メインビジュアルはWebサイトの「顔」。しかしスライドショーは時代遅れ?
最終更新日:2025/11/04

【この記事の要約】
スライドショー(カルーセルUI)は、Webサイトの限られたスペースで、複数の画像や情報を切り替えて表示させるためのデザイン要素です。特に、トップページのファーストビューでよく利用されます。
そのメリットは、省スペースで多くの情報を伝えられる点にありますが、デメリットも少なくありません。2枚目以降のスライドはほとんど見られず、ユーザーが自分のペースで情報を見られない、表示速度が遅くなる、といったユーザビリティ上の問題を抱えています。この記事では、スライドショーが本当に必要かを問い直し、もし使うのであれば、自動で動かさず、次に何があるかを示すナビゲーションを付けるなど、ユーザーの操作性を損なわないための注意点を解説しています。
【よくある質問と回答】
なぜ、Webサイトのスライドショーは「良くない」と言われることがあるのですか?
ユーザーにとって、コントロールしづらく、情報を見逃しやすいからです。自動で切り替わるスライドは、ユーザーが読んでいる途中でも次のスライドに移ってしまい、ストレスの原因になります。また、調査データによると、2枚目以降のスライドはほとんどのユーザーにクリックされないことが分かっており、重要な情報が伝わらない可能性が高いです。
それでもスライドショーを使いたい場合、どのような点に気をつければよいですか?
ユーザーが操作の主導権を握れるように設計することが重要です。具体的には、①自動再生はOFFにする(または一時停止できるようにする)、②左右の矢印や下の点(インジケーター)など、明確なナビゲーションを付ける、③スワイプ操作に対応する、といった配慮が不可欠です。
スライドショーの代わりに、複数の情報を伝える良い方法はありますか?
グリッドレイアウトを使うのが有効な代替案です。複数の情報をカード状の要素として格子状に並べることで、ユーザーは全体を一度に俯瞰でき、自分が興味のある情報を自分のペースで選ぶことができます。スライドショーのように情報が隠れることがなく、ユーザビリティが高いです。
【ここから本文】
こんにちは。
スターティアラボ ブログ編集部です。
今回はWebサイト制作の視点から、「メインビジュアル(キービジュアル)の目的と動向」についてご紹介させて頂きます。
1.メインビジュアル(キービジュアル)とは
Webサイトにおけるメインビジュアル(キービジュアル)とは、「ファーストビューにある大きな画像領域」を指します。そしてメインビジュアルの目的は「何をしているサイトなのかを視覚的に伝える」ものです。
WEBサイトを閲覧した際に一番最初に目にするため、直帰率に大きな影響を与える非常に重要なコンテンツであり、制作側としては、WEBデザイナーの腕の見せ所でもあります。
人物を写した写真を使用してユーザーへ安心感を与えたり、商品写真を使用してブランディングをしたり、企業の想いを伝えたり・・・メインビジュアルでは様々なデザイン手法を使用してWebサイトの印象をユーザーへ伝えます。
2.メインビジュアルの種類
ここに掲載するものが全てではありませんが、メインビジュアルには大きく3つの種類があります。
1.サービスを伝える
2.旬な情報を伝える
3.イメージを伝える
①サービスを伝える
最近の主流です。
イメージ画像とキャッチコピーを組み合わせて、「どんなサービスをしているのか?」を表現します。コーポレートサイトの場合には、企業のビジョンや事業内容伝える場合もあるでしょう。
株式会社引越し侍
富士興業株式会社
Square
②旬な情報を伝える
サイトを訪れるユーザーを想定して絞り込めるBtoCサイトの場合には、イベントの詳細やピックアップした情報をメインビジュアルに起用して、直接コンバージョンに結びつける場合があります。
大阪ガス行動観察研究所株式会社
株式会社FM802
西日本旅客鉃道株式会社
③イメージを伝える
ブランディングを意識したサイトの場合は、ブランドイメージの訴求だけを行う場合もあります。
モニターいっぱいに広がる高解像度の画像を使用したメインビジュアル等が一例です。最近では動画を使用した例もこれにあたるでしょうか。
株式会社HIGASHIYA
アディダス ジャパン株式会社
株式会社ベイクルーズ
3.「スライドショー」は時代遅れ?
次に、メインビジュアルの「見せ方」ですが、1枚の画像になっている場合や、複数の画像をAjaxを使用してスライドさせたり、最近ではHTML5を用いて動画で表現する場合もあります。
サイトの種類にもよりますが、最近の主流は、複数の画像をスライドさせる手段が多いと思います。理由としては大きく以下の2点でしょうか。
サイトに動きが出る
伝えたいイメージを同じ領域内で複数紹介できる
そんな中、気になる記事を見ました。
「Appleがトップページで自動送りカルーセルをやめた理由 ?」
http://parashuto.com/rriver/development/no-carousel-no-on-apple-website
AppleがiPhone6の発売と同時にメインビジュアルのA/Bテスト行い、複数の画像をスライドさせる手段を10日ほどで辞めているということです。
理由としては、2枚目以降のクリック率が悪かったためだそう。※あくまでも推測のようですが。
記事内に含まれているデータでは「2枚目以降の画像データのクリック率は1%」という結果があります。記事にも書かれているように全てのサイトが同じような結果になることはないと感じますが、今後、WEB制作を行う上で非常に参考になった記事であります。
4.まとめ
改めて、メインビジュアルはサイトの「顔」といっても過言ではありません。
企業としての想いを込めて作り込む必要はありますが伝えたいことを詰め込んでしまうのではなく、サイトの目的に合った、訴求力のあるデザインを目指しましょう。
【English summary】
A slideshow (or carousel UI) is a design element for displaying multiple images or pieces of information by switching between them within a limited space on a website. It is often used in the first view of a top page.
While its merit is the ability to convey a lot of information in a small space, it also has quite a few demerits. It carries usability problems, such as the fact that slides after the first one are rarely seen, users cannot view information at their own pace, and it can slow down page loading speed. This article questions whether a slideshow is truly necessary and explains points of caution for not impairing user-friendliness, such as not having it auto-play and including navigation that shows what comes next, if one is to be used.













