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【社長対談】ランドスケイプ代表 長竹氏に聞く、ABMを実践するために必要なマーケティング施策と営業活動とは?

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2020/01/27
【社長対談】ランドスケイプ代表 長竹氏に聞く、ABMを実践するために必要なマーケティング施策と営業活動とは?

かつて、データを活用する業界といえば、製造の現場や金融の与信・決済などと限られていましたが、ICTやセンサーなどの技術向上とともに低価格化も進み、業界・業種を問わず、どの企業にとっても本格的なデータ活用に取り組める環境が整いつつあります。

マーケティングやセールスの領域も例外ではなく、「データドリブンマーケティング」「データドリブンセールス」といった言葉が浸透し、これらに必要なデータを扱うセールスフォースオートメーション(SFA)、マーケティングオートメーション(MA)といったツールの導入率が上昇しています。

今回の社長対談では、いち早くデータベースマーケティングの重要性に気づき、企業情報を中心とするデータベースサービスを提供してきた株式会社ランドスケイプの代表取締役である長竹 克仁氏に、現代のマーケティングにおいて欠かせない手法の一つとなったアカウントベースドマーケティング(ABM)に取り組む際の注意点やポイントを伺いました。

【関連記事】

長竹 克仁 氏
  • Profile
  • 長竹 克仁
  • ランドスケイプ株式会社 代表取締役社長兼COO

    2000年に新卒でランドスケイプ入社。営業企画職などを経て2014年7月に営業本部企画グループ執行役員に就任。2019年2月に代表取締役社長兼COOに就任。
    営業職の頃には、多くのラグジュアリブランドや大手メーカーに対して、データベースマーケティングやCRMの企画、構築、運営コンサルティングに従事。業界などに区別なく、幅広くデータ整備から販促での活用までトータルソリューションを提供。社長就任後は、営業本部全体の管理、カスタマーサクセスプロジェクトも推進。
    多くの企業が持つデータベースの課題を1社でも多く解決するため、日々社内外の関係者とコミュニケーションを取りながら、サービス向上に努めている。

金井章浩
  • Profile
  • 金井 章浩
  • スターティアラボ株式会社 取締役
    Mtame株式会社 代表取締役

    2006年スターティアに新卒として入社。2009年にスターティアラボ立ち上げに参画。
    2014年にWebプロモーション事業部を立ち上げ、同事業部を2018年にMtame株式会社として分社化、代表取締役に就任。
    近年のマーケティングテクノロジーの高度化に伴い、マーケティング効率が飛躍的に高まっている一方、多くの企業がまだまだそれらを使いこなせていないのが現状。それらをシンプル化することで多くのマーケターがより高い成果を生むしくみの普及に努めている。

1.営業リストを上手く活用するには、データの精査が必須

長竹氏
長竹さんには営業職のご経験があり、しかも、営業リストを提供する会社の営業部門でマネジメントをされてきたということで、効果的な営業リストの活用法を熟知されていらっしゃると思います。営業リストの上手な活用のポイントはどこにありますか?
金井

Mtame(株)
金井

長竹氏

ランドスケイプ(株)
長竹氏

自社顧客を把握するのが効果的です。
ABMが進んでいる企業での最近の悩みは、セグメント項目をどうするか。業種や規模、売上高などでセグメントするのは標準的な項目ですが、どの規模や規模を選べば良いかがわかっていません。営業部門の管理職は、それまでに培った感覚で「これを選べば良い」とアドバイスしますが、感覚値であるがゆえ再現性がありません。

これを解決するためには「分析」が必要です。といっても難しいことではなく、売れている企業がどんな規模感でどんな傾向を示しているかを捉えるのです。売上の実績情報から企業一覧を出し、傾向値を出せば良いのです。
これはもともと、BtoCで使われていたテクニックです。誰に売れるかわからないから、一番買ってくれているSランクの顧客と相似性のある顧客を、データベースのなかからピックアップする。同様にBtoBでも、一番売れている企業の業種規模や売上高をピックアップしてセグメントすると良いでしょう。

そして、これを実施するためにはデータの精度が求められます。データの精度が高くないと、分析ができません。そろそろ、このことに皆が気づき始めています。当社ではこの部分を担い、サービス提供していますし、自社でも営業に活用しています。
ABMという概念が広まったのは、割と最近のことだと思いますが、私自身が新卒で入社した15年前にも、デキる営業マンは同様の考え方で営業していたように思います。
当時からランドスケイプさんのデータベースを導入していて、テレアポでWebサイト制作を受注していたのですが、もっと受注をあげるためにはコール数が大事だと感じ、上司に「電話帳を上から下までかけさせてくれ」と頼んだところ「ダメだ。ちゃんとリストを作ってから電話しろ」と言われた。そこで、業種や規模、そのほかの条件で絞り込んでリストを作ってかけるようになり、成果を出していました。これはABMの走りだったのではないかと。
金井

Mtame(株)
金井

長竹氏

ランドスケイプ(株)
長竹氏

ええ、国内外のさまざまなツールが登場し、最近、ABMに取り組みやすくなったというだけのことだと思います。「ターゲットを決めてセグメントを切る」ことは、実は当たり前のこと。ただ、目視ではなくツール(機械)を活用してABMを行うためには、データに表記ゆれ、略称といったわずかな違いで正しくセグメントできない可能性がある。

昔、人力で目視でリストを作成して成果をあげていた営業マンが、今の管理職になっているはずなので、「ツールを入れたならもっと受注があがるはずなのに、あがらない」と悩んでいる場合は、データ整備ができていない、元のデータに課題がある可能性が高いですね。
マネジャーとプレーヤーの観点の違いでいうと、ほかにどんなことがありますか?
金井

Mtame(株)
金井

長竹氏

ランドスケイプ(株)
長竹氏

昔と今では、データの量が違うでしょうね。昔は、手に入れられるデータ量が少なかった。リストを買うか、セミナーや展示会からの名刺ぐらいしかデータを得る手段がありませんでしたし、それも数も限られていました。また、管理できるツールも限られていました。今は、ネット検索するだけでも多くのデータを集められるし、展示会も数多く開催されています。

ツールもたくさん出てきましたが、専門性が高い特化型のものが多い。企業の中で部署もたくさんあり、個別に導入をしているケースがあるゆえに、散在しているデータがたくさんあるという状態です。これら社内に散らばったデータを一元化して管理することが課題になっている。スペシャリストが増えて全体を俯瞰できる人がいなくなっている。
今の人は今の人で、大変ですけどね。
金井

Mtame(株)
金井

長竹氏

ランドスケイプ(株)
長竹氏

「働き方改革」で、単位時間当たりの労働生産性を上げなくてはならなくなっていますね。働く時間は少ないが成果は上げなくてはいけない。そういう意味では今の方が大変だと思います。昔は、成果を上げるために夜中まででも朝まででも働いてた会社も多かったですから(笑)。

2.データベースが精査されていないと担当者情報と突合できない

金井
ランドスケイプさんは大量のデータベース、いわばリストを保有していて、さらに展示会出展などで+αのリードをお持ちだと思いますが、企業情報としてのリスト(データベース)と、担当者の役職や氏名といった個人情報が入ったリード情報は別物として扱う必要があるという認識ですか?
金井

Mtame(株)
金井

長竹氏

ランドスケイプ(株)
長竹氏

その通りです。当社がデータベースで持っているのは企業のマスターデータです。自社で展開するにあたり、個人の情報を持っているわけではないので、利活用にはマッチングが必要になってきます
先ほど「BtoCの手法をBtoBに活かす」というお話がありましたが、BtoBの場合は「企業+個人」という側面があるため、データを活用した営業手法をそのまま転用するのは難しいように思います。どんな点に気をつければ良いですか?

たとえば、担当者の役職やリテラシーなどが商談を左右したりもしますよね。企業の属性データと担当者個人の属性データが整備されていなければうまくABMが回らないでしょうし、この二つを分けて考えるためには、システム上でも分けられる環境が必要でしょうし…。
金井

Mtame(株)
金井

長竹氏

ランドスケイプ(株)
長竹氏

やはり準備が大切だと思います。企業の名刺情報も企業情報も、ABMを行う上で母体となる企業情報のデータベースの精査が必要です。そのうえで、企業情報と名刺情報を突合する必要があります。「クレンジングを行いマッチングする」この部分を当社が担っています。

ABMの切り口となる属性情報は企業情報以外にもインテントデータなどの示唆データがあります。当社のコアビジネスは、ABMを行うためのセグメントキーを切ることではなく、そのためのベースデータを作ることなので、企業が個別にリッチなデータベースを作成するために必要な整理されたデータベースを提供したいと考えています。
データベースの母数が少ないと意味がないでしょう。たとえば、100件のデータベースに名刺情報が何千件もあったらマッチングなんてできないわけです。ABMを行う前段階を整えてあげるのが当社の役割なのです。

この前段階をしっかり行わないで「ABMに取り組もう」と動いてみたところで、マッチングはできないしデータは古いし、セグメントしようとしてもいつも同じ企業しか出てこない…となって、管理職は「昔、人手でリストを作っていたときの方が効果があった。ABMは費用対効果が出ない」といってやめてしまうケースが多いです。
最初のベースができていない企業もたくさんあるということですね。 ただ、たとえばベンチャー企業が最初からすべてのデータを揃えることは費用を考えると難しいのではないかと思います。そういう場合は、どうするのが良いのでしょうか?
金井

Mtame(株)
金井

長竹氏
長竹氏

ランドスケイプ(株)
長竹氏

ベンチャー企業の場合、事業形態がまだそこまで大きくないのであれば、外部データを購入したりツールを導入したりすると本末転倒になってしまうので、おすすめしません。まずは、現状の事業形態でできることを優先するのが第一だと思います。

もう少し事業を広げようとしたときに、リードが足りなくなって初めて外部データを利用すれば良いのです。
それよりも、自社の商品・サービスを購入してくれるのがどんな企業なのか、自社顧客の把握をすることの方が大切でしょう。
なるほど。何百万というデータベースの中から絞り込んでリードを探すのではなく、自社で顧客の傾向を把握することが、順番としては先だと。
金井

Mtame(株)
金井

長竹氏

ランドスケイプ(株)
長竹氏

そうですね。何百万件というデータの中から絞り込むためには、自社の顧客傾向が大きなヒントとなります。ただ、すでに市場がわかっているのであれば、市場データを先にすべて集めた方が良いでしょう。たとえば、「東京の製造業」だけをターゲットにするといった場合ですね。
それだけでもけっこうな数になりますよね。
金井

Mtame(株)
金井

長竹氏

ランドスケイプ(株)
長竹氏

以前よりも収集しやすくなっています。当社からも提供できますしね。
大切なのは、自社で集めた名刺情報と突合したときに、どれだけ属性を掴み、自社顧客がどんな企業なのかを把握・管理することです。

3.ツールを導入したら、管理職は「何かできるか?」を把握すべし

先ほど、かつて目視でリストを作って営業に成功して管理職になっている方たちについてお話が出ましたが、この層に向けてデータベースを効果的に活用するためのアドバイスはありますか?
金井

Mtame(株)
金井

長竹氏

ランドスケイプ(株)
長竹氏

再現性のある指示を出せるかどうか、なぜABMが大事でどう取り組めば良いのかを部下に説明ができるかどうかにかかっていると思います。

あと、もしツールを導入されているのであれば、上司がツールを把握することも大事です。よくあるのが、導入イメージと効果は把握しているが、そのツールで何ができるのかを知らないで部下に任せてしまうケース。すると、部下から上がってくる成果でしか判断できないので、成果があがらないときに対策ができません
ツールを導入するだけではダメということですね。
金井

Mtame(株)
金井

長竹氏

ランドスケイプ(株)
長竹氏

ツールは目的ではないので、アウトプットとしての成果物をどういうストーリーで作れるのかを組んでおくべきで、そのための手段としてMAやSFAがあると思います。

4.既存顧客のフォローでも、優良顧客のモデルをデータから探る

金井
これまでのお話は、どちらかというと新規顧客を獲得するためのお話でしたが、既存顧客に対してアップセルやカスタマーサクセスを実現していくためには、リストのクリーニングなどは、どのようにすれば良いのでしょうか?
金井

Mtame(株)
金井

長竹氏

ランドスケイプ(株)
長竹氏

新規顧客獲得も既存顧客のフォローも、考え方はまったく同じです。既存顧客が何を購入してくれているのか、一番、購入してくれている顧客のモデルケースを出し、モデルケースでの購入の組み合わせに近づけるように営業提案していきます。

そのために必要なのがデータの統合で、同じ企業のなかで別部門が異なるサービスを導入していたり、子会社など系列企業で複数の購入がある場合、それを把握していないとロイヤル顧客として認識できません
御社では、たとえばコンサルティングサービスの提供など、そのロイヤル顧客を見つけるところまでサポートしていらっしゃるのですか?
金井

Mtame(株)
金井

長竹氏

ランドスケイプ(株)
長竹氏

コンサルティングまでは行っていませんが、アドバイスは行っています。たとえば、ユーソナー(uSonar)などを通してレポーティングしたりレコメンデーションしたり。これは、新規顧客・既存顧客とも行っています。

5.MAやSFAを活用するためには、整備されたデータのインポートを

長竹氏
今回、改めてデータクレンジングの重要性を実感しました。
金井

Mtame(株)
金井

長竹氏

ランドスケイプ(株)
長竹氏

ありがとうございます。営業プロセスのファネルの図があったときに、見込度の低い「C」のフェーズで展示会からのリードや休眠顧客、紹介などのリストが入ってきて、ここでセグメントするのがセオリーです。

セグメントするのがセオリー

ただ、このとき、もともと持っているデータが整理されていなければ、きちんとマッチングできる件数は減ります。マッチングできた案件からしか受注があがらないため、歩留まりはかなり悪くなります。逆にいえば、単純にマッチングデータ数が増えれば、受注も増えるということです。

また、企業名の表記揺れがあると、同じ企業が別の営業担当者で二重登録された結果、取り合いになることもあります。
きちんと整備されたデータを使うことは、ABMを進めるうえでも重要ですし、SFAやMAを活用するうえでも大切です。

当社で提供しているMAのBowNowはABMの考え方で作っていて、長竹さんが描かれた見込度C~Sを「ステータス」と呼んでいます。展示会や休眠顧客のリストの条件(ポテンシャル)が一目で見られるようになっているんです。

ABMの考え方
金井

Mtame(株)
金井

長竹氏

ランドスケイプ(株)
長竹氏

それは、素晴らしいですね!
ありがとうございます。本来のSFAの領域とMAの領域が融合しているツールでもあるのですが、当社がターゲットとしている中小企業にとっては、SFAとMAをそれぞれ導入して連携し、データを統合するのも煩雑になりがちなので、すべて統合して見られるように設計しています。
私自身がずっとテレアポして営業していたので、こういう管理の方が使いやすいのではないかと思い、このようなツールにしました。
金井

Mtame(株)
金井

長竹氏

ランドスケイプ(株)
長竹氏

経営者の方にとって使いやすいツールでしょうね。
テレアポをしていた方だと、なおさら使い勝手の良さを感じていただけると思います。一つのダッシュボードで、営業部門にとってもマーケ部門にとっても、さらにその管理職にとってもわかりやすいものを目指しました。

ただ、データがなくてはどうしようもないので、ランドスケイプさんのデータベースのように整備されたものだったり、展示会で集めた名刺などをインポートする必要があります。
金井

Mtame(株)
金井

長竹氏

ランドスケイプ(株)
長竹氏

最近は当社の商談でも、SFAやMAのベンダーさんと一緒に訪問して、どこから手をつけるかという観点でお話をさせていただくケースが増えています。あとは、すでにSFAやMAを導入していて、活用のためにデータを整備するという流れで当社のソリューションを導入いただいたり。
今後は、協業も検討したいですね。本日は、貴重なお話をありがとうございました。
金井

Mtame(株)
金井

長竹氏・金井

株式会社ランドスケイプ

1990年09月大阪府で創業。中堅・大手企業向けデータベースマーケティング支援事業を行う。独自構築した日本最大のデータベース(消費者9,500万件・企業情報820万拠点)をもとにしたデータドリブンマーケティングの支援とCRM戦略立案を提供している。
【企業サイト】https://www.landscape.co.jp/

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