が存在しない商材でした。しかし、睡眠は人生の1/3を占める大切なもの。低価格帯のマットレスを使っていた人が、もう少し睡眠にこだわりたいと考えたときにちょうど良い商品がない。そういった背景からコアラマットレスは生まれました。

ウォービーパーカーと同様に、マットレス本体を直接契約した単一の工場で生産し、オンラインのみで直販販売して中間マージンをカットし、リーズナブルな価格で提供するというビジネスモデルです。

マットレスは、実際に試してみないと買いたくないという消費者が多いことから、120日間のトライアルも設けています。マットレスは、店舗でちょっと横になってみただけでは、実際にそのマットレスの上で眠ってみないと、本当に良いものなのかどうか判断ができないものです。だから、コアラマットレスは、自宅でじっくり試してみて、合わなければ返品できるというスタイルを取っています

本国で創業から2年が経ち、先進国のなかでも深刻な睡眠の問題を抱えている日本に、半ば社会問題の解決のミッションを負って進出しました。

日本とオーストラリア 認知拡大施策の違いとは?

日本とオーストラリア 認知拡大施策の違いとは?

エムタメ!:日本に進出して最初の認知拡大施策としてはどのような戦略を考えられましたか?

アダム:マーケティングファネルを日本向けにローカライズしました。日本とオーストラリアのインターネットの歴史の違いとして、現在でもオーストラリアのインターネット回線は日本よりも遅いんです。通勤中に電車で動画を見ているという人はほとんどいません。皆、ラジオを聴いているんです。車通勤も多い。だから、オーストラリアでの認知拡大施策ではラジオや屋外広告を集中的に活用し、ブーストを起こしました。デジタルでは、Facebookに注力しています。

日本は、オーストラリアとは事情が大きく異なりますが、デジタルとアナログの両方で認知拡大施策を行うという方針は同じで、SNS、Youtubeとイベントにフォーカスしました。日本上陸当初のミッションを果たすべく、単なるプロモーションではなく、睡眠の大切さを啓蒙するというコンセプトを貫いています。

恵古:これまでは、あまりメディア向けに商品を紹介する機会を作ってこなかったのですが、2019年6月に表参道で開催したコアラマットレスの体感イベント「コアラ・スリープラボ」では、予防医学の先生を招き、メディア向けに睡眠の基礎講座を開講したり、マットレスにワイングラスを置いて振動吸収性を体感してもらうコーナーも設けました。

メディアの方々に、「睡眠」という健康テーマと当社の商品を紐づけた企画で取り上げてもらえるような工夫を行っています。

エムタメ!:オフラインのターゲティングでは、あまりセグメントせず広く周知するという方向性ですか?

アダム:そうです。そのため、できるだけショッピングの中心地でイベントを開催することを意識しています。
睡眠の大切さを軸にプロモーションを行うメリットとしては、SNSで拡散されやすいことと、メディアに取り上げてもらやすいというのがありますね。

一方、デジタルの施策ではセグメンテーションを行い、インスタグラムやWeb広告を活用しています。
日本でローンチした当初は、日本中の24~45歳ぐらいまでの層を広くターゲットとしていました。実際に購入してロイヤルカスタマーになってくれたのは、東京都内と関西圏の24~34歳までの層、次が35~44歳までの層でした。

ここを重点的にカバーしようと、マーケティングメッセージも「睡眠をアップグレードすれば仕事のパフォーマンスが上がる」といったものに変えました。複数種類の広告を出稿して、効果の高かったものに注力するという方法で精度を高めています。うまくいかなかったものも、単純にやめるのではなく、少し改変して出向してテストしてみます。テストとフィードバックを繰り返せることがデジタルマーケティングのつよみだと考えているので。

エムタメ!:日本とオーストラリアでの認知拡大施策の手法で、ほかに違う点はどんなところですか?

アダム:オーストラリアでは、Facebookでマットレスの広告が表示されたところで興味をひくことはできないと考え、とにかく何か面白いことをして見てもらう必要がありました。そこで、ユーモアを入れた広告を作ってうまくいったのですが、日本にクリエイティブをそのまま持ってきたところ、笑いのツボが違うのであまりウケなかったんです(笑)。

そこから2年間、トライ&エラーで改善してきました。現在は、日本にも専属のクリエイティブチームができ、本国からは独立した感があります。

エムタメ!:デジタルマーケティングでテストマーケティングをして培ったノウハウをオフラインにも活かしている?

アダム:そうですね。日本では「信用・信頼」が重視されます。オーストラリアから日本へ、いきなりオンラインのみで寝具販売をしても、最初は信用されないですよね。オンラインで寝具を買うというカルチャーもありません。実物を見てもらい、信用を得るためにオフラインのイベントを開催しています

逆に、オーストラリアでは、週末にわざわざ実物を試そうと考える人はいないんです。いきなりオンラインで買う。それで大丈夫だと考えるのです。

BtoCからBtoBへ

エムタメ!:お昼寝デリバリーサービス「ぐぅ~すCAR」は、どのような経緯でスタートしたのですか?

アダム:「コアラ・スリープラボ」のときにお客様と話す機会があり、仕事中、午後は眠くなるということを聞きました。すべての人がコアラマットレスを購入できるわけではないと考え、日本人とお昼寝をコアラマットレスでつなぐことができたら面白いんじゃないかと思い、企画しました。

コアラマットレスはBtoC商品ですが、これがBtoBへ進出するきっかけにもなると考えました。企業とパートナーシップを結んで、従業員にお昼寝をさせて仕事のパフォーマンスを上げてもらうことは、海外には定着していますが、日本ではまだ浸透していません。

ただ、日本のオフィスは海外に比べると狭いので、マットレスを置くスペースがありません。海外にはナップ(昼寝)ルームが併設されていたりしますが、日本だと「仕事中に昼寝なんて、サボりだ」という見方になってしまう。それを解決するために、車でデリバリーすることにしたんです。

エムタメ!:今後、本格的にBtoB領域に進出する構想をお持ちなんですか?

アダム:具体策はないですが、「ぐぅ~すCAR」が大好評だったので、可能性はあります。

購入への貢献は、検索連動型広告とメールが2トップ

エムタメ!:マーケティング施策を行うにあたり、指標としているものはありますか?

アダム:チャネルごとに異なりますが、たとえば、Youtubeだとキャンペーン後にブランドリストサーベイ(ユーザーアンケート)を行って、ブランド認知度の効果を測っています。最近、Facebookでも同様のサービスが始まって利用しています。
PR効果は測定しづらいものですが、大事なことであると認識しているので、マーケティング予算のなかに毎月、一定額を組み込んでいます

エムタメ!:販売を促進するための仕掛けとして、どんな施策を取られていますか?

アダム:オフラインはファネルのアッパーから、オンラインはボトムからアプローチしています。オンラインではSNSやWeb広告、メール施策などを行っています。メール施策としては、Webサイトに訪れたユーザーに「メールアドレスを登録すると10%OFF」という特典をつけており、ここで登録してくれたユーザーに対して、ステップメールを送っています。内容は、ブランド紹介、購入者のレビュー、商品と値段の紹介などで、最終的にはショップへの誘導を行っています。

購入ユーザーの流入経路としては、検索連動型広告とメール登録者が多いです。

エムタメ!:購入者のレビューは、どのようにして集めているのですか?

アダム:YOTPO(ヨットポ)などのUGC※ツールを活用しています。購入後1ヵ月が経過したタイミングでメールを送り、レビューを依頼しています。ときどき、レビュー・キャンペーンも行っていますが、ユーザーがインスタグラムなどに投稿してくれるケースも多く、メールだけでもかなりのレビューが集まります。

オーストラリアでは、コアラマットレスが届いてから開封してマットレスが膨らむ様子や、ワイングラスを使った衝撃吸収実験を動画に撮って公開してくれるユーザーが多く、これが認知拡大に貢献してくれました。一方、日本人はプライバシーを重視する傾向があり、UGCが難しいと感じます。本当は、UGCでもっとブーストをかけたいのですが。
※UGC…ユーザーが生成した画像や動画などコンテンツ

恵古:ブランドがもっと認知されて知名度が上がれば、コアラマットレスを所有していることがステータスになり、自然発生的にレビューを投稿してくださるようになるのかなと思っています。

アダム:やはり、自然発生が理想ですね。こちらからあまり押すのは、コアラマットレスのブランドイメージにも合いませんから。

SNSのなかでもTwitterは匿名性があるので、比較的、日本の方も投稿してくれていますね。現在は、当社からの投稿メインで活用していますが、レビューのプラットフォームとしてのポテンシャルは大きなものを秘めていると考えています。

恵古:ただ、動画を見るプラットフォームとしては浸透していないので、テキストのみでの投稿が多く、UGCの性質としてはYoutubeやインスタグラムとは異なります。

エムタメ!:コアラマットレスは、まず商品の良さを十分に知ったあとで値段を知るという流れになっているので、「こんなに良い商品がこんなに安いの!?」という驚きにつながります。

恵古:ありがとうございます。最初から値段を見せないように意識はしていますね。

エムタメ!:今後、取り組んでいきたいマーケティング施策について教えてください。

アダム:もっと、ブランドメッセージを明確に決めたいですね。「マットレスメーカー」というよりも「睡眠の専門家」としてブランディングしていきたいので、睡眠の啓蒙活動に力を入れていきたいです。

エムタメ!:本日は、興味深いお話をありがとうございました。

関連リンク

コアラマットレス:https://jp.koala.com/

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