Instagram(インスタ)広告とは?広告の特徴やメリット、成果を出すコツを紹介
最終更新日:2024/03/01
Instagram(インスタグラム)広告とは、Meta社(旧:Facebook)が提供するSNSアプリ「Instagram」に配信される広告を指します。Instagramは画像や動画などのビジュアルに特化したSNSであることから、商品の魅力が伝わりやすく、ユーザーへの訴求力が高いのが特徴です。またリンクを設定できるため、商品に興味を持ったユーザーがそのまま自社サイトやLP(ランディングページ)に飛び、購入や申し込みなどのアクションを取りやすい設計がされています。
Instagramを利用するユーザーは、他のSNSと比較して購買意欲が高い傾向にあり、株式会社ネオマーケティングの調査によると利用ユーザーの約7割が「購入予定のない商品を購入したことがある」と回答しています。Instagram広告はユーザーの購買行動に大きな影響を与える媒体のひとつとして、多くの企業で活用されています。
本記事ではInstagram広告の基礎知識から出稿手順、成果を出すポイントまでわかりやすく解説します。
目次
1.Instagram(インスタ)とは?
Instagramは全世界で月間14億人以上、日本では約3300万人が利用する写真・動画共有SNSです。ユーザーはZ世代やミレニアル世代といった若い世代が多く、特に10代~20代女性の利用率は8割を超えています。
サービス開始当初は若い世代の利用が目立ちましたが、利用者数の増加に伴い近年では50代以上のユーザーも増え、多様化が進んでいます。全世代においては約4割が活用しており、SNSアプリ「X(旧:Twitter)」と並ぶ人気SNSとして高い支持を集めています。
Instagramに投稿される写真や動画はお洒落なものが多く、2017年には写真に映えるような風景や人、モノを撮影する「インスタ映え」が流行ったり、Instagramで人気になった人物を指す「インスタグラマー」が誕生するなど、日本のトレンドに大きな影響を与えています。
2.Instagram広告の配信面
Instagram広告の配信面(広告が配信される枠のこと)は、フィード、ストーリーズ、発見タブ、リールの全部で4種類があります。以下ではそれぞれの配信面の特徴について解説します。
フィード
Instagramのフィードとは、Instagramへアクセスした際に投稿が表示される場所を指します。Instagramアプリにログインすると、一番最初に表示される画面で、画面上部にはフォローしているアカウントのアイコン画像、中央にフィード、下部にはメニューアイコンが表示されます。他のSNSでいうタイムラインに該当し、自分がフォローしているアカウントの投稿や、いいねやコメントした投稿に類似した投稿が流れる仕組みです。
フィード広告は他の投稿と同じように表示されるため、ユーザーの視覚に自然と入り、閲覧されやすいのが特徴です。ログインして最初に目にする配信面であることから、違和感のない自然な広告が好まれます。
ストーリーズ
ストーリーズとは、スライドショーのような形式で画像や動画を投稿できる機能で、投稿から24時間経過すると自動的に削除されます。ストーリーズ広告は、ユーザーがフォローしているアカウントのストーリーの投稿を3回再生ごとに1回の頻度で配信されます。スタンプやフィルター機能などを多数備えており、フィード投稿よりも手軽に発信できる広告として活用されています。
本広告の最大の特徴は、通常のストーリーズと同様にフルスクリーンの縦長フォーマットで表示される点です。他の配信面に比べてインパクトのある広告を配信でき、ユーザーの興味関心を引くことができます。またストーリーズ広告は広告の下に「詳細はこちら」といった CTAボタン((購入や申込みなどのユーザーのアクションを促すためのボタン)の設置が可能なため、 高いクリック率・コンバージョン率が期待できます。
発見タブ
発見タブとは、アプリの左下にある虫眼鏡のアイコンをタップすることで表示される画面を指します。Instagramのアルゴリズムが過去に閲覧した投稿やいいねをした投稿から、ユーザーの興味・関心を推測し、関連度の高い投稿をレコメンドします。
発見タブに広告を掲載することで、自分の興味・関心について新しい情報を探しているユーザーにアプローチすることが可能です。発見タブを利用するユーザーは、新しい情報を積極的に求めている状態がほとんどです。そのため閲覧したものが広告であっても、自身の関心が高いコンテンツであればクリックされやすくなります。
また発見タブ広告に掲載するメリットとして、フィード広告と広告規格が同一であることが挙げられます。作成した広告をそのまま流用できることから、ターゲットが同じであれば、広告作成の手間やコストを抑えられます。
リール
リールとは、最大90秒までのショート動画を投稿できる機能です。テキストやスタンプ、エフェクト、音楽などをつけた自由度の高い動画編集が可能で、投稿から24時間後に自動的に消えるストーリーズと異なり、投稿後は自身のプロフィールページに残ります。
リールを活用するメリットとしては、フォロワー以外にも動画を見てもらえることです。通常投稿よりもフォロワー以外のユーザーの目に止まりやすく、新規リーチにつながりやすいことが挙げられます。
また短尺動画という性質上、一度リールを見始めると、次々とテンポよく動画が表示されます。リール広告は通常のリール投稿の合間に表示されるため、抵抗なく広告をみてもらいやすく、他の配信面よりも比較的コンテンツがユーザーに届きやすい傾向にあります。
3.Instagram広告の種類
Instagram広告の種類は全部で9種類あり、多彩なアプローチが可能です。PRしたい商品やターゲット層によって使い分けていきましょう。
画像広告
画像広告とは名前のとおり、画像1枚とテキストで構成されている広告です。ストーリーズやフィード、発見タブなどさまざまな場所に配信でき、Instagram広告において最も基本的なフォーマットといえるでしょう。
画像とテキストのみというシンプルな広告であることから、通常の投稿に馴染みやすく、ユーザーに違和感を与えることなくアピールできます。
動画広告
動画広告とは動画とテキストで構成された広告です。動画の長さは1分間までとなっており、画像広告よりも商品の魅力や使い方などの多くの情報をユーザーに届けられます。Instagramはビジュアル重視のSNSであるため、動画広告との親和性も高く、ユーザーのアクションを多く獲得できます。
ストーリーズ広告
ストーリーズ機能を利用した広告です。画像や動画を投稿でき、動画は30秒未満であればすべて再生され、15秒以上の場合は複数のストーリーズカードに分割して配信されます。
カルーセル広告
カルーセル広告とは、複数の画像や動画を最大10枚まで設定できる広告フォーマットです。複数の画像や動画を横並びに表示して商品カタログのように見せたり、逆に1つの商品を3枚の画像を使って詳しく紹介するなど多彩なアプローチが可能です。
カルーセル(Carousel)とは日本語で「回転木馬」という意味を持つ単語で、複数の画像や動画をスワイプして閲覧できることから名付けられました。
またカルーセル広告は各カードに異なるリンクを設定することができます。たとえば車の広告を配信する場合、1つ目の画像をコンパクトカー、2つ目の画像をワゴン車、3つ目の画像をスポーツカーと設定し、それぞれの特設サイトのURLを各カードに掲載できます。複数の商品を掲載し、いずれかの商品に魅力を感じたユーザーを取りこぼすことなく訴求できるのが大きな強みです。
コレクション広告
コレクション広告とは、カバー画像と商品画像、CTAボタンの3つで構成される広告フォーマットです。メイン画像(動画)の下に複数の商品画像を掲載することができ、ユーザーが気になる商品をクリックすると、Webサイトの商品ページへ遷移し、その場で商品を購入することができます。
商品の認知から情報収集、購入までのプロセスを1つの広告で済ませられるため、離脱率が低くコンバージョン率が高いのがコレクション広告の最大メリットといえるでしょう。多くの製品を扱うEC企業を中心に利用されています。
発見タブ広告
発見タブ広告とは、発見タブページ内で配信される広告を指します。Instagramユーザーの半数は発見タブページを利用しているため、高いPV数・コンバージョンの獲得が見込めます。またアクティブユーザーにアプローチできるのもポイントです。発見タブを利用するユーザーは自らキーワードを入力し、積極的に新しい情報を得ようとしています。つまり他の配信面と比べて、コンテンツや広告に興味関心を抱きやすい傾向にあるといえます。
表示される広告についても、ユーザーが求めている情報に即した広告が表示されるため、見られることが多く、ユーザーの購買意欲を自然に高められます。
ショッピング広告
ショッピング広告とは、フィードやストーリーズに商品タグを設定し、自社のWebサイトや商品ページに誘導できる広告フォーマットのことです。商品タグを設定することで、ユーザーはワンタップで該当の商品ページに飛ぶことができ、そのまま商品の購入が可能です。ユーザーが「この商品が気になる」「商品を欲しい!」と思ったタイミングで、ダイレクトに商品詳細ページへ誘導できるため、商品の検討から購入までシームレスな購買体験を提供できます。
Instagramは一定のフォロワー数に到達しないと、外部サイトに遷移できない仕様になっており、基準を満たしていない場合はプロフィール欄にURLを貼るなどの工夫をする必要がありました。ショッピング広告機能の登場により、ユーザーの離脱や取り逃しを防げます。
またInstagram公式サイトの調査によると、日本ユーザーが商品タグを経由して商品詳細ページを閲覧する割合は他国平均の約3倍にのぼり、ショッピングタグ広告は日本ユーザーに適したフォーマットであることが報告されています。
パートナーシップ(旧:ブランドコンテンツ)広告
パートナーシップ広告とは、インフルエンサーなどSNSで大きな影響力を持つクリエイターの投稿を、企業が自社の広告クリエイティブとして配信する広告フォーマットです。パートナーシップ広告を利用することで、企業はインフルエンサーの投稿を通して、自社商品を宣伝することができます。
インフルエンサーはユーザーを引き付ける見せ方や投稿を熟知しており、広告主が自社商品に関する情報発信を行うよりも高い反響を得られます。宣伝などで使用する画像や動画はすべてインフルエンサー側のほうで作成されるため、企業側でクリエイティブを用意する必要はなく、工数削減にもつながります。
一方で、インフルエンサーはパートナーシップ広告の投稿により、フォロワー以外の新規ユーザーの獲得や認知度を高められます。双方ともに大きなメリットをもたらす広告です。
アンケート広告
アンケート広告とは、ストーリーズに実装されているアンケートスタンプ機能を用いた広告を指します。ストーリーズに2択形式の質問を設置することができ、広告を閲覧したユーザーはどちらかを選択し、その場で結果の確認が可能です。企業とユーザーのコミュニケーションを図るツールとして2017年から導入されています。
アンケートスタンプ機能を広告に利用することで、企業側はユーザーの特性や属性などの大まかな傾向を把握できるほか、広告をただ眺めて終わるのではなく、アンケート回答を通して広告の商品理解を深められるため、ユーザーの印象に残りやすい特徴があります。
4.Instagram広告のメリット
Instagram広告を利用することで得られる、さまざまなメリットについてご紹介します。
ターゲティングの精度が高い
ターゲティングとは、自社商品やサービスのニーズにマッチしたターゲット層を絞り込む手法のことです。ターゲティングの精度が高いほど、認知拡大やコンバージョン獲得といった成果を得られやすくなります。Instagram広告は、このターゲティングの精度が他のSNSよりも優れていることで知られています。
理由としてはInstagram広告は、Meta社が運営するFacebook広告と同じプラットフォームで配信されるからです。Facebookは実名登録が必須の人気SNSで、登録にあたっては氏名のみならずさまざまな個人情報(居住地、出身地、学校、勤務先)などの入力が求められます。個人情報を細かく記載して登録するFacebookデータと連動していることから、ターゲティングの細かい設定が可能になり、高精度のターゲティングを実現しています。
Instagram広告では以下の4つのターゲティングが可能です。
ターゲティングの種類 | ターゲティング可能な項目 | 内容 |
---|---|---|
ユーザー属性 ターゲティング |
|
Facebookに登録したユーザー情報をもとにターゲティングする手法。ターゲット層が明確になっている商材へのPRに効果的。 |
インタレスト ターゲティング |
【興味・関心】
【行動】
|
検索履歴やフォローアカウント、コメントやいいねなどのユーザーアクティビティをベースに広告を配信する手法。アクティビティは興味・関心と行動の2パターンに分けられます。 |
カスタム オーディエンス |
【自社の顧客データ】
【Facebookデータ】
|
自社の顧客データおよびFacebookデータを活用し配信する手法。Facebookデータでは、InstagramやFacebookページでアクションを起こしたユーザーデータから自社の顧客をサーチでき、より見込み客のニーズに即したアプローチが可能です。テキスト |
類似 オーディエンス |
なし |
カスタムオーディエンスをベースに、既存顧客と似た属性を持つ新規顧客を探すための広告手法。 |
それぞれのターゲティングの特性を把握し、適切に設定してリーチ数の向上につなげていきましょう。
ユーザー数が多い
リーチできるユーザー数が多いのも、Instagram広告の特長であるといえます。冒頭でご説明したとおり、Instagramのユーザー数は全世界で月間14億人以上、日本では約3300万人が利用しており、日本だけでも全人口の約4分の1が利用している計算になります。ユーザー数が多ければそのぶん広告も閲覧されやすく、コンバージョンを得られる可能性が高まります。
若年層ユーザーにリーチしやすい
上記の図は2019年3月時点のInstagramの利用者の属性をまとめたものです。Instagramの男女比は男性が42.3%、女性が54.8%で、女性の利用者が多いことがわかります。年齢別においてはなかでも10代~20代の利用が70%と突出しており、若い世代へのリーチに効果的な広告媒体であることが示されています。
少額から出稿可能
Web広告の出稿費用は高いイメージがありますが、Instagram広告の最低出稿金額は100円からと定められており、少額からスタートすることが可能です。
100円で新規獲得やブランディングなどの成果を求めるのは難しいですが、「Instagram広告を出稿予定でお試しで使ってみたい」「低予算から始めて効果を感じたい」という企業にとっては導入ハードルが低く、参加しやすいのがメリットといえるでしょう。
出稿金額は自由に設定可能で、あらかじめ設定した金額(予算)にあわせて広告出稿されるため、Web広告の運用でよく見られる「想定よりも広告費がかさんでしまった…」というようなケースはありません。効果検証をもとに予算やクリエイティブもリアルタイムに変更でき、柔軟な運用ができるのも魅力のひとつです。
広告だと認識されにくい
Instagram広告は通常投稿やストーリーズ閲覧の間に表示される、インフィード広告がメインです。インフィード広告は自然な形で広告が差し込まれるため、ユーザーから嫌悪感や違和感を抱かせることなく閲覧されやすい傾向にあります。またターゲティングの精度が高いことから、広告自体に興味を持つユーザーも少なくなく、広告閲覧をきっかけにコンバージョンに至るケースも多く見られます。
広告などのPR全般に言えることですが、ユーザーは一度嫌悪感を抱いてしまうと、広告のスキップ機能を利用し非表示にする傾向があります。広告を嫌うユーザーは一定数存在します。広告らしさを感じさせないInstagram広告は優れた販促ツールといえるでしょう。
配信フォーマットが豊富
Instagram広告は4つの配信面と9種類の広告フォーマットを持ち、目的やターゲット層によって使い分けることが可能です。自社商材やサービスにあわせた配信を行うことで、費用対効果の最大化ができます。
5.Instagram広告の課金形態
Instagram広告では、広告の目的にあわせた4つの課金形態が存在しています。それぞれの特徴やメリットを紹介します。
課金方式の種類 | 概要 | 費用相場 | 広告の目的 |
---|---|---|---|
クリック課金 (CPC) |
ユーザーが広告をクリックした分だけ課金される課金方法。訴求したい商材やサービスが明確にある場合に有効。 |
1クリックにつき40円~100円程度 |
|
インプレッション課金 (CPM) |
広告が1000回再生されると料金が発生するタイプの広告で、表示回数が最大になるまで配信されるため、多くのユーザーに広告を見てもらえます。実際の商品購入やサービス問い合わせといったコンバージョン獲得よりも、「商品の知名度を高めたい」などの認知度向上やブランディングに適しています。 |
500円~1000円/1000回表示 |
|
アプリインストール課金 (CPI) |
アプリがインストールされた回数によって課金が発生する広告です。インストールが発生した場合にのみ課金されるため、広告の正確な成果を把握できます。 |
1インストールにつき100円~150円程度 |
|
再生数課金 (CPV) |
動画に適応される広告を指し、広告動画が10秒以上、あるいは最後まで視聴されると課金が発生します。こちらもCPIと同じく実際の閲覧数を把握できることから、正確な効果測定を行えます。 | 1再生あたり4~7円 |
|
このようにInstagram広告の課金形態にはさまざまな形式があり、費用相場も大きく異なります。事前に広告配信を通して得たい成果をはっきりと整理し、適切な広告配信を行っていきましょう。
6.Instagram広告の出稿方法と手順
ここまでInstagram広告の配信面や種類を紹介してきました。続いては実際の広告出稿のプロセスについて解説します。
①事前準備
Instagram広告を出稿するには、以下の3つの準備を事前に行う必要があります。
- Facebookページ(アカウントを作成し、ビジネスアカウントの取得)
- Instagramアカウント(プロアカウントの設定およびFacebookアカウントとの連携)
- 広告費用を支払うための支払い方法の設定(クレジットカード、デビットカード、PayPal、銀行振込のいずれか)
Facebookアカウントが必要なのは、Instagram広告のメリットでお伝えしたように、Instagram広告はFacebook広告と同じプラットフォームで配信されるからです。またターゲティング精度を高めるためにもFacebookのデータは必要不可欠になります。スムーズな広告配信を行うためにも、上記3点の事前準備は必ずやっておきましょう。
②広告クリエイティブの用意
次に広告配信に必要な広告クリエイティブを作成します。配信面や広告の種類によって入稿規定がそれぞれ異なるため、規定を間違えることがないよう、しっかり確認しておきましょう。
③キャンペーンの作成
広告クリエイティブを作成したら、キャンペーンの作成に入ります。キャンペーンとはキャンペーンとは広告を管理する単位のことです。
作成方法は、Instagramのアプリ・Webサイトから作成するパターンと、Meta社が提供する広告ツール「Facebook広告マネージャ」を利用するパターンがあります。どちらからでも広告出稿できますが、Facebook広告マネージャは広告作成・出稿・データ分析の一元管理に加え、同じクリエイティブ、同じターゲティングで同時出稿を行うことができ便利です。
【Instagram】
Instagramのプロフィール画面を開き、「広告ツール」を選択します。「投稿を選択」から使用したい広告クリエイティブを選び、「次へ」をタップ、「キャンペーンの目的」を設定します。
キャンペーンの目的は以下の11の目的からひとつ選べます。
- ブランドの認知度アップ
- リーチ
- トラフィック
- エンゲージメント
- アプリのインストール
- 動画の再生回数のアップ
- リード獲得
- メッセージ
- コンバージョン
- カタログ販売
- 来店数の増加
続いて「予算・配信期間の設定」を行います。予算は1日の予算または通算予算(配信期間全体で消化する予算の合計額)から選ぶことが可能です。1日ごとの予算が明確な場合は、前者を選ぶのが好ましいですが、イベントやキャンペーンなど特定の期間を通した予算がある場合は通算予算の選択がおすすめです。設定にあわせて予算が消化するように配信されるので、広告予算のオーバーを防ぐことができます。
次は「オーディエンスの設定」を行います。ここでいうオーディエンスとは広告を届けたい相手のことで、ターゲティング機能を利用してアプローチしたいユーザーを設定します。設定によりオーディエンスサイズ、潜在リーチ層、1日推定リーチ数、1日推定クリック数がシミュレーションされます。オーディエンスサイズを狭めるのか、広げるのかによって成果が大きく変わるので、配信規模や商材の種類を見極めながら調整しましょう。
【Facebook】
Facebookマネージャーを開き、「+作成」を押し、キャンペーンの目的を設定します。Facebookではキャンペーンの目的は以下の6つに分かれています。
- 認知度アップ
- トラフィック
- エンゲージメント
- リード
- アプリの宣伝
- 売上
目的を選択後、「次へ」をクリックし、「広告セット」を設定します。広告セットとは自社で作成した広告をどのようなターゲット層に、どのような方法で何日間掲載するのかなどの広告方針を指定するものです。
広告セットを終えたら、Instagram広告出稿と同様、予算と期間掲載、オーディエンスを決めます。
広告を掲載したい場所を指定する、「配置」という設定では自動配置される「Advantage+ 配置」が推奨されていますが、Instagram広告のみに出稿したい場合は手動設定する必要があります。フィードやストーリーズ、発見タブ・ホームなどさまざまな配信面への出稿を選択可能です。自社で用意した広告クリエイティブが各配信面の入稿規定に沿っているかどうか、改めて確認しておきましょう。
④広告の設定・掲載確認
すべての設定が終わったら、広告プレビューで表示を確認し、問題なければ支払い方法を追加、公開ボタンをタップすれば完了です。
7.Instagram広告で成果を出すポイント
最後にBtoB企業がInstagram広告で費用対効果を高めるためのポイントを3つご紹介します。
運用目的にあわせた広告出稿を行う
BtoB企業がInstagram広告で効果を出すには、運用目的に沿った投稿が大切です。なぜならば運用目的によって得られる成果が異なるからです。
たとえば広告出稿の目的がブランディングであれば、自社について知ってもらうために、従業員の様子や企業理念、オフィス紹介、CSR活動など企業に関する投稿を行い、投稿を閲覧したユーザーが企業に好感や信頼性を抱く内容にします。
BtoB企業におけるブランディングは、採用面での効果が高いのが特徴です。自社の理念に共感した求職者からの応募が増え、優秀な人材を確保しやすくなります。
あるいは自社商品の購入、サービス申し込みなどのコンバージョン獲得につなげたいのであれば、商品の魅力やサービスを利用することで得られるメリットを全面に押し出し、ユーザーに「この商品(サービス)を使ってみたい」と思わせるような投稿をメインにします。自社商品の認知度が上がるにつれ、コンバージョン率が高くなり、新規顧客の開拓がしやすくなります。
このように運用目的によって、得られる成果は大きく違います。出稿前にどのような成果を得たいのかを明確にし、目的にあわせた広告配信を行いましょう。
ターゲットを明確にする
Instagram広告は精度の高いターゲティングが可能ですが、一方でターゲティングがしっかりできていないと、適切なユーザーへ広告配信が行われずに広告費のみがかさんでしまう恐れがあります。費用対効果を高めるためにも、自社商品やサービスを利用するユーザーがどのような属性なのかを明確にし、正しいターゲティングを行うことが重要です。
コンバージョンへの導線設計をしっかり行う
Instagram広告にはショッピングタグやリンク設定、CTAボタンなどコンバージョン獲得につながる機能が数多く用意されています。これらを活用することで、広告を持ったユーザーを自社サイトやECサイトへ誘導し、商品購入やサービスの申し込みといったコンバージョンへとつなげられます。広告で成果を出すうえで、ユーザーにクリックされやすい導線作りは非常に大切です。特に動画広告やカルーセル広告は最後まで閲覧されない可能性があります。広告の最後にCTAボタンやリンクを設置するのではなく、広告の合間に表示するのも効果的です。
PDCAを回す
Instagram広告では、Instagramが公式に提供している分析ツール「インサイト」を利用し、以下のデータを確認できます。
- インプレッション数(すべての投稿が表示された合計回数)
- リーチ(投稿を閲覧したユニークアカウント数)
- エンゲージメント(投稿へのいいねやコメント、フォロー、保存などのアクションをしたInstagramアカウントの総数)
- プロフィールビュー(プロフィールの閲覧数)
- フォロワー(性別、年齢、位置情報やアクセスの時間帯
- 保存(投稿を保存したユニークアカウント数)
- Webサイトクリック数(プロフィールのWebサイトのタップ数)
- メールアドレスのクリック数(ビジネスへのメール送信のタップ数)
「インサイト」は多角的なデータを取ることができ、配信効果を細かく検証することが可能です。これらのデータをもとにPDCAを回し、広告の改善を随時行っていきましょう。広告運用が長いほどデータが蓄積されていき、コンバージョンを高める運用が見えてきます。
8.まとめ
本記事では、Instagram広告の概要から出稿手順、成果を出すポイントなどを網羅的に解説しました。
Instagramのユーザー数は年々増加しており、若いユーザーのみならず幅広い世代でも利用が広がっています。若年層向けの商品やサービスではなくても、十分効果が期待できる可能性を秘めた広告媒体のひとつです。広告出稿は少額からでも行えるので、ぜひ一度Instagram広告への出稿を行ってみてはいかがでしょうか。
ぜひ本記事が貴社のビジネスヒントのお役に立てれば幸いです。
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- この記事を書いた人
- エムタメ!編集部
-
クラウドサーカス株式会社 マーケティング課
- プロフィール :
-
2006年よりWeb制作事業を展開し、これまでBtoB企業を中心に2,300社以上のデジタルマーケティング支援をしてきたクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。53,000以上のユーザーを抱える「Cloud CIRCUS」も保有し、そこから得たデータを元にマーケティング活動も行う。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意。
メディア概要・運営会社→https://mtame.jp/about/
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