BtoBサイトで配信すべきコンテンツはこんなにある!
最終更新日:2025/11/06

【この記事の要約】
コンテンツマーケティングとは、ユーザーに価値あるコンテンツを最適な形式で作成・配信し、ターゲットとの接触を増やす戦略的なマーケティング手法です。BtoB企業においても、SEOや広告だけでなく、既存のカタログや提案書といったアナログ媒体も活用できます。
コンテンツの特性を理解するために、「コンテンツマトリクス」というフレームワークが有効です。これは、縦軸に「伝え方(感情的/理性的)」、横軸に「受け取り側の気持ち(認知/検討)」を置き、コンテンツを分類する手法です。例えば、認知フェーズには「インフォグラフィック(感情的)」や「レポート(理性的)」、検討フェーズには「事例(感情的)」や「チェックリスト(理性的)」が配置されます。
多くのコンテンツの中で、BtoBにおいて特に「事例」コンテンツは強力な武器となります。なぜなら、「他社推薦」であるため信頼性が高く、顧客の検討プロセスのどの段階にも訴求でき、かつ比較的低コストで継続的に制作しやすいからです。
【よくある質問と回答】
BtoBサイトで配信すべきコンテンツにはどのような種類がありますか?
記事、ウェビナー、メルマガ、導入事例、動画、ホワイトペーパー、チェックリストなど様々です。これらを顧客の検討フェーズや目的に合わせて使い分けることが重要です。
コンテンツマトリクスとは何ですか?
コンテンツを「感情的か理性的か(縦軸)」と「顧客の検討段階(横軸)」で分類する考え方です。自社がどのターゲットに、どのコンテンツを届けるべきかを整理するのに役立ちます。
BtoBコンテンツの中で、なぜ特に「導入事例」が重要とされているのですか?
「他社推薦(お客様の声)」であるため信頼性が高い点、顧客の検討初期から最終段階までどのフェーズでも役立つ点、そして比較的低コストで継続的に制作しやすい点の3つが理由です。
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2014年頃からコンテンツマーケティングが日本でも注目され、今やこの言葉自体は当たり前になってきました。BtoC業界から波が始まり、すでにBtoBでも自社サイト上でコンテンツマーケティングを行っていくことに積極的な考えが強まってきています。
しかし、ひとえにコンテンツマーケティングといってもどんなコンテンツを作れば効果的なのか、どんな形式で掲載すればいいのか、また、そもそもコンテンツが集まらない!といったお悩みがあるのではないでしょうか。
そこで今回は改めてコンテンツマーケティングとは何なのか、どんな種類かあり、自社に向いているもの、できることはどれかということをまとめてみました。
コンテンツマーケティングとは
では、改めてコンテンツマーケティングとは何を示すのか、からおさらいします。
コンテンツマーケティングとは様々な考え方がありますが、そもそもの大きな定義として「ユーザーにとって価値のあるコンテンツを最適な型式で作成し、それを様々な手法でユーザーに届けることにより、ターゲットユーザーとの接触を増やす戦略的なマーケティング手法」のことを指します。
コンテンツマーケティングとは?メリットや手法、事例までをご紹介!
そのため、コンテンツを作るだけではなくどう配信するかも非常に重要な要素になってくるのです。この様々な手法としてSEOや広告、SNSなどネット環境にフォーカスされがちではありますが、チラシやカタログと提案書など従来からあるアナログ的な媒体に関してもコンテンツマーケティングの定義に入ります。
つまりは、コンテンツマーケティングを始めようと思ったときに何か新しいコンテンツを考えなければ!という気持ちになるかもしれませんが、今まであるコンテンツを利用し、形を替え配信することでも実現可能です。
届けるユーザーに対してどのような目的でコンテンツを出すかを考えることが重要なポイントなのです。コンテンツの特性によって伝わり方が変わるのでその特性を理解してどのコンテンツが自社に合っているかを考えていきましょう。
コンテンツマトリクス
では、どのようにしてコンテンツの特徴を理解したらいいのかということですが、「コンテンツマトリクス」をつくってみるのが良いでしょう。
本来であれば自社のユーザーシナリオを元にどういったコンテンツが必要なのかをマトリクス上に洗い出していく手法なのですが、自社で作るのは難しいという方に下記にコンテンツマトリクス例を用意しました。

翻訳参考:https://www.deepimpact.vc/n_2231.html
縦軸に作成側の伝え方、横軸に受け取り側の気持ちを指標としています。コンテンツの種類によりどんなことを伝えたいかで貴社に合ったコンテンツを出していきましょう。
しかし、表を見ていくとコンテンツの難易度はかなり違いますね。ゲームやインフォグラフィックなどは自社での制作は難しいコンテンツになりますし、著名人の推奨などもお金がかかるコンテンツになります。比較的に行いやすいものはチェックリストやレポート、ホワイトペーパーなどの自社で用意できそうなコンテンツになるかと思います。
時間とお金をかけてコンテンツを作れる場合はぜひ凝ったコンテンツ制作にも挑戦していただきたいですが、そこまでかけられないけど効果を出したいといった場合におすすめするコンテンツとしてはずばり「事例」コンテンツです。事例は比較的昔から良く見るコンテンツですが、この事例こそサイトにおいてかなり幅広い貢献をしてくれるコンテンツになるのです!ではなぜこの事例が有効なのかをご説明します。
事例こそ最大の武器
事例コンテンツがサイトに対して効果を発揮する理由は3つあります。
<事例コンテンツが武器となる理由>
①自己推薦ではなく他社推薦
②カスタマージャーニーのどこに対しても訴求可能
③比較的に作りやすく、単発で終わらず更新し続けられる
①自己推薦ではなく他社推薦
当たり前ですが自社で作成するコンテンツは基本的に自社推薦のコンテンツになりやすいです。もちろん営業文句として自社推薦の広告文は必要になりますが、あまり押せ押せだとうさんくさくなってしまいます。
その点、事例は導入企業に自社を推薦してもらうコンテンツとなるので比較的に独りよがりになりにくいです。また、SNSが流行っていることから分かるとおり、自分に近い存在がそのものを薦めていると安心をするというユーザー心理が働きます。
ユーザー側としては自分の業種や環境、悩みなどに近い企業がその商品やサービスを導入して成功していることはかなりプラスポイントになりやすいです。その内容に実数値などが入っていればさらに信頼度は増すでしょう。
②カスタマージャーニーのどこに対しても訴求可能
事例はカスタマージャーニーのどのプロセスのユーザーにも当てはまる内容になっていることが多いです。
カスタマージャーニーとは一言で言うと、「顧客が購入に至るまでのプロセス」を可視化させることなのですが、この購入に至るまでの検討のプロセスの中で必要な情報として事例は常に効果が出せるコンテンツになるのです。
つまり、広い範囲のユーザーに対してみてもらえるコンテンツなのでサイトに掲載した際にもPVを集めやすいコンテンツとなり得るのです。
カスタマージャーニーについては以下の記事で詳しくご説明しているのでこちらをご覧ください。
新年度に向けコンテンツ施策を考えよう!カスタマージャーニーの考え方、作り方。
③比較的に作りやすく、単発で終わらず更新し続けられる
3点目は、前章でも述べたとおり、比較的にお金をかけずに且つ、作りやすいコンテンツということです。
もちろん、本格的にやろうとすれば、インタビュー形式でカメラマンやライターを用意して行っていきますが、そこは事例ということなので多少素人感が出ていても違和感がないので、自社でライティングや撮影を行ってもらっても問題ないコンテンツと言えるでしょう。
WEBサイトの運営は単発で終わらせるより徐々にコンテンツを増やしていくことも重要視しなければなりませんのでその部分で事例はお客様さえ許可が取れれば作成が出来ますし、ずっと同じテンプレートで作り続けることが出来るので更新も行いやすいのです。
事例なんてありきたりではないか?と思われていた方も多いかも知れません。しかし、奇をてらったコンテンツは一定期間注目を集めるかも知れませんが、事例のように当たり前だからこそなくてはならない存在であるコンテンツを地道に増やしていくことがコンテンツマーケティングを成功させる要因でもあるのです。
以上、今回はコンテンツマーケティングについてまとめてみました。
これからは情報発信がマーケティングの中心になってくることは間違いありませんので、改めて自社のコンテンツについて見直してみてはいかがでしょうか。
以下資料にはユーザー情報を獲得するためのコンテンツを作ることについてまとめてありますのでもしご興味があればダウンロードしてみてください。

- Writing By
- 西澤 菜々子
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スターティアラボ株式会社
WEBプロモーション事業部 デジタルマーケティンググループ リーダー- プロフィール :
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2010年スターティアラボ株式会社に入社。2012年に大阪支店の立ち上げに参画、同支店で10月にはマネジメントも経験する。 また、クラウドアプリケーションを総括するCloudCircus企画部の立ち上げにも参画し、デジタルマーケティングのコンサルティングを実施中。
【English summary】
Content marketing is a strategic method of creating and delivering valuable content in optimal formats to increase contact points with a target audience. BtoB companies can utilize not only SEO and ads, but also existing analog media like catalogs.
The "Content Matrix" is a useful framework for understanding content characteristics, plotting "Communication Style (Emotional/Rational)" on the vertical axis and "Recipient's Phase (Awareness/Consideration)" on the horizontal axis. For example, "Infographics (Emotional)" or "Reports (Rational)" fit the awareness phase, while "Case Studies (Emotional)" or "Checklists (Rational)" fit the consideration phase.
Among these, "Case Studies" are a powerful weapon in BtoB. This is because they are highly credible (third-party endorsement), appeal to all stages of the customer journey, and are relatively low-cost and easy to produce continuously.









