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「MA」「SFA」「CRM」どれも営業支援ツールだけどどう違うの?

記事公開日:2018/11/05
最終更新日:2023/10/27
「MA」「SFA」「CRM」どれも営業支援ツールだけどどう違うの?

かつての営業活動といえば、飛び込み営業やテレアポなどで得たリード(見込客)に売り込みを行うアナログな方法が主流でした。そういった「プッシュ型」の営業では、とにかく数をこなすことが重視され、一日何十件という飛び込みをしてきたという方も多いと思います。

Web広告が興隆してくると、Webサイトからの集客を主体とする「プル型」の営業が増化しました。 現在では、営業部門、マーケティング部門、サポート部門など各部門で貯めた「顧客情報」を共有しながらマーケティングに活かすことが大きなミッションとなり、そのためのさまざまなツールが生み出されました。

なかでも代表的であり、混合されがちな3つのツール「MA」「SFA」「CRM」について、特徴や利用シーンなどから、違いを解説します。

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1.MAとは

営業やマーケティング担当者なら、一度は「商談相手が考えていることを知りたい」と思ったことがあるのではないでしょうか。極端にいえば、MAはそれを仮想的に実現させるツールといえます。

MAはMarketing Autmation(マーケティング・オートメーション)の略で、「顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化・自動化するツール」です。MAのミッションは「欲しいと思っているユーザーを察知し、最適なタイミングでのアプローチを可能にする」ことです。

一般的にマーケティングプロセスは下記の3段階に分かれます。

①見込み客の獲得=リードジェネレーション

リードジェネレーションとは、「見込客を集める」ことです。
たとえば、Webサイトにアクセスしただけのユーザーは、通常ならまだ見込客と呼ぶことはできません。 しかし、MAの代表的な機能である「アクセスしたユーザーの企業名や個人名、メールアドレス取得」と、アクセス頻度やページ遷移履歴などを活用することで、見込客の情報として貯めることができるのです。

②見込み客の育成=リードナーチャリング

リードジェネレーションで集めた見込客の中には、現時点の検討度がそこまで高くない人も多く含まれます。リードナーチャリングは、そういったリードに対し、定期的に情報を発信して見込度を上げていくプロセスです。

代表的な施策としてメルマガ配信等があり、MAにはメルマガを自動配信したり、開封したかどうかやリンクのクリックなどといった反応ごとに見込客にスコアをつけたりする機能があります。

③見込み客の選別=リードクオリフィケーション

ここまで段階が進むと、見込客の中でも優先度の高いものと低いものが出てきます。製品を実際に販売するのは営業部門なので、それらの見込客を営業にパスするのか、それともナーチャリングを続けるのか判断することをリードクオリフィケーションといいます。

MAには、たとえば「今月だけでサイトに3回以上訪れたうえに、資料をダウンロードしたから優先度は高い」とか「今月は1回しかアクセスしていないのでナーチャリングを続ける」といったことを自動判断し、前者の場合は担当者に通知を送るなどの機能があります。

先に述べたように、商談相手が何を欲して、どのタイミングで検討度が上がったというような対面しないとわからない部分を可視化することがMAの最大のミッションです。

今までは上記3つのプロセスごとの対応を見込客一人ひとりに対し個別に提供をしていましたが、どうしても人的対応が必要でした。そういった、人的なマーケティングのオペレーション部分を効率化・自動化するために開発されたツールといえます。

■関連記事

マーケティングオートメーション(MA)ツールとは?基礎知識や活用手法、選定方法などをまとめて解説


※MAの要点だけを抑えたい方はこちらもおすすめです!


2.SFAとは

SFAはSales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)の略で、「営業支援システム」のことです。主に営業が業務を効率化させるためのツールで、営業活動を視覚化することができます。
SFAの領域は、MAで選別した見込客を受け取ってから受注、納品までで、重要なミッションは「見込客の管理」と「案件の管理」といえます。

これまでは営業担当者がそれぞれ自分の顧客や案件を管理していました。極少数の案件であれば、この方法でも問題はありません。ただ、個人の管理能力には限界があり、管理しきれなかったがために機会損失が起こるのを防ぐために、SFAで見込客が顧客になるまでの流れを整理・記録し、チームで共有ながら管理します。

また、スケジュール管理や案件毎の進捗も正確に把握することができるので、売上の見込みも立ちやすくなります。

マーケティング部門がMAで獲得した見込客は、営業にとって「何が何でも受注につなげたい案件」です。しかし、見込客の中には長期にわたる追客が必要なものもあります。そういったものはマーケティング部門に戻してナーチャリングを行い、検討度を高めてから再度、営業に戻すというような臨機応変な対応も可能にするのがSFAです。

■関連記事(外部リンク)

SFA(営業支援ツール・システム)比較44選 | 2018完全版 | 価格・特徴・導入事例

3.CRMとは

CRMはCustomer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント/顧客関係管理)の略で、受注後の顧客との関係維持やアップセルやクロスセルに力を発揮します。 CRMの目的は、顧客データをデータベース化し、さまざまな角度から分析したうえで、顧客との関係を向上させることです。これはLTV(Life Time Value /顧客生涯価値)という考え方に基づいています。

せっかく顧客化したのに一度の取引だけで終わってしまってはもったいないですし、放置してしまえば競合他社の製品・サービスに乗り換えられてしまうかもしれません。いうまでもなく、既存顧客とも繰り返し取引が行われるほど売上が見込めます。顧客と自社との取引内容やコミュニケーション内容を記録し、今後の行動指標を示すのがCRMで、病院でいうカルテにあたります。

いつ、どんな製品を購入してくれたか、自社からどんなサポートを行ったか、いつどんな内容でクレームがあって誰が対処しどう収束したのか、追加購入はいつどんな製品だったか?といった記録をしておき、フォローや新製品情報のメール配信、セミナー案内などの内容や時期の判断材料として活用できるほか、一定の条件設定のもと「優良顧客」「休眠顧客」といった顧客層ごとにマーケティング施策を行うことも可能にします。

■関連記事(外部リンク)

CRM(顧客管理システム)の価格・特徴徹底比較34選 | 2018上半期完全版

4.各ツールの領域と役割

ここまでご覧いただいた通り、それぞれのツールは一部役割が重なる部分はあるものの、見込客の検討段階に沿って「MA→SFA→CRM」という順に使用され、カバーできる領域がある程度、決まっています。

MA→SFA→CRM

各領域を大まかに分けると上図のようなイメージです。

  • MAの範囲は「リード獲得から営業に案件を渡すまで」
  • SFAの範囲は「リードが案件化してから受注まで」
  • CRMは「受注した後」

となります。

MA(マーケティングオートメーション)は先ほども紹介した通り「営業案件を創出するためのツール」で、「SFA」や「CRM」よりも前の工程で利用するケースがほとんどになります。

SFA(セールス・フォース・オートメーション)は営業支援システムです。
既存顧客や見込顧客の営業活動に関連する情報を記録・管理することができ、過去の商談の履歴や、現在進行中の案件の進捗状況、営業活動で得た重要な情報、アポイントメントや期限といったスケジュールなどの多くの情報を管理・一覧表示・編集することができます。

CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)は、顧客関係を管理するツールです。
最終的に売り上げアップを目指すという点では同じですが、顧客との接点を軸に再販を行ったり類似企業へのアプローチを強化することが目的となることが多いです。 顧客とのエンゲージメントを高めてリピーターやロイヤルカスタマーを育成するために用いられることも増えてきています。

MAとSFAとCRMとの違い

それぞれのツールは機能的には近いものを有している場合もあり、混同しやすいのですが、役割は異なります。生産性を高めたり、見込み客を育成したり、そもそも案件数を増やすという目的に寄与できるのが、MA(マーケティングオートメーション)の特徴です。

また、MA(マーケティングオートメーション)とSFAやCRMは併用して使うケースも多いです。特にSFAはMAとシステム連携すると、リード創出から営業商談までを管理できるので、非常に便利になります。

5.まとめ

今やマーケティング活動において、何かしらのITツールを導入することは必須といえる時代です。それらの中から自社に合ったツールを選ぶことは至上命題といえるかもしれません。

これまではマーケティング担当、営業担当、サポート担当とそれぞれが独立した動きをしていたために、連携が取れていれば、もしかしたら受注できたはずの顧客や、付き合いが続いていた顧客がいたかもしれません。

もちろん、これまでやってきたマーケティング活動が必要なくなったのかといえば、そんなことはありません。
自社で貯めてきたマーケティングノウハウをさらにブラッシュアップし、より効率的に利益を追い求めるために、まだ導入されていない企業様は、上図のなかで自社が効率化できていない部分からご検討されてみてはいかがでしょうか。


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