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【#backstage19 レポ④】こんにちは「令和」。平成マーケティング業界の振り返りと、未来に繋げること

記事公開日:2019/09/19
最終更新日:2025/10/31
【#backstage19 レポ④】こんにちは「令和」。平成マーケティング業界の振り返りと、未来に繋げること

【この記事の要約】

2019年のイベント「BACKSTAGE」における、ワンメディアの見習い氏の講演レポートです。テーマは、若者(Z世代)の心を掴む動画コンテンツの作り方です。

見習い氏は、Z世代は、作り込まれた完璧な動画よりも、「共感」できるリアルな動画を好むと指摘します。彼らにとって、SNSは自己表現の場であり、ブランドは、上から目線で語るのではなく、同じ目線で一緒に楽しむ「友達」のような存在であるべきだと説きます。企業の担当者が自ら出演したり、ライブ配信でファンと直接対話したりといった、「中の人」の顔が見えるコミュニケーションが、Z世代の信頼とエンゲージメントを獲得する鍵となります。

 

【よくある質問と回答】

Q1. なぜ今、多くの企業が「コミュニティ」に注目しているのですか?

A1. ユーザーの成功を後押しし、熱狂的なファンを育てることで、LTV(顧客生涯価値)を最大化する効果的な手法だからです。広告などで新規顧客を獲得し続けるのが難しくなる中で、既存顧客との関係を深め、継続的にサービスを利用してもらうことが事業の安定成長に不可欠になっています。コミュニティは、そのための強力な手段となります。

Q2. freeeは、なぜユーザー(顧客)ではなく、税理士のコミュニティを作ったのですか?

A2. freeeのユーザーである中小企業の経営者が、会計ソフトの導入や運用について税理士に相談するケースが多いからです。税理士という**専門家(インフルエンサー)**のコミュニティを育成し、彼らにfreeeのファンになってもらうことで、彼らがその先の多くのユーザーにfreeeの価値を広めてくれる「アンバサダー」としての役割を期待した戦略です。

Q3. コミュニティを成功させるための重要なポイントは何ですか?

A3. コミュニティの「目的」と「誰のためのものか」を明確にすることです。freeeであれば「認定アドバイザーの成功支援」、Schooであれば「ユーザーの学習意欲の維持・向上」というように、参加者にとって明確な価値(ベネフィット)を提供することが、活発で継続的なコミュニティ運営の鍵となります。

 

【ここから本文】

2019年8月29日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、近年注目を集める体験型マーケティングや体験型イベント、コミュニティ運営のフロントランナーが集まり、カンファレンスやセッションを通じて、その知見を共有するイベント「#backstage19」が開催されました。

エムタメ!では、ユニークなテーマで繰り広げられるさまざまなセッションのなかから、気になる7テーマをピックアップ。その要点をレポートします!

この記事では、インテージホールディングス 小金さん、バカルディジャパン 須田さん、コメ兵 藤原さん、「アジェンダノート」編集長 陰山さんによるセッション「こんにちは「令和」。平成マーケティング業界の振り返りと、未来に繋げること」をご紹介します。

登壇者の紹介

令和になって3カ月がたち、新しい時代に求められるマーケターのあり方を模索している方も多いと思います。

このセッションでは、登壇者の方々が選ぶ平成30年のマーケティングトピックから「故きを温ねて新しきを知り」、これからの時代のマーケッターの役割や、大切にしていくべきことがディスカッションされました。

このセッションの登壇者
株式会社インテージホールディングス アルゴリズム事業準備室
室長 小金 悦美さん
同社の最新技術や新規事業分野の開拓に従事。お客様のデータ活用支援を行う。

バカルディジャパン
Marketing Director 須田 伸さん
広告代理店にてCMプランナー/コピーライターとして勤務したのち、IT各社を経て現職。

株式会社コメ兵
執行役員マーケティング統括部長 藤原 義昭さん
自社ECを立ち上げ、現在はデジタルマーケティングの統括、情報システム部門トップを兼任。

●株式会社ナノベーション 「アジェンダノート」編集長 兼 コンテンツディレクター
陰山 祐一さん(モデレーター)
マーケティング専門メディア「Agenda note」、カンファレンスのコンテンツ企画、塾事業などを担当。

登壇者が選ぶ平成のマーケティングトピック3つ

まず、登壇者の方々が選ぶ、平成30年のマーケティングトピック3つが発表されました。

須田さん:
1.テレビCM崩壊、せず (平成に関しては崩壊しなかった)
GoogleやYahoo!、ゲームなどのFree to PlayデジタルサービスがこぞってテレビCMを打っている。
以前よりテレビCMが効くターゲット層がより上の年齢層になった。
新聞のように一気にお年寄りメディアになるのか、推移を見守りたい。

2.オンラインCGMの誕生と爆発的成長
一般の人が書いたものに世界中からアクセスが集まっている。
2ちゃんねる、mixi、Abemaブログ、Twitter、FB、IGなどがエポックメイキングなサービス。

3.それ、あなたの会社の本当の姿ですか?
企業の広告活動でコントロールできる部分はごくわずか。
生活者は企業の本質をじーっと見ている時代に。

藤原さん:
1.マーケティング=経営
マーケティング=販売促進、広告と考えられがちだが、マーケティングは経営だと考えている。
ただし、経営をやったことがない人は、理解しがたい。

2.PRと広告を縦割りで考えない
PRと広告を一緒に考え、物語をどうやってつくっていくかが大切。

3.ビジネスデザインが重要に
1週間先の目の前の施策だけでなく、3年後、5年後を見据え、物語をどれだけ作れるかが重要。

小金さん:
1.データの集め方の変化
アンケート調査などで「集める」データから、「集まる」データへ変わってきた。
今は足跡・ログがわかる時代。データを「集めて」いた時代はこれほど詳細ではなかった。

2.データがあるけど使いこなせていない
データがたくさん集まるが、使いこなせないことが経営課題となる時代に。

3.データサイエンス人材の高騰化
データサイエンスという言葉は2012年ごろから急激に普及。「21世紀もっともセクシーな職業」といわれた。

影山さん:
1.広告業界、働き方改革
電通の社長が交代。広告業界は人材がすべてといわれる業界だけに印象的だった。

2.DeNA、GREEのテレビCM
ナショナルクライアントの定義が変わった。CMをスマホへの導線とするなど、テレビCMの使い方が変わった。

3.SNSなどコミュニケーションツールに広告が掲載
広告ではないものが広告になった。

令和のマーケターどうしたらいい?

データを重視した手法の変化、AIなどの新しいテクノロジーへの対応、より経営的な視点・・・など、さまざまな環境変化が起こるなかで「マーケターに求められるハードル高すぎ・・・」と考える方も多いのではないかと思います。

セッションでは、このような背景のなかで、令和のマーケターはなにを重視していけばよいかも議論されました。

令和のマーケターどうしたらいい?

藤原さん:
マーケターは「簿記2級」をとったほうがいい。
マーケティングは戦略。つまり、自分のもっているお金をどこになにを配分するか、アセットが重要。
それがわからなければ、ただの施策屋さんになってしまう。
今までのマーケティングスキルに、経営スキルをつけるとレバレッジがかかると思う。

須田さん:
普通にマーケティングをやっている人に経営を体感するのはなかなか難しいが、やっていることが経営と一体化してきている。
クリエイティブ・マーケの人が経営にふれる機会を生み出すことが、単純なメディアバイイングから一歩抜け出すことになるかもしれない。

小金さん:
ピンポイントでこういうデータがほしいといわれると、いわれたこと以上ができない。
こういう課題がある、こういうことを研究したいなど、少し先の世界の話を語れるようになるといい。
1回セッションしたからといって、何かがわかるというほど安直な時代ではなくなってきている。

まとめ

この10年くらいで、マーケティングやマーケターという言葉が顕在化してきましたが、昨今ではマーケティング活動・マーケティング部だけで完結できることが少なくなってきているといわれています。

セッションの最後には、登壇者の方々から、これからの時代は定型の仕事や、「マーケターとは?」というような枠に小さくおさまらず、情報やテクノロジーをキャッチアップし、自分の会社のなかでどれだけできるか、今までにない組み合わせをどうやって作っていくかを考えていった方がいいと語られていました。

 

 

【English summary】

This article is a report on a lecture by Mr. Minarai of ONE MEDIA at the 2019 event "BACKSTAGE." The theme is how to create video content that captures the hearts of young people (Gen Z).

Mr. Minarai points out that Gen Z prefers real, relatable videos over perfectly polished ones. He argues that for them, social media is a place for self-expression, and brands should be like "friends" who have fun together on the same level, rather than speaking from a superior standpoint. The key to gaining the trust and engagement of Gen Z is communication where the "person inside" is visible, such as having company staff appear in videos or interacting directly with fans through live streaming.

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