ECサイトでの購買心理から"マインドフロー"について考えてみました
最終更新日:2023/10/27
こんにちは。
スターティアラボ ブログ編集部です。
私自身も頻繁に利用する事もありまして、ECサイトでの購買について考えてみました。
インターネットショッピングの利用者数は10年前に比べて12%以上も増えており、特に20~50代の層が増加していると言われています。
Amazonや楽天市場、ヤフーショッピングが代表的な例で皆様も利用された事があるかと思いますが、そのネットショップに訪れた時の買い物のしやすさや、居心地の良さなどから売れているネットショップとはどういうお店か?を改めて考えてみました。
その鍵になるのは"マインドフロー"という概念です。
1.マインドフローとは
マインドフローとは、物を購入する際の「ユーザーの心の流れ」です。
ある商品を広告で知り、興味が沸いてその商品を紹介しているWebサイトを訪れます。他のメーカーの物も吟味した上で、A社の商品を購入しました。やはりA社のものはとても良く、次回以降もA社のものを買ってくれました。
ユーザーの購買行動はこのような流れをとっており、企業がファンを増やすために重要となる「リピーター顧客」の創造までを表しています。マインドフローは、ユーザーの購買行動を下記の7段階にわけたものです。商品によって各ステージのスパンは変わりますが、安価なコンビニ商品であろうと、高価な家電であろうとこの購買フローは変わりません。
"認知→興味→行動→比較→購買→利用→愛情"
マインドフローを明確にする事で、どのステージに課題があるのか可視化する事が出来ます。例えば、使ってもらえれば絶対気に入ってもらえる商品でも、認知してもらう機会がなければ、どれだけ商品開発を進めても陽の目を浴びる日は来ません。逆も然りです。
マインドフローのスタートからゴールは、商品の事を知ってもらい(認知から)、購買してリピーターになってもらう(愛情まで)という流れになっています。
これ前提に、買いたくなるECサイトについて考えていきます。
2.認知(お店への呼び込み)
商品を知ってもらうためには、まずお店(Webサイト)へ来てもらうための集客から始めなければなりません。
ネット広告、マス広告、ダイレクトメールやSEO、最近ではFacebook等のSNSサービスも集客ツールとして活発に利用されています。手段はいくつもありますが、ここで大切になるのは「どんなお客さんに来て欲しいのか?」を明確にしておく事です。
"9種類のネット広告について"それぞれのメリットとデメリット
例えば商品自体が若年層向けなのに、折込広告を出しても効果は見込めません。それならば、ネット広告に投資した方が費用対効果が見込めます。どんな集客方法も、ターゲットが見えていなければ叶いません。お店(Webサイト)への来店は、明確なターゲティング⇒集客行動で行っていきます。集客が成功し、存在の認知がうまくいけば、次のステージへ進みます。
3.興味(商品のアピール)
Webサイトを訪れたお客様にわかりやすく情報を伝える事が大事です。
わかりやすいキャッチコピーを掲載したり、集客しているターゲットにマッチングした注意喚起が必要です。
特にプッシュしたい商品がある場合には「PICKUP」などと目立つあしらいを入れて掲載するのも有効になります。メリハリのある印象に残る掲載の仕方を考えてみましょう。
他にも商品の売れ筋ランキングを掲載したり、動きを付けた見せ方もユーザーの目に止まります。「期間限定」「タイムセール」等も活用して興味を持たせるのも良いです。カウントダウンのデジタル時計なんかあると、面白いかもしれません。
4.行動(ユーザーを動かす)
興味を持ってもらったユーザーに対し、次にしてもらうことはWebサイト上を散歩してもらう事です。
商品の詳細(説明)を読んでもらい、しっかりと情報を伝えます。何枚か角度の違う商品写真もあればより効果的です。
また、その商品の関連商品を掲載したり、導線を組んであげると他の商品も見てもらえ、他商品のコンバージョンにも繋がるでしょう。
CTA(次へ進むためのボタンやイメージ)をどこに配置するかも大事な要素です。
一般的な感覚では、いわゆるファーストビュー(初見でユーザーの目に入る表示範囲)に「ログイン」や「会員登録」といったボタンを置いておく事が有効とされるものですが、ユーザーが情報を得て、十分に満たされたタイミングでCTAへ誘導する構成も必要になります。
どれだけ目に入ってそれが認識されていても、「クリックしたい気持ち」がなければ誰もクリックしません。ユーザーを動かすのは、適切に掲載された情報と、適切に配置されたCTAです。
5.比較(他には負けない強みを出す)
ここが、実際に商品が売れるかどうかのポイントになります。マインドフローの中でも特に重要な工程です。
人間の心理的に物を購入する時には、値段だったり、性能だったりを比較して購入するかを決めるものです。
過去に自分がネットショップでA店とB店どっちで買おうか?と迷った時の購入ポイントは、以下になります。
①商品そのものの価格
⇒やはり最も注目するのは価格です。まずは費用感を把握してから、その他のスペック等と合わせてみて、自分にとっての適正価格を決めます。
②送料無料
⇒商品や住んでいる地域によりますが、送料がかかるかどうかは、ネットショッピングをする多くのユーザーが気にかけるところです。
③購入後のサポート
⇒保証はどれくらいされているのか、買った後のアフターサービスは年々重要視されてきているように思います。
ざっくり言うと以上になります。これらの項目において、独自の強みとなる部分があればそこをいかに押し出すかで、他店と大きな差をつけられるか決まります。
6.購入(スムーズな決済方法)
自分の体験からもそうですが、ここはストレスになりやすい部分です。
せっかく認知から行動までバッチリ進んでもらい、商品を買いたいと思ってもらっても、決済までのフローが長くて面倒くさくなってしまったり、決済方法が銀行振り込み のみだったりすると一気に購入率が落ちてしまいます。
対応可能な決済方法を広く用意してあげたり、会員にならなくても購入出来るようにしたり、もし会員にならなければいけない場合でも、個人情報の入力を最低限の項目だけにしてあげる等、ユーザーが決済完了に至るまでのプロセスを簡単にしてあげましょう。ここはフロー図などを使い、決済フローをわかりやすく掲載してあげるのもユーザー思いで良いです。
7.使用(利用方法)
使用が少し難しいもの等に関しては、サイト内の商品をクリックすると動画が流れるようにすれば、ユーザーも迷わず安心して購入した商品を使ってくれるでしょう。購入して終わりではなく、購入後の使用も考えた「親切心」を発信してサイト全体に安心感をもたせます。
買っても使えなければ、リピーターにはなってもらえません。それどころか、マイナス評価が付けば口コミでそれが広がり潜在層まで失う事になりかねません。マインドフローに基づいて、満足してもらうためのサイクルを作っていきます。
8.愛情(気に入ってもらう)
購入までの全ての工程において、お客様が不快になることなく、満足して購入してもらえたら、「またあのA社で買いたい」と思ってもらえるはずです。常に訪れたお客様、購入したお客様の立場になって考えてみる事が近道だったりします。
商品購入後のアフターサービスやフォローも行えると良いですね。その際は、「しつこい」と逆効果にならないよう、ユーザーのために必要な情報を適切な頻度で届けていきましょう。
9.まとめ
大きく7つのマインドフローからECサイトのお客様の心理を考えてみました。
大手のECサイトや繁盛してるサイトもきっと同じような作りをされてるのではないでしょうか?
何気なく訪れたネットショップでも上記のような着目点でお買いものをしてみれば、いつもと違った発見があるかもしれません。自分がユーザーになる事で、お客様の求めているものが見えてきます。
今回はECサイトを例にとってお話しましたが、マインドフローは通常のWebサイトでもその重要性は変わりません。ユーザーはどの段階で離脱しているのか、それを明確にして道を整備し、コンバージョンへ繋げましょう。