【社長対談】マーケロボ代表 田中氏に聞く、MA導入がうまくいく企業とそうでない企業の差とは?
最終更新日:2025/10/17

【この記事の要約】
MA(マーケティングオートメーション)ツール「カクトク」を提供する、マーケティングロボティクス社の代表・田中氏へのインタビュー記事です。
田中氏は、多くの中小企業が「マーケティングに詳しい人材がいない」ために、MAを導入しても使いこなせない現状を指摘します。同社のツールは、その課題を解決するため、誰でも簡単に使えるシンプルな機能と、安価な価格設定に徹底的にこだわっています。大企業向けの多機能なMAとは一線を画し、中小企業の「マーケティングの第一歩」を支援することに特化。「テクノロジーで、日本のマーケティング格差をなくす」という、同社の熱いビジョンが語られています。
【よくある質問と回答】
Q1. MA(マーケティングオートメーション)の導入が失敗する、よくある原因は何ですか?
A1. 記事によると、大きく2つの原因が挙げられています。1つは、自社の見込み客(リード)が少ないにもかかわらず、高機能で高価なMAツールを導入してしまい、宝の持ち腐れになるケース。もう1つは、営業経験のないマーケティング担当者がMAを運用することで、獲得したリードをうまく営業部門に引き渡せず、連携がうまくいかないケースです。
Q2. インサイドセールスにMAはなぜ必要なのでしょうか?
A2. MAがないインサイドセールスは、単なる「テレアポ」になりがちで、オペレーターの心理的負担が大きくなってしまうからです。MAを活用することで、顧客のWebサイト閲覧履歴など、興味関心の度合いに基づいてアプローチできるため、会話がスムーズに進みやすく、より戦略的で質の高いインサイドセールス活動が可能になります。
Q3. MA導入を成功させるための重要なポイントは何ですか?
A3. 営業経験のある人材がMAの運用企画を担当することが重要だと述べられています。営業の現場感覚を理解している人が設計することで、机上の空論ではない、本当に成果につながるシナリオを描くことができます。そして、MAで自動化すべき業務と、営業担当者が人にしかできない業務(例:既存顧客との関係構築や接待など)を明確に切り分け、それぞれが専門性を発揮できる環境を作ることが成功の鍵です。
【ここから本文】
企業にSaaS型ツールの普及が進み、サブスクリプションモデルで提供されるビジネスモデルが定着してきました。初期費用が設定されていないことが多く、月額料金で収益を得ることになるため、ユーザー満足度を上げて解約されないことがサブスクリプションモデルの要ともいえます。これが発展した「カスタマーサクセス」の概念も米国から日本へ入ってきました。
今回は、クラウド営業ロボット「マーケロボ」とクラウド採用ロボット「リクロボ」を提供するMarketing-Robotics株式会社の代表取締役である田中 亮大氏に、MAとインサイドセールスの関係、インサイドセールスを立ち上げる際のポイント、採用でのMA活用などについて伺いました。

- Profile
- 田中 亮大 氏
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Marketing-Robotics株式会社代表取締役
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山口県萩市出身。大学卒業後、外資系製薬会社に入社。2009年に個人コンサルタントして独立し、アメリカ本社の人材教育会社と代理店契約を締結。初年度日本一の実績を上げる。2011年には「日本の社長.tv」の取締役(営業統括)として全国展開を指揮。MAとインサイドセールスを駆使し、わずか2年半で5,000社の新規開拓。代理店60社のFCモデルも構築。2015年には、Web会議システムを提供するベルフェイス株式会社の設立メンバーとなり、副社長と販売会社の社長を務める。
2016年9月に、Marketing-Robotics株式会社の前身となるタクセル株式会社を設立し、インサイドセールスBPO事業(在宅コールセンター)を開始する。また、インサイドセールス協会を立上げ理事に就任。
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- Profile
- 金井 章浩
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スターティアラボ株式会社 取締役
クラウドサーカス株式会社 代表取締役-
2006年スターティアに新卒として入社。2009年にスターティアラボ立ち上げに参画。
2014年にWebプロモーション事業部を立ち上げ、同事業部を2018年にクラウドサーカス株式会社として分社化、代表取締役に就任。
近年のマーケティングテクノロジーの高度化に伴い、マーケティング効率が飛躍的に高まっている一方、多くの企業がまだまだそれらを使いこなせていないのが現状。それらをシンプル化することで多くのマーケターがより高い成果を生むしくみの普及に努めている。
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1.「インサイドセールスにMAは必須のツール」(田中)

そもそも、マーケロボのサービスを始めようと考えた背景は何ですか?

Mtame(株)
金井

Marketing-Robotics(株)
田中氏
bellFaceはすばらしいプロダクトだと今でも思っていますが、商談をつくるフェーズのみを担うツールであるため、リードジェネレーションや、リードナーチャリングはカバーできません。
そこで、ベルフェイス株式会社を退社して起業した際には、商談前のフェーズを担おうと考えました。
当社の前身であるタクセル株式会社の社名は「託せる」という意味を込めてつけました。インサイドセールスのBPO(業務委託)を請け負う業務からスタートしたのですが、クライアントの声に「リードがない」「MAを導入してはいるが、使いこなせていない」というものが多くあり、そこを代行しようということになりました。
また、MAなしでのインサイドセールスは、単なるテレアポになってしまうんです。オペレーターにとっても心理的にキツイ仕事になってしまい、パフォーマンスが上がりません。「インサイドセールスをするならMAは必須」であることを痛感したため、以降、MAを導入していないクライアントには「なんでも良いからMAを導入してください」と頼むようになりました。
そのうち、「他社MAのあっせんばかりをしているけれど、自社開発して提供した方が早いのではないか」と気がつきました。また、さまざまなMAツールあるなかで、企業の規模や成長フェーズによってはtoo muchになってしまうケースや、運用担当者がいなくて活用できていないケースが多々ありました。自分たちで開発したMAを使って、クライアントが求める「成果」を提供できるように運用を代行する、ここに価値を置いた事業を展開しようと考えたのです。

Mtame(株)
金井

Marketing-Robotics(株)
田中氏
また、カスタマイズ機能が多機能すぎて「カスタマイズをしないと使い始められない」タイプのMAを導入している企業では、導入から使用開始までに何ヵ月もかかってしまっているケースもありました。
そこで、導入後すぐに誰でも使えるようなMAを提供したいと考えたのです。

Mtame(株)
金井

Marketing-Robotics(株)
田中氏
逆に、営業経験を持つマーケターが運用を担当している企業ではうまくいっています。実作業の担当者という意味では誰でも良いのですが、全体の企画を考える人には営業経験があった方が良いです。

Mtame(株)
金井
2.MAで自動化した分、営業マンは人にしかできない超アナログで重要な活動を


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金井

Marketing-Robotics(株)
田中氏

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金井

Marketing-Robotics(株)
田中氏

Mtame(株)
金井

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田中氏

Mtame(株)
金井

Marketing-Robotics(株)
田中氏

Mtame(株)
金井

Marketing-Robotics(株)
田中氏
もう一つは、アナログな業務をデジタル化したらそこで終わりという企業が多いので、「デジタル化したら自分たちの仕事がなくなるんじゃないか?」という不安が生まれてしまうんです。だから、私たちはその先の「人にしかできない業務に取り組める環境を作ります」とコミットしています。
たとえば、営業マンの場合、「デジタル化することによって、これまでは嗅覚に頼っていた営業活動から、データに基づいて行動しなくてはならなくなるのではないか?」と勘違いしてしまうから不安になるのです。そうではなくて、デジタルでできる部分は自動化するので、その分、営業マンは嗅覚を研ぎ澄ませて契約が取れそうな見込客を接待したり、追加契約してくれそうな既存顧客を訪問して手厚いフォローを行ったりという、必ず残るであろう極めてアナログな業務に集中してくださいという話をしています。

Mtame(株)
金井

Marketing-Robotics(株)
田中氏
あと、どの業界も市場が飽和状態で、営業マンも昔ほどはインセンティブで稼げなくなってきているので、働くモチベーションとして「お金」よりも「やりがい」や「お客様に喜ばれる」「プライベートとのバランス」といったことが重視されてきています。その結果、評価制度がそれほど変わらなくても、大きな議論にはなりにくいようですね。
3.今後の展望

シェアでいえば、まだMAを導入していない企業の方が多いですからね。
最後に、マーケロボの今後の展望について教えてください。

Mtame(株)
金井

Marketing-Robotics(株)
田中氏
だから、当社で提供しているMAは、利用料が0円です。DXのサポート、コンサルティングや、カスタマーサクセスで利益を出すというビジネスモデルなので、何か一つのツールで勝負するのではなく、企業のDXを支援するサービスを提供しつづけていきたいと考えています。

Mtame(株)
金井

Marketing-Robotics株式会社
2016年9月に前身となるタクセル株式会社設立。インサイドセールスBPO事業(在宅コールセンター)を経て、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進事業として、クラウド営業ロボット「マーケロボ」およびクラウド採用ロボット「リクロボ」の開発・コンサルティングを手がける。2018年11月に社名をタクセル株式会社からMarketing-Robotics株式会社(マーケティング-ロボティクス)に変更。
【企業サイト】https://marketing-robotics.com/
【English summary】
This article is an interview with Mr. Tanaka, the representative of Marketing-Robotics Inc., which provides the MA (Marketing Automation) tool "KAKUTOKU."
Mr. Tanaka points out the current situation where many small and medium-sized enterprises (SMEs) cannot master MA even after implementing it because they "lack personnel knowledgeable in marketing." To solve this problem, his company's tool is thoroughly focused on simple, easy-to-use features and an affordable price point. Differentiating itself from the multi-functional MA tools for large corporations, it specializes in supporting the "first step in marketing" for SMEs. The company's passionate vision of "eliminating Japan's marketing disparity with technology" is discussed.




