「ネット炎上保険」は使えるものか?
最終更新日:2019/05/23
![「ネット炎上保険」は使えるものか?](https://webseisaku.webtame.jp/dcms_media/image/net_fire_insurance_usable_cover_thum.jpg)
SNSの普及にともない、テレビや雑誌などのマスメディアでも、SNS上の「炎上」騒ぎが取り上げられるようになりました。SNSはいまや、企業の広報にもかかせないツールですが、ひとたび炎上すれば、企業は大きな損失を被ることになります。
このような時代背景を受けて、近年では「ネット炎上保険」という保険商品が人気を呼んでいます。この記事では、ネット炎上保険とはどんなものなのか?はたして「使える」ものなのか?を探っていきます。
ネット炎上保険とは?気になる補償内容は?
ネット炎上保険は、主に法人を対象に「ネットが炎上したときに、炎上に対応するために支出した費用を補償する」サービスです。
一般的に、企業やお店がトラブルを起こしたり、コンプライアンスに違反するような行動や発言をしたりすれば、Twitterや掲示板などに一斉に批判的なコメントが寄せられます。このような「炎上」が起きれば、企業は謝罪や、評判を回復するための対策をしなければなりません。
炎上への対応は、多岐にわたります。たとえば、「問い合わせに答えるための窓口設置」「外部コンサルタントへの原因調査の依頼」「謝罪のための記者会見」「商品の回収」「謝罪広告」「弁護士への法律相談」などです。炎上保険では、このような炎上対策にかかった費用が補償金として支払われます(どこまでの費用が対象かはサービス提供会社によって異なります)。
しかし、「炎上」という言葉の定義はあいまいです。どのような状態になると「炎上している」と判断されるのでしょうか。
現在、販売されているネット炎上保険の多くは、インターネット上のリスク対策専門会社と保険会社が連携し、ネットを監視する「モニタリング」と「保険」をセットにしたサービスとして販売されています。
モニタリングサービス会社は、インターネット上に対象のキーワードとネガティブワードが関連付けて書き込まれていないかを日々チェックし、一定の基準以上の量のネガティブワードが検出されたときには、被保険者に通知を行います。また、モニタリングの結果が、保険会社が定めた基準を満たしていれば「炎上した」と認められ、その対応にかかった費用に対し、補償金が支払われるという仕組みになっているのです。
費用はどのくらい?ネット炎上保険の具体例
![費用はどのくらい?ネット炎上保険の具体例 費用はどのくらい?ネット炎上保険の具体例](https://webseisaku.webtame.jp/dcms_media/image/net_fire_insurance_usable_cost_img01.jpg)
このように、ネット炎上保険は、SNSを多用する企業にとっては、非常に心強いものですが、具体的にはどのようなプランが、いくらくらいで提供されているのでしょうか。現在、販売されている代表的なネット炎上保険を調べました。
ネット炎上対応費用保険:損害保険ジャパン日本興亜(株)/(株)エルテス
![ネット炎上対応費用保険:損害保険ジャパン日本興亜(株)/(株)エルテス](https://webseisaku.webtame.jp/dcms_media/image/net_fire_insurance_usable_cost_img02.jpg)
- https://www.sjnk.co.jp/~/media/SJNK/files/news/2016/20170310_1.pdf
- 企業が一般加入できるネット炎上対応保険では国内初といわれる。
- 月額費用は35万円~で、加入者には24 時間365日体制の「Web リスクモニタリング」サービスが付帯する。
炎上監視サービスwith保険:(株)エルプランニング/三井住友海上火災保険(株)
![炎上監視サービスwith保険:(株)エルプランニング/三井住友海上火災保険(株)](https://webseisaku.webtame.jp/dcms_media/image/net_fire_insurance_usable_cost_img03.jpg)
- https://www.elplanning.co.jp/lp05/
- 中小企業でも導入しやすい価格帯と補償内容が特徴。
- 月額9万8,000円、炎上したときに最大500万円の補償金が支払われる。
炎上保険:シエンプレ(株)
![炎上保険:シエンプレ(株)](https://webseisaku.webtame.jp/dcms_media/image/net_fire_insurance_usable_cost_img04.jpg)
- https://www.siemple.jp/enjou-hoken/
- Webリスク対策専門会社が提供する「保険付帯型モニタリングサービス」。
- 炎上に即時対策できることが特徴。月額費用はプランに応じて8万円~35万円。
「炎上補償サービス」との違い
また、炎上保険と似ていて異なる「炎上補償」というサービスもあります。
「炎上保険」は、Webリスク対策会社と保険会社が協力し、ネット監視サービスと炎上時の対応費用の補償をセットにして販売しています。一方、「炎上補償」はWebリスク対策会社が単独で提供するサービスで、インターネット上のモニタリング、リスク分析と炎上時のコンサルティングなどを行うサービスです。炎上時の対応費用の補償はありませんが、導入費用が比較的安いこと、炎上を未然に防ぐ施策に注力していることが特徴です。
まとめ
このように、「ネット炎上に備えなければならない」という意識の高まりは、関連するサービスの多さからもうかがえます。
インターネット上の評判が、敵にも味方にもなる時代。保険やネット上の監視などのほかにも、「SNS運用ポリシーを定める」「従業員にSNSモラルに関する教育を行う」「炎上時の対応を決めておく」などの自社内でできる対策を講じておくことが必要です。
SNSやWebサイトをよい方向に活用できるように、ぜひ予備知識を持って備えておきましょう。