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テックタッチで自走する顧客を増やす!Sansan多田さんにその秘訣を聞いてみた

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2021/07/27
テックタッチで自走する顧客を増やす!Sansan多田さんにその秘訣を聞いてみた

エムタメ!では、これからカスタマーサクセス(以下:CS)に注力する企業や、すでに取り組んでいるものの課題を感じている方々のヒントになるように、各分野の先人たちにインタビューを行っています。

今回のテーマは「テックタッチ」ということで、オンボーディングにテクノロジーを活用した施策で成果を出されているSansan株式会社の多田さんにインタビューをいたしました。


これからテックタッチに取り組もうとしている方や、すでに取り組んでいるもののなかなか成果につながっていない方には特におすすめの内容となっておりますので、是非ご一読ください!



  • Profile
  • 多田 舞衣さん
  • Sansan株式会社 ビジネス統括本部  カスタマーサクセス部
    Small Business CSMs マネジャー

    プロフィール :

    人材業界においてWebマーケティングに従事したのち、2019年にSansanへ入社。カスタマーサクセス部にて、SMB領域の導入支援(テック・ミドルタッチ)を担当。プレイヤーの傍ら、導入フローを仕組み化する企画立案・実行も担う。

    オンライン名刺URL


    Twitter:
    https://twitter.com/maE3do


    企業HP:
    https://jp.sansan.com/

Sansanの考える真のテックタッチ

本日はよろしくお願いいたします。まずはじめに、貴社の事業内容と多田さんの担当領域について伺ってもよろしいでしょうか!

エムタメ!
編集部

多田さん

Sansan株式会社は設立の2007年から14年間名刺に向き合ってきた会社でして、「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションを掲げております。人と人とのつながりをテクノロジーで可視化して活用し、ビジネスのイノベーションを生み出していくことに取り組んでいる会社です。

 

私が担当しているのは法人向けの「Sansan」というサービスです。「名刺管理から、働き方を変える」をコンセプトとした、法人向けクラウド名刺管理サービスで、ご利用企業数は7000社以上となっています。

 

「Sansan」は大手の企業が利用しているイメージを持たれがちなのですが、実際はスモールビジネス領域のお客様にも多く使っていただいており、私も入社から累計200社以上の導入支援を担当しております。

 

私自身の業務としては、入社後からずっとカスタマーサクセス部のSMB領域の導入支援を担当しており、今は支援をしながら、施策の企画立案なども担当しています。

ありがとうございます。インタビューに入る前に前提のお話になるのですが、今回多田さんにインタビューを依頼した理由は2つあります。


1つは、『日本のSaaSといえばSansan』というブランドが強固にあると私自身が考えていること。もう1つは、以前多田さんがイベントでお話しされたテックタッチ施策について、もっと深くお話を伺いたいと思ったからです。


日本のCSでもテックタッチに取り組んでいる企業は多いのですが、明確に成果につなげている話は多くありません。そこを実際、多田さんが取り組まれていて、かつ成果も出ているところが素晴らしいと感じ、ぜひ話を伺いたいと思いました。


そのため、本日のインタビューもテックタッチの施策を中心に色々と質問をさせて頂きます!

エムタメ!
編集部

多田さん

ありがとうございます。

 

チーム内でもよく話しているのですが、Sansanにおけるテックタッチとは、すべての顧客に対して提供できるベーシックな支援形態を指しています。

 

テックタッチの有効な手段の1つとして、セミナーやメールなどの施策が挙げられることが多いですが、そういった面対応の手段に限らず、可能な限り多くの顧客に正確、迅速、効率的に(主に情報を届けるという形で)支援するためのあらゆる手段がテックタッチだと考えているので、本日はそういった話もできたらと考えています。

イメージ通りなのでとても楽しみです。


人に頼らず自分自身でツールを使いたい人も大勢いるので、貴社のようにテクノロジーを使って完結できる部分は完結する、といった姿勢はとても重要だと思っています。


そうやって生産性をあげていけば、本来対人でのサポートが必要な人により多くの時間を割くことができるので、結果的に全体の満足度の向上に繋がるんですよね。本記事も、そういったメッセージが届くといいな、と考えています!

エムタメ!
編集部

テックタッチで支援している具体的な範囲

それではインタビューの本題に入ってまいります。まずは貴社におけるオンボーディングの全体像とテックタッチで行っている施策についてお伺いしたいです。

エムタメ!
編集部

多田さん

弊社のオンボーディングのフェーズは以下の4ステップとなっています。

 

1つ目のステップは「サービス開始&ID登録」で、Sansanにユーザーを登録してもらいます。この時に、導入目的をしっかり作っていただいて、社内に浸透させることがポイントです。

 

2つ目のステップは「社内周知&名刺取込み」で、導入目的を周知後に名刺の取り込みを進めてもらいます。ここが、オンボーディングの成否を分ける一番重要なキーファクターになっており、ユーザー全ての過去名刺を取り込む必要があるので、いかに推進責任者に組織を動かしてもらうかがポイントとなります。

 

3つ目のステップが「利用定着」として、Sansanを当たり前に使っていただけるように、引き続き継続的に推進責任者に利用促進をしていっていただく形になります。

 

このステップを経て、全て完了できればオンボーディングが完了という設計になります。



この4つのステップで進捗が良くなかったりつまづいたりすると、カスタマーサクセスマネージャー(以下、CSM)によってスポット支援が入る、という形で全てのお客様をオンボーディング 成功に導いていく、という設計になっています。

 

ありがとうございます。この各フェーズに対して、テックタッチの施策を実施していくイメージですか?

エムタメ!
編集部

多田さん

おっしゃる通りです。具体的には「3つの矢」と呼ぶテックタッチの仕組みを通してオンボーディングの支援を行なっています。



まず1つ目は「最短導入マップ」という導入指南のためのコンテンツ、2つ目は「ステップメール」で、適切なタイミングで適切な内容を届けるもの、3つ目は「Call to Action(以下CTA)」というもので、利用状況に応じて進捗が芳しくない場合にアラートが飛ぶ仕組みになっています。そのアラートを受けて、CSMがスポットの支援を行なっていく、という仕組みです。

 

この3つの矢を先ほどの4つのステップに当てはめると下記のようになります。




サービス開始の時に導入指南の記事をお送りして、そのあとはステップメールを使ってお客様に利用を進めていってもらいます。うまくいっていないお客様はCTAで検知してCSMが支援する、という流れですね。

 

この仕組みを通してSansanでは、流入顧客の20~25%はCSMによる支援なく自走してくれています。結果として、CSM1人あたりが保有できる案件が約1.3倍となり、組織のキャパシティが約133%拡張しました

テックタッチの施策立案の流れ

素晴らしい成果ですね。続いて、そもそもこの取り組みを始められた経緯についてお伺いしたいです。読者の中には、これからテックタッチを始めようとされている方も大勢いると思うので!

エムタメ!
編集部

多田さん

背景としては、ありがたいことに規模を問わずお客様が急激に増えてきたことがあります。CSMも急には人を増やせないですし、1人当たりの持てる案件数にも限界があるので、現場のキャパシティへの課題感が強かったんです。

今後のためにも、人力での支援がなくても活用していただけるようなオンボーディングのフローを作ろう、という流れでこの仕組みを作りました。

ありがとうございます。テックタッチの施策立案は全体を俯瞰して考える必要があると思うのですが、順序としてはどのように進めていきましたか?

エムタメ!
編集部

多田さん

本施策は、私のチームだけでなく、コンテンツ制作チームやテクノロジーチームの協力が不可欠です。そこで、まずはスモールビジネス領域のオンボーディングに関する課題感を各チームへ共有するところから始めました。チームの抱える案件量が多く、回りきれなくなっているところへ、CSMによらないオンボーディングフローを構築したいという話を持っていきました。

 

仕組みを作るためにはテクノロジーチームの協力や、「最短導入マップ」を作るためのコンテンツ制作チームの協力も必要だったので、その関係者と目線を合わせるというのが最初のステップでした。施策について各チームから様々な意見をいただきながら作っていったので、先ほどの3つの矢に落とし込むことに2か月ほどかかっています。

オンボーディングフローが貴社の中に元々あって、テックで完了していく工程を分類していったイメージですか?

エムタメ!
編集部

多田さん

そうです。自分がオンボーディングで行っている業務を棚卸して、カスタマージャーニーと照らし合わせて、基本的な情報伝達はコンテンツを使って行うが、何かしらの理由で次のステップへ進めなくなったお客様をCSMがフォローするよう考え、設計していきました。

 

ただ、試行錯誤しながらなので、当初の想定通りにいかなかったこともあります。


例えば先ほどの4つのステップを元にフローを組んでも、最初の挨拶をCSMから直接会話しなければ、その後のステップへ進まずに導入がストップしてしまうことは学びでした。これから届くコンテンツや、メールについて説明し、「案内に沿って進めていけばスムーズに導入できますので、ご確認ください」と最初の挨拶は必ず実施するようにしました

テックタッチの施策に踏み切れた要因

テックタッチの施策を検討するフェーズでもう1つ解決策があるとすると、CSM人員増があると思います。むしろ多くの企業が、人を増やす選択肢を取られている印象があるのですが、それでも貴社でテック施策を採用する方向に意思決定できた要因はありますか?

エムタメ!
編集部

多田さん

”できる環境が整っていた”というのが1つだと思います。テックタッチの施策はできないときはやってはいけない施策だとは思っていて、人を増やす方が正しい解のときもあると考えています。

 

Sansanでは、どういう状態になればオンボーディングが成功しているのかが明確に定義されていましたし、成功させるためのフローや、気を付けるべき点などもノウハウ化されていました。あとはデータに落とし込むだけの状態だったため、今回の施策にトライし、成果につなげられています。

これまでの積み重ねがあったからこそですね。ちなみにこういった設計に関しては、専任を置くのではなく多田さんがCSMとして顧客を持ちながら進めていかれたのですか?

エムタメ!
編集部

多田さん

そうです。専門の部署は元々なかったのと、組織の役割的にも効率的な支援をするというミッションは私の所属する部署がメインだったので。コンテンツ制作チームの連携も、基本的な仕組みは顧客解像度の高いCSMが揃っている私のいるチームが担当し、記事やステップメールのデザインはコンテンツ制作チームに、ステップメールとCTAの実装はテクノロジーチームに担当してもらうことによって、施策を進めることができました。

 

私はもともとマーケ出身なので、インプレッションやCTRを分析して、コンバージョンを出すために、どの中間指標が必要で、というのをずっとやっていたので、同じ感覚で今回も作ったんです。

 

CSMの中にはノウハウがすでに蓄積されていたので、それを教えてもらい、ロジックとして構築し、仕組化させただけですね。そういった意味で、ノウハウがちゃんとあることが大事ですし、そのノウハウを定量指標に落とし込む人間がいることも、どちらも重要だと感じています

チュートリアルを活用した施策の成果

先日のイベントで、チュートリアルを活用したテックタッチ施策のお話もありましたよね。こちらも詳しくお伺いしたいです。

エムタメ!
編集部

多田さん

チュートリアルは開発が主導で実装した機能のことですよね。まだ始めたばかりなのでお伝えできるほどデータが取れていませんが、顧客とのタッチポイントを活用する有効な手段だと考えています。今回のセルフオンボーディングを推進する動きから、まずはSansanにログインした後、一番最初にやるのは名刺をスキャンすることだと理解していただくために、この施策をリリースしています。

名刺のデータ化枚数が顧客継続の主要なファクターなので、スキャンしていただけるかが重要な指標です。ログインユーザーからスキャンした人たちの割合などをデータで取ったところ、その数が思惑通りに上がったことを開発も喜んでおりました。

今回の話だと機能をプロダクトサイドから作られていると思うんですけど、お客様の声を一番聞いているCSMから、プロダクトへのフィードバックができたら理想ですよね。

エムタメ!
編集部

多田さん

そうなんです。すでにSansan には、CSMからプロダクトへフィードバックする仕組みはありますが、上の例のようなユーザがセルフオンボーディングできるような機能については、CSとプロダクトが一体になって取り組めるような体制にしていきたいと考えています

今後のテックタッチ施策について

最後に、今後のテックタッチの施策に関して、他に考えられているものがあればお伺いしたいです!

エムタメ!
編集部

多田さん

まず1つ、すでに名刺を取り込めているお客様には「もっと使っていきましょう」というアラートを作り、エクスパンションの種を巻き、CSMから提案してもらうという構想はあります。ただ、どの手段で実施するかまでは具体化できてないので、これからですね。

 

あと現在考えているのは、コンテンツのみで自走できるお客様の特徴をつかんで個別に施策を打っていくことです。ID数や従業数、業種、エリアなどの条件を抽出して、CSMがいなくてもオンボーディングに成功する案件群を見つけ、そこに今回の施策を適応させて、進化させていけないかと考えています。

また、現在は私のいるチームのお客様だけに採用している施策ですが、今後は他チームにも広げていけたらと考えています。

まず小さくやってみて、そこから成功した要因を分析して、増やしていったり、縦に伸ばしていくイメージですね。

エムタメ!
編集部

多田さん

そうですね。やはり仕組みを作るためには、やっていないところからやり始めて、型が作れて、その型はテクノロジーでやった方が良いのか、というところまで考える必要があります。今回のテックタッチの設計もこれまで先人が作ってきた型があってこそなので、今度は私が型を作って展開する番ですね。

ありがとうございます。そうやってテクノロジーで自走できるお客様が増えていけば、困っているお客様にCSMが時間を割けるので本質的だと感じました。対面のサポートも大切ですが、そうでないところをテクノロジーで解決していく努力は必要ですね!


成果が出たらまたお話聞かせてください!本日は貴重なお話ありがとうございました!

エムタメ!
編集部


インタビュー:
橋口 浩暉
文・編集:小木曽 一馬

 

前回のCSインタビュー記事こちら:
成功の秘訣は経営の理解!ベルフェイスに聞くカスタマーサクセスの極意



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