Instagramに投稿された写真の著作権は? 転載されたときの対処法
最終更新日:2023/10/19
Instagramの利用が広がる中で、ウェブサイトでもInstagramに投稿された写真を見かけることが多くなりました。
インターネット上に公開することで転載されるリスクは少なくともあるものの、著作権の観点から考えたときにどこまでの転載であれば良いとされるのでしょうか。
自身が投稿した写真が転載された際の対処法も含めて、Instagramに投稿される著作権について解説します。
1.著作権とは
著作権とは文芸、学術、美術、音楽など人間の思想・感情を創作的に表現したものを作った人が得る権利です。
無方式主義と呼ばれるシステムで、著作物を創造した時点で自動的にその権利は発生します。
よくあるトラブルとして、ウェブサイトに掲載されている写真を無断で加工して二次掲載したり、ダウンロードした音楽を勝手に配布したりするケースがあります。
単純に掲載されている写真を保存するだけでは違法とはなりませんが、そのあとに再度ウェブサイト上で公開すると、場合によっては著作権違反とみなされることがあります。
まずは、著作権がフリーであるか、転載の許可が得られているかを確認するようにしましょう。
2.投稿を転載する方法
Instagramで転載を行う方法としては3パターンがあります。
1つ目は画像を保存・スクリーンショットして自分のアカウントに掲載する方法です。
しかしこの場合は著作権フリーのものでないと、著作権違反となりますので転載を行っても問題ないかを確認してから投稿するようにしましょう。
2つ目は引用キャプションをつけて転載する方法です。
Instagramの投稿をシェアしたい!「Repostアプリ」の使い方でもご紹介したようにアプリを使用して転載することで、どのアカウントに著作権があって転載を行っているかを自動で記載することができます。
そのため、引用写真と判断され、著作権の侵害とはなりません。
アプリを使う方法の他に、投稿する際のコメント欄に引用したアカウントのIDを接頭に@をつけて掲載することで引用元としてリンクを貼ることができます。
どちらにしても、引用元を明らかにすることによって著作権の侵害を避けることができるでしょう。
3つ目はInstagramの埋め込み機能を使う方法です。
投稿写真の右下にある「…」ボタンをクリック後、「埋め込み」をクリックします。
すると、埋め込みコードがでてくるので「埋め込みコードをコピー」をクリックします。
コピーしたコードをウェブサイトやブログなどに貼り付けると投稿者のアカウント情報なども記載された状態で転載することができます。
こうしたAPIの埋め込み機能による引用は、これまで著作権侵害に当たらないとされてきました。利用規約に「アップロードされた画像の使用許可をネットサービス側に対して与える」という条項があったためです。
しかし、2020年6月、Instagramは公式見解で「埋め込み機能を使っても、著作権侵害に当たる」旨を発表しました。利用規約で示す使用許可は、あくまでもInstagramへのものであり、APIには許可していないというのです。
Instagramは今後、新機能として写真の埋め込みを許可するかどうかを設定できるようにすることを検討しているといいます。
3.著作権を侵害されないための方法
逆に自身が投稿した写真を無断転載されないようにするためにはどのような対策を施したら良いのでしょうか?
2つの方法をご紹介致します。
ロゴやマークをいれる
1つ目は写真にブランドのロゴや独自のマーク、企業名を掲載する方法です。
この場合、引用キャプションをつけてもらわなくても自動で写真そのものに著作権表示がされているため、仮に無断転載された場合でも、著作権を侵害される可能性が減るでしょう。
ロゴやマークを撮影した写真に掲載したり、撮影した写真の中に必ず独自のマークを含めておくなどをしておくと良いでしょう。
無断転載禁止の記載をする
プロフィール欄に「無断転載禁止」の文言を記載しておきましょう。
法的拘束はありませんが、一定の抑止力のある方法です。
その他にも、ハッシュタグで無断転載禁止を促している人も多くいます。
「#無断転載禁止」「#無断転載禁止です」などをコメント欄に追記するようにしましょう。
また、引用キャプションをつけても転載されたくない場合には、その旨も投稿に記載しておくようにしましょう。
基本的に、引用元が明記されている場合には転載は違法とはならないため、ユーザーは悪気なく転載している可能性があります。
事前に、投稿側の意思を伝えておく必要があります。
4.無断転載を見つけたら
無断転載を防ごうと思っても、インターネットに一度アップロードした写真をコントロールすることは難しいです。
無断転載を見つけた際に、Instagramの場合には投稿を通報することができます。
投稿の右下にある「…」ボタンをクリックすると、ポップアップがでてきます。
「不適切な写真を報告」をクリックすると、4つの報告理由がでてくるので「この写真はInstagramに載せるべきではない」をクリックします。
「知的財産権の侵害」という項目が出てくるのでクリックすると、Instagramへ報告することができます。
Instagramへの報告が完了すると、Instagram側から投稿したユーザーへの連絡や削除対応を行ってくれます。
もし不適切な写真だと判断されると削除してくれますので、無断転載を見つけて削除して欲しい場合にはInstagramへの報告を行いましょう。
5.Instagram運営側の投稿利用
ここまでは、ユーザー同士での投稿の著作権侵害について解説してきましたが、Instagram運営側がユーザーの投稿を使用する場合についてはどうなのでしょうか?
結論からいうと、Instagram運営側は実質的にユーザーの投稿写真を使い放題に近い状態です。
Instagramの利用規約によれば、
弊社が利用者のコンテンツの権利の帰属を主張することはありませんが、利用者はコンテンツを使用するためのライセンスを弊社に付与します。 利用者がそのコンテンツについて保有する権利に変動が生じることはありません。弊社は、利用者がサービス上で、またはサービスを通じて投稿するいかなる利用者のコンテンツについても、その権利の帰属を主張しません。 ただし、利用者がサービス上で、またはサービスに関連して、知的財産権の対象となっているコンテンツ(写真や動画など)をシェア、投稿またはアップロードする場合、利用者は、弊社が(利用者のプライバシー設定およびアプリ設定に沿って)利用者のコンテンツをホスト、使用、配信、変更、運営、複製、公演、公開あるいは翻訳し、また派生作品を作成する非独占的、使用料なしの、譲渡可能、サブライセンス可能な全世界を対象としたライセンスを付与するものとします。このライセンス付与は、利用者がコンテンツやアカウントを削除することにより、いつでも終了させることができます。ただし、利用者が他の人にシェアしたコンテンツであっても、その人が削除していないものについては、継続して表示されます。弊社が利用者の情報をどのように使用するのか、また利用者がご自身のコンテンツをどのように管理または削除できるのかについて、詳しくはデータに関するポリシーをご覧になるか、Instagramヘルプセンターにご相談ください。
とあります。
Instagramでは、埋め込み用のAPIを提供していたり、埋め込み用コードの取得により埋め込みが可能になっています。
Webメディアなどさまざまなサイトで、インスタグラムの投稿が引用されているのを目にしたことがある方も多いと思います。
ただ、著作権がInstagram運営側に渡ってしまったわけではないので、ユーザーが投稿やアカウントを削除すれば、引用先からも削除される仕様になっています。
このライセンス付与は、利用者がコンテンツやアカウントを削除することにより、いつでも終了させることができます。
この部分の記載の通りです。
「2.投稿を転載する方法」でもお伝えしましたが、利用規約で規定されている「ユーザーがアップロードした画像の使用許可」はInstagram運営側にのみあり、APIを利用するメディア側にはないという見解がInstagramから出されています。
Instagramの埋め込みについては、こちらの記事もご覧ください。
【参考記事】
簡単!WebサイトにInstagramの投稿を埋め込む方法を伝授します!
6.まとめ
著作権の侵害の場合の罰則は「10年以下の懲役」または「1000万円以下の罰金」が科せられます。
また、これを法人が犯した場合には「3億円以下の罰金」が科せられる可能性もあります。
他人が創造したものだと認識した上で転載した場合には処罰の対象になるので注意しましょう。
また、前述したとおりインターネット上にアップロードした写真はコントロールすることが難しいです。
転載されないようにするには事前に加工を施したり、注意を促すようにして無断転載されないように工夫をする必要があるでしょう。