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リーン・スタートアップ理論からWEBマーケティングの本質を捉える

記事公開日:2016/10/05
最終更新日:2017/12/15
リーン・スタートアップ理論からWEBマーケティングの本質を捉える

こんにちは。スターティアラボWEBプロモーショングループの田中です。

シリコンバレー流の起業・マネジメント方式として数々のスタートアップ企業を成功へ導いている起業家エリック・リース氏が2008年に考え出した理論、「リーン・スタートアップームダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす」(日経BP社)は2012年に日本でも書籍化され、皆様もご存知のところかと思います。

このリーン・スタートアップは、起業(企業)の経営手法やマネジメント手法としても

大変参考になる内容ですが、読み進めるうちに私達が日々葛藤しているWEBマーケティングの本質と似通った部分が多く感じられたので本ブログで要点をまとめてみました。

※リーン・スタートアップの深く広い理論の中でもWEBマーケティングに関係している部分のみを抜粋しておりますので、理論自体をしっかりと学びたい方は、是非書籍を読んでみて下さい。


リーン・スタートアップ

リーン・スタートアップ

1.「構築―計測―学習」のフィードバックループ

「構築―計測―学習」のフィードバックループを最小限の時間と新たな評価基準を用いて改善活動として回すことにより効果を最大化していくというのがリーン・スタートアップの概念の大枠です。

構築・・・まずターゲットに対して価値を感じてもらえる最低限の機能を備えた製品・サービスを作り、

※3.MVP(Minimum Viable Product)-実用最小限の製品にて詳しく説明

計測・・・実際に顧客に使ってもらった結果を数値化し、

学習・・・計測した結果をもとに戦略を方向転換(ピボット)するかどうかを決める

この流れはWEBマーケティングでも全く同様の流れになるかと思います。

WEBマーケティングの場合、最初にWEBサイトの目的と顧客を明確にし(コンセプトの設定、KGIの設定、ペルソナ設計)

中間の達成目標であるKPIを設定し計測(アクセスログやその他の評価基準にて計測)した上で、予測した通りに進まない場合は、戦略をどんどん切り替えていきます。

ここで最も重要なことが、「最低限でも良いので、始める(MVP)」ことと「実際に顧客に使ってもらう」ことだと言えます。

2.不確実性とリーン生産方式(トヨタ生産方式)

経営を行っていく上で、押しも押されもせぬ大企業ならまだしもこれから起業しイノベーションを起こしていくスタートアップ企業の場合、不確実な市場、不確実な成果、不確実な顧客と向き合っていく必要があります。

不確実だからこそフィードバックループを高速で回すことで可視化し把握することが、より重要になっていくという本質を捉えた理論です。

それに加えてリーン生産方式です。

もともとはトヨタの生産方式を研究応用したものであり、トヨタ式の7つのムダを省いて生産性を最適化していくという考え方です。

しかし本質の部分としては、「顧客のメリットとなるものを価値」として考え、それ以外の部分を全てムダと捉える大胆なまでの顧客視点に立った方式だと言われています。

この不確実性とリーン生産方式、とてもWEB業界と似ていると思いませんか?

日々アルゴリズムや評価の変わる検索エンジン、技術の進歩とともに新たに生まれるデバイス、SNSやオウンドメディアなどのように新たに生まれるメディアや拡散手法など、昨日までの「正解」が簡単に「不正解」になる不確実性に満ちているのがWEBマーケティングの世界だと言えます。

しかしその中でもGoogleを代表とする業界のデファクトスタンダード企業が「ユーザーファースト」を最も重要視し、閲覧者にとっての有益な情報がWEBサイト全体価値を高められる要素となってきております。

3.MVP(Minimum Viable Product)-実用最小限の製品

多くの新規事業の担当者は、最初の第1歩であるはずの「構築」をしっかりした形にしたい、じっくり考えて失敗しない方法を選びたいと、「構築」に時間をかけすぎてしまいがちです。そもそも、「最初の構築は時間のかかるもの」だと思い込んでいます。

しかしリーン・スタートアップでは、そもそものターゲットをアーリーアダプターに置いているため、「必要最低限でもターゲットに価値を感じてもらえる製品やサービス」であれば世の中に出していき、「使ってもらい」それをもとに計測していくことを推奨しています。

WEBマーケティングにおいてもリーン・スタートアップ理論と同様、「じっくり入念に戦略を練ってスタートが遅れる」よりも、フィードバックループを回す回数や頻度を高める方が圧倒的に成果を出しやすいです。

4.ピボット(ビジョンは変えずに戦略を変える)

構築し、計測をした後、思ったような成果につながっていない場合、ビジョンは変えずに戦略を変えることで仮説に近づけていくという考え方がピボットです。

リーン・スタートアップでは「価値仮説」「成長仮説」や「革新会計」を用いてより明確な仮説を検証することでピボット(方向転換)するかどうかを判断する手法を紹介しています。

※この概念はリーン・スタートアップの肝となる部分でもありますので気になる方は是非書籍をご覧ください。

ピボットの手法としても10種類の手法を提唱しています。

その中でもWEBマーケティングに応用しやすいピボットである3つを紹介します。

顧客セグメント型ピボット

想定していた顧客以外の顧客層にて価値が最大化する場合に顧客セグメントをピボットする手法

顧客ニーズ型ピボット

解決しようとしていたものが顧客にとって優先度が高くない問題だった場合に、重要かつ自分たちが解決できる問題解決に変更する手法

技術型ピボット

同じソリューションを全く違う技術で実現できるとわかった際に使う手法。一つの手法で確立された成果しかでない場合に、それよりも優れた新しい手法に切り替えることで成果が加速する。

WEBマーケティングにおいても、上記のようなピボットを行わなければならない場面に遭遇します。

設定しているKPIは達成しているのに、なぜかCV数や成約数などのKGIには良い影響がでない。

という話はよく聞く話です。

しかしそのような状況でも、サイト自体のコンテンツを改善したりキーワード数やページ数を改善することで効果は伸ばせますが、

オウンドメディアを使って別の顧客セグメントへアプローチ可能ですし、サテライトサイトやLPと広告を組み合わせる事で顧客の別のニーズへアプローチ可能もです。

成果が安定して伸び代が無くなったと感じても様々な技術革新が置き、また新たな手法を試してみることも可能です。

いかがでしたでしょうか?

全世界で注目を浴びているマーケティング手法の要素を分解してみても、WEBマーケティングに繋がる発見がありますよね。

日々勉強です。

目的は変えずに、戦略を変えることで効果を最大化させることができるのはWEBサイトの大きな利点です。

リアルタイムに検証を行い、高速でPDCAを回す。

この経験をしっかりと積み、ノウハウを蓄積するスピードと回数を意識する事がWEBマーケティングを大きな成功に繋げるカギです。

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