「ウォンツ」から「ニーズ」を探る方法とは?顧客が求めるコンテンツの作り方
最終更新日:2025/10/31

【この記事の要約】
マーケティングの基本概念である「ニーズ」と「ウォンツ」。ニーズは「欠乏を感じている状態」であり、顧客が持つ漠然とした課題や目的を指します(例:喉が渇いた)。一方、ウォンツは、そのニーズを満たすための具体的な商品やサービスへの欲求です(例:水が飲みたい)。
優れたマーケティングは、顧客自身も気づいていない潜在的なニーズを掘り起こし、それを解決する手段として自社の商品を提示することで、ウォンツを喚起します。顧客の表面的な「これが欲しい(ウォンツ)」に応えるだけでなく、その背景にある「なぜそう思うのか(ニーズ)」を深く理解し、そこからアプローチすることが、顧客の心を掴み、ビジネスを成功させるための鍵です。
【よくある質問と回答】
なぜ「ニーズ」と「ウォンツ」を区別する必要があるのですか?
顧客の表面的な「ウォンツ」に応えるだけでは、本質的な課題解決にならず、価格競争に陥りやすくなるためです。その背景にある「ニーズ」を理解することで、顧客が思いもよらなかったような新しい価値を提供でき、競合との差別化を図ることができます。
顧客の「潜在的なニーズ」を知るには、どうすればよいですか?
顧客への深いヒアリングや行動観察が有効です。例えば、顧客が「この機能が使いにくい(ウォンツ)」と言った時に、「なぜそう感じるのですか?」「それによってどんなことに困っていますか?」と質問を重ねることで、その裏にある「もっと効率的に作業を終えたい(ニーズ)」といった本質的な欲求が見えてきます。
有名な「ドリルと穴」の例えは、ニーズとウォンツをどう説明していますか?
「ドリルを買いに来た顧客が本当に欲しいのは、ドリル(ウォンツ)ではなく、壁に穴を開けるという結果(ニーズ)である」という有名な言葉です。これは、顧客は商品そのものではなく、商品によって得られる「価値」や「課題解決」を求めていることを示しており、マーケティングの基本思想を的確に表しています。
【ここから本文】
マーケティングに携わると必ず耳にする「ウォンツ」と「ニーズ」ですが、皆さんは「ウォンツ」と「ニーズ」に関して、正しく違いを認識し、意識してますか?
言葉は知っていても、概念的な言葉になるため、具体的に考える機会も少ないかもしれません。
しかし、マーケティング活動を行っていくためには、必要に応じてこの「ウォンツ」と「ニーズ」に関して改めて考える機会が重要です。
今回は、普段あまり意識することが少ないであろう「ウォンツ」と「ニーズ」の重要性を改めて考え、どういった場面で活用できるのかを解説していきます。

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1、ニーズとウォンツの違いとは
まずはニーズとウォンツの違いに関して、改めて簡単に解説します。
ニーズとは
「ニーズ」とは、欲求が満たされていない状態、人間が感じる欠乏状態のことを指します。
たとえば「お腹が空いたのでラーメンが食べたい」という状況の「お腹が空いた」状態がニーズといえます。
そして「ニーズ」には、「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」があります。
上の例でいえば、顕在ニーズとは、顧客が「お腹が空いた(ので、食べる物が欲しい)」と気が付いている状態です。
一方、潜在ニーズとは、欠乏しているのにそれに気が付いていない状態です。上の例でいうと、「なんだか元気が出ないし体も動かないんだけど、どうしちゃったんだろう?」といったところでしょうか。
そこへ、ラーメンを差し出し「お腹が空いたのではないですか?」と提供すれば、「そうだ!これが欲しかったんだよ!」と喜ばれることになります。

「ニーズ」の使い方
ニーズという言葉は、「消費者ニーズを調査する」「潜在ニーズを把握する」のように使われることが多いです。
ウォンツとは
一方「ウォンツ」とは、「ニーズ」に対する具体的な欲望を指します。
先ほどの例でいうと、「お腹が空いた」という「ニーズ」に対して、「ラーメンが食べたい」という具体的な欲望が「ウォンツ」に当たります。
「ニーズ」とはあくまで何かを欲している状態のことであり、解決するためには「ウォンツ」が必要となります。

お客様から寄せられる要望は、ニーズであることもあれば、ウォンツであることもあります。
そんな時に、ウォンツからニーズを探る方法があれば、よりお客様に対して最適なソリューションを提供することができるので顧客満足が上がり、他社との差別化が可能になります。
2、ウォンツからニーズを探る方法
ウォンツからニーズを探るには、「なぜそのウォンツを求めているのか?」を考える必要があります。
有名な言葉に「ドリルを欲しい人はドリルが欲しいのではなく、ドリルで開けた“穴”が欲しいのだ」というものがありあます。こちらはニーズが“穴”であり、その解決方法が“ドリル”なのです。
このようなことは私たちの身近でも起こっています。
たとえば「WEBサイトを作りたい」という要望があった時に、下記のようなやり取りが起きるとします。
お客様:新しいWEBサイトを作りたいです。
あなた:なぜWEBサイトを作りたいのですか?
お客様:WEBサイトを新しくしてお問い合わせを増やしたいんです。
あなた:どうしてWEBサイトからのお問い合わせを増やしたいのですか?
お客様:新規の営業案件を獲得したいのですが、これまで既存営業ばかりを行っていたので、何から始めたらいいのかがわからず、とりあえず知人に聞いた所WEBサイトが良いといわれたので。
あなた:わかりました!それでは…
上の例では、お客様の本質的なニーズは「WEBサイトを作りたい」ではなく、「新規の案件を創出したい」さらにいえば「新規の受注を増やしたい」というものでした。
ここまでわかると、ただ単にWEBサイトを新しくするだけではなく、
- 作ったWEBサイトに対する流入を増やす仕組みの提案
- お問い合わせ後の追客の仕組みの提案
- そもそもの新規顧客獲得に最適なWEBデザインとシステム
のご提案が可能になり、競合よりも一歩踏み込んだ提案となるでしょう。
3、WEBサイトにおけるニーズとウォンツの重要性
こういったユーザーのニーズに応えるためには、WEBサイトの作りが重要です。むしろユーザーが検索を行う段階では、まだ具体的なウォンツまで固まっておらず、ニーズの段階で検索するケースが多いです。
たとえば下記のサイトは、ユーザーのウォンツだけではなくニーズから答えにたどり着くような構成になっております。
日米電子株式会社様
https://www.nbdenshi.co.jp/ss.html

TOPページより、製品ページへの導線だけではなくユーザーのニーズに合わせた最適なソリューションを提供できるように、「要望から探す」といったコンテンツを配置しております。
BtoBのWEBサイトでは、技術力を差別化要素として置かれている会社が多く、WEBサイト上でもソリューション力を強く訴求していく必要があります。
既存顧客への別製品の提案や、複合提案をしていくことで1顧客あたりの売り上げを増やしていくためにも、ウォンツのみのコンテンツだけではなくニーズに訴えるコンテンツの構築が必要となります。
また、同サイトでは、用途やシーンなど、実際のユーザーの利用場面などからも、製品を探すことができるようになっています。
さらに、具体的なソリューション事例を掲載すれば、過去に顧客の「ニーズ」に対してどういった「ウォンツ」を提供してきたかという実績の提示にもなります。同時に、同様の「ニーズ」を持った顧客に対して気づきを与えることもできます。
4、まとめ
「ウォンツ」と「ニーズ」という言葉は昔からあり、本質的な意味や目的は変わっていません。
重要なのは、時代に合わせてユーザーの「ニーズ」を満たすソリューションを持つことと、そのユーザーの「ニーズ」に対して情報を届けるための手段を見極めることです。
私たちを取り巻くテクノロジーやユーザーの行動は日々進化しています。時代に合わせたマーケティング活動を行っていきましょう。
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【English summary】
"Needs" and "wants" are fundamental concepts in marketing. A need is "a state of feeling deprived" and refers to a customer's vague problems or objectives (e.g., being thirsty). A want, on the other hand, is the desire for a specific product or service to satisfy that need (e.g., wanting to drink water).
Excellent marketing uncovers potential needs that customers themselves are unaware of and stimulates wants by presenting the company's product as a means to solve them. The key to capturing customers' hearts and achieving business success is not just to respond to their superficial "I want this (wants)," but to deeply understand the underlying "why they think that (needs)" and approach from there.






