費用をかけても成果があまり出ない。Webサイトであなた"らしさ"は出ていますか?
最終更新日:2018/05/18
こんにちは。
スターティアラボの栗田と申します。
スターティアラボではWebコンサルタントを担当しています。
約10年ほど前、営業で入った後、制作ディレクター、サポートを経て、現在はWebコンサルタントという経緯になっています。
今はお局…でもありますが、お客様の運用支援や効果を上げるための分析や企画、実行策のコントロールなどをコンサルティングしております。
沢山のお客様とお話させていただく中で、「Webサイトに費用をかけても成果が出ない・・・」と耳にする事があります。今回はこちらに関してお話致します。
1.Webサイトから成果が出ないのは何故か?
毎年毎年、Webマーケティング業界ではどんどん新しい専門用語が行き交い、それに連動して新しい手法やサービスが生まれています。
多くのサービスや手法が流行し、一つのサービスで失敗しても別のサービスを試すなど右から左に使えるサービスが溢れています。ですが、色々なサービスをとっかえひっかえ使っても、成果がなかなか伸びないお客様に共通して欠けている部分があります。
それは「その会社らしさ」がWebサイトに出ていない事です。
2.あなたの"会社らしさ"とは?
かれこれ5年以上前のことですが、私が初めて”採用サイト”のディレクションを担当したのが、今でもとても思い出深い案件になっています。
採用サイトの役割を一言で表わしたら、「良い人を採る」ですよね。そんな事は当たり前と、その案件に取り組む前は思っていました。
一般的な「良い人」の定義でいくと、成績優秀、高学歴、まじめ、人当たりが良い、前向き、専門の勉強をしていたり資格を持っている…など思い浮かべます。私もそれ以前はそう思っていましたが、打ち合わせ現場でヒアリングをしていくと、そのクライアントは会社と相性の良い学生「=ターゲット像」を明確にお持ちでした。
担当者様「どちらかというと、目立たない子がいいんだよね。」
私「え!?目立たない子がいいんですか・・・?」
(中略)
私「・・・ということは、いつも人並みに埋もれてしまっていると自覚しているタイプだけど、仕事として与えられたら頑張って取り組んでやり遂げたいし、人に感謝されたら励みになる…周りの同僚もいるから頑張れる…みたいなタイプの人でしょうか?」
担当者「うん、そう!そのイメージでぴったりだよ!」
といった経緯で、採用サイトの運用を開始しました。
まだ経験が浅かった当時は、Webサイトを制作して納品が出来たとしても、クライアントにとってどういう効果を見込んでご依頼をいただいているのか明確に想像しきれていないままに、クライアントが表現したがっている部分を忠実に実現していくことに必死になっていました。
なので、このお客様の一件から新しい可能性が見えました。
3.結果、想像以上の効果に
そのクライアントは、大学の就職課に人事担当が足を運んで、これだ!と思った学生に直接声をかけて応募者を集めていました。いわばヘッドハンティングのようなスタイルで学生との最初の接点を設けおり、採用サイトの役割は学生が検討段階で見た時用の補助的なツールでした。
もちろん、その効果としてもご満足いただいてましたが、ある日の連絡で、「某有名大学の大学院生の子から、就職したいと直接問い合わせが来たんだよ」と、喜びの声をいただきました。
前途の通り、このクライアントは優秀な学生を求めている訳ではありませんでしたが、なぜ喜んだのでしょうか?そのポイントは
・就職サイトなど広告は一切出していないので、接点の無い就職希望者が採用サイトどころか自社サイトに来る可能性が低いと認識していた
・高い学歴を持つ新卒採用業界では引っ張りだこなハズの人材が、採用サイトの雰囲気や内容を見て、「ここで働きたい!」と言ってきてくれた(自社と相性の良い学生であれば、副産物的に高学歴であれば当然喜ばしい結果である)
ということでした。
また別の日には、事務職(中途)の募集広告を2名採用予定で出したところ、通常、応募者の見込みとして10人は到底満たないのに、その時は50人近くの連絡が来てしまって嬉しい悲鳴をあげたよ…なんていうエピソードもありました。
4.明確な独自のビジョンが成功の鍵
ペルソナやカスタマージャーニーマップの作成など、もちろん重要ですが、このエピソードの案件はそういったステップを踏まずともすでに明確なビジョンがあったことが成功の要因だったのです。
そして、今はこうした明確なビジョンが持ち切れていなくても、ペルソナ設計といった体系化された工程を踏むことで、はっきりしていなかった自社のビジョンうまく引き出す事ができ、成果がちゃんと出るWebデザイン、コンテンツ作成、導線設計が出来るような時代になっています。
もちろん、一般論で語られるようなノウハウも必要な時はありますが、何より大切なのは、「あなたがターゲットにしたい人物像」がどこまで明確に描けているかです。
5.良い様に見せようという努力をやめて「らしさ」を追求しませんか?
先ほど挙げたクライアントの採用サイトは、当時から決してかっこいいとか、キレイとか、世間一般でいう高品質なサイトではありませんでした。
それなのにも関わらず予想以上の効果を出した秘訣は、ターゲットが明確だったということももちろんのこと、もう一つ重要なのは、「自社を良く見せようという意識」を全く出さず、ありのままの状態をWebサイトに反映し、そこに惹かれる人だけ来てもらえればいいというスタンスを貫いていらっしゃいました。
素材集なども昔より充実したり、デザインクオリティも業界的に進化してきたため、カッコいいサイトが当たり前のように出来あがる時代ではありますが、効果をあげているサイトの多くは、従業員の姿・顔が写った写真素材を使用していたり、感情がこもった文章でコンテンツが構成されていたりするなど、自社の個性が表現されています。
単にサービスの良さや響きのいいキャッチコピーを業者任せに作るのではなく、その会社「らしさ」を追求しましょう。それがある意味「人間性」とも感じ取れ、ユーザーに響きます。
6.まとめ
企業のマーケティング手法が進化、洗練されていく中で、皆が同じような手法を使いながら成果を上げている会社は、自社のブランド意識が明確であり同時にターゲット像や長期的なビジョンをしっかり持っています。
その営業ツールの一環としてWebサイトではどんな役割を担い、どんな側面で機能を発揮するかを捉えて運営しなくては、持っているパフォーマンスを発揮しきれない時代に突入しています。
これを読んでいただいた方も、貴社運営のサイトに個性あふれる貴社「らしさ」が出ているか見直してみませんか?