UXデザインとは?発注者も知っておきたいホームページ制作の基礎知識
最終更新日:2021/11/02
近頃、ホームページ制作やアプリ開発の現場で重視されるようになってきている「UXデザイン」。
Webサービスやシステム開発にあたり、サービスの内容そのものから、インターフェース、ビジュアルデザイン、ユーザーの感情に至るまで、すべての工程を「ユーザーの体験」をもっとも重視して開発するという考え方を表した言葉です。
今回の記事では、発注者も知っておきたいトレンドワード「UXデザイン」の基礎知識を学びましょう。
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デザイン=設計。UXデザインが求められる理由
UXは「User Experience(ユーザーエクスペリエンス)」の略で、日本語で直訳すると「ユーザーの体験・経験」です。
UI「User Interface(ユーザーインターフェース)」と並べて語られることが多く、一般的にはWeb画面のビジュアルデザインやワイヤーフレームの工夫のことのみを指していると思われがちです。しかし実際には、「UXデザイン」は商品・サービス開発の全行程にかかわる、もっと包括的な考え方を表しています。
日本語の「デザイン」という言葉は、主にグラフィックなどのビジュアルデザインのイメージが強いと思いますが、英語の「design」という単語は「設計する」という意味も持ちます。つまり「ユーザーの体験を設計する」ことが、UXデザインの本質なのです。
では、なぜ世の中でUXを重視する動きが広がったのでしょうか。その理由は、2000年代以降、IT技術が急速に発展してきたことによる市場の変化にありました。
商品・サービスなどの「モノ」が未熟で、まだモノを持っていない人がたくさんいた時代、企業はより「高機能」「低価格」なものを開発すれば、商品を売ることができました。しかし、モノが飽和し、技術が平均化した現代では、スペックや価格だけでは差別化できず、その商品やサービスからどのような体験が得られるかが重視されるようになってきています。
いわゆる「モノ消費からコト消費へ」といわれるマーケットの変化が、UXを重視する流れにつながっていると言えるのです。
また、モバイル環境の浸透も大きな要因です。スマートフォンやタブレットが普及する以前、ホームページはパソコンから閲覧することを前提に制作されていました。しかし、スマフォやアプリを使うことが当りまえになった今では、Webサービスの利用シーンは、机の上のパソコンから、個人の手のひらの中に移りました。ビジネスだけでなく、個人の生活にも密着するようになり、サービスをより長く使い続けてもらうためには「好き」「楽しい」「使い心地がいい」などのユーザー体験が重要になってきたのです。
UXデザインの進め方
とはいえ、Web業界に携わっていない方であれば、近年注目される「UXデザイナー」の仕事がどのようなものなのかも、なかなか想像しにくいもの。では「ユーザー体験の設計」を意識しながらサービスを開発するには、具体的にどのように進めればよいのでしょうか。
UXデザインの進め方は、先行する欧米を中心にさまざまな定義が唱えられていますが、ここではもっともシンプルなUXプロセスの5つのフローをご紹介します。
【UXデザインプロセスの一例】
(1)調査【RESEARCH】
ユーザーインタビュー、競合調査、ブランド調査などのマーケティングを行う。
(2)分析【ANALYSIS】
調査によって明らかになった課題や仮説に対し、ペルソナ、カスタマージャーニーマップ、ストーリーボード作成などを通して、ゴールとなる体験までのプロセスを検証、ソリューションを考える。
(3)デザイン【DESIGN】
分析したストーリーを実現するために必要なサイトマップ、ワイヤーフレーム、ビジュアルデザインを考案する。
(4)試作/プロトタイピング【PROTOTYPING】
遷移図やデザインだけではわからない使い勝手や相互作用を、プロトタイプを作ってチーム全体で検証する。
(5)テスト/計測【TESTING】
ユーザビリティテストやユーザー評価、効果測定を行い、最適化を行う。
※理想的なユーザー体験となるよう、試作・テスト・フィードバックを繰り返す。
まとめ:ユーザー体験を重視する考え方への理解が必要
上記のように、UXデザインは、リサーチやアイデアの発案段階から、商品・サービスの実装まで、プロジェクト全体にかかわる考え方であることがわかります。また、これらのプロセスすべてを丁寧に実行するには、多くの人が関わり、多くの時間が必要であることはご想像の通りです。
近年では、ユーザーの体験こそがブランド価値形成の中心になると言われており、UXデザインのプロセスを取り入れた商品・サービスの開発を行う企業も増えています。しかし、その重要性をわかっていながらも、発注者側から各プロセスの意義やかかる時間に疑問を抱かれるというケースも多いようです。Webサービスの発注者や開発担当者の方は、このようなUXの考え方を理解し、自社のプロジェクトにうまく取り込んでいくことが大切です。
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