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A.Iソリューションとどう向き合うべきか!?トップマーケターによる実例を公開! Rakuten Marketing JP「“Empowers Marketers” Vol.2 」レポート記事 第三回

記事公開日:2018/08/01
最終更新日:2023/11/17
A.Iソリューションとどう向き合うべきか!?トップマーケターによる実例を公開! Rakuten Marketing JP「“Empowers Marketers” Vol.2 」レポート記事 第三回

22018年7月18日(水)に行われたRakuten Marketing JP「 “Empowers Marketers” Vol.2 」のレポート記事、最終回はパネルディスカッション「WEBマーケティングの現場で、我々はA.Iソリューションとどう向き合うべきか」の模様をお届けする。

各界で活躍するトップマーケター3名が登壇し、WebマーケティングにおいてAIソリューションをどのように活用しているのかを実例をもって示し、AIソリュー ションの展望について言及した。

パネルディスカッション

今回は、Webマーケティングに関わる全ての人にとって必見の内容だ。

1.トップマーケターたちが登壇。本日の意気込みを語る

まず登壇したのは、本イベントの主催である楽天マーケティングジャパンの吉田悠紀氏。

石渕久生氏

▲進行を務める楽天マーケティングジャパンの吉田悠紀氏

「AI関連市場は2030年に2兆円規模になり、GDPを132兆円まで押し上げると言われています。現在、我々が扱っているデジタルマーケティング領域だと、広告の自動運用やチャットボットなどにAIが活用されています。今後は、高度な専門性を扱うところにAIの利用が重要視されることでしょう。

本日はAIを駆使したWebマーケティングについて、実際に導入されているマーケターの皆さんから語っていただけるということで、「理想と現実」「期待と課題」を赤裸々にお伝えしたいと思っております。」

続いて、トップマーケターたちが呼び込まれ、それぞれが本日の意気込みを語った。

デル株式会社の横塚氏、株式会社三陽商会の花輪氏、株式会社イーグルリテイリングの飛内氏

▲左から、デル株式会社の横塚氏、株式会社三陽商会の花輪氏、株式会社イーグルリテイリングの飛内氏

デル株式会社コンシューマー&ビジネス マーケティング統括本部
部長 横塚 知子氏

「デル株式会社でマーケティングを担当しております横塚です。私の仕事内容としては、コンシューマーとスモールビジネスのセグメントや、マーケティングのストラテジー、企画、メディアプランニングなどを管理しています。また、広報と連携しながら新製品発表会の企画を考えるなど、幅広くマーケティング全般を行っています。

普段なかなか他社のマーケターの方と話をしたり、他社がどのようにA.Iを利用しているかなど、直接お伺いする機会が少ないので、新しいインプットをいただけたらと楽しみにしております。本日はよろしくお願いいたします。」

株式会社三陽商会 IT戦略本部 ウェブビジネス部 オムニチャネル推進支援グループ
主任 花輪 俊夫氏

「弊社は今年で設立75周年を迎えるアパレル企業です。私の業務範囲は、自社のブランドを販売する自社ECサイトのウェブマーケティング全般を担当しております。

今回のディスカッションを通して、何か新しい発見ができたらと思っております。本日はよろしくお願いします。」

株式会社イーグルリテイリング Online Store Manager
飛内 イブラヒム・アーメッド・ジュニア氏

「弊社は、洋服の青山の青山商事と日鉄住金物産株式会社の合弁会社であり、「アメリカンイーグル」というアメリカンカジュアルブランドを取り扱っているアパレルブランドです。私の仕事内容はオンラインストアのマネージャーで、Web周りのクリエイティブのディレクションや売上の管理などを担当しています。

今回はWebマーケティングにおいて、弊社で取り扱っている内容について、お話しさせていただきます。よろしくお願いいたします。」

2.各社におけるAIプロダクトの導入状況について

アットホームに展開されるパネルディスカッション

▲アットホームに展開されるパネルディスカッション

パネルディスカッションがスタート!

最初のテーマは「AIに対する社内・部内の理解度や浸透度」についてだ。

横塚氏によると、デルの社内におけるAIの理解はかなり進んでおり、すでにWebマーケティングの中にAIを数多く取り入れているとのこと。例えば、投資金額におけるリターンシュミレーションやGoogleの機械学習などだ。

一方、三陽商会は現在、リサーチ段階にあり、経営レベルでの投資に対するリターンへの理解はこれからだという。ただ、前段階として自社ECサイトに「Sentient Ascend」や「FINCH」というAIソリューションのほか、行動解析型のレコメンドサービスと画像解析型のレコメンドサービスを導入しているという。 イーグルリテイリングにおいては、経営層でAIをトピックスとする形というよりは、現場で色々と試している状態で、費用対効果の結果と照らし合わせながら説明を進めて行くとのことだ。

続いて、AIプロダクトの投資対効果や費用対効果についての話に及び、花輪氏は前述のAIプロダクトを利用することによって、今まで「良い」と思い込んでいた既成概念が良い意味でくつがえされ、投資対効果の効率アップにつながったと話し、飛内氏はWeb接客ツールにAIを使ってシナリオを組み立てて、コンバインした結果、1.4%のCVR(コンバージョンレート)が3%まで向上したと、それぞれがAIプロダクトの導入に手応えを感じている様子だった。

3. AIプロダクト「Sentient Ascend」の導入結果について

2つ目のテーマは「実例をもとにしたディスカッション」。

パネリストが所属する3社全てが、楽天マーケティングジャパンの提供している「Sentient Ascend」を導入している。今回、各社が「Sentient Ascend」をどのように活用し、実際、どのような結果につながったのかというリアルな導入結果が明らかになった。

まずは、デル株式会社の導入結果についてだ。

デル株式会社による「Sentient Ascend」の導入結果

▲デル株式会社による「Sentient Ascend」の導入結果

横塚氏「弊社のサイトはグローバルなシステムで動いていて、日本だけに「Sentient Ascend」を導入できないので、パワーアフリエイターさんのサイトに導入しました。結果としては、1ヶ月半でCVRが施策前100%とした際、122%まで改善、ビジネス的にも伸びています。ただ、AIは世代を重ねるごとに進化していくので、訪問者数が少ないサイトで導入すると、なかなか進化が進まない可能性があります。

つまりビジネスインパクトが少なくなる。なので、もしこれから「Sentient Ascend」を導入したいという方は自社サイトに入れることをお勧めします。あと1つ、AIを使って良かったと思うことは、新しいテクノロジーを使う楽しさがあるということです。新しいテクノロジーをいち早く取り入れることによって、違うアクションにもつながるし、こういった仕事が1つでもあると、ワクワク仕事ができる、まるでオモチャみたいなものなのかなと個人的に思っています。」

続いて、飛内氏は導入結果についてこう語る。

株式会社イーグルリテイリングによる「Sentient Ascend」の導入結果

▲株式会社イーグルリテイリングによる「Sentient Ascend」の導入結果

飛内「フランチャイズビジネスを展開する弊社では、サイトデザインのレギュレーションが厳しく、大きく変更できないのですが、レイアウト自体を変えたときにユーザーがどう反応するか、コンバージョンが増えるかという結果をアメリカの本社に示して、改善に努めたいと進めています。そういった意味では、ご覧の通り、「Sentient Ascend」は改善に役立つツールと言えます。」

そして、三陽商会はこちら。

株式会社三陽商会による「Sentient Ascend」の導入結果

▲株式会社三陽商会による「Sentient Ascend」の導入結果

花輪「てんこ盛り感があった自社ECサイトのUI面をシンプルに見やすくするという観点で、昨年9月、リニューアルを行いました。その結果、一定の成果は出たのですが、今年でECサイト開設10周年を迎える節目として、よりできることを目指している中で、「Sentient Ascend」と出会い、導入に至りました。

結果としては、CVRが24.8%改善されました。この結果も驚いたのですが、何よりも驚いたのは、これまで絶対にこの位置になければいけないと思っていたものが、ない方が良かったという事実です。」

4.テストパターンを公開!「Sentient Ascend」の実例

ここでサプライズとして、三陽商会が「Sentient Ascend」を活用して、ECサイト「サンヨー・アイストア」でどのような変更を行ったのか、実際結果に結びついた実例が紹介された。

サンヨー・アイストアのスマートフォン用画面

▲サンヨー・アイストアのスマートフォン用画面

テストを行ったのはスマートフォンを対象に8ヶ所と素材数11個をどのように組み合わせていくかだ。

TOPページのコンテンツの入れ替えを行った

▲TOPページのコンテンツの入れ替えを行った

まずは、TOPページの上方にある性別の切り替えのボタンをECファッションのトレンドであるグレーから青に変更し、下方にあった「ニュース」を見やすくするために上方に配置した。

ブランドエリアをなくした

▲ブランドエリアをなくした

大胆な変更を行なった、と花輪氏は話す。

「当ECサイトではいろんなブランドを扱っているのでブランドを選べるエリアがあったのですが、ニュースごと訴求できるポイントと思い、ニュースをより見てもらうために、ブランドエリアを取っ払うテストをしました。これは今まで考えられなかったことで、「Sentient Ascend」を導入していないと絶対やってなかったことです。あとは細かいのですが、カテゴリーの羅列も取っ払いました。」

その他、商品詳細エリアを商品画像の上に移動したり、レコメンドエリアの画像配置数を2列バージョンと3列のバージョンをテストして、2列バージョンに変更したり、さまざまなテストを「Sentient Ascend」で行い、AIを活用したCVR改善施策でスピーディに最適化した結果、24.8%もの改善に至ったのだ。

人が判断するには確かさがなく、テストに至らないケースも、「Sentient Ascend」であれば、AIが最適なパターンを導き出し、テストしてくれる。多くのマーケターにとって、「Sentient Ascend」の導入は新たな道へ導く光となり得るのだ。

トップマーケターが今後期待しているテクノロジーとは?

早いもので、最後のテーマが発表された。

「未来に向けて、何に注目しているか?
そして、今後期待していることとは何か?」

それぞれの言葉を紹介しよう。

それぞれのビジョンを語る

▲それぞれのビジョンを語る

横塚氏「この先、さまざまなプロダクトが出てくると思うのですが、基本的に新しい物は全部トライしていきたいと思っています。ビジネスをやっている以上は、今よりも明日、明日よりも明後日という形で売り上げを上げる必要があります。

そのためには、分析にあてがう時間を新しいプロダクトで短縮させて、先の事を考えるというような人的なリソースにシフトしていくことも大切となります。常に好奇心をもって、未来にむけて、新しいものを常に追い続けていきたいと思います。」

花輪氏「私は画像解析に関するディープラーニングを通じた、商品の提案力の向上を期待しています。皆さんもそうだと思いますが、ファッションのECサイトを見る時間は、移動する数分のわずかな時間です。

つまり、お客様と私たちのECサイトとの接点は時間が少ない。その限られた時間の中で、商品の提案はすごく精度高く行っていきたいと考えており、行動分析やDMPへのAI活用、消費行動パターンからのレコメンドなど、今でも全部できるのですが、その情報の中にファッションならではのシルエットや色などの画像の中にしかないデータを分析することで、よりお客様への提案力につながる技術を期待しております。」

飛内氏「実店舗での商品補充を、画像解析を使って効率化するテクノロジーが必要だと思っています。店舗の方は人件費を削らないといけない状況なので、そういうテクノロジーを期待しています。」

3回に分けてお届けしたRakuten Marketing JP「“Empowers Marketers” Vol.2 」。AIに関するアカデミックな領域から、テクノロジーの利用法、マーケターにとってのAIの活用結果と展望という、各界のプロからの言葉はいかがだっただろうか?

参加したマーケターにとっては、今後のWebマーケティングにおける指針になったのではないか。そして、AIをビジネスにどう活用すべきかという知恵を得たのではないか。AIの進化はまだまだ止まらない。その流れに乗り遅れぬことこそが、ビジネスを成功に導く鍵となるのだ。

関連リンク

楽天マーケティングジャパン:http://jp.linkshare.com/

Sentient:http://jp.linkshare.com/performance/cro/

FINCH:http://jp.linkshare.com/performance/search/

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