メルマガの基本:HTMLメールとテキストメールのメリット・デメリットを理解しよう
最終更新日:2023/10/27
近年、メルマガを行う企業が増えています。
メルマガには、文章のみで作成される「テキストメール」と、Webサイトのように画像や動画の挿入や文字の加工ができる「HTMLメール」があります。
多くのBtoB企業でメルマガを始める際はテキストメールから始めますが、やはりマーケティングの面から考えるとHTMLメールの方が大きなメリットがあるため、利用する企業も増えてきています。
その反面、HTMLメールはお客様のメーラーによって表示が変化してしまったり、そもそも表示されないケースもあります。
今回は「テキストメール」と「HTMLメール」の特徴をもとに、メリットとデメリットを事例を含めてご案内します。
目次
7、まとめ
1、BtoB企業では何形式が主流なの?
一般社団法人日本ビジネスメール協会が発表している「ビジネスメール実態調査 2018」では、ビジネスメールを作成するときに使用している形式は60%以上がテキスト形式で、主流はまだテキストメールといえます。
「HTML形式・リッチテキスト」のメールに関しては21.87%と、3割に届いていません。
以前は、HTMLメールにはメールサイズが大きくなってしまう、ウイルス感染のリスクがあるといった考えがあり、なかなか日本国内でHTMLメールが増えませんでしたが、現在は少しずつ増えてきています。
これまでは、BtoC企業向けで配信されていることが多く、キャンペーンや配達状況などでの活用が大半でしたが、現在は、BtoB企業でもHTMLメールが使われるようになってきました。
2、テキストメールの特徴
テキストメールは通常配信するような文章のみで作成された一般的なメールのことです。
1to1メールの場合は、この形式でやり取りされることが多いです。
HTMLメールと違ってそのまま表示されますので、たとえば、記号を組み合わせた「装飾」や「罫線」といった飾りつけを行い、強調すべき個所とそうでない個所でメリハリをつけて読みやすくします。
1文は30~35文字程度で行い、読点を多めに入れることでリズム良く読めるように工夫しましょう。
さらに、タイトルや内容などの工夫もして、開封率・クリック率を高めましょう。
メリット:
・専門的な知識がなくても、通常のメール配信時の工夫があれば読みやすい
・ユーザー側のメーラー表示に依存することなく確認できる
デメリット:
・開封率などのメールの施策を確認することができない
・メールリンクなどの計測用のアドレスがそのまま表示されてしまう
・テキストだけのため、視覚的な訴求に限界がある
3、HTMLメールの特徴
Webサイトを作成するときと同様の言語で記載されており、文字のフォントだけでなく、画像や動画を入れたりレイアウトを自由に変更することが可能です。
視覚的に訴求を行う方が文字のみで情報の訴求を行うより、約3倍程度クリック率が高いといわれています。
そのため、自社が伝えたい内容をより具体的に発信することができます。
メリット:
・開封率やクリック率などメール施策の結果を把握することができる
・計測用のリンクを画像や通常のアドレスで隠すことができる</p>
・視覚的にユーザーに訴えることができるため、情報の訴求が行える
デメリット:
・制作時にHTMLの記述やstyleの記載などの専門的な知識が必要になる
・作成したメールが正しく表示するかは配信されたユーザーのメール閲覧環境に依存する
・配信されたユーザーのメーラーがHTML対応していないと表示やリンク構造が見えてしまう
・メール自体の容量がテキストメールよりも大きくなる
配信先や配信内容、配信する人によってメール形式は変更すると効果的です。
4、開封率・クリック率にどのくらい差が出るのか
では、テキストメールとHTMLメールでは、開封率・クリック率にどのくらい差が出るのでしょうか?メールの種類別に確認していきましょう。
4-1、セミナー集客メール
こちらはHTML形式で配信しています。
テンプレートを常に同様にしておけば、「おっ、この会社からのセミナーメールだ」とすぐに認識してもらえます。
開封率としては15~18%前後になっています。
集客人数が足りない場合であれば、クリックしているユーザーに再送信することでより確度の高いユーザーへの配信が可能になります。
4-2、メールマガジン
こちらもHTML形式で配信しています。
視覚的にパッと見てわかりやすかったり、セミナー情報と同様にこの企業からのメルマガは情報として重要だと認識してもらえるようにすることができます。
開封率としては16~20%程度になっています。
いかに配信しているユーザーに興味を持ってもらえるメルマガを配信できるか、情報としてわかりやすい情報を配信できるかが重要です。
そのため、セミナーとメルマガに特に重要視する必要があることは「件名」です。
興味を持ってもらえる件名は何か、文字数はどのくらいが見られやすいかを配信ごとに調べながら改善していきましょう。
4-3、お礼メール
当社では、展示会等でお会いしたお客様へは「HTML形式」の「テキストメール」で配信しています。
理由は、HTML形式であれば開封率を把握することができるためです。
作成方法としてはCMSをご利用の方であればCMS上でテキストを打ち込み、リンクの設定を行うことで作成が可能ですので、メルマガやセミナー情報よりも簡単に作成ができます。
またお礼メールは直近でお会いしている営業担当からの1to1メールになっているため、開封率がとても高い傾向があります。
そのため、必ずしもテキストで見えるから絶対に開封率が悪いとはいえません。
今回の場合、開封率は40%を超えています。
時と場合、相手を選びながらメールの配信形式を変えていくのが得策です。
5、HTMLメールの作り方
HTMLメールの特徴をご紹介したついでに、HTMLメールのおおまかな作り方をご紹介しましょう。
実際には、HTMLタグを使用して作りますが、ここでは流れの説明にとどめます。
HTMLメールの作成手順は、大きく「本体構造を作る」「装飾する」の2ステップに分けられます。
5-1、本体構造を作る
まずは、テキストエディタ(「Teta Pad」や「Notepad++」など)を開きます。
そして、特にHTMLメールを意識せずにテキストベースでメール文章を作成します。
次に、テキストエディタのエンコードを「UTF-8(BOMなし)」に設定します。
これをベースに、タグを付けていきます。
5-2、装飾する
本体構造ができ上がったら、文字の色やサイズなどの装飾をCSSを使って施していきます。
この2つのステップが済んだら、「名前を付けて保存」からHTML形式でファイルを保存します。
6、自分で作るのが難しい方は「テンプレート」を活用しよう
初めてHTLメールを配信しようというとき、0から作るのはなかなかハードルが高いものです。
そういう場合は、無料で利用できるテンプレートがあるので、活用してみてください。
その際、スマホやタブレットなどからも閲覧しやすいレスポンシブのテンプレートがおすすめです。
ここでは、BtoB企業が利用しやすいビジネス向けの無料テンプレートサイトをご紹介します。
6-1、Cuenote「レスポンシブHTMLメールテンプレート【BtoB】」
メール配信システムの「Cuenote(キューノート)」が提供しているBtoB向けのシンプルなHTMLメールテンプレートです。
レスポンシブのテンプレート2種類をダウンロードできます。
ダウンロードには、フォームへの入力が必要です。
Cuenote「レスポンシブHTMLメールテンプレート【BtoB】
6-2、CakeMail「Business Newsletter Templates」
英語サイトですが、メール配信システム「CakeMail」が提供しているレスポンシブHTMLメールのテンプレートです。
Business以外のカテゴリも充実しています。
CakeMail「Business Newsletter Templates」
7、まとめ
今後、HTMLメールが主体となっていくようになります。
理由は、クリック率が高いためです。まだテキストメールのみで配信されている企業様は、ぜひ取り入れていただきたいと思います。
0からHTMLメールを作成するのはハードルが高いという企業様は、上記でご紹介したような簡単にHTMLメールを作成できるテンプレートを活用してみてください。
配信数やどのような情報を送り続けるのかによって、最適なメール形式は変わってきますが、マーケティング担当からのメルマガはHTMLメール、重要な内容は顧客担当からのテキストメールのように使い分けると良いでしょう。
企業ごとに今後のマーケティング施策はあるかと思いますが、メールの形式も合わせて考えていただければ幸いです。