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中国人観光客に来訪してもらうためのインバウンドマーケティングとは?

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2019/11/14
中国人観光客に来訪してもらうためのインバウンドマーケティングとは?

日本政府観光局の発表によれば、2019年上半期の訪日外国人客数が過去最高を記録し、国別では中国がもっとも多い453万2,500人だったといいます。

外国人観光客を対象とした「インバウンドマーケティング」が注目されて久しく、その手法や成功事例などもメディアなどで紹介されています。しかし、まだ「来訪してもらう」集客の段階に課題を持つ企業様も多いのではないでしょうか。
今後、東京オリンピックや大阪万博を控え、訪日中国人の増加はさらに拡大することが予想されます。2019年のうちにインバウンドマーケティングの課題解決に取り組んでおくことで、競合との差がつくでしょう。

今回は、チャンネル会員数6億人を超えるインターネットTV局「梨視頻(リーシーピン)」と、「阿里巴巴(アリババ)」が制作放映するチャンネル会員数1,000万⼈を超えるインターネットTV番組「淘宝吃貨(タオバオチーフォ)」の番組制作を手がける⾢都(ユウト)株式会社 代表取締役社長の斉さんに、中国人観光客に来訪してもらうためのインバウンドマーケティングについて教えてもらいました。

中国人観光客が日本の情報を得る手段はSNSや口コミサイト

中国人観光客が日本の情報を得る手段はSNSや口コミサイト

⾢都株式会社 代表取締役社長 斉様

エムタメ!:店舗に来訪してもらうために、まず中国人観光客が何を求めて日本へ訪れているのか教えてください。

斉:目的よりももっと前の段階で、中国人のインサイトを探ると、まず「日本へ旅行に行きたいが、ビザを取れるのか?」という悩みから始まります。というのも、居住する地域によってビザ取得の難易度がまったく異なるからです。

北京、上海、深セン、広州、南京といった都市部や、沿岸地域では取得しやすく、条件はあるものの個人でもビザの取得が可能です。一方、北部や地方部では、取得が難しいのが現状です。

ビザを取得しづらい地方に住む中国人は旅行團(旅行会社)のツアーに参加して団体ビザを使って訪日することになります。つまり、個人で「1週間滞在したい」という希望は叶わず、滞在日数や滞在場所はツアーの内容によって決まるということです。ツアーで決められた場所以外で食事をとることもできません。しかも、ツアーの内容は急に変更になることもあります。つまり、ビザの発行を盾にする旅行團に対して立場がとても弱いのです。

エムタメ!:では、旅行團に対してプロモーションした方が良いのでしょうか?

斉:地方のお客様向けのプロモーションをしたければ、そうなりますね。ただ、私は質の良いお客様が欲しければ、ビザの取得しやすい都市部の個人向けにプロモーションをした方が良いと考えます。
旅行團は、まだお買い物が中心の旅行プランで動いています。食事や体験までは進んでいません。

また、一度、日本を訪れたことのある旅行客は、二度目はもう一段階深い旅行プランを好みます。たとえば、京都だったら金閣寺や伏見稲荷へはもう行かないで、予約の必要な鈴虫寺など、より日本人観光客に近い志向になります。

エムタメ!:そういった旅行先の情報は、どこから得ているのでしょうか?

斉:日本に住んでいる友人や微信(WeChat/ウィーチャット)、抖音(ドウイン ※中国版TikTok)などのSNS、大衆点評(タイシュウテンピョウ ※グルメ口コミサイト)などからです。ただ、中国の口コミサイトは、飲食店がお金を支払えばランキングが上がる仕組みになっているので、信ぴょう性は高いとはいえないですね。
また、中国ではGoogle Mapが使えないので、中国人観光客は日本に着いてからアプリをダウンロードしています。

中国人観光客に人気の日本食と体験とは?

エムタメ!:個人の旅行客が求めているのは、「食事」と「体験」が中心ですか?

斉:そうですね、「爆食」がきています。「淘宝吃貨(タオバオチーフォ ※アリババが運営するグルメ番組)」でもグルメリポーターを起用しています。

エムタメ!:中国人観光客に人気の日本食というと何でしょうか?

斉:好みによって分かれますが、刺身や寿司、カニ、焼鳥、焼肉など。

エムタメ!:焼肉ですか!?

斉:お肉の質が違うんです。中国人観光客の間では神戸牛が有名です。

焼鳥は、日本のテレビ番組やアニメで知って、食べたいと思うようです。居酒屋へ行き注文していますね。居酒屋といえば、最近は立ち飲みも人気です。焼鳥、立ち飲みは「食事」よりも「体験」に近いですね。

人気の体験は、立ち飲み!?

エムタメ!:では、「体験」で人気なものというと?

斉:こちらもいろいろですが、京都ならお茶、陶芸、着物、舞妓、芸子体験などですね。
また、中国は空気が悪いので、日本に来て屋外でBBQをするなど、アウトドア体験を希望する人も多いですよ。冬ならスキーも人気です。
また、子どもと一緒に遊べる家族向け施設を中心とした地方観光もじわじわと人気を集めています。ファミリー層へ向けたアピールはこれから必要になってくるでしょう。

エムタメ!:中国人観光客がSNSにアップしたくなるようなものには、どんなものがあるんですか?

斉:なんといっても「食べ物」です。朝・昼・晩、毎回必ず撮影してアップしますね。
あとは、観光地にいる自分の写真。「映え」は大事です。

エムタメ!:では、フォトスポットは作った方が良いですか?

斉:なければ作った方が良いでしょうね。顔出し看板みたいなものよりも、手持ちフォトプロップスが中国人観光客には人気です。

あとは、「体験」とは別に、日本には「おもてなしの国」のイメージがあるので、そのおもてなしを体感したいという思いも持っていますね。ショップ店員のお見送りや、食事の世話など、上質なサービスを受けたいという願望があります。

ただ、数年前に比べると日本のおもてなしは質が下がったという感想が増えてきています。業界を問わず、マンパワーが足りなくなってきているためでしょう。以前は「来てくれてありがとう」という感情が伝わってきたのが、いまは呼ばなくてもどんどん来るようになったため、少し横柄になってしまっているのかもしれませんね。

中国人観光客向けプロモーションに使うべきSNSとは?

中国人観光客向けプロモーションに使うべきSNSとは?

⾢都株式会社 代表取締役社長 斉様

エムタメ!:プロモーションに使うSNSはどれが良いのでしょう?中国には微博(Weibo/ウェイボー)もありますよね?

斉:微博は検索エンジンのようなものなので、飲食店などにはあまり向きません。和服レンタルなど体験コンテンツが向いていますね。プロモーションするなら、やはり微信ですね。微信には、ミニプログラム(ホームページ機能)のほか、LINEのようなチャット機能と決済機能もついていて、クーポンも頻繁に発行されるのです。ですが、まだ日本企業で微信を本格的に活用している企業は大手でも少ないので狙い目でしょう。

ミニプログラムにはGIFアニメの動画も掲載できます。日本には、GIFを作れる人も多いと思いますが、注意してほしいのが、中国人の感性と日本人の感性が違うという点です。ウケるポイントが違うので、直接的な商品説明ではまったく訴えかけることができません。中国人は「ストーリー性」を大切にしているので、ドラマ形式の動画のなかに商品を出すというスタイルがウケます。ある意味ではアメリカ人に近い感性を持っているといえますね。大げさな表現が好まれるんです。

また、一つのCM動画のなかに複数の提供企業の商品がうつっていて、それぞれが買えるように導線が張られていることが多いです。たとえば、出演しているモデルが着ている服に始まり、筆箱を開けたらハンコやペンが入っている、それらすべてのCMになっているのです。

こうした動画を、微信抖音小紅書(RED ※ニュースアプリのようなもの)、大衆点評生放送アプリインフルエンサーのブログなど、それぞれ用に制作してアップするのです。中国ではこのようなプロモーション方法が一般的です。

飲食店ならWeChatと淘宝吃貨

エムタメ!:これから中国向けインバウンドマーケティングに取り組もうという企業は、何から始めれば良いですか?

斉:まず、中国人のターゲットとなる層について情報を集めることでしょう。そのうえで、先ほど挙げたような微信などのSNSでプロモーションしてください。たとえば、一つの商店街で淘宝吃貨に1つの番組をつくるという方法があります。淘宝吃貨は2019年4月に設立したばかりですが、すでに登録会員数が1,000万人います。また、中国を代表する企業である「阿里巴巴(アリババ)」が制作しているので信頼度が高いのです。淘宝吃貨のユーザーは食べることが好きな人が多いので、特に飲食店におすすめの媒体です。

飲食店なら、微信のミニプログラムと淘宝吃貨の2つは取り組んだ方が良いです。Webサイトへ誘導するQRコードも発行できるので、テーブルなどに貼っておけば、中国人観光客も慣れているので、説明しなくてもスマホで読み取って勝手にメニューやクーポンを閲覧してくれます。クーポンは、必ず発行してください。デザート1品無料とか、食事代10%OFFとかで良いです。
「いざ中国人観光客が来てくれても、対応できるか不安」という店舗は、QRコードに頼れば良いのです。

中国人は微信にだいたい500人ぐらい友達登録しているので、拡散してもらえれば波及効果も期待できます。中国人は、気質として競争心理が強く、友達の海外旅行の様子を知ると「私も同じお店に行きたい!」と思うので、口コミの効果が大きいのです。

その後、SNSで公式アカウントを作り、抖音、小紅書、一直播(イージーポー)の3つのメディアで毎日1つ以上の動画をアップするということを1ヵ月間続けてください。

日本人と中国人では、プロモーションのツボがかなり異なります。日本で効果があったからと同じ感覚でクリエイティブをつくらず、中国人の感性に合わせてつくりなおす必要があると考えてください。

最初は、中国人の感性がわからないと思うので、3ヵ月から半年は中国人コンサルタントを入れた方が良いでしょう。この期間で「中国人ウケ」が何かわかってきたところで、自分たちだけで運用していくスタイルに切り替えるのが得策だと思います。

エムタメ!:本日は、貴重なお話をありがとうございました!

飲食店ならWeChatと淘宝吃貨

関連リンク

邑都株式会社(ユウトカブシキガイシャ):https://qjy-you-do.jp
淘宝吃货(タオバオチーフォ) :https://www.pearvideo.com/author_12158197

今回の取材先

⾢都株式会社(ユウトカブシキガイシャ)
代表取締役社長 斉 涓邑(サイ ケンイ)

〒550-0002 大阪府大阪市西区江戸堀1-21-7 コーワ江戸堀ビル4F
TEL:06-6449-1377

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