「bellFace User Meetup #14 BestPracticeを探求せよ!実践企業から学ぶInsideSalesの仕組みづくり」レポート 第三回 インサイドセールス導入事例②「Sansan Inside Sales」Sansan株式会社
最終更新日:2019/11/08
2019年4月17日(水)、ベルサール東京日本橋において、オンライン商談システム「bellFace(ベルフェイス)」を開発・提供しているベルフェイス株式会社のイベント「bellFace User Meetup #14 BestPracticeを探求せよ!実践企業から学ぶInsideSalesの仕組みづくり」が開催されました。
「エムタメ!」では、当日の様子を数回にわたりレポートしていきます。
第三回は、SESSION #2のインサイドセールス導入事例の後半で紹介されたSansan株式会社の「Sansan Inside Sales」の模様をお送りします。
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1.8年間で1名から41名規模に成長したインサイドセールス部門
一方井 辰典氏
(Sansan株式会社 セールスディベロップメント部 マネージャー)
Sansan株式会社は「早く言ってよ~」のCMでおなじみの法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」を提供しています。
インサイドセールスには、一般的にテレアポ組織、クロージング組織、未来の営業マンを育てる教育機関、顧客満足度最大化に向けたナーチャリング組織といったいくつもの役割がありますが、一方井氏は、インサイドセールスを成功させるためには、まず自社のビジネスモデルを理解し、必要性を認識することが重要であるといいます。
2011年からインサイドセールスを開始した同社にとって、インサイドセールスの役割とは、社内目線では、日々生まれてくる課題や戦略に対しインサイドセールス部門としてできることに取り組むという意味で「組織の戦略コントローラー」、対外的には、「Sansan」がサブスクリプションモデルで提供されるサービスであることを説明し、そのファーストアプローチを担うインサイドセールスがお客様に適切なご案内を行う重要性から「伴奏するコンサルタント」として位置づけられているといいます。
立ち上げ当初は1名からスタートした同社のインサイドセールス部門は、現在、41名体制。中小企業を担当する「SDR」、大手企業を担当する「ADR」、地方の企業を担当する「RDR」、全体戦略とオペレーション改善を行う「SD企画」の4つのグループに分かれているといいます。
同社にbellFaceが導入されたのは、2017年のこと。営業部門(フィールドセールス)で使用していた既存のWeb会議システムのリプレイスの際に、通信環境の安定品質と、接続工数の短縮が決め手となったそうです。インサイドセールスにbellFaceが活用され始めたのは、2019年に入ってからということで、まだ日が浅いことがわかります。
インサイドセールスの役割も、当初は営業活動の効率化であったものから、全部門を俯瞰したときに調整弁となる役割(組織の戦略コントローラー)、加えて本質的な顧客体験に目を向け、「伴奏するコンサルタント」の役割も併せ持つように進化してきたのだといいます。
2.インサイドセールス組織進化の過程でぶつかった3つの壁
同社も、前回のレポートでご紹介した株式会社スタディストと同様、組織の成長に伴っていくつもの壁にぶつかったといいます。今回の講演では、そのなかから特に重要だと思われる「組織を1つにするKGI」「一貫性のあるデータベース設計」「組織変化に伴奏する教育プログラム」の3つの課題が取り上げられました。
①組織を1つにするKGI
2011~2014年頃の各部門のKGIは、マーケティング部門は「見込客の獲得数」、インサイドセールス部門は「商談の創出数」、営業部門は「受注額」となっていました。特別講演の『THE MODEL』の分業の考え方からすると間違ってはいないのですが、マーケティング部門とインサイドセールス部門で創出した商談が営業部門のリソース不足で受注できないといった問題が起きたとのことです。
このため、営業部門のKGIを基準に、マーケティング部門とインサイドセールス部門のKGIを設定するように改善し、現在のインサイドセールス部門のKGIは「受注貢献額」と「案件創出額」の2つが中心となっており、それまでの「商談創出数」「イベント集客数」「アクション数」といったものはサブKGIとして位置づけられ、メンバーが個人管理しているといいます。
このKGIの変化により、商談の質を高めるためにインサイドセールス部門がbellFaceを活用して「事前商談」を行ったり、フェーズ進捗が停滞しているリードに対するフォローを行うというプロセスが新たに生まれたといいます。
②一貫性のあるデータベース設計
2014年当時のSansanのデータベースは部門ごとで最適化を進めたためにバラバラになっており、これに危機感を感じた同社はシステムを統一し、マーケティング部門から営業部門までのデータベースを一本化したのだそうです。
同時に、ステージングモデルを設計し、顧客情報がどのフェーズに行ったらどの部門が責任を持つ、という区分けも明確にされました。
③組織変化に伴奏する教育プログラム
3つ目は、「組織進化に伴い、ナレッジが共有化されていない」という課題です。これまでもマニュアルを作成したり、専用サイトを制作したりといった対策は行ってきたものの、形骸化してしまい実運用に乗らないという問題があったそうです。
これに対し、ハイプレイヤーに自身の取り組みを発表してもらう機会を作ったり、各営業マンが外部の営業コンサルタントにマンツーマンで自身の案件を見てもらうといった施策でナレッジを蓄積し、それを共有するマニュアル類をアップデートし続けるフローを整え解消したとのことでした。
以上、1名から始まり現在の状況に至るまでSansanでは約8年かかったが、この事例を参考にすることで、皆さんは数ヵ月規模で課題解決に導いで欲しいとまとめ、セッションは幕を閉じました。