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【#backstage19 レポ⑤】エンタープライズ企業役員に聞く!企業がコミュニティを必要とする理由

記事公開日:2019/09/24
最終更新日:2025/10/17
【#backstage19 レポ⑤】エンタープライズ企業役員に聞く!企業がコミュニティを必要とする理由

【この記事の要約】

2019年のイベント「BACKSTAGE」における、GO社の三浦氏の講演レポートです。テーマは、社会を巻き込む「現象」をいかにして作るかという、新しい時代のPR・広告論です。

三浦氏は、現代では、単に広告で商品の機能を伝えるだけでは人の心は動かないと語ります。重要なのは、その商品やブランドが持つ社会的な意義(パーパス)を明確にし、社会が「議論したくなる」ような問いを投げかけることです。企業の言いたいこと(Said)と、世の中が求めること(Do)が重なる領域で、人の心を動かすアイデアは生まれます。広告の枠を超え、社会的なムーブメントを創出するための、クリエイティブな思考法が学べます。

 

【よくある質問と回答】

Q1. なぜ大企業ほど、社外のコミュニティが必要なのですか?
A1. 社内の常識や過去の成功体験だけで物事を判断してしまい、市場の変化から取り残され、「正しく間違う」というリスクがあるためです。社外の多様な専門家が集まるコミュニ-ティに参加することで、客観的な視点や新しい知見を得ることができ、より正しい意思決定に繋がります。

Q2. 参加すべきコミュニティは、どうやって見つければ良いですか?
A2. 記事の中では、自分と同じ仕事をしている人に話を聞きに行くことが推奨されています。そうした人の周りには、自然と情報交換をするためのコミュニティが形成されていることが多いからです。まずは身近なところから情報収集を始めるのが良いでしょう。

Q3. コミュニティに参加したら、どのように振る舞えば有益な情報を得られますか?
A3. ただ情報を受け取るだけでなく、自ら積極的に情報をアウトプットすることが重要です。自分が実践したことや、抱えている課題などをコミュニティ内で共有することで、他のメンバーから有益なフィードバックやアドバイスが得られやすくなります。GIVEの精神が、結果的に多くのTAKEに繋がります。

 

【ここから本文】

2019年8月29日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、近年注目を集める体験型マーケティングや体験型イベント、コミュニティ運営のフロントランナーが集まり、カンファレンスやセッションを通じて、その知見を共有するイベント「#backstage19」が開催されました。

エムタメ!では、ユニークなテーマで繰り広げられるさまざまなセッションのなかから、気になる7テーマをピックアップ。その要点をレポートします!

この記事では、フジテック株式会社 友岡さん、株式会社パルコ 林さん、Still Day One合同会社 小島さんによるセッション「エンタープライズ企業役員に聞く!企業がコミュニティを必要とする理由」をご紹介します。

登壇者の紹介

個人と個人のネットワークである「コミュニティ」は、従来、比較的小規模な集団や組織の活動とみなされてきました。

しかし近年、個人の情報の影響力が強くなり、大規模な組織もコミュニティによる広がりや影響に意識を向けるようになってきています。

このセッションでは、長年企業のマーケティングに関わってきたエンタープライズ企業の役員が、自身のコミュニティに対する考え方や取り組み方について語りました。

●フジテック株式会社 CIO/CDO 友岡 賢二さん

現パナソニック株式会社、株式会社ファーストリテイリングを経て現職。一貫して日本企業のグローバル化を支える IT 構築に従事。独英米に計 12 年間駐在。自称・武闘派CIO。CIOを日本の職業として確立したい。

●株式会社パルコ 執行役 グループデジタル推進室担当

株式会社パルコデジタルマーケティング 取締役 林 直孝さん

パルコ入社後、全国の店舗、本部、Web事業を行う関連会社を歴任。2017年より、パルコグループ各事業のオムニチャル化、ICTを活用したビジネスマネジメント改革を推進。パルコは2019年で50周年。11月には新生「渋谷PARCO」がオープンする。

●Still Day One合同会社 代表社員 パラレルマーケター・エバンジェリスト 小島 英揮さん

2009年から2016年まで、AWSで日本のマーケティングを統括。日本最大のクラウドユーザーコミュニティ JAWS-UGの設計・立ち上げに携わる。2016年、コミュニティマーケティングへのニーズの高まりを受け、コミュニティマーケティングのためのコミュニティ = CMC_Meetup を立ち上げる。

コミュニティがイノベーションを加速した「オープンソース」

セッションでは、各人がコミュニティの力を意識した原体験について語られました。

なかでも印象に残ったのは、オープンソースの登場により、コミュニティがつくる副産物がイノベーションを加速するさまを目の当たりにした体験でした。

●オープンソースが登場した当初、まさか個人の作ったものが商用を凌駕するような存在になるとは考えなかった。

●コミュニティによって生まれたシステムやアイディアが、ビジネスに直結するようになった。

●インターネットの発展により、離れたところにいても、同じ関心事でコラボレーションできるようになった。

大企業がコミュニティを必要とするのはなぜか

次に、なぜ近年大企業がコミュニティマーケティングを重視しはじめているのかについて、パルコの林さんより以下のような話がありました。

●大企業は従業員は多いが、会社の中にしか情報共有する場がないと、外の世界のトレンドに沿っているか確認する場がない。

外との接点がないと、社内の情緒的なコンセンサスの積み重ねで、正しいプロセスで間違った答えを出してしまう。「正しく間違う」。

●一般的に大企業や大きな組織は、ネット企業やゲーム業界など、物販を持たない組織は別物とみてしまうがそれは違う。枠を設けず、社外に新しい知恵を求めた方がいい。

コミュニティの見つけ方・活用法

参加者からのリアルタイムコメントでは、「どのようにコミュニティを見つけるか」「どのようにコミュニティを活用したらいいか」などの意見が集まりました。

これらの質問に対し、登壇者の方々は以下のようなコメントを発していました。

どのようにコミュニティを見つけるか?

●自分と同じような仕事をしている人に話を聞きにいくと、その人のまわりにコミュニティができている。

●1人1人に会いにいくより、コミュニティにいった方がたくさんの人に会えるチャンスがある。

どのようにコミュニティを活用したらいいか?

●コミュニティのなかで、はじめはひたすら「教えてもらう」立場だが、施策を実践するとシェアできる情報が出てくる。

自分からもおしみなくアウトプットをしないと、有用な情報は返ってこない。

●自ら課題を設定する、課題の設定力が重要。

まとめ

インターネットやクラウドが進化した現代、個の集合体としてのコミュニティから生まれる「うねり」に、世の中を動かす力があることを私たちは体感として知っています。

正攻法がある世界ではないですが、「コミュニティ」を活かす時代の波に、まずは「乗ってみる」ことが第一歩なのではないかと感じました。

 

 

【English summary】

This article is a report on a lecture by Mr. Miura of GO Inc. at the 2019 event "BACKSTAGE." The theme is a new era of PR and advertising theory on how to create a "phenomenon" that engages society.

Mr. Miura states that in the modern age, simply conveying a product's features through advertising does not move people's hearts. The key is to clarify the social significance (purpose) of the product or brand and to pose a question that makes society "want to discuss" it. An idea that moves people is born in the area where what the company wants to say (Said) overlaps with what the world wants (Do). You can learn a creative thinking method for creating social movements that go beyond the scope of advertising.

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